JPS644454Y2

JPS644454Y2 -

Info

Publication number: JPS644454Y2
Application number: JP4727183U
Authority: JP
Priority date: 1983-03-31
Filing date: 1983-03-31
Publication date: 1989-02-06
Also published as: JPS59154366U

Description

【考案の詳細な説明】本考案は、塗装室の空調ゾーンを可変とするこ
とができる塗装ブースに関するものである。

従来、例えば、自動車車体を塗装する塗装ブー
スにおいては、第５図に示すように、トンネル状
に形成された塗装ブース５１の室内を給気室５
２、塗装室５３及び排気室５４の三室に形成せし
め、給気室５２と塗装室５２とは微細な埃を除去
するフイルタ５５によつて区分し、塗装室５３と
排気室５４とは簀の子５６によつて区分されてい
る。そして、給気室５２には空気調和器５７及び
給気フアン５８が連設されている供給ダクト５９
が連設されており、塗装室５３の中央部には長手
方向に向けてコンベア（図示せず）が敷設されて
いる。更に、コンベアの両側にはレール６０が敷
設されていると共に、このレール６０の両側には
上下方向に移動して自動車車体Ｗに向かつて塗料
を噴霧するスプレーガン６１を有する塗装機６２
が配設されている。そして、排気室５４には排気
フアン６３を有する排気ダクト６４が連設されて
おり、排気室５４の上方には塗料ミストが捕捉す
るフイルタ６５が配設されている。

そして、自動車車体Ｗを塗装する場合には、自
動車車体Ｗを台車６６に載置し、この台車６６を
コンベアによつて塗装ブース５１の塗装室５３に
連続的に搬入し、塗装室５３の両側に配設されて
いる塗装機６２によつて、自動車車体Ｗの表面に
塗料を吹き付けて塗装皮膜が形成される。そし
て、自動車車体Ｗの塗装時には、空気調和器５７
によつて所定の温度、湿度に調整された空調空気
を給気フアン５８によつて給気室５２に供給する
と共に、給気室５２に供給された空調空気をフイ
ルタ５５を通過させて塗装室５３に供給し、この
空調空気によつて自動車車体Ｗに塗着しなかつた
塗料ミストを排気フアン６３によつて排気室５４
に排出し、次に搬送されてくる自動車車体Ｗの表
面に塗料ミストが付着するのを防止している。

しかしながら、最近では、塗装ブース５１の有
効利用、生産量の調整等から、形状又は大きさの
異なる自動車車体Ｗ、自動車部品等を同一の塗装
ブース５１で塗装する方法が採られている。そし
て、その際、大型の自動車車体Ｗを塗装するため
に作られた塗装ブース５１で、小型の自動車車体
Ｗ又は自動車部品を塗装する場合においても、大
きな自動車車体Ｗを塗装する際と同様に広い範囲
にわたり空調されている塗装ブース５１によつて
塗装作業がなされている。このため、塗装室５３
の多くの空調ゾーンが使用されないことになり、
空気調和器５７から供給される空調空気が無駄と
なることはもとより、空調のために使用される燃
料、電気等を必要以上に使用する不具合がある。

本考案は、上記の不具合を解消するためになさ
れたもので、その目的は被処理物の形状又は大き
さに合わせて塗装室の空調ゾーンを調整し、空調
空気の供給量を低減させることができる空調ゾー
ン可変型塗装ブースを提供することにある。

本考案の上記目的は、塗装ブースの室内を、フ
イルタによつて給気室と塗装室とに区分し、簀の
子によつて塗装室と排気室とに区分し、前記塗装
室に被塗装物を搬送するコンベアを敷設すると共
に、このコンベアの両側に塗装機を設け、前記給
気室と塗装室とを区分しているフイルタ下方の両
側壁板に、該フイルタの長手方向に沿つて案内レ
ールを設け、この案内レールに金属などのスラツ
トを折り曲げ可能に組み合わせたシヤツタを架設
すると共に、このシヤツタを塗装室の長手方向に
移行させるようにしたことを特徴とする空調ゾー
ン可変型塗装ブースによつて達成することができ
る。

以下、本考案の実施例を添付図面に従つて詳細
に説明する。

第１図は本考案に係る空調ゾーン可変型塗装ブ
ースの側断面図、第２図は第１図の−線に沿
つた断面図、第３図は本考案に係る塗装ブースの
シヤツタ周辺を説明する概略斜視図、第４図は本
考案に係る塗装ブースの排気室周辺を説明する概
略斜視図を示す。第１図ないし第４図において、
１はトンネル状に形成されている塗装ブースであ
つて、この塗装ブース１は給気室２、塗装室３及
び排気室４の三室を有している。そして、給気室
２と塗装室３とは微細な埃を除去するフイルタ５
によつて区分され、塗装室３と排気室４とは簀の
子６によつて区分されている。

そして、給気室２には送気ダクト１７が連設さ
れており、この送気ダクト７には給気フアン８と
空気調和器９が連設されている。また、塗装室３
の簀の子６の上面には塗装室３の中央部の長手方
向に向けてコンベア１０が敷設されていると共
に、このコンベア１０には、被塗装物である自車
車体Ｗを載置して搬送するための台車１１に掛止
するドグ１２が複数個設けられている。そして、
このコンベア１０の両側にはレール１３，１３ａ
が敷設されており、このレール１３，１３ａによ
つて台車１１を案内するようになつている。更
に、この両レール１３，１３ａの側方には塗装機
１４が配設されており、この塗装機１４には上下
方向に移動して自動車車体Ｗに向かつて塗料を噴
霧するスプレーガン１５が設けられている。

また、塗装室３内部の両側壁板１ａには、フイ
ルタ５の下部に断面がコの字型形状に形成された
案内レール１６，１６ａが設けられており、この
案内レール１６，１６ａはフイルタ５の長手方向
に沿つて平行に配設されている。そして、塗装室
３を形成している壁板１ｂの案内レール１６，１
６ａの位置には、この案内レール１６，１６ａの
高さと同じ高さの開口部１７が横方向に開設され
ている。また、壁板１ｂの外側には壁板１ｂの横
幅と同じ長さの収納箱１８が設けられており、こ
の収納箱１８の長手方向には回転軸１９が配設さ
れている。この回転軸１９は両端が収納箱１８を
貫通して設けられており、その一端には小径スプ
ロケツト２０が設けられている。また、収納箱１
８の上部には、時計方向及び反時計方向に回転す
る可逆転モータ２１が設けられており、この可逆
転モータ２１の回転軸２２には大径スプロケツト
２３が設けられている。そして、この大径スプロ
ケツト２３と回転軸１９の小径スプロケツト２０
との間にはベルト２４が張架されており、収納箱
１８の回転軸１９は可逆転モータ２１の回転軸２
２の回転方向に回転するようになつている。更
に、案内レール１６，１６ａには金属材料、プラ
スチツク材料等からなるスラツトを折り曲げ可能
に組み合わせたシヤツタ２５が架設されている。
このシヤツタ２５の一端は仕切板２６が固着され
ており、他端は収納箱１８の回転軸１９に固着さ
れている。そして、このシヤツタ２５は可逆転モ
ータ２１の回転方向、例えば、可逆転モータ２１
の回転軸２２が時計方向に回転すると、塗装室３
の長手方向に案内レール１６，１６ａに沿つて移
行され、可逆転モータ２１の回転軸２２が反時計
方向に回転すると、シヤツタ２５が回転軸１９に
巻回されて塗装室３の端部（第１図の右端）に案
内レール１６，１６ａに沿つて移行される。そし
て、シヤツタ２５が案内レール１６，１６ａに沿
つて塗装室３の長手方向に移行された際に、塗装
室３の空調ゾーンが縮小されるようになつてい
る。

更に、排気室４には排気ダクト２７が連結され
ており、その一端は大気に開放されている。そし
て、この排気ダクト２７の途中には排気フアン２
８が設けられており、この排気フアン２８によつ
て塗装室３から排出される空調空気を外部に排出
するようになつている。また、排気室４内部の両
側壁板１ａには、この排気室４の長手方向に沿つ
て断面が略Ｕ型に形成された樋２９，２９ａが水
平に設けられており、この樋２９，２９ａの内側
には互いに対向する側に下方に向けて延びるベン
チユリー部３０が設けられている。そして、自動
車車体Ｗの塗装時には、この樋２９，２９ａから
水３１をオーバーフローさせてベンチユリー部３
０に流して水膜を作り、塗装室３から排出される
塗料ミストを含む空調空気を水膜に接触させつ
つ、塗料ミストが捕捉されるようになつている。
更に、樋２９，２９ａの内側には長手方向に向け
て案内部材３２，３２ａが設けられており、この
案内部材３２，３２ａには金属材料、プラスチツ
ク材料等からなるスラツトを折り曲げ可能に組み
合わせた第１の自在折板３３，３３ａが配設され
ている。この第１の自在折板３３，３３ａは、一
端が壁板１ｂに設けられている収納箱３４，３４
ａの回転軸３５に固着されており、可逆転モータ
３６，３６ａの回転によつて排気室４の前後方向
に移動するようになつている。更に、またベンチ
ユリー部３０の排出口３０ａ上方の両側には長手
方向に向けて案内部材３７，３７ａが設けられて
おり、この案内部材３７，３７ａには第１の自在
折板３３，３３ａと同様な材料と同様な構成の第
２の自在折板３８が架設されている。この第２の
自在折板３８は、一端が壁板１ｂに設けられてい
る収納箱３９の回転軸４０に固着されており、図
示を省略した可逆転モータの回転によつて排気室
４の前後方向に移行するようになつている。これ
によつて、第１の自在折板３３，３３ａを可逆転
モータ３６，３６ａを回転させて収納箱３４，３
４ａから案内部材３２，３２ａに沿つて排気室４
の長手方向に移行させることにより、ベンチユリ
ー部への水３１の流出が遮断され、第２の自在折
板３８を第１の自在折板３３，３３ａと同様に排
気室４の長手方向に移行させることにより、排気
室４の空調空気の流入が遮断される。

上記のように構成された空調ゾーン可変型塗装
ブースにおいて、塗装ブース１の運転開始と同時
に給気フアン８、空気調和器９及び排気フアン２
８が作動する。給気フアン８の作動により送気ダ
クト７を通過して空気調和器９に外気が導入さ
れ、排気室４の樋２９，２９ａから水３１がオー
バーフローされてベンチユリー部３０に水膜が形
成される。そして、空気調和器９に導入された外
気は除塵され、かつ、所定の温度、湿度に調整さ
れて給気室２に供給される。給気室２に供給され
た空調空気は、フイルタ５を通過して塗装室３に
供給されると共に、塗装室３に浮遊する塗料ミス
トを伴つて簀の子６を通過して排気室４に排出さ
れる。そして、排気室４に排出された塗料ミスト
を含む空調空気は、ベンチユリー部３０に流れる
水膜に接触して空調空気中から塗料ミストが捕捉
されると共に、塗料ミストが除去された空調空気
は排気フアン２８によつて排気ダクト２７から外
部に排出される。

そして、例えば、大型の自動車車体Ｗを塗装す
る際のように、広い塗装作業範囲が必要な場合に
は、収納箱１８の上部に設けられている可逆転モ
ータ２１を反時計方向に回転させて案内レール１
６，１６ａに架設されているシヤツタ２５を回転
軸１９に巻回させつつ後退させ、塗装室３の全体
に空調空気を供給し、広い範囲にわたる空調ゾー
ンを確保して塗装作業をする。これによつて、塗
装室３に浮遊する塗料ミストをすみやかに排気室
４に排出させることができる。

また、小型の自動車車体Ｗ又は自動車部品を塗
装する際のように狭い塗装作業範囲でよい場合に
は、収納箱１８の上部に設けられている化逆転モ
ータ２１を時計方向に回転させてシヤツタ２５を
案内レール１６，１６ａに沿つて塗装室３の長手
方向に移行させ、塗装室３の空調ゾーンを縮小さ
せる。これにより、給気室２から塗装室３に供給
される空調空気の供給を遮断することができると
共に、その遮断分の面積の空調空気の供給量を低
減することができる。

以上説明したように、本考案の空調ゾーン可変
型塗装ブースにおいては、塗装ブースの給気室と
塗装室とを区分しているフイルタ下方の両側壁板
に、該フイルタの長手方向に沿つて案内レールを
設け、この案内レールに金属などのスラツトを折
り曲げ可能に組み合わせたシヤツタを架設すると
共に、このシヤツタを塗装室の長手方向に移行さ
せるようにしたから、小型の被塗装物を塗装する
際のように、狭い塗装作業範囲でよい場合には、
収納箱の上部に設けられている可逆転モータを時
計方向に回転させてシヤツタを案内レールにそつ
て塗装室の長手方向に移行させ、塗装室の空調ゾ
ーンを縮小することができるので、空調ゾーンの
縮小された面積の空調空気の供給量を低減させる
ことができる効果がある。また、空調空気の供給
量が低減されることによつて、空調のための燃
料、電気等をも低減することができる効果があ
る。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案に係る空調ゾーン可変型塗装ブ
ースの側断面図、第２図は第１図の−線に沿
つた断面図、第３図は本考案に係る塗装ブースの
シヤツタ周辺を説明する概略斜視図、第４図は本
考案に係る塗装ブースの排気室周辺を説明する概
略斜視図、第５図は従来の塗装ブースの側断面図
である。１……塗装ブース、１ａ……側壁板、１ｂ……
壁板、２……給気室、３……塗装室、４……排気
室、５……フイルタ、６……簀の子、７……送気
ダクト、８……給気フアン、９……空気調和器、
１０……コンベア、１１……台車、１２……ド
グ、１３，１３ａ……レール、１４……塗装機、
１５……スプレーガン、１６，１６ａ……案内レ
ール、１７……開口部、１８……収納箱、１９…
…回転軸、２０……小径スプロケツト、２１……
可逆転モータ、２２……回転軸、２３……大径ス
プロケツト、２４……ベルト、２５……シヤツ
タ、２６……仕切板、２７……排気ダクト、２８
……排気フアン、２９，２９ａ……樋、３０……
ベンチユリー部、３０ａ……排出口、３１……
水、３２，３２ａ……案内部材、３３，３３ａ…
…第１の自在折板、３４，３４ａ……収納箱、３
５……回転軸、３６，３６ａ……可逆転モータ、
３７，３７ａ……案内部材、３８……第２の自在
折板、３９……収納箱、４０……回転軸。

Claims

【実用新案登録請求の範囲】

塗装ブースの室内を、フイルタによつて給気室
と塗装室とに区分し、簀の子によつて塗装室と排
気室とに区分し、前記塗装室に被塗装物を搬送す
るコンベアを敷設すると共に、このコンベアの両
側に塗装機を設け、前記給気室と塗装室とを区分
しているフイルタ下方の両側壁板に、該フイルタ
の長手方向に沿つて案内レールを設け、この案内
レールに金属などのスラツトを折り曲げ可能に組
み合わせたシヤツタを架設すると共に、このシヤ
ツタを塗装室の長手方向に移行させるようにした
ことを特徴とする空調ゾーン可変型塗装ブース。