JPS644466Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔考案の利用分野〕 本考案は沈澱槽の水面に浮上したスカムを掻寄
せるスカム掻寄装置に関する。

〔従来の技術〕

この種の装置は、沈澱槽の水面に平行かつ一定
間隔で旋回するスキマ梁の下側に一部水没するゴ
ム板製のスキマを垂設し、該スキマによりスカム
を掻寄せるように構成されている。しかしこのよ
うな構成にあつては、ゴム板製スキマが水面を直
角によぎるため、水面に乱れを生じ、スカム掻寄
機能が乏しく、沈澱槽本来の目的である沈降分離
機能をも低下させる原因となる。また、このよう
なスキマはスカムのみならず水をも移動させるた
め、集積、回収されたスカムには多量の水が含ま
れており、回収スカムの見掛容積が大きいという
欠点がある。

このため従来沈降分離機能を阻害せず、水の移
動の少ないスカム掻寄装置が提案されている。

第１図〜第３図により、この種のスカム掻寄装
置を説明する。沈澱槽１の上部には、該沈澱槽に
架橋してガーダ２が連結され、該ガーダ２の中央
には軸４が回転自在に支承されている。軸４には
下端にスクレーパ５が固着され、上端にモータ３
が設けられている。また該軸４の上部にはスキマ
梁６が軸４の半径方向に沿つて取り付けられ、ス
キマ梁６には弾性を有する繊維７が植設され、一
部が水中に水没されている。スキマ梁６の他端に
は、ガイドローラ１４が装着されており、軸４の
回転に伴い、越流堰１０の上面を旋回走行するこ
とができる。沈澱槽１に流入する原水は、流入管
１１により、軸４と同軸に配設された内筒８の内
部に上方向に流入し、反転して沈澱槽１の周辺部
へ移動する。この際重い粒子群は沈降分離され、
汚泥流路１３より排出され、水より軽い懸濁物は
水面に浮上してスカムとなる。清澄化された水は
隔離壁９をくぐり抜け、越流堰１０より溢流し、
清澄水流路１２へ導かれる。

軸４の回転に伴つて、スキマ梁６は水面と平行
に旋回し、スキマ７によりスカムを集積すること
ができる。この集積状況を第２図に基づいて説明
する。

第２図は第１図の−線断面図である。前記
の沈澱槽１の水面に半没してスカムトラフ１６が
軸４の半径方向に沿つて配設されており、スキマ
梁６及びスキマ７は図上右方向に移動する。スキ
マ７の前面には、前述のように掻寄せられたスカ
ム１５が集積され、該スカムを順次スカムトラフ
１６に導くことができる。その際水はスキマ７の
繊維間隙を通過するので、水面を乱すことなく、
スカムをスカムトラフに効率良く集積することが
できる。なお、特に図示しないが、スカムトラフ
１６には、スカム排出用の管路が連結されてお
り、スカムを系外に排出することができる。

第３図の例は、特に水切り機能の優れたスカム
掻寄装置の断面図である。

スキマ７の前面には前記のように集積されたス
カム１５が掻き寄せられており、スキマ７及びス
カム１５が侵入してくるスカムトラフ１６の前側
面には傾斜板１７が形成される。スキマ７は多数
の繊維で構成され、一定の弾性を有しているの
で、歪められた状態で傾斜板１７を摺動しスカム
１５を押し上げる。この際に、スカム１５中の水
は繊維間を通過して流下するが、スカム１５は押
し上げられて水切り、濃縮された状態でスカムト
ラフ１６に導かれる。これによりスカムトラフ１
６に導かれたスカム１５は水分が含まれないので
見掛け容積が小さくなる。

〔考案が解決する問題点〕

このように構成したスキマは、沈澱槽の沈降分
離機能を阻害することなく、見掛容積の小さいス
カムを効率よく掻寄せることができる。しかしス
キマに設けた繊維には、スカムが強固に付着し、
水切り機能を低下する虞がある。また、傾斜板１
７に歪められたスキマ７の繊維は傾斜板１７を離
れる時に復元力が生じ、スカムトラフ１６の後側
面に衝突する。この衝突時、繊維に付着したスカ
ムはスカムトラフ１６の後側面を越えてスカムト
ラフ１６外に飛び散る虞れがある。

本考案は上記事実を考慮し、スカムスキマから
垂設した繊維に強固に付着したスカムを適度の衝
撃力を与えて効率的に剥離すると共に剥離スカム
がトラフ外に飛散するのを防止できるスカム掻寄
装置を得ることが目的である。

〔問題点を解決する為の手段〕

本考案に係るスカム掻寄装置では、スキマ梁の
下側に垂設した繊維がスキマ梁によつて移動さ
れ、旋回域に設けられたスカムトラフに櫛状のス
クレーパを取付けたことを特徴としている。

〔作用〕

このため本考案ではスキマ梁の移動時に前記繊
維がスカムトラフのスクレーパと適度の強さで衝
突係合し、繊維へ強固に付着したスカムを効率良
く剥離してスカムがトラフ外に飛散するのを防止
することができる。

（実施例） 次に本考案の実施例を第４図、第５図に従い説
明する。第４図は第２図及び第３図と対応してお
り、これらと重複する部分の説明は省略する。

第４図に示される如く、この実施例は、スキマ
７の移動域でトラフ１６の後側面に櫛状のスクレ
ーパ１８を付設した点で第３図の装置とは異な
る。即ち、トラフ１６の後側面の上縁にスクレー
パ１８が設けられ、スクレーパ１８はスキマ７の
侵入側に向けて対向配置されている。第５図は第
４図に示した装置の平面図である。

次に動作を説明すると、スカム１５はスキマ７
によつてスカムトラフ１６の傾斜板１７上を掻き
上げられ、トラフ１６内に誘導される。この時傾
斜板１７の作用によりスカムの水切りが完全とな
る。また、スカム１５の一部はスキマ７に強固に
付着するが、櫛状のスクレーパ１８によつて完全
に除去される。スキマ７の繊維は傾斜板１７によ
つて曲げられ、傾斜板１７から離れる時、その反
発力によつて櫛状のスクレーパ１８に衝突する。
スキマ７のスクレーパ１８の衝突に際して、スク
レーパ１８が櫛状に形成されているので、スカム
１５がトラフ１６外に飛び散ることがない。特
に、スカム１５の捕集効率に優れている腰の強い
繊維等をスキマ７に適用した場合には、特に顕著
な効果を呈する。

更に、強固に繊維に付着するスカム１５は、衝
突時の衝撃力と櫛状のスクレーパの係合とによ
り、効率よく除去される。このように、スキマ７
自体が清掃されるので、その繊維間にスカム１５
が固着して閉塞も起こす虞はなく、長時間に亘つ
て極めて円滑に、効率よくスカムをトラフ内に除
去することができる。

〔考案の効果〕

以上説明したように本考案ではスキマ梁から垂
設した繊維状スキマの旋回域に櫛状のスクレーパ
を設けたので、繊維に強固に付着したスカムを効
率良く剥離すると共に剥離スカムを正確にトラフ
内に収容させることができる。また、スキマとス
クレーパの衝突時にスカムが飛散しない。

【図面の簡単な説明】

第１図は従来のスカム掻寄装置を沈澱槽に配置
した状態で示す略示断面図、第２図は第１図の
−線断面図、第３図は他の従来例を示すスカム
掻寄装置の断面図、第４図は本考案の実施例を示
すスカム掻寄装置の第２，３図に対応する断面
図、第５図は第４図の装置の平面図である。 ４……軸、６……スキマ梁、７……スキマ、１
６……スカムトラフ、１７……傾斜板、１８……
スクレーパ。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 液面上を旋回するスキマ梁に植設されると共に
   一部が液中に水没された弾性を有する繊維から成
   るスカムスキマと、スカムスキマの旋回域に配置
   されスカムスキマの入口側を次第に上昇する傾斜
   面に形成したスカムトラフと、スカムトラフの上
   方でスカムスキマの旋回域に配置され、スカムス
   キマの侵入側に向けて突設された櫛状のスクレー
   パとから構成されることを特徴とするスカム掻寄
   装置。