JPS642669Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 産業上の利用分野 この考案は、延長管が接続される回転管に対し
て本体ケースを左右方向へ回動しうるように取付
けた電気掃除機の吸込口体に関するものである。

従来の技術 従来、電気掃除機の吸込口体のなかには、左右
方向の寸法が長い大型の本体ケースに電気掃除機
の集塵部に接続される延長管が嵌合される回転管
を回動自在に取付けたもの、左右方向の寸法が逆
に短くて小型の本体ケースに回転管を回転自在に
取付けたもの、丸ブラシ、棚ブラシといつたよう
なものがある。

考案が解決しようとする問題点 これらの吸込口体の内、小型の本体ケースに回
転管を回転自在に取付けたものは、回転管に対し
て本体ケースが回転しやすいため、本体ケースを
左右に移動させて壁面等を掃除するときに本体ケ
ースが回転してしまい、その結果、壁面等を傷付
けるおそれがあり、そのため、使い勝手が悪いも
のである。

つぎに、丸ブラシは第１図に示すように小型の
本体ケース１に延長管（図示せず）が嵌合される
嵌合部２を一体形成している。そのため、嵌合部
２に対して本体ケース１が回動しないため、本体
ケース１を左右に移動させて掃除するときに吸込
口８がすぐ被掃除面から離れて塵埃を良好に吸い
込む範囲が狭いと云う欠点がある。

一方、棚ブラシは、第２図及び第３図に示すよ
うに、小型の本体ケース３に回転管４が回転自在
に取付けられ、この回転管４に対して本体ケース
３を所定の位置に固定するため本体ケース３に係
止孔５を形成するとともにこれらの係止孔５に係
合し指の押圧によりこの係止孔５から外れる係止
突部６を有する弾性リング７を回転管４に取付け
てるが、この棚ブラシも前述の丸ブラシと同様の
欠点を有する。そして、回転管４に対して本体ケ
ース３が回転するようにすることもできるが、そ
のためには、係止孔５から係止突部６を外す操作
を必要とするものである。

問題点を解決するための手段 左右方向の寸法が比較的短い形状で下面に吸込
口が形成された本体ケースを設け、この本体ケー
スの後部に前記吸込口と電気掃除機の集塵部とを
連通させる回転管を回転自在に取付け、この回転
管に前記本体ケースに形成された摺接部に摺接す
るフランジを形成し、このフランジに前記回転管
の軸心方向へ弾発的に変形する凸部を形成し、前
記本体ケースに前記凸部と弾発的に係脱自在に係
合する凹部を形成した。

作 用 通常の作業時には、回転管に対して本体ケース
に加えられる回転方向の力が一定値以下であるた
め、両者は凹部と凸部との係合により一体化され
た状態であり、本体ケースを左右に振つて作業す
る時には、その本体ケースに一定値以上の外力が
作用し、これにより、凹部と凸部との係合が解除
されて両者は回転方向に自由状態となり、吸込口
が被掃除面から浮き上がることがなく、その吸込
口を比較的広汎にわたつて被掃除面と対向させる
ことができるように構成したものである。

実施例 この考案の一実施例を第４図ないし第７図に基
づいて説明する。まず、前後の寸法が左右の寸法
より長い本体ケース１０が設けられている。この
本体ケース１０は下面が開口する上ケース１１と
上面が開口する下ケース１２とを開口を対向させ
て着脱自在に組み立てたもので、これらの上ケー
ス１１と下ケース１２との間にはバンパ１３が挾
持されている。そして、この本体ケース１０には
ブラシ室１４とタービン室１５とが通風口１６に
より連通させて形成されている。前記ブラシ室１
４には回転ブラシ１７が回転自在に収納され、前
記タービン室１５にはタービン１８が前記通気口
１６と対向させて回転自在に収納されている。こ
れらの回転ブラシ１７とタービン１８とにはベル
ト１９が懸架されている。また、前記下ケース１
２の下面には前記ブラシ室１４と前記本体ケース
１０外とを連通させる吸込口２０が形成され、こ
の吸込口２０を囲繞するように枠体２１が取付け
られている。この枠体２１には前記回転ブラシ１
７のブラシ毛２２よりも下方へ延出するブラシ毛
２３が複数本束ねられた状態で各束毎に所定の間
隔をあけて植設されている。

ついで、前記本体ケース１０の後部には前記上
ケース１１と前記下ケース１２とに挾持されてへ
の字形の回転管２４が回転自在に取付けられてい
る。この回転管２４の端部には前記本体ケース１
０の後面とこの本体ケース１０に形成されたリブ
２５とに当接する一対のフランジ部２６，２７が
形成されている。このうち前方に位置するフラン
ジ部２７には前記回転管２４を上方へ回動したと
き鉛直線に沿う切欠２８が形成され、これらの切
欠２８により区分された前記フランジ部２７は他
のフランジ部２７の端面より外方へ突出し、か
つ、前記回転管２４の軸心方向へ弾発的に変形す
る凸部２９が形成されている。また、前記上ケー
ス１１の上面と前記下ケース１２の下面とには前
記凸部２９が係脱自在に係合する凹部３０がそれ
ぞれ形成されている。これらの凹部３０の奥面３
１は前記凸部２９の端面と間隙を有して対向し、
これらの凹部３０の前面３２は前記凸部２９の端
面と前記本体ケース１０に一定の回転方向の荷重
が作用したとき係合した後外れるように形成され
ている。すなわち、前記凸部２９と前記凹部３０
との係合は、前記凸部２９が前記回転管２４の軸
心方向へ弾発的に変形することにより係脱するも
のである。

このような構成において、電気掃除機の集塵部
に接続された延長管（いずれも図示せず）を回転
管２４に嵌合し、本体ケース１０を持ち上げて壁
面や天井を掃除すると、この本体ケース１０は小
型で軽量のため操作しやすい。また、この本体ケ
ース１０は小型であるが本体ケース１０に形成さ
れた凹部３０に係合する凸部２９が回転管２４に
形成されているため、本体ケース１０は左右に移
動させて掃除をしたときでも簡単に回転すること
はなく、これにより本体ケース１０が壁面を傷付
けたりすることは防止される。

そして、凹部３０の奥面３１は凸部２９の端面
と間隙を有して対向し、凹部３０の前面３２は凸
部２９の端面と本体ケース１０に一定の回転方向
の荷重が作用したときに係合した後外れるように
形成されているため、本体ケース１０を左右に移
動させて掃除したとき本体ケース１０は手をわず
らわせることなく回動して被掃除面に沿う。これ
により、吸込口２０は被掃除面と対向し、塵埃を
広汎にわたつて良好に吸い込む。

また、フランジ部２７に切欠２８を形成して凸
部２９をフランジ部２７から独立させたので、凸
部２９は弾性変形しやすくなり、これにより、凸
部２９を凹部３０に弾発的に係合させる特別の部
材が省略される。

考案の効果 この考案は上述のように、左右方向の寸法が比
較的短い形状で下面に吸込口が形成された本体ケ
ースを設け、この本体ケースの後部に前記吸込口
と電気掃除機の集塵部とを連通させる回転管を回
転自在に取付け、この回転管に前記本体ケースに
形成された摺接部に摺接するフランジを形成し、
このフランジに前記回転管の軸心方向へ弾発的に
変形する凸部を形成し、前記本体ケースに前記凸
部と弾発的に係脱自在に係合する凹部を形成した
ので、通常の作業時には、回転管に対して本体ケ
ースに加えられる回転方向の力が一定値以下であ
るため、両者は凹部と凸部との係合により一体化
された状態であり、本体ケースを左右に振つて作
業する時には、その本体ケースに一定値以上の外
力が作用し、これにより、凹部と凸部との係合が
解除されて両者は回転方向に自由状態となり、吸
込口が被掃除面から浮き上がることがなく、その
吸込口を比較的広汎にわたつて被掃除面と対向さ
せることができる等の効果を有する。

【図面の簡単な説明】

第１図は従来例を示す斜視図、第２図は別の従
来例を示す分解斜視図、第３図はその組立状態を
示す縦断背面図、第４図はこの考案の一実施例を
示す斜視図、第５図はその分解斜視図、第６図は
その上ケースを外した状態の平面図、第７図はそ
の要部を示す縦断面図である。 １０……本体ケース、２０……吸込口、２４…
…回転管、２９……凸部、３０……凹部。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 左右方向の寸法が比較的短い形状で下面に吸込
   口が形成された本体ケースを設け、この本体ケー
   スの後部に前記吸込口と電気掃除機の集塵部とを
   連通させる回転管を回転自在に取付け、この回転
   管に前記本体ケースに形成された摺接部に摺接す
   るフランジを形成し、このフランジに前記回転管
   の軸心方向へ弾発的に変形する凸部を形成し、前
   記本体ケースに前記凸部と弾発的に係脱自在に係
   合する凹部を形成したことを特徴とする電気掃除
   機の吸込口体。