JPS643430Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 ＜産業上の利用分野＞ 本考案は洗面ボウルに水を溜めて洗面や手洗い
等を行う洗面器、詳しくはオーバーフロー孔と石
けん受けとを備えたものに関する。

＜従来の技術＞ 従来、この種の洗面器として例えば第１図及び
第２図に示す如く、洗面ボウルa′の底に開穿した
排水口６′に栓８′をして洗面ボウルa′内に水を溜
め、溜めた水が一定水位以上になつた時にオーバ
ーフロー孔５′から排水管７′へ排水すると共に、
洗面ボウルa′の周縁一部を略水平状に凹ませて該
ボウルa′とつながる石けん受け２′を形成し、こ
の石けん受け２′の底面をボウルa′内方へ向けて
下り傾斜させることにより、石けん受け２′内に
入り込んだ水がボウルa′へ流れ出るようにしたも
のがある。

また、このものは洗面ボウルa′の前側上縁に該
ボウルa′内方に向けて突出する水返し１０を形成
することにより洗面や手洗い時に溜めた水が波立
つたとしても、水がボウルa′前側へ飛び出すのを
防止し、両側部及び後部に袖部１′を立ち上げる
ことによつて、水が洗面ボウルa′から飛び出して
も洗面器A′外へ流出しないようにしている。

＜考案が解決しようとする課題＞ しかし乍ら、このような従来の洗面器では洗面
や手洗い時に洗面ボウル内に溜めた水が波立つ
と、この水が石けん受けに流れ込み石けんの周囲
に溜つて石けんが溶け易く、この水が乾くと石け
んが石けん受け底面に固着するばかりでなく、ほ
こり等が付着して汚れ不潔感があるという問題が
あると共に、激しく波立つとオーバーフロー孔か
らの排水量が少ないため、水がボウル側壁に当つ
て洗面器外へ飛散するという問題もある。

本考案は斯る従来事情に鑑み、石けん周囲の水
溜りをなくすと共に水溜め時の波立ちを抑えるこ
とを目的とする。

＜課題を解決するための手段＞ 上記課題を解決するために本考案が講ずる技術
的手段は、洗面ボウルの周縁に該ボウルとつなが
る石けん受けをボウル上縁面より低く形成し、こ
の石けん受けの底面に石けんを支持する水切り突
部を複数個突設すると共に、該底面をボウル外方
へ向けて下り傾斜させ、その最も低い位置には排
水管に連絡するオーバーフロー孔を開穿したこと
を特徴とするものである。

＜作用＞ 本考案は上記技術的手段によれば、ボウル内に
溜めた水が波立つと石けん受け側にあふれて波を
消し、石けん受けに流れ込んだ水が水切り突部上
に支持された石けんと接触することなく石けん受
けの底面に沿つて該底面を洗いながらオーバーフ
ロー孔へ流れ排水されるものである。

＜実施例＞ 以下、本考案の一実施例を図面に基づいて説明
する。

この実施例は第３図に示す如く、洗面器Ａが、
洗面ボウルａを並列状に２個備えたものである。

洗面器Ａは後縁に袖部１を立ち上げ、上面には
洗面ボウルａ周辺の適宜位置、図面においては両
洗面ボウルａ，ａの間に位置して夫々石けん受け
２を各洗面ボウルａの上縁面３よりやや低く形成
している。

石けん受け２は石けんやスポンジを置ける位の
広さを有しており、その底面４を洗面ボウルａの
外方へ向けて下り傾斜させると共に、その外端の
最も低い位置にオーバーフロー孔５を開穿する。

このオーバーフロー孔５は洗面ボウルａの側部
裏面を通つて該ボウルａの底面に開設された排水
口６に連絡しており、この排水口６には排水管７
が接続される。

従つて、排水口６にゴム栓８などの栓をして洗
面ボウルａ内に水を溜め、溜めた水が石けん受け
２の底面４の高さに達すると該底面４を通つてオ
ーバーフロー孔５から排水管７に水を排水する。

また、石けん受け２の底面４には石けんを置い
た時、石けんを支持し底面４より若干高くして水
切りを確実に行う水切り突部９を複数個形成して
いる。

各水切り突部９は図面においては上端が上記オ
ーバーフロー孔５へ向つて線状に延びる波形であ
るが、石けんを若干浮かして載置できるものであ
れば、例えば複数個点状に突設しても良い。

尚、上記突部９の高さは洗面ボウルａ内の水が
あふれた時、その水によつて底面４を洗うことが
できる高さが望ましい。

一方、洗面ボウルａ上縁には側部から前部に渉
つて該ボウルａ内に向けて突出する水返し１０を
形成している。

而して、斯る洗面器Ａは石けんを石けん受け２
の底面４に形成した水切り突部９上に置くため水
切りが良く、洗面ボウルａに水を溜めて洗面など
すると、水があふれて石けん受け２の底面４を洗
いながらオーバーフロー孔５に流れる。

そして激しく水を使つた際には最初に石けん受
け２にあふれて波を消し、洗面ボウルａ上縁の側
部から全部に渉つて形成した水返し１０と相俟つ
て水の飛散を防止する。

＜考案の効果＞ 本考案は上記の構成であるから、以下の利点を
有する。

ボウル内に溜めた水が波立つと石けん受け側
にあふれて波を消し、石けん受けに流れ込んだ
水が水切り突部上に支持された石けんと接触す
ることなく石けん受けの底面に沿つて該底面を
洗いながらオーバーフロー孔へ流れ排水される
ので、石けん周囲の水溜りをなくすことができ
ると共に、水溜め時の波立ちを抑えることがで
きる。

従つて、石けん受けの底面を常時清潔に保つこ
とができ、しかも洗面ボウルに水を溜めた時には
水の波立ちが少なく洗面器外への水の飛散が少な
い。

【図面の簡単な説明】

第１図は従来の洗面器の一例を示す平面図、第
２図は第１図の−線断面図、第３図は本考案
の一実施例を示す洗面器の平面図、第４図及び第
５図は第３図の−線及び−線に沿える断
面図である。 Ａ……洗面器、ａ……洗面ボウル、２……石け
ん受け、３……ボウル上縁面、４……石けん受け
の底面、５……オーバーフロー孔、７……排水
管、９……水切り突部。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 洗面ボウルの周縁に該ボウルとつながる石けん
   受けをボウル上縁面より低く形成し、この石けん
   受けの底面に石けんを支持する水切り突部を複数
   個突設すると共に該底面をボウル外方へ向けて下
   り傾斜させ、その最も低い位置には排水管に連絡
   するオーバーフロー孔を開穿したことを特徴とす
   る洗面器。