JPS643339Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、主として、コンバインやハーベスタ
等に装着使用される脱穀排ワラ結束装置で、詳し
くは、脱穀部から排出される横倒れ姿勢の排ワラ
を集束部に案内する載置ガイドと、案内途中の排
ワラ及び集束部内の排ワラを前記載置ガイド上面
に弾性的に押付ける押え具と、前記集束部内の排
ワラ株元側を受止め支持するとともに、放出排ワ
ラ束に押圧されて受止め姿勢から放出許容姿勢に
揺動する株元支持具と、集束部に送り込まれた排
ワラを定量毎に結束する結節部と、結束完了動作
に連動して作動する回転ドアーと強制放出アーム
とを備え、前記回転ドアーと強制放出アームとを
前記株元支持具よりも集束排ワラの穂先側に配置
し、前記押え具を集束排ワラの株元側に配置した
脱穀排ワラ結束装置に関する。

従来のかかる脱穀排ワラ結束装置においては、
押え具による弾性押付け作用のみによつて、結束
排ワラ束に後続する排ワラが結束排ワラ束の放出
時に、つれもつて放出される、又は、放出方向に
移動して姿勢が乱れることを防止させるべく構成
していた（例えば、実開昭56−153148号公報参
照）。

従来の脱穀排ワラ結束装置にあつては、次のよ
うな問題点があつた。つまり、押え具により弾性
的に押付けられる排ワラ株元部分が、放出作用を
受ける排ワラ部分に対して距離を隔てた位置にあ
るために、前記排ワラ株元部分に放出力を効率良
く作用させにくい。したがつて、押え具による弾
性押付け力を強くすると、その弾性押付け力によ
つて、結束排ワラ束の株元側を放出できず、放出
不良を招来する。逆に押え具による弾性押付け力
を弱くすると、結束排ワラに後続する未結束排ワ
ラの株元側が排ワラとともに不当に放出されてし
まうことは防止できるものの、穂先側に対しては
放出防止作用を十分に波及させることができな
い。特に、排ワラの穂先部が絡み合つている場合
には、後続未結束排ワラの穂先側が結束排ワラ束
とともに不測に放出され易い欠点があつた。

本考案は、かかる点に鑑み、簡単な構造付加に
よつて、結束排ワラ束と後続排ワラとの分離作用
を確実化して、結束排ワラ束のみを確実に放出で
きるようにしようとする点に目的を有する。

上記の目的を達成するために、本考案の脱穀排
ワラ結束装置においては、集束排ワラの穂先側で
前記強制放出アームの作動軌跡前半部と重複する
位置に、前記送込み排ワラに弾性係止して送込み
排ワラと結束排ワラとを分離する分離具を設けた
ものである。

従つて、本考案によれば次の作用効果が得られ
る。押え具と分離具との協働で結束排ワラ束放
出に伴つて、後続の未結束排ワラが不測に放出さ
れてしまうことを防止する構成としたことによ
り、押え具による後続の未結束排ワラ放出防止に
対する負担を軽減して、押え具による弾性押付け
力を、後続未結束排ワラ株元側の放出を確実に防
止するに足りる最弱の強さにできる。分離具を
弾性係止タイプに構成したことにより、この分離
具による後続未結束排ワラ穂先側に対する放出防
止を強力に行なわせ、かつ、分離具を、強制放出
アームの放出作動軌跡の前半部に重なるように設
けたことによつて、結束排ワラ束の放出に伴なつ
て結束排ワラ束と後続未結束排ワラとの境界、つ
まり、後続未結束排ワラ穂先側の先頭に確実に係
止させることができる。つまり、後続未結束排ワ
ラと結束排ワラ束との穂先部同志が強く絡み合つ
ていても、後続未結束排ワラ穂先側の放出を確
実、強力に防止できる。分離具を、強制放出ア
ームの近くに設けたことにより、強制放出アーム
の放出力が作用する排ワラ部分に分離具を作用さ
せて、分離具が放出初期において結束排ワラ束穂
先側に弾性係止しているにかかわらず、結束排ワ
ラ束穂先側を円滑、確実に放出させることができ
る。

もつて、分離具を設けるといつた簡単な構造付
加によつて、結束排ワラ束放出時、後続未結束排
ワラを確実に放出防止できるのみならず、以後の
結束を良好、確実に行なえるような整然とした安
定姿勢に維持した状態で結束排ワラ束のみを、姿
勢乱れなく円滑、確実に放出できるに至つた。

以下、本考案の実施例を、図示するようにコン
バインにおける脱穀部１に装着させてある脱穀排
ワラ結束装置２に基づいて説明する。

脱穀排ワラ結束装置２は、脱穀部１からの排出
横倒し姿勢排ワラを集束部３に強制的に送込み乍
ら、この送込み排ワラを定量毎に結束して放出す
る機構４を備えている。この機構４は、排出排ワ
ラを集束部３に摺動案内する載置ガイド５、回動
することにより前記載置ガイド５上の排ワラを集
束部３に向つて強制的に送込む突起付ベルト６
Ａ、循環作動することにより排ワラを集束部３に
強制的に掻込むパツカー６Ｂ、送込み排ワラを受
止め支持して集束部３に集束させ、かつ、結束作
動完了動作に連動して結束排ワラ束の放出を許容
する位置に作動するドアー７、前記集束部３に定
量の排ワラが集束されたとき、作動してその集束
排ワラに紐を巻付け、かつ、結節する紐巻付け結
節部８及び、結束作動完了動作に連動して１循環
作動することにより、結束排ワラ束を強制放出す
る一対のアーム９，９′を備えている。前記パツ
カー６Ｂと一方の放出アーム９とは、前記紐巻付
け結節部８に対して排ワラ稈身方向株元側に変位
した位置で、かつ、ほぼ同一の排ワラ稈身方向位
置に設けられ、他方の放出アーム９′は、前記前
者放出アーム９と紐巻付け結節部８との間の位置
に設けられている。

前記送込み排ワラ及び集束部３内の排ワラを前
記載置ガイド５上面に弾性的に押付ける板バネ製
の押え具１０と、前記集束部３内の排ワラ株元側
を受止め支持する株元支持具１１とを、前記放出
アーム９，９′対に対して排ワラ稈身方向株元側
に変位した位置で、かつ、ほぼ同一の排ワラ稈身
方向位置に設けるとともに、前記放出アーム９，
９′対の近く、つまり、放出アーム９，９′対の間
の位置に、前記送込み排ワラに弾性係止して送込
み排ワラと結束排ワラとを分離する板バネ製の分
離具１２を、前記放出アーム９，９′対の放出作
動軌跡ａの前半部に排ワラ稈身方向で重なる状態
に設ける。

前記押え具１０と分離具１２とは、ともに、そ
の送込み方向上手側の端部において固定部に取付
けられ、かつ、分離具１２は、押え具１０よりも
強い弾性力を有するものである。

前記株元支持具１１は、放出排ワラ束に押圧さ
れて、受止め支持姿勢から排ワラ束放出を許容す
る姿勢に揺動し、放出後、弾性付勢力によつて受
止め支持姿勢に自動揺動復帰するものであり、か
つ、排ワラ稈身方向に位置変更可能に構成されて
いる。

図中１３は株揃え板、１４は前記株元支持具１
１を揺動付勢するスプリングである。

上記実施例によれば、押え具１０による弾性押
付け作用により、結束排ワラ放出時において集束
部３に送込まれてくる排ワラの株元側が放出排ワ
ラ束とともに放出されることを防止でき、かつ、
その押え具１０の弾性押付け力が弱いから、この
押え具１０の押付けにかかわらず、結束排ワラ束
株元側の放出及び集束部３に送込まれる排ワラ株
元側の集束部３内への移入をスムーズに行なわせ
得る。しかも、結束排ワラ束と送込まれてくる後
続排ワラとの穂先側が絡み合つていても、前記押
え具１０による弾性押付け力よりも大なる弾性力
をもつて行なわれる分離具１２による弾性係止作
用により、結束排ワラ束の放出に伴なつて後続排
ワラが放出されることを確実に防止でき、かつ、
前記分離具１２を放出アーム９，９′近くに設け
たことによつて、分離具１２が結束排ワラ束に強
く弾性係止していても、その結束排ワラ束の放出
を確実に行なわせ得る。

尚、実用新案登録請求の範囲の項に図面との対
照を便利にする為に符号を記すが、該記入により
本考案は添付図面の構造に限定されるものではな
い。

【図面の簡単な説明】

第１図は要部の側面図、第２図は要部の背面図
である。 １……脱穀部、３……集束部、４……結束放出
機構、５……載置ガイド、１０……押え具、１１
……株元支持具、９……強制放出アーム、１２…
…分離具、ａ……放出作動軌跡。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 １ 脱穀部１から排出される横倒れ姿勢の排ワラ
   を集束部３に案内する載置ガイド５と、案内途
   中の排ワラ及び集束部３内の排ワラを前記載置
   ガイド５上面に弾性的に押付ける押え具１０
   と、前記集束部３内の排ワラ株元側を受止め支
   持するとともに、放出排ワラ束に押圧されて受
   止め姿勢から放出許容姿勢に揺動する株元支持
   具１１と、集束部３に送り込まれた排ワラを定
   量毎に結束する結節部８と、結束完了動作に連
   動して作動する回転ドアー７と強制放出アーム
   ９とを備え、前記回転ドアー７と強制放出アー
   ム９とを前記株元支持具１１よりも集束排ワラ
   の穂先側に配置し、前記押え具１０を集束排ワ
   ラの株元側に配置した脱穀排ワラ結束装置にお
   いて、集束排ワラの穂先側で前記強制放出アー
   ム９の作動軌跡ａ前半部と重複する位置に、前
   記送込み排ワラに弾性係止して送込み排ワラと
   結束排ワラとを分離する分離具１２を設けた事
   を特徴とする脱穀排ワラ結束装置。 ２ 前記分離具１２が前記押え具１０よりも強い
   弾性力を有するものである実用新案登録請求の
   範囲第１項に記載の脱穀排ワラ結束装置。