JPS644456B2 - - Google Patents

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JPS644456B2
JPS644456B2 JP56171137A JP17113781A JPS644456B2 JP S644456 B2 JPS644456 B2 JP S644456B2 JP 56171137 A JP56171137 A JP 56171137A JP 17113781 A JP17113781 A JP 17113781A JP S644456 B2 JPS644456 B2 JP S644456B2
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Japan
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membrane
partial pressure
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JP56171137A
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JPS5873342A (ja
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Masaru Uehara
Akitaka Uchida
Hirotaka Kojima
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Mitsubishi Rayon Co Ltd
Original Assignee
Mitsubishi Rayon Co Ltd
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Publication date
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  • Measurement Of The Respiration, Hearing Ability, Form, And Blood Characteristics Of Living Organisms (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は、生体の酸素分圧変化を連続的に測定
するための金属電極の改良に関するものであり、
更に詳しくはポーラログラフイの原理を応用した
金属電極による酸素分圧測定法において、測定の
精度及び安定性を向上せしめるための金属電極表
面の改良に関するものである。
従来容液中の酸素ガス濃度の変化を測定する方
法として、ポーラログラフイの原理を応用した測
定方法が広く用いられてきた。
即ち、金、白金、銀等の貴金属製電極と銀−塩
化銀等による不関電極を用い、両電極間に微小電
圧を印加し、関電極(陰極)表面で酸素の還元を
行ない、この際生じる還元電流を測定することに
より溶液中の酸素ガス濃度を測定するものであ
る。
一方、生体中の酸素ガス濃度(酸素分圧)が生
体に及ぼす影響は重大であり、特に新生児、麻酔
科、心臓外科、脳外科、消化器外科等において、
酸素分圧の推移を正確に連続してとらえることの
重要性が認識されるに伴い、生体組織あるいは血
管中の測定したい部位に上記電極(関電極)を直
接挿入し、酸素分圧変化を測定することの要望が
強くなつている。
しかるに、上記測定法は陰極表面と溶液中との
酸素濃度勾配に基づく拡散電流を基本としている
が、生体は心筋の動き、血液の脈動等絶えず運動
しており、これによつて拡散電流は大きく影響さ
れ微小な酸素分圧を正確に測定することは困難で
あつた。
この欠点を改良するため、種々の検討が行なわ
れ関、不関電極及び電解液を酸素透過性の膜中に
内蔵したいわゆる複合電極、あるいは関電極表面
をポリヒドロキシエチルメタアクリレート、セロ
フアン等の親水性水膨潤膜で被覆し、分子間にと
りこまれた水を通して酸素の電極表面への移動を
行なわしめる方法等が提案され一部実用に供され
ている。
しかし、前者は電極形態が大きく特定の部位例
えば太い血管中にしか挿入できず、後者は水膨潤
膜の保持状態で測定感度に変化があり精度に劣る
と共に乾燥すると、もろくなり膜の破損が起りや
すい。又、他にセルロースアセテートの溶媒溶液
を電極表面に付着させた后、溶媒を飛散せしめる
ことより、電極表面にセルロースアセテートの均
質膜を形成させる方法も考えられるが、現実には
酸素ガスの膜中に於ける拡散速度即ち感度のコン
トロールが困難で、かつ応答速度に劣るものしか
得られない。
本発明者等はこれらの現状に鑑み、生体組織、
血管中の全にわたる部位に挿入でき、組織あるい
は血液の動きに影響されることなく、連続的にし
かも安定して正確に感度よく酸素分圧を測定でき
る生体用電極について鋭意研究の結果ポーラログ
ラフイの原理から、溶液と陰極界面との間に生じ
る酸素濃度勾配に基づく、拡散電流を測定する場
合、電極表面の溶液は安定に保たれる必要があ
り、陰極表面に特殊な構造からなる多孔質膜を被
覆することによつて陰極表面と溶液との間に安定
接触状態を作り出すことを見い出し、本発明に到
達した。
即ち本発明は、高分子膜を被覆した生体電極に
於て、該膜がアセチル含有量42%以上のセルロー
ス・トリアセテートのギ酸溶液を熟成、加水分解
して得られたアセチル含有量20〜40%のセルロー
ス・アセテートギ酸溶液から賦形されたものであ
り、該膜の構造が孔径20Å〜0.7μmの緻密多孔質
膜からなる外層とこれに連続して一体化した孔径
0.7μm以上の空隙を有する内層からなる生体電極
である。
以下本発明を詳細に説明する。
図面の第1図は本発明の生体電極の先端部の外
観を拡大して示したものであり、絶縁体1に周囲
をガードされた微細な金属電極2の先端表面が多
孔質膜3によつて被覆されている状態を示したも
のである。
第2図は多孔質膜3の内部構造を示す拡大断面
図であり、緻密な最外層4と内層5とが一体化さ
れた構造となつており、最外緻密層4で血液中の
血球成分の浸入を防止し、内層5は酸素ガスを速
かに膜内を拡散させると共に、電極表面2に均一
分散して到着せしめることができる。また第2図
に於て6は空孔又は空隙であり、7はポリマー層
である。
本発明にいう特殊な構造からなる多孔質膜3と
は、孔径20Å〜1μの微細孔を有する多孔質膜、
好ましくは20Å〜0.7μmの平均孔径の微細孔を有
する薄い緻密層4を最外層とし、平均孔径0.7μm
以上の微細孔を有する内層5とを一体的に連続し
形成した多孔質膜である。
この多孔質膜3は、血液あるいは組織中に挿入
された場合、速かに生体液との置換が行われ多孔
質膜内に安定した水膜層を形成する。そして酸素
ガスは、最外層の孔を通過した後、その水膜層を
経て速かに電極表面2に達する。最外緻密膜層4
の平均孔径は20Å以上が必要であり、これ以下で
は乾燥状態の電極を血管中あるいは組織中に挿入
した場合、水膜層の形成が遅れ安定した応答が得
られるまでに時間がかかる。この点最外緻密膜層
の平均孔径はさらに好ましくは50Å以上である。
一方、該膜孔が0.7μmより大になると血液中の
赤血球、血小板等の血球成分が孔を通過あるいは
孔をふさぐため、酸素ガスの透過が悪くなる。因
みにこの観点から孔径の上限は好ましくは0.5μm
以下である。
更に、空隙率は大なる程電極感度をよくなる
が、これは膜の物理的強度との相関において決定
される。平均孔径20Å〜0.7μmの微細孔を有する
薄い緻密層を通過した溶液は、水を含んだ孔径の
大きな内層に送りこまれ、速かに拡散し、陰極表
面2に到着する。該内層5は水を含んだ状態で安
定した水膜層を維持する一方、酸素ガスの速かな
拡散を可能ならしめる必要があり、少なくとも平
均孔径0.7μm以上の孔を有する多孔質である。
又、内層の孔径の上限は膜の強力、細い電極表面
への均一な酸素ガスの分散を考慮して決定される
が、5μm以下が好ましい。
さらに内層に於ける孔径は最外層から電極表面
2に向つて第2図のごとく小さくなるように分布
させることにより、酸素ガスを速かに膜内を拡散
させると共に電極表面2に均一に分散して到着せ
しめることができる。
本発明で言う平均孔径とは、多孔質膜3の断面
を電子顕微鏡で観察し、微細孔の有効直径を測定
し平均したものである。
本発明に言う多孔質膜3の厚さは、電極を使用
する部位から受ける強力等の物理強度、生産安定
性等から決定されるが大略10〜200μ好ましくは
30〜100μである。
膜厚3が200μを超えると応答速度が著るしく
低下する。一方膜厚10μ以下では電極表面のO2
度勾配を有する静止層が著るしく乱される結果、
初期の目的を達することが出来ない。又、最外緻
密膜4も物理的安定性の要求に耐えられる範囲で
あれば、薄ければ薄い程酸素ガスの拡散が速かに
行なわれることは言うまでもない。さらに云え
ば、可及的に薄層の最外緻密膜層で、膜の汚れ、
外からの波動を防ぎ大なる孔径を有する内層で
O2濃度勾配を有する静止層を安定に形成するこ
とが望ましい。
このような特定の構成をもつ多孔質膜の形成
は、予め電極表面上に作成した緻密膜を膨潤剤で
膨潤せしめた後、これを非溶剤で置換して多孔質
とする方法、膜材の溶媒溶液を電極表面上に付着
せした後溶媒と相溶する非溶媒中で脱溶剤し凝固
させる方法等、多孔質膜を形成させる方法のいか
なる方法によつてもよく、孔径の調整は溶媒、膨
潤剤の組み合せ、膜材の溶解濃度、溶媒−非溶剤
の比率、凝固浴温度等の再生条件により行うが、
本発明に言う多層構造を有する多孔質膜を形成す
るには、後者の方法いわゆる湿式製膜法が好まし
い。
即ち、湿式製膜法によれば、膜材の溶媒溶液の
付着から非溶剤浴での脱溶媒再生に至るタイミン
グあるいは非溶剤浴の温度等のコントロールによ
り、あるいは付着−再生のくり返しにより比較的
容易に表層に緻密膜層を有する多孔質膜、又は孔
径、孔密度の勾配を有する多孔質膜が形成され
る。得られた多孔質膜は必要に応じて更にアニー
リングにより、孔径の調整あるいは膜強度の調整
を行なつてもよい。
本発明の膜構造を形成させる方法及び血液、組
織液、生食水等への膜材のなじみ易さ、再生后の
膜の物理的強度、膜の金属電極表面への付着強度
等について種々検討した結果、アセチル含有量42
%以上のセルローズトリアセテートをギ酸に溶解
し、ギ酸によるアセチル基の加水分解を行ないつ
つ熟成し、アセチル含有量20〜40%に調整したア
セチルセルローズのギ酸溶液を電極表面に付着せ
しめ、水を非溶剤とする湿式再生を行うと、容易
にかつ強固にセルローズアセテート膜が電極表面
に形成されると共に溶液濃度、再生浴温、再生タ
イミング等の条件変更により、孔径のコントロー
ルされた多孔質膜が得られることを見出した。ア
セチル含有量20%以下又はアセチル含有量40%以
上では電極表面への付着、孔径のコントロールが
難かしく、又付着させても応答感度が極端に低下
する。
本発明に云う生体用電極2は、生体に直接穿刺
又は、補助的手段を用いて生体に穿刺適用される
ことを前提とするが、これは特に本発明を限定す
るものではない。但し組織等へ直接挿入すること
を勘案すると金属電極2の直径は300μ以下で可
撓性を持つものが望ましい。直径300μ以上の硬
いワイヤーでは組織の運動によつて測定中に抜け
落ちることが多く固定の為の補助具を要するよう
になる。
本発明による生体電極は多層多孔質膜により電
極先端を被覆してあり、かつ表層膜は孔径0.7μm
以下の微細孔を有している。従つて該表層膜で血
液中の血球成分等の電極表面への浸入を防止し、
次の内層膜は孔径の大きな多孔質膜の故、酸素ガ
スの速やかな電極表面への到達を可能ならしめ
る。更に金属電極として細線ワイヤーを用いてい
る。
以上のような特徴を有するので該生体電極を使
用した場合生体の全ゆる部位に挿入可能であり、
挿入位置のズレがなく、測定精度の高い、応答感
度の良好な長時間の使用に対して安定した測定が
可能となつた。
以下実施例によつて本発明とさらに詳しく説明
する。
実施例 1 アセチル含有量42%以上のセルローズトリアセ
テートを98%水性ギ酸中に固形分5%で溶解し、
均一に溶液とした后、常温で熟成し、アセチル含
有量38%のセルローズアセテートギ酸溶液を得
た。
別に直径100μの白金線にポリマー被覆した白
金線の先端を鋭利な刃物で長手方向に直角に切断
し、新しい白金面を露出させた。
この白金線の先端を上記のアセチル含有量38%
のセルローズトリアセテートギ酸溶液に接触さ
せ、先端に該溶液を付着させた后、速かに常温の
イオン交換水にこれを浸漬し、脱溶媒してゲル化
膜を形成せしめた。
この操作を3回繰返し先端表面に均一に約40μ
の被覆層を形成した。これをイオン交換水でよく
洗浄した后、常温で乾燥し、さらに180℃の乾燥
機に入れ、10分間アニーリングした。付着アセテ
ート層は、白色に固化し強じんで白金先端表面に
強固に固定された。
これを光学顕微鏡下で観察した結果、先端表面
を均一に約30μの付着層として被覆していた。
又、この付着層の表面及び断面を電子顕微鏡で観
察した結果、表面には平均孔径0.5μ、内層には平
均孔径4μの多数の孔が均一に形成されているこ
とを確認した。孔径は写真の倍率を元にして測定
したが、孔径の分布のばらつきは非常に少なく、
均一性の高いものであつた。
この白金線の他端のポリマー被覆をはがし、ユ
ニークメデイカル社製のポーラログラフ法酸素ガ
ス分圧測定装置POG−200の検出ヘツドの関電極
に接続した。又、不関電極側は銀−塩化銀皿型電
極を接続し、両電極先端を生理的食塩水が37℃に
於て500ml/minで循環する閉管路に挿入した。
次いでその閉管路(但し、ガス抜き口あり)に
空気を圧入し、酸素ガスが常圧で飽和される状態
にした后、両極間に−0.6Vを印加し測定を開始
した。
先端無被覆の白金線では液流によるデーターの
ふれが激しく、測定不可であつた。
一方先端被覆白金線を用いたこの系では一定値
を示し、この電流値を酸素分圧(O2分圧)150mm
Hgと読みかえた。
次に応答速度を検定する為に酸素濃度の異なる
二種の生理食塩水(空気平衡のO2分圧150mmHg
と窒素ガスと酸素ガスの混合ガスで平衡させた
O2濃度(分圧)75mmHg)を三方コツクを用いて
交互に電極層に送り、変換后平衡に達する迄の時
間又は変化値の90%を示す時間(T90と略す)を
測定した。
O2分圧150mmHgの生理食塩水で10分間平衡電
流値を確認した上、コツクを切り換え一挙にO2
分圧75mmHgの生理食塩水に切り換えたところ
T90は30秒で優れた応答性が確認された。
このように流体中の酸素分圧が多孔膜被覆白金
線を用いることにより、正確に安定した形で測定
できる。
比較例 1 アセチル含有量42%以上のセルローズトリアセ
テートを98%水性ギ酸水に固形分5%で溶解し
た。均一に溶解した直後の溶液(セルロース・ア
セテートのアセチル含有量は42%以上であつた)
を用いて実施例1と同様の手段で用意した直径
100μの白金線の新しい白金面を接触させ、該溶
液を付着させた後、速かにイオン交換水中で脱溶
媒してゲル化銀を形成せしめる操作を3回くり返
し白金電極面にセルローズアセテート膜を形成せ
しめた。但し、付着は非常に困難を極め、均一に
白金電極面に付着せしめる確率は20%以下であつ
た。
かろうじて白金電極面に付着せしめ得た被覆膜
は、イオン交換水で洗浄した後、常温で乾燥し、
さらに180℃の乾燥機に入れ10分間アニーリング
した。
この被覆電極を用いて実施例1と同様にして生
理食塩水を検体として酸素ガス分圧150mmHgから
75mmHgに変化させた場合の応答時間(T90)を
測定した結果300秒以上を要し、応答感度は極端
に低いものであつた。
比較例 2 アセチル含有量42%以上のセルローズトリアセ
テートを98%水性ギ酸水に固形分5%で溶解し
た。これを室温で熟成しアセチル含有量18%のセ
ルローズアセテート/セルローズのギ酸溶液を得
た。これに実施例1と同様の手段で用意した直径
100μの白金線の新しい白金面を接触させ該溶液
を付着させた後、速かにイオン交換水中で脱溶媒
してゲル化膜を形成せしめる操作を3回くり返し
白金電極面に被覆膜を形成した。
この被覆電極を用いて実施例1と同様にして酸
素分圧150mmHgの生理食塩水を検体としてO2
電解電流を測定したところ、電解電流値は順次上
昇し一定値に平衡する迄に2時間以上を要し、又
この時点の被覆膜は水膨潤した形で物理的にもろ
く、わずかな力で破損してしまつた。
比較例 3 アセチル含有量約35%のセルローズアセテート
をアセトンに固形分10%で溶解し、これに実施例
1と同様の手段で用意した直径100μの白金線の
新しい白金面を接触させ、該溶液を付着させた
後、室温で風乾した。
この操作を2回くり返し白金電極面にセルロー
ズアセテートの膜を付着せしめた。これを180℃
の乾燥機に入れ10分間アニーリングした。この膜
の構造を実施例1と同様に電子顕微鏡で観察した
ところ、膜は厚み方向に均質であり、500Å以上
の空孔は観察されなかつた。この電極を用いて、
実施例1と同様にして、空気吹き込みにより酸素
ガス分圧150mmHgとした生理食塩水の電解を37℃
に於て行ない電解電流値を測定した。
初期の応答は殆んど零であり、3時間以上を経
た時、感度の低い一定の応答を得た。さらに同一
の系に於て酸素分圧150mmHgから75mmHgへの応
答時間(T90)を求めた結果10分以上を要し応答
感度の悪いものであつた。
実施例 2 実施例1で作成した被覆白金電線を犬の心筋組
織に直接挿入及びカテーテルを用いて心臓動脈内
に挿入し、該心筋を支配する血管及び該心臓動脈
の挾搾−開放あるいは強心剤の注射による心臓の
変化、ペースメーカーによる心筋内酸素分圧の変
化等の測定を行なつた。
被覆膜の各部位への挿入、抜法による損傷はな
く、直ちに洗浄した後、さらに再度の使用に充分
作動した。
一方、医師の手による血管の挾搾−開放、ペー
スメーカーによる心筋運動の変化に対応する酸素
の増減の傾向は応答10秒以下で予定通りの動きを
示し応答精度も高いことが確認された。
実施例 3 アセチル含有量42%以上のセルロースアセテー
トを98%ギ酸に固型分濃度5%になるように溶解
し室温で熟成しアセチル含有量38%の均一な溶液
とした。別にポリウレタン被覆した直径100μの
白金線の先端を鋭利な刃物で長さ方向に直角に切
断し、新しい白金断面を露出させた。この白金線
の先端を上記セルロースアセテートギ酸溶液に接
触させ、先端に該溶液を付着させた後、速やかに
50℃のイオン交換水中に浸漬し、脱溶媒しゲル化
膜を形成させた。次にゲル化膜を形成した白金線
を上記セルローズアセテートギ酸溶液に再度接触
させ、ゲル化膜上に該溶液を付着させ常温でわず
かに風乾した後、50℃のイオン交換水中に浸漬さ
せ、白金線の先端に多孔質膜を形成した。これを
イオン交換水でよく洗浄したのち、室温で乾燥
し、180℃の熱風乾燥機中に入れ10分間熱処理を
行なつた。この白金線を顕微鏡下で観察した結
果、膜厚約20μであつた。
更に、この白金線の被覆膜の断面及び表面を走
査型電子顕微鏡写真により観察した結果、被覆断
面は2層構造を有し、最外層膜厚約2μ、内層膜
厚約18μであつた。又、最外層膜表面は平均孔径
約0.3μの均質な孔があいており、内層は平均孔径
3.5μの均一な多孔質膜であつた。このようにして
得られた2層構造からなる多孔質膜で表面被覆し
た白金線のもう一方の端のポリマー(ポリウレタ
ン)被覆をはがし、ユニークメデイカル社製酸素
ガス分圧測定装置POG−200の検出ヘツドの関電
極側端子に接続した。又、不関電極側端子に銀−
塩化銀型電極を接続した。
ガス交換部、加熱部を有する循環装置を用い
て、生理食塩水を37℃、100ml/minで循環させ、
該循環系に上記両電極の先端を挿入した。次い
で、空気をガス交換部に流入し、生理食塩水が常
時空気で飽和される状態にした後、測定を開始し
た。電極測定値は液流による影響がなく、一定値
を示した。因みに、被覆してない白金裸電極を用
いて同一条件にて測定すると、液流によるデータ
のふれが激しく測定不可能であつた。飽和空気に
よる電流値を150mmHgと読みかえた後、空気の代
りに窒素ガスを該循環系のガス交換部に流入する
と同時に150mmHgに相当する電流値から直線的に
電流値は低下し、ほぼ0mmHgに相当するところ
で安定値に致した。この値を0mmHgとして検量
線を求めた。次いで、酸素ガス−窒素ガスの比率
を適当に選択し、それぞれの値を求めたところ、
先に求めた検量線にほぼ一致した。このように先
端被覆のない白金裸電極では測定できなかつた流
体中の酸素分圧を多層構造を有する多孔質膜で被
覆した白金線を用いることにより、精度の高い安
定した測定値を求めることができた。なお先端膜
が一層構造の電極に比較し応答性及び安定性の点
で大きな向上が認められた。
実施例 4 実施例3で用いた被覆白金電極を犬の心筋に直
接挿入し、心筋のPO2測定を行なつた結果、心筋
の激しい動きによる影響を全く受けず安定した値
を求めることができた。又、冠動脈の結さく一回
復あるいは強心剤の投与による心臓の変化に対応
して酸素分圧の増減傾向は10秒以下の応答時間で
表われ、応答精度が高いことが確認された。
この際、心筋への挿入、抜去による被覆膜の損
傷はなく、充分な洗浄の後、再使用が可能であつ
た。
実施例 5 直径100μのポリウレタン被覆白金線を鋭利な
刃物で長さ方向に直角に切断し、新しい白金面を
露出させ、この先端を実施例3で作成したセルロ
ースアセテートギ酸溶液に接触せしめ、先端に該
溶液を付着させたのち速やかに50℃のイオン交換
水中に浸漬し、脱溶剤してゲル化膜を形成せしめ
た。この操作を2回繰返し、先端表面に均一に被
覆膜を形成した。次いで、この白金線の被覆膜を
上記セルロースアセテート溶液に再接触させたの
ち、室温でわずかに風乾したのち、55℃のイオン
交換水中に浸漬し、脱溶剤し白金線の先端に多孔
質膜を形成せしめた。次いで、イオン交換水で充
分に洗浄したのち、室温にて風乾し、180℃の熱
風乾燥機で10分間熱処理を行なつた。この白金線
被覆膜の断面及び表面を走査型電子顕微鏡により
観察した結果、被覆膜は3層構造からなり、表皮
層は膜厚約2μ、平均孔径約0.3μ、第2層は膜厚約
15μ、平均孔径約5.1μ、第3層は膜厚約7μ、平均
孔径1.7μであつた。このようにして得られた多層
構造から多孔質膜で表面を被覆した白金線を用
い、実施例2の循環系による装置を用いて、酸素
分圧を測定した結果、循環系に流入するガスの酸
素分圧と測定電流値との間に直線関係があること
がわかつた。又、この電極を用いて、犬の頚静脈
及びS状結腸腸管に挿入し、酸素分圧の測定を行
なつた。白金裸電極では得られない、精度の高い
安定した値が得られた。
又先端膜が一層構造の電極と比較して応答性及
び安定性の点で大きな向上が認められた。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明の生体用電極の先端部の部分拡
大断面図であり、1は絶縁体、2は貴金属電極、
3は多孔質膜である。 第2図は多孔質膜断面の拡大図であり、4は外
層緻密多孔質膜、5は内層部、6は空孔、7はポ
リマー層である。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 1 貴金属線からなる金属電極の先端に高分子膜
    を被覆した酸素分圧測定用生体電極に於て、該膜
    がアセチル含有量42%以上のセルロース・トリア
    セテートのギ酸溶液を熟成、加水分解して得られ
    たアセチル含有量20〜40%のセルロース・アセテ
    ートギ酸溶液から賦形されたものであり、該膜の
    構造が平均孔径20Å〜0.7μmの微細孔を有する緻
    密多孔質膜からなる外層とこれに連続して一体化
    した平均孔径0.7μm以上の空隙を有する内層から
    なることを特徴とする酸素分圧測定用生体電極。
JP56171137A 1981-10-26 1981-10-26 生体電極 Granted JPS5873342A (ja)

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