JPS642394Y2

JPS642394Y2 -

Info

Publication number: JPS642394Y2
Application number: JP1983120463U
Authority: JP
Priority date: 1983-08-02
Filing date: 1983-08-02
Publication date: 1989-01-19
Also published as: JPS6029398U

Description

【考案の詳細な説明】〔考案の技術分野〕この考案は電子レンジ等の高周波加熱装置の扉
構造の改善に関する。

〔考案の技術的背景とその問題点〕

電子レンジ（高周波加熱装置）の扉体にあつて
は、内部にチヨークキヤビテイならびに覗窓部を
形成したものが採用されていることは知られてい
る。そして、この種の扉体には、チヨークキヤビ
テイを構成する枠状の第１の扉板と、この第１の
扉板の外周部に設けられる第２の扉板とを用いて
構成するようにしたものがある。

従来、このような第１および第２の扉体を用い
た扉構造には、第１図で示すような、外周縁部に
側壁部ａを一体に突設して枠状に構成された枠状
の板部品を第１の扉板ｂとして用い、この第１の
扉板ｂの外側部に、最外部を構成する断面がほぼ
Ｌ字状を呈し、かつ枠状に構成された第２の扉板
ｅを第１の扉板ｂの側壁部ａにならうとともに、
対向して配したものが用いられ、第１の扉板ｂお
よび第２の扉板ｃ間に形成された開放側をカバー
部材ｄでカバーする構造を基本に、第１の扉板ｂ
の内部にチヨークキヤビテイｅを形成するように
している。なお、ｆは接触板、ｇは覗窓部であ
る。

ところで、扉構造において重要なことは、安全
性上、扉体側を通じて電子レンジの加熱室から外
部への電波リークをいかに防止することができる
かが課題とされている。詳しくは、扉体とその周
囲のパネル１との隙間からの電波リークの防止は
従来から積極的になされているものの、扉体内を
通じてリークを生じるといつた問題がある。

すなわち、上述の扉構造によると、チヨークキ
ヤビテイｅの入口側となるカバー部材ｄは電波を
通し、また通常、第１の扉板ｂの側壁部ａと、第
２の扉板ｃのＬ字状部で形成された側壁部ｈとは
およそ10〜20mmの寸法で離れてカバー部材ｄの内
側で開口している。このため、扉体の接触板ｆと
加熱室の壁面ｊとの隙間からカバー部材ｄ、およ
び側壁部ａ，ｈ間の空間ｋを通じて電波が外部へ
多量に洩れてしまう問題がある。

〔考案の目的〕

この考案は上記事情に着目してなされたもの
で、その目的とするところは、扉体を通しての電
波リークを防止することができる高周波加熱装置
の扉構造を提供することにある。

〔考案の概要〕

すなわち、この考案は第１の扉板の側壁部と、
これに対向する第２の扉板のＬ字状部で形成され
た側壁部との空間の開口部に、カバー部材の内面
に沿つて上記空間を遮蔽するように電波遮蔽壁を
形成したことにより、電波蔽遮壁にてカバー部材
を通じてリークしようとする電波を遮るようにし
ようとするものである。

〔考案の実施例〕

以下、この考案を第２図および第３図に示す一
実施例にもとづいて説明する。第２図は高周波加
熱装置としての電子レンジを示し、図中１は内部
に加熱室２ならびにマグネトロン等の各種高周波
発振器（図示しない）を内装した本体である。そ
して、この本体１の前面側には、加熱室２の開口
を開閉する横開き式の扉体３が回動自在に枢着さ
れているとともに、その扉体３に隣接して各種の
操作スイツチ類４ａ…を配した操作パネル４が設
けられていて、加熱室２内でマイクロ波を使つた
加熱調理を行なうことができるようになつてい
る。

そして、この電子レンジの扉体３の構造が第３
図に示されている。この扉構造について説明すれ
ば、図中５は第１の扉板である。この第１の扉板
５は、外周縁部に側壁部６ａを一体に突設した枠
状の板部品６から構成されていて、内周縁部は縁
部を折り曲げてなるバリア支持部７が形成されて
いる。一方、図中８は第２の扉板である。この第
２の扉板８は断面がほぼＬ字形状をなして枠状に
構成されている。そして、この第２の扉板８は、
上記第１の扉板５の外側部に、側壁部６ａに対し
てならうとともに対向する状態で外装され、扉体
３の最外側部を構成している。なお、第１の扉板
５の側壁部６ａとこれに対向する第２の扉板８の
Ｌ字状部で形成された側壁部８ａとはその高さ寸
法が両者共、ほぼ同一で、またおよそ10〜20mm程
度離間しているものである。そして、第１の扉板
５および第２の扉板８間に形成された開放側に
は、その開放部を閉塞するようにカバー部材９が
設けられ、また第１の扉板５の開放側には接触板
１０が設けられ、外周側にチヨークキヤビテイ１
１を、中央に覗窓部１２を有する扉本体１３を構
成している。なお、１４は覗窓部１２を構成する
外バリア、１５は同じく金網、１６は同じく内バ
リアである。そして、扉本体１３の自由端側には
操作ハンドル１７、図示しないフツク、操作ハン
ドル１７からの操作力をフツクに伝えるフツクプ
ツシヤー１８などから構成される扉開閉機構が設
けられ、加熱室２を開け、閉めすることができる
ようになつている。

そして、このように構成された扉構造にこの考
案の要部となる電波遮蔽壁１９が設けられる。こ
の電波遮蔽壁１９は、第３図に示すように、第１
の扉板５の側壁部６ａの先端部に、第２の扉板８
の側壁部８ａの先端に向つて延びる折り曲げ部２
０を一体に設けて構成してなる。そして、折り曲
げ部２０の先端面は、側壁部８ａの先端側面に当
接、あるいは0.5mm〜2.0mmの隙間（組立上の逃
げ）をもつて近接してなり、カバー部材９の内面
に沿つて配設される折り曲げ部２０にて、第１の
扉板５の側壁部６ａとこれに対向する第２の扉板
８の側壁部８ａとの間の空間２１に対する電波遮
蔽をなしている。しかるに、電波遮蔽壁１９は空
間２１の開口部の全域に配されて、カバー部材９
を通じて空間２１、さらに空間２１から扉体３の
外部へ至るリーク路を遮つている。

しかして、マイクロ波による加熱調理の際、カ
バー部材９、空間２１を通じてリークしようとす
る電波は、電波遮蔽壁１９によつてその侵入が阻
止されることになり、扉体３を通しての電波リー
クを防止することができるものであり、安全この
うえないものである。実験によれば、従来、電波
遮蔽壁１９を採用していない扉構造（第１図に示
すもの）では、2.0mW／cm²をもの多量の電波が
リークしたが、電波遮蔽壁１９を採用することに
よつてこれを0.3mW／cm²にも大巾に減少させる
ことができるものであつた。

またこの考案は上述した一実施例に限定される
ものではなく、たとえば第４図あるいは第５図に
示す他の実施例のようにしてもよい。

すなわち、第４図に示すものは、折り曲げ部２
０の先端部に内方に向けた折り返し部２１を形成
して電波遮蔽壁１９としたもので、このような折
り返し部２２を形成したものでは遮蔽性と共に安
定性も一層高くなり、ばらつきのない、きわめて
高い電波リークの防止性能を得ることができるも
のである。実験によれば、0.1mW／cm²にもリー
ク量を減少させることができた。しかも、折り返
し部２１の形成によつて電波遮蔽壁１９自身の剛
性強度が図れる利点がある。

また第５図に示すものは、上述の他の実施例に
おける第１の扉板５の側壁部６ａに、折り返し部
２１を備える折り曲げ部１９を設けるようにした
ものに対し、第２の扉板８の側壁部８ａの先端部
に折り返し部２２を備える折り曲げ部２０を一体
に設けて電波遮蔽壁１９を構成するようにしたも
のである。なお、図示はしないが折り曲げ部１９
のみを第２の扉板８の側壁部８ａに設けて電波遮
蔽壁１９としてもよいことはもちろんである。

なお、第４図および第５図において上述した一
実施例と同一構成部分は同一番号を附してその説
明を省略した。

また、いずれの実施例共、第１あるいは第２の
扉板と一体となつた部材にて電波遮蔽壁を構成し
たものを一例にあげたが、別途部材にて電波遮蔽
壁を構成するようにしてもよい。

〔考案の効果〕

以上説明したようにこの考案によれば、第１の
扉板の側壁部と、これに対向する第２の扉板のＬ
字状部で形成された側壁部との空間の開口部に電
波遮蔽壁を設けたから、カバー部材を通じてリー
クしようとする電波を遮ることができるようにな
り、扉体を通しての電波リークを防止することが
でき、安全性の向上を図ることができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は従来の高周波加熱装置の扉構造を示す
断面図、第２図および第３図はこの考案の一実施
例を示し、第２図は高周波加熱装置の正面図、第
３図はその扉構造を示す断面図、第４図および第
５図はそれぞれ異なるこの考案の他の実施例を示
す断面図である。３……扉体、５……第１の扉板、６ａ……側壁
部、８……第２の扉板、９……カバー部材、１９
……電波遮蔽壁、２０……折り曲げ部、２２……
折り返し部。

Claims

【実用新案登録請求の範囲】 (1) 外周縁部に側壁部を突設して枠状に構成され
たチヨークキヤビテイを構成する第１の扉板の
外側部に、ほぼ断面Ｌ字状で、かつ枠状に構成
された第２の扉板を上記第１の扉板の側壁部に
ならうとともにその側壁部と対向するように外
装して最外側部を構成し、かつ上記第１の扉板
および第２の扉板間に形成された開放側をカバ
ー部材でカバーしてなる高周波加熱装置の扉構
造において、上記カバー部材の内側に形成され
る上記第１の扉板の側壁部と、これに対向する
第２の扉板のＬ字状部で形成された側壁部との
空間の開口部に、上記カバー部材の内面に沿つ
て上記空間を遮蔽するように電波遮蔽壁を形成
したことを特徴とする高周波加熱装置の扉構
造。 (2) 上記電波遮蔽壁は、第１の扉板の側壁部、あ
るいはこれに対向する第２の扉板のＬ字状部で
形成された側壁部の先端部に他方の壁部側に向
つて延びる折り曲げ部を構成してなることを特
徴とする実用新案登録請求の範囲第１項に記載
の高周波加熱装置の扉構造。 (3) 上記折り曲げ部は、先端部に、内方に向けた
折り返し部が形成されていることを特徴とする
実用新案登録請求の範囲第２項に記載の高周波
加熱装置の扉装置。