JPS643906Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〈産業上の利用分野〉 本考案は、農場等の木柵や農水産漁業用等に好
適な合成樹脂被覆金属管に関するものである。

〈従来の技術〉 従来から金属管外周を熱可塑性合成樹脂で被覆
し、管の腐食を防止することが行われている。し
かし、その端末は解放されているため、開口端か
ら外気および水分等が侵入し金属管端面および内
壁が腐食され、または衝撃等により端部が損傷す
るなどの欠点があつた。この欠点を補うために管
被覆後、端面に合成樹脂製の保護キヤツプを被嵌
したり、防湿性包装材で包装保護するなどの方法
が採られるが、保護キヤツプは失くなるおそれが
あり、包装材によるときは、包装し、または包装
を解く作業が面倒であるなどの問題がある。

〈考案が解決しようとする問題点〉 本考案は上記欠点を除去した、端末部が栓体と
合成樹脂被覆層で保護され、製造後の必要な任意
の時に栓体を取り除き、または栓体部分を突き破
り端部の開口した管として使用することのできる
合成樹脂被覆金属管を提供するものである。

〈問題点を解決するための手段〉 本考案に係る端末が保護された合成樹脂被覆金
属管は、中空または中実の栓体が該栓体の頭部を
金属管端部より適宜突して該金属管の両端に嵌挿
され、金属管外周と前記栓体頭部が栓体と非溶着
性の熱可塑性合成樹脂で被覆され、かつ栓体と被
覆樹脂とが機械的に密着していることを特徴とす
るものである。

すなわち、金属管の端末には合成樹脂製の栓体
が嵌挿され、金属管を被覆した合成樹脂が連続し
て栓体頭部外周面を被覆し、被覆合成樹脂は、栓
体と非溶着性であり、両の界面は被覆合成樹脂の
冷却化時の収縮により、機械的に密着された状態
にある。

栓体は、被覆合成樹脂と非溶着性の材で作ら
れ、合成樹脂製のものが好ましく用いられ、栓体
が中空の場合、剛性を保持するため軟化点の高い
ものが好ましく、被覆合成樹脂がポリエチレンで
あれば、栓体としてはポリ塩化ビニル、ポリスチ
レン等が用いられ、被覆樹脂と栓体樹脂の組合せ
としてポリ塩化ビニル−ポリスチレン、ポリ塩化
ビニル−ポリエステル樹脂、ポリオレフイン−ポ
リエステル樹脂等の組合せが用いられる。さら
に、密着性が乏しく分離できるように平滑化され
た木、紙等の天然物、石膏モルタル等の無機物も
用いることができる。栓体の形状は中空、中実の
何れでもよ、また鍔部を有するもの、鍔部を有し
ないものの何れも用いられ鍔部を有しない場合に
は合成樹脂被覆時に栓体の定を確実にするために
適宜の栓体止め具が適用される。

〈作用〉 本考案においては、栓体と被覆合成樹脂とは溶
着でなく被覆合成樹脂の冷却固化時の体積収縮に
より生じた圧縮応力により機械的に密に接触しで
いるものであるため、端部を解放して管として用
いる必要が生じたときは、外力を加え被覆合成樹
脂層または栓体の弾性を利用して、両者の接合を
解き離脱させ、管として使用することができる。
なお、コツプ形栓体を使用した場合、予め栓体の
の底面部分に例えば切込みを浅く入れるなどして
押圧により底が抜けて除去し易いように成形し、
必要の際に栓体底面部を押圧分離して解放端とす
ることができるようにすることも可能である。

〈実施例〉 本考案の一実施例を図面に基づいて説明する
と、第１図は合成樹脂被覆金属管の端面部の縦断
面図で、金属管１の内壁に栓体止め具２が突設さ
れ、コツプ状の栓体３が金属管に嵌挿され、外底
面は栓体止め具に当接係止し、栓体頭部は金属管
端面より適宜突出しており、この頭部には螺旋形
の凹溝４が設けられ、金属管外周および栓隊頭部
は熱可塑性合成樹脂層５で被覆されている。栓体
３は被覆合成樹脂と非溶着な材料で形成され、両
者は被覆合成樹脂の冷却固化時の体積収縮による
圧縮応力により機械的に密着した状態にある。な
お、凹溝４は製造時に金属管を連続押出被覆する
とき金属管の内外の遮断性を確実とするために設
けられたものである。

第２図は、本考案の他の実施例を示し、鍔部を
有する中実の栓体３を用いた場合の合成樹脂被覆
金属管の端部の縦断面図である。

本考案に係る端末が保護された合成樹脂被覆金
属管は例えば次のようにして作られる。即ち第３
図の栓体部縦断面図で示すように、隣接する金属
管の端間に鍔部を設けた栓体を嵌挿し、鍔部を設
けない栓体の場合には栓体止め具により嵌挿係止
させ、金属管および栓体部を押出機により溶融合
成樹脂で連続押出被覆し、冷却固化後、栓体中間
部を切断して得られる。なお栓体には合成樹脂被
覆時に管の内外の遮断性を確実にするために胴部
に少なくとも１条の環係または螺旋形凹溝４を設
けることが望ましい。

〈考案の効果〉 本考案に係る合成樹脂被覆金属管は、上述のよ
うな構成を有するので、その両端は密封されて製
造直後から任意の期間、管端、管内外は外気と遮
断され腐食をうけず、衝撃等による損傷からも保
護され、長期間の保管または流通過程に耐えるこ
とができる。管として使用する直前に弾性を利用
して栓体を除去し、または栓体底部を突き破り除
去することにより管として使用することができ
る。また、軟質形塩ビ製継手等を用いることによ
り、外気と遮断された管の接続ができ、農場等の
木柵のほか、農水産漁業用構造材として極めて有
用である。

【図面の簡単な説明】

第１図、第２図は、それぞれ本考案に係る端末
が保護された合成樹脂被覆金属管の実施例の管端
部の縦断面図で、第３図は、その製造方法例を示
す栓体部の縦断面図である。 １……金属管、２……栓体止め具、３……栓
体、４……凹溝、５……熱可塑性合成樹脂層。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 中空または中実の栓体が該栓体の頭部を金属管
   端部より適宜突出して該金属管の両端に嵌挿さ
   れ、金属管外周と前記栓体頭部が栓体と非溶着性
   の熱可塑性合成樹脂で被覆され、かつ栓体と被覆
   樹脂とが機械的に密着していることを特徴とする
   端末が保護された合成樹脂被覆金属管。