JPS644096B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は、除霜装置に関し、特にヒートポンプ
式空気調和機の暖房運転時に室外側熱交換器に生
じる着霜をデフロスト運転によつて除去するよう
にした除霜装置に関するものである。

一般に、ヒートポンプ式空気調和機で暖房運転
を行う場合、室外側熱交換器において外気に含ま
れる水蒸気が結露凍結することによつて着霜現象
が生じ、この霜層の断熱作用などによつて暖房能
力が著しく低下するという問題があつた。

そこで、従来、このような着霜を除去するため
に、差温式又はタイマ式等の除霜制御器により逆
サイクル式等の除霜方法が広く行われている。

しかしながら、前記従来のものでは、着霜量あ
るいは除霜量を直接検出していないため、差温式
の除霜制御器にあつては、室外側熱交換器の入口
側と出口側との冷媒の温度差によるために外気条
件と室内負荷条件によつては着霜状態でないとき
でも除霜運転（デフロスト運転）に入るという誤
動作を起こすことがある。また、タイマ式の除霜
制御器にあつては、タイマにより運転時間を単に
積算するために不必要なときに除霜したり、必要
な時に除霜開始あるいは終了が遅れるといつた動
作誤差が生じるという欠点を有していた。

本発明者等はかかる点に鑑み、鋭意研究の結
果、着霜（あるいは除霜）を検出する着霜検出素
子として、相対湿度変化に対する抵抗値変化が負
の特性をもつ感湿素子又は結露状態を抵抗値変化
として検出する結露センサを用いることにより、
着霜量および除霜量を抵抗値変化として直接検出
できることを見い出し、本発明を完成するに至つ
たものである。

すなわち、前記着霜検出素子として用いる感湿
素子および結露センサの本来の特性はそれぞれ第
１図および第２図に示すように湿度あるいは結露
に対して負の特性を有する。このような素子を冷
却しその表面を着霜状態にした後除霜を行つたと
きの特性は第３図および第４図に示す如きものと
なる。即ち、第３図は感湿素子を冷却し着霜状態
にしたのち除霜を行つた時の抵抗値変化を示し、
図中、ａ−ｂ間では素子を冷却したために素子表
面の相対湿度が上昇して抵抗値が低下し、ｂ−ｃ
間では素子表面で水蒸気が結露したために抵抗値
がほぼ一定の値となり、ｃ−ｄ間では素子表面で
水滴が結霜したために抵抗値が上昇することを示
し、さらにｄ−ｅ間では室外側熱交換器を加熱し
除霜したために抵抗値が低下し、ｅ点で完全に除
霜されたことを示している。また、第４図は結露
センサを冷却し着霜状態にしたのち除霜を行つた
時の抵抗値変化を示したものであり、図中、ａ−
ｂ間は素子を冷却して結露状態になるまでの変化
を示し、抵抗値には殆んど変化がなく、次にｂ−
b′間は素子表面が乾き状態から結露状態に変化し
たときの抵抗値変化を示し、スイツチング的な急
激な抵抗値の低下を示す。そして、b′−ｃ間では
素子表面が結露状態にあり、抵抗値がほぼ一定と
なり、ｃ−ｄ間では素子表面が着霜状態であり、
着霜量に応じた抵抗値に変化することを示し、さ
らにｄ−ｅ間では素子を加熱し除霜したために抵
抗値が低下し、ｅ点で完全に除霜され素子表面が
結露状態にあることを示している。よつて、これ
らの特性線図より、着霜量を直接、着霜検出素子
（感湿素子又は結露センサ）の抵抗値変化として
検出することができるとともに、除霜終了をも直
接的に着霜検出素子の抵抗値変化として検出する
ことができることが判明する。

また、ヒートポンプ式空気調和機の室外側熱交
換器での着霜現象およびデフロスト運転を行つた
時の除霜現象の一般的傾向、並びに結露センサを
室外側熱交換器のフインに取付けたときの抵抗変
化特性を第５図ａ〜ｃに示す。第５図より、着霜
量が運転経過時間と共に直線的に増加すると同時
に、結露センサの抵抗値がこの着霜量と対応して
変化し、しかも除霜運転になるとまた、着霜量と
対応した抵抗値変化がみられる。このことから、
結露センサの抵抗値変化として着霜量を直接検出
することができるとともに、除霜運転終了の検出
を直接抵抗変化から取出せることが判る。

そのために、本発明においては、着霜量による
着霜検出素子の抵抗変化を電圧に変換して基準電
圧値との比較により除霜を開始すべき着霜量およ
び除霜終了を検出することを基本思想としたもの
であり、ヒートポンプ式空気調和機の室外側熱交
換器に添設され相対湿度変化に対する抵抗値変化
が負の特性をもつ感湿素子又は結露状態を検出す
る結露センサで構成された着霜検出素子と、該着
霜検出素子の抵抗変化を電圧に変換する抵抗電圧
変換回路と、該抵抗電圧変換回路の出力電圧を着
霜状態における着霜検出素子の抵抗値に対応する
第１基準電圧値と比較して前記出力電圧が第１基
準電圧値以上のときに除霜運転開始信号を出力す
る第１比較回路と、前記抵抗電圧変換回路の出力
電圧を除霜終了時における着霜検出素子の抵抗値
に対応する第２基準電圧値と比較して前記出力電
圧が第２基準電圧値以下のときに除霜運転停止信
号を出力する第２比較回路と、前記第１比較回路
の除霜運転開始信号を受けて除霜運転を開始して
セツト保持するとともに、前記第２比較回路の除
霜運転停止信号を受けて除霜運転を停止してリセ
ツト保持する保持回路とからなり、誤動作や動作
誤差を起こすことなく、正確に除霜運転の開始お
よび終了を行い得るようにしたものである。

さらに、本発明は、前記第２比較回路の第２基
準電圧値を除霜終了直前における着霜検出素子の
抵抗値に対応する電圧値に設定するとともに、該
第２比較回路と保持回路との間に、第２比較回路
の除霜運転停止信号を受けて該除霜運転停止信号
を除霜終了直前から除霜終了までの時間に相当す
る設定時間経過後に出力するタイマを介設するこ
とにより、除霜終了時付近における着霜検出素子
の抵抗値変化が小さいことに起因する除霜終了検
出の動作誤差を防止して、除霜運転停止を確実に
行い得るようにした除霜装置を提供せんとするも
のである。

以下、本発明を図面に示す実施例に基づいて詳
細に説明する。

第６図は本発明の第１実施例である除霜装置
P₁のブロツク図を示し、１はヒートポンプ式空
気調和機の室外側熱交換器のフインに添設された
着霜検出素子であつて、該着霜検出素子１は第１
図および第２図に示す如く相対湿度変化に対する
抵抗値変化が負の特性をもつ感湿素子又は結露状
態を検出する結露センサで構成されている。この
ような特性を有する結露センサとしては、例え
ば、対向配置した一対の平板電極間に、吸水性を
有しかつ吸水量に応じてその電気抵抗値が変化す
る物質（例えば、CrO₂、MgCr₂O₄、２−ヒドロ
キシ−３−メタクリルオキシプロピルトリメチル
アンモニウムクロライド重合体など）よりなる感
湿材を介装したもの、あるいは一対の櫛形電極を
噛合させた状態で該電極を前記感湿材で被包した
もの等の周知のセンサ構造を有するものが適用で
き、具体的な特性は上記物質の種類、電極間距離
等により調節することができる。（尚、これらセ
ンサの具体的構成例については、特開昭54−
123099号公報、特開昭54−156690号公報、特開昭
55−10502号公報、特開昭55−10565号公報等参
照）２は該着霜検出素子１の抵抗変化を電圧に変
換する抵抗電圧変換回路である。また、３は前記
着霜検出素子１の抵抗値に対応して抵抗電圧変換
回路２から出力された出力電圧Ｖを、第１基準電
圧設定回路４から出力された第１基準電圧値V₁
と比較して、前記出力電圧Ｖが第１基準電圧値
V₁以上のときＶ＞V₁に除霜運転開始信号を出力
する第１比較回路であつて、前記第１基準電圧値
V₁は第７図に示すように着霜状態における着霜
検出素子１の抵抗値R₁に対応する電圧値に設定
されている。

一方、５は前記抵抗電圧変換回路２の出力電圧
Ｖを、第２基準電圧設定回路６から出力された第
２基準電圧値V₂と比較して、前記出力電圧Ｖが
第２基準電圧値V₂以下のとき（Ｖ＜V₂）に除霜
運転停止信号を出力する第２比較回路であつて、
前記第２基準電圧値V₂は第７図に示す如く除霜
終了時における着霜検出素子１の抵抗値R₂に対
応する電圧値に設定されている。

さらに、７は前記第１比較回路３からの除霜運
転開始信号を受けて除霜運転を開始してセツト保
持するとともに前記第２比較回路５からの除霜運
転停止信号を受けて除霜運転を停止してリセツト
保持する保持回路であり、以上によつて除霜装置
P₁が構成されている。

次に、前記第１実施例の除霜装置P₁の作動に
ついて第７図に従つて述べるに、ヒートポンプ式
空気調和機の暖房運転を行うと、室外側熱交換器
のフインに取付けられた第７図では結露センサよ
りなる着霜検出素子１は冷却され、該素子１の表
面状態は乾き状態から結露状態に変化し、素子１
の抵抗値は急激に低下する。そして、結露状態を
経て着霜状態に移行して、該素子１の抵抗値が上
昇してR₁値（特性線図上のＡ点に対応する）以
上になると、該素子１の抵抗変化を電圧に変換す
る抵抗電圧変換回路２からの出力電圧Ｖは第１基
準電圧値V₁以上となることにより、第１比較回
路３から除霜運転開始信号が出力され、この除霜
運転開始信号は保持回路７に入力されて、除霜運
転が開始されるとともにこの除霜運転がセツト保
持される。

次いで、前記着霜検出素子１の表面状態が除霜
運転によつて着霜状態から除霜状態に移行し除霜
終了時になつて、該素子１の抵抗値が低下して
R₂値（特性線図上のＢ点に対応する）以下にな
ると、前記抵抗電圧変換回路２からの出力電圧Ｖ
は第２基準電圧値V₂以下となつて、第２比較回
路５から除霜運転停止信号が出力される。この除
霜運転停止信号は前記保持回路７に入力されて、
除霜運転が停止されてリセツト保持され、次の除
霜運転に備える。つまり、室外側熱交換器の着霜
状態が第１比較回路３との比較により所定着霜量
以上になると、除霜運転を開始するとともに、こ
の除霜運転を保持回路７により保持しながら、除
霜量が第２比較回路５との比較により除霜終了と
なると、除霜運転を停止し、次の除霜運転に入る
まで停止状態を保持回路７によつて保持する一
方、第１比較回路３の保持を解いて着霜量の検出
を開始すべくリセツトされる。

したがつて、着霜量を直接検出して除霜運転に
入り、除霜量を直接検出して除霜運転を停止する
ため、外気条件あるいは室内負荷条件が異なつて
も誤動作することがないとともに動作誤差を起こ
すことがなく、暖房運転時のデフロスト開始信号
およびデフロスト終了信号を正確に取出すことが
できるので、暖房運転を効率良く制御することが
可能となり、ひいては省エネルギーを図ることが
できる。

第８図は本発明の第２実施例である除霜装置
P₂のブロツク図を示し（第６図と同一部分につ
いては同一の符号を付してその説明を省略す
る。）、前記第１実施例とは異なり、第２基準電圧
設定回路６′の第２基準電圧値V₃を第７図に示す
如く除霜終了直前（特性線図上のＣ点）における
着霜検出素子１の抵抗値R₃に対応する電圧値に
設定して、第２比較回路５′からは、抵抗電圧変
換回路２の出力電圧Ｖが前記第２基準電圧値V₃
以下のときに除霜運転停止信号を出力するように
するとともに、該第２比較回路５′と保持回路７
との間に、第２比較回路５′の除霜運転停止信号
を受けて該除霜運転停止信号を第７図に示す如く
前記除霜終了直前から除霜終了まで（特性線図上
のＣ−Ｂ間）の時間に相当する設定時間T₁経過
後に出力するタイマ８を介設したものであり、そ
の他の構成は第１実施例と同じである。

すなわち、本実施例においては、第７図に示す
ように除霜終了時付近の着霜検出素子１の抵抗値
変化が小さいことによりデフロスト終了信号を着
霜検出素子１の抵抗値変化だけで行うと動作誤差
を生じる恐れがあるので、除霜終了時の基準値と
して除霜終了直前の比較的抵抗値変化の大きい領
域のＣ点（抵抗値R₃）を選定し、それ以後はタ
イマ８によつて設定時間T₁経過するＢ点までデ
フロストを完了させて、除霜終了とすることによ
り、除霜運転停止を確実に行い、動作誤差を防止
するようにしたものである。

尚、前記第１および第２実施例では、第７図に
示す如く着霜検出素子１として結露センサの特性
線図に基づいて述べたが、第３図に示すような特
性をもつ感湿素子についても同様に適用できるの
は言うまでもない。

以上説明したように、本発明によれば、着霜量
および除霜量を直接検出して、誤動作や動作誤差
を生ずることなく、正確にデフロスト開始信号お
よびデフロスト終了信号を取り出すことができる
ので、ヒートポンプ式空気調和機の暖房運転時の
能力を正確に維持することができ、暖房運転制御
の効率化ひいては省エネルギー化を図ることがで
きるものである。

さらに、第２の発明は、除霜運転の停止を動作
誤差なく確実に行うことができ、除霜運転制御を
より一層正確に行うことができる利点を有するも
のである。

【図面の簡単な説明】

図面は本発明の実施例を示すもので、第１図お
よび第２図はそれぞれ感湿素子および結露センサ
の相対湿度に対する抵抗値特性を示す線図、第３
図および第４図はそれぞれ感湿素子および結露セ
ンサを冷却し着霜状態にしたのち除霜したときの
抵抗値変化特性を示す線図、第５図ａ〜ｃは空気
調和機の運転時間経過に伴う暖房能力、着霜量、
結露センサ抵抗値のそれぞれの特性線図、第６図
は第１実施例を示すブロツク図、第７図は同作動
説明図、第８図は第２実施例を示すブロツク図で
ある。 １……着霜検出素子、２……抵抗電圧変換回
路、３……第１比較回路、５，５′……第２比較
回路、７……保持回路、８……タイマ。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ ヒートポンプ式空気調和機の室外側熱交換器
   に添設され、相対湿度変化に対する抵抗値変化が
   負の特性をもつ感湿素子又は結露状態を検出する
   結露センサで構成された着霜検出素子１と、該着
   霜検出素子１の抵抗変化を電圧に変換する抵抗電
   圧変換回路２と、該抵抗電圧変換回路２の出力電
   圧Ｖを着霜状態における着霜検出素子１の抵抗値
   に対応する第１基準電圧値V₁と比較して前記出
   力電圧Ｖが第１基準電圧値V₁以上のときに除霜
   運転開始信号を出力する第１比較回路３と、前記
   抵抗電圧変換回路２の出力電圧Ｖを除霜終了時に
   おける着霜検出素子１の抵抗値に対応する第２基
   準電圧値V₂以下のときに除霜運転停止信号を出
   力する第２比較回路５と、前記第１比較回路３の
   除霜運転開始信号を受けて除霜運転を開始してセ
   ツト保持するとともに前記第２比較回路５の除霜
   運転停止信号を受けて除霜運転を停止してリセツ
   ト保持する保持回路７とからなることを特徴とす
   る除霜装置。 ２ ヒートポンプ式空気調和機の室外側熱交換器
   に添設され、相対湿度変化に対する抵抗値変化が
   負の特性をもつ感湿素子又は結露状態を検出する
   結露センサで構成された着霜検出素子１と、該着
   霜検出素子１の抵抗変化を電圧に変換する抵抗電
   圧変換回路２と、該抵抗電圧変換回路２の出力電
   圧Ｖを着霜状態における着霜検出素子１の抵抗値
   に対応する第１基準電圧値V₁と比較して前記出
   力電圧Ｖが第１基準電圧値V₁以上のときに除霜
   運転開始信号を出力する第１比較回路３と、前記
   抵抗電圧変換回路２の出力電圧Ｖを除霜終了直前
   における着霜検出素子１の抵抗値に対応する第２
   基準電圧値V₃と比較して前記出力電圧Ｖが第２
   基準電圧値V₃以下のときに除霜運転停止信号を
   出力する第２比較回路５′と、該第２比較回路
   ５′の除霜運転停止信号を受けて該除霜運転停止
   信号を除霜終了直前から除霜終了までの時間に相
   当する設定時間T₁経過後に出力するタイマ８と、
   前記第１比較回路３の除霜運転開始信号を受けて
   除霜運転を開始してセツト保持するとともに前記
   タイマ８の除霜運転停止信号を受けて除霜運転を
   停止してリセツト保持する保持回路７とからなる
   ことを特徴とする除霜装置。