JP2698292B2 - 高周波加熱装置の電波漏洩防止構造 - Google Patents

高周波加熱装置の電波漏洩防止構造

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JP2698292B2 JP20575792A JP20575792A JP2698292B2 JP 2698292 B2 JP2698292 B2 JP 2698292B2 JP 20575792 A JP20575792 A JP 20575792A JP 20575792 A JP20575792 A JP 20575792A JP 2698292 B2 JP2698292 B2 JP 2698292B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、高周波加熱装置にお
ける高周波電波の漏洩防止構造に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来より高周波加熱装置における高周波
電波漏洩防止構造として、チョーク溝を形成する構造が
知られている。たとえば、特公昭52−44815号公
報には、高周波加熱器の開口部周辺から外部に電波が洩
れることを防止するために、ドアの周縁部にチョーク溝
を形成した高周波加熱器が開示されている。
【0003】この公報に開示の高周波加熱器は、図10
に示すように、電波が供給される加熱室1を有し、加熱
室1の前面には、開口部周縁壁2で囲われた開口3が形
成されていて、この開口3を開閉するためのドア4が備
えられている。ドア4は図示の閉成状態から、蝶番部5
を中心に矢印A1方向に開成自在である。図11は、図
10に示すたとえば1点鎖線で囲った枠W内の特徴とな
る構造を示す図解的な断面図であり、この高周波加熱器
に採用されている電波漏洩防止構造を説明するための図
である。
【0004】図11に示すように、開口部周縁壁2と対
向するドア4の周縁部には、ドア本体板10とドア金具
9と封口板11とによって第1の電波減衰溝7および第
2の電波減衰溝8が形成されている。第1の電波減衰溝
7は基本周波数(たとえば2.45GHz)の電波を遮
蔽するためのものであり、第2の電波減衰溝8は基本周
波数の第2高調波を遮蔽するためのものである。それゆ
え、溝の入口Eから第1の電波減衰溝7の奥をみた寸法
L1は基本波の1/4波長=30.6(mm)であり、
入口Eから第2の電波減衰溝8の奥をみた寸法L2は第
2高調波の3/4波長=45.9(mm)とされてい
る。
【0005】また他の従来技術として、特公平1−36
717号公報に記載の電波シール装置がある。この公告
公報に記載された電波シール装置も、ドアの周縁部にチ
ョーク溝を形成するもので、周期性を有するスリットを
設けたドア金具によってチョーク溝を第1の溝および第
2の溝に分け、発振周波数が2450(MHz)の漏洩
電波と915(MHz)の漏洩電波を、それぞれ、2種
類の溝によって減衰させる構成が採用されている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】上記従来技術のうち、
前者の公告公報に記載の構造では、図11に示すよう
に、第2の電波減衰溝8はドア4の中心方向(図におい
て左方向)に向かって延びており、かつその寸法L2は
第2高調波の3/4波長である。それゆえ、この第2の
電波減衰溝8の内側(左側)につながっているドア中央
板が小さくなる。あるいは、内側につながっているドア
中央板の面積を所定の大きさに保とうとすれば、ドア中
央板の外周部に設ける上記第2の電波減衰溝8および第
1の電波減衰溝7によってドア全体が大きくなるという
欠点があった。
【0007】この内側のドア中央板は、通常、小孔(パ
ンチング孔)が多数形成され、その内面または外面に遮
熱用のガラス板が当接されて、加熱室1内を視認できる
ようにされている。それゆえ、このドア中央板があまり
小さくなると、加熱室1内の視認性が悪く、調理中の材
料を確認できない等の欠点がある。それゆえ、ドア中央
板は、所定の大きさに確保する必要がある。
【0008】したがって、上記特公昭52−44815
号公報に記載の電波漏洩防止構造には、ドアの小形化を
図る上で改良すべき欠点が存在する。一方、後者の特公
平1−36717号公報に記載の電波漏洩防止構造で
は、ドアの周縁部の直線部分においては漏洩電波が減衰
される構造になっているが、ドアのコーナ部分の構造が
不十分なため、ドアのコーナ部分において電波が漏洩す
る可能性がある。
【0009】この発明は、上述のような従来技術の欠点
を克服するためになされたもので、高周波加熱装置にお
いて、漏洩電波を良好に阻止することができ、しかも、
高周波加熱装置のドアの小形化を実現できる電波漏洩防
止構造を提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】請求項1記載の発明は、
電波が内部に供給される加熱室を有し、加熱室の前面に
は、縁枠で囲われた開口が形成され、その開口を開閉す
るためのドアが備えられ、ドアは、加熱室の開口に対向
するドア中央板と、ドア中央板を囲む周縁部とを有し、
該ドア周縁部は、閉成時に加熱室の開口縁枠と対向する
ようにされ、開口縁枠と対向するドア周縁部には、加熱
室から洩れる高周波電波を遮蔽するためのチョーク溝が
形成されている高周波加熱装置の電波漏洩防止構造にお
いて、チョーク溝は、開口縁枠に対向して延びており、
1対の側壁と、底面と、開口とを有し、1対の側壁のう
ちの内側の側壁の上部はドア中央板と連結されており、
1対の側壁のうちの外側の側壁には、開口縁枠の長手方
向に周期性を持つスリットが形成されており、チョーク
溝の開口には、チョーク溝の開口の一部を覆うための封
口板が設けられていて、該封口板は、チョーク溝の内側
側壁よりも内方側においてチョーク溝の深さ方向と反対
方向に立ち上がった段部と、段部の上端から折れ曲がり
チョーク溝の底面とほぼ平行にチョーク溝の外側側壁方
向へ延びる延出部と、延出部の先端からチョーク溝の底
面方向に折れ曲がった折曲部とを備え、上記段部と延出
部と折曲部とドア枠板とによって予め定める寸法の補助
溝が形成されていることを特徴とするものである。
【0011】請求項2記載の発明は、電波が内部に供給
される加熱室を有し、加熱室の前面には、縁枠で囲われ
た開口が形成され、その開口を開閉するためのドアが備
えられ、ドアは、加熱室の開口に対向するドア中央板
と、ドア中央板を囲む周縁部とを有し、該ドア周縁部
は、閉成時に加熱室の開口縁枠と対向するようにされ、
開口縁枠と対向するドア周縁部には、加熱室から洩れる
高周波電波を遮蔽するためのチョーク溝が形成されてい
る高周波加熱装置の電波漏洩防止構造において、チョー
ク溝は、開口縁枠に対向して延びており、1対の側壁
と、底面と、開口とを有し、1対の側壁のうちの内側の
側壁の上部はドア中央板と連結されており、1対の側壁
のうちの外側の側壁には、開口縁枠の長手方向に周期性
を持つスリットが形成されており、チョーク溝の開口に
は、チョーク溝の開口の一部を覆うための封口板が設け
られており、該封口板は、チョーク溝の深さ方向と反対
方向に立ち上がった段部と、段部の上端から折れ曲がり
チョーク溝の底面とほぼ平行にチョーク溝の外側側壁方
向へ延びる延出部と、延出部の先端からチョーク溝の底
面方向に折れ曲がった折曲部とを備え、折曲部の折曲長
さは、開口縁枠のコーナ部分と対向するチョーク溝のコ
ーナ部分において、それ以外の部分よりも短くされてい
ることを特徴とするものである。
【0012】
【作用】請求項1記載の発明によれば、チョーク溝によ
り主として基本周波数の漏洩電波が減衰される。チョー
ク溝の開口の一部を覆う封口板により、補助溝が形成さ
れているが、この補助溝は、その形状を変化させること
により、チョーク溝によって減衰される電波の周波数領
域の中心周波数を所定量移動させる。それゆえ、補助溝
の大きさを設定することにより、チョーク溝によって減
衰される電波の周波数領域の中心周波数を所望の周波数
に設定することができる。
【0013】請求項2記載の発明によれば、封口板の折
曲部の折曲げ長さをコーナ部分とコーナ部分でない部分
とで変えることにより、コーナ部分においても、コーナ
部分でない部分においても、チョーク溝が良好に電波を
減衰させる構造にすることができる。
【0014】
【実施例】以下には、図面を参照して、この発明の実施
例について詳細に説明をする。図1は、この発明の一実
施例に係る電波漏洩防止構造が採用された高周波加熱装
置の要部断面図であり、図11に示す従来例と対比して
描いたものである。図1において、21は縁枠であり、
この縁枠1によって加熱室20が形成されているととも
に、加熱室20の前面の開口22が形成されている。加
熱室20の前面には、開口22を開閉するためのドア2
3が備えられている。ドア23は、図示の閉成状態か
ら、図外左側に存在するヒンジ機構等を中心に矢印A2
方向へ開成可能である。
【0015】ドア23は、ドア枠板24と、ドア中央板
25と、ドア中央板25の内面側に当接固定されたガラ
ス板26と、ドア23の前面側全体を覆うドアカバー2
7とを備えている。ドア中央板25には、多数のパンチ
ング孔29が形成されている。また、ドア23の周縁部
28は、閉成時に加熱室20の縁枠21と対向するよう
にされている。そして、この対向するドア周縁部28に
は、加熱室20から洩れる高周波電波を遮蔽するための
チョーク溝30が形成されている。
【0016】チョーク溝30は、ドア枠板24と、ドア
金具31と封口板32とによって形成されており、縁枠
21に対向するように、紙面に垂直方向に延びている。
また、縁枠21に対向するチョーク溝30の開口37
は、ポリプロピレン等の低損失性誘電体で形成されたカ
バー部材33で覆われている。図2は、図1に示すドア
の周縁部28に形成されたチョーク溝30のより詳細な
構成および作用を説明するための図である。
【0017】図2を参照して説明すると、チョーク溝3
0は、ドア枠板24の一部によって形成された内側壁3
4、ドア金具31によって形成された外側壁35、ドア
枠板24の一部によって形成された底面36および開口
37を有している。内側壁34の上部38はドアの内方
側へ折り曲げられてドア中央板25と連結されている。
また、外側壁35には、紙面に垂直方向、すなわち図1
に示す縁枠21の長手方向に周期性を持つスリット39
が形成されている。なお、この外側壁35およびスリッ
ト39の構成については、後に詳述する。
【0018】また、開口37には、この開口37の一部
を覆うための封口板32が形成されている。封口板32
は、この実施例においては、ドア中央板25の端縁部が
延設されて形成されている。封口板32は、内側壁34
の上部38の所定位置からチョーク溝30の深さ方向
(開口37から底面36へ向かう方向)と反対方向に立
ち上がった段部40と、段部40の上端から折れ曲がり
チョーク溝30の底面36とほぼ平行にチョーク溝30
の外側壁35方向へ延びる延出部41と、延出部41の
先端からチョーク溝30の底面36方向に折れ曲がった
折曲部42とを備えている。
【0019】なお、上述の実施例では、ドア中央板25
の端部を延設して封口板32を形成したが、ドア中央板
25と封口板32とが別の板材で形成されていてもよ
い。また、ドア中央板25とドア枠板24とが一体的に
形成されていてもよい。この実施例の特徴の1つは、段
部40が、内側壁34よりもドアの内方側で立ち上がっ
ていることである。その結果、段部40と延出部41と
折曲部42と内側壁34の上部38とによって補助溝4
3が形成されている。
【0020】この補助溝43の大きさは、内側壁34か
ら段部40の立ち上がり位置までの寸法をa、段部40
の立ち上がり寸法をb、延出部41の寸法をcとすれ
ば、この実施例では、a≧3(mm)、b≧3(m
m)、c≧6(mm)とされている。寸法cを6(m
m)以上にするのは、図1に示すように、封口板32と
縁枠21との対向距離を十分に確保するためである。
【0021】このような構成において、加熱室20(図
1参照)から漏洩する電波の進行方向は2種類に大別で
きる。すなわち、1つは図2において矢印A3で示す方
向に進行する漏洩電波であり、もう1つは図2において
記号A4で示す方向(紙面に垂直方向)に進行する漏洩
電波である。このうちの、矢印A3方向に進行する漏洩
電波は、チョーク溝30によって減衰される。すなわ
ち、チョーク溝30は、加熱室20(図1参照)で発生
する基本周波数の漏洩電波のうち、矢印A3方向へ進行
する漏洩電波を減衰させることを主目的として形成され
ている。このチョーク溝30によって減衰される電波の
周波数領域の中心周波数をf(MHz)とすれば、この
高周波加熱装置が電子レンジの場合は、fは2450に
近い定数に設定されている。
【0022】一方、補助溝43は、チョーク溝30によ
って減衰される電波の周波数領域の中心周波数f(MH
z)を所定量移動させる働きをするものである。この補
助溝43の作用についてより具体的に説明をする。補助
溝43の大きさは、前述のように内側壁34から段部4
0の立ち上がり位置までの寸法aと、段部40の立ち上
がり寸法bと、延出部41の寸法cとで表わすことがで
きる。このうち、a×bで表わされる補助溝43の断面
積を一定条件のもとで変化させると、チョーク溝30に
よって減衰される電波の周波数領域の中心周波数f(M
Hz)を移動させることができる。
【0023】たとえば、電波減衰領域の中心周波数f
(MHz)を周波数の低い方向へ移動させるには、次の
2つの方法がある。 図2に示す封口板32の段部40の立ち上がり位置を
ドアの内方側(図において左側)に移動させることによ
り、寸法aおよび寸法cを大きくする。このとき、段部
40の立ち上がり寸法bは変えない。また、チョーク溝
30を形成している他の部分の形状も変えない。こうす
ると、電波減衰領域の中心周波数は、f(MHz)から
f−α(MHz)に移動する。
【0024】図2に示す内側壁34の寸法を低くし、
その分だけ封口板32の段部40の立ち上がり寸法bを
大きくする。こうすると、チョーク溝30の深さは変化
しないが、補助溝43の寸法bが大きくなる。この場
合、補助溝43の他の寸法aおよびcは変えない。ま
た、チョーク溝30を形成している他の部分の寸法も変
えない。こうすると、電波減衰領域の中心周波数は、f
(MHz)からf−α(MHz)に移動する。
【0025】なお、上述のおよびにおけるαは、数
(MHz)〜数百(MHz)の範囲の正の定数である。
このように、補助溝43の断面積、すなわちa×bを変
化させ、この断面積a×bを大きくすることによって、
チョーク溝30による電波減衰領域の中心周波数fを、
低い方に移動させることができる。
【0026】逆に、チョーク溝30によって減衰される
電波の周波数領域の中心周波数f(MHz)を周波数の
高い方に移動させるには、補助溝43の断面積a×bを
小さくするように、補助溝43の形状を変えればよい。
すなわち、1つの方法としては、封口板32の段部40
の立ち上がり位置を内側壁34方向(図において右側方
向)に移動させ、寸法aおよび寸法cを小さくすること
である。
【0027】他の方法としては、チョーク溝30の深さ
を変化させないで、封口板32の段部40の立ち上がり
寸法bを小さくすることである。このように、補助溝4
3の断面積a×bを変化させることによって、チョーク
溝30の電波減衰領域の中心周波数を変化させることが
できるので、チョーク溝30を所望の周波数帯域の電波
を減衰させる形状にできる。
【0028】図3は、ドア金具31の斜視図である。ド
ア金具31は、上述したようにチョーク溝30の外側壁
35を形成しており、外側壁35には周期性を持つスリ
ット39が形成されている。スリット39は、その幅寸
法がXで、ピッチ間隔Yで周期的に形成されている。こ
の結果、加熱室20の開口部22(図1参照)の周縁方
向に進行する漏洩電波(図3において矢印A4方向に進
行する漏洩電波、この漏洩電波は図2において符号A4
で示したものである。)を減衰させることができる。
【0029】ドア金具31は、また、外側壁35の上部
がほぼ90度折曲げられて折曲部50が形成されてい
る。折曲部50の折曲幅はZとされている。また、折曲
部50は、図2に示すように、内側壁34方向に折曲げ
られており、折曲部50によってチョーク溝30の開口
37の一部が覆われるようにされている。ドア金具31
をこのような構成にすると、外側壁35によって減衰さ
せる矢印A4方向に進行する漏洩電波の周波数領域の中
心周波数q(MHz)を、チョーク溝30によって減衰
される電波(図2において矢印A3方向へ進行する電
波)の周波数領域の中心周波数f(MHz)と無関係
に、上述したスリット39の幅寸法X、ピッチ間隔Yお
よび折曲幅Zによって所望の値に設定することができ
る。したがって、矢印A4方向に進行する漏洩電波の周
波数領域の中心周波数q(MHz)をたとえば2450
(MHz)付近に設定することができる。
【0030】図2に戻って、この実施例では、外側壁3
5はドア枠板24とは異なるドア金具31によって形成
したが、これに代え、ドア枠板24の最外周部分を折曲
げて外側壁35を形成するようにしてもよい。さらに図
2において、封口板32の段部40は、ドア中央板25
からチョーク溝30の深さ方向と反対方向(図1に示す
ように加熱室20方向)へ立ち上がっている。それゆ
え、ドア中央板25の内表面側は、段部40によって囲
まれている。そこで、この部分にガラス板26を取り付
ければ、ガラス板26の位置決めおよび固定が容易にで
きるという利点がある。なお、ガラス板26は、加熱室
20内の熱がドア中央板25に形成された多数のパンチ
ング孔29から外に洩れないように塞ぐために設けられ
るものである。
【0031】図4は、この発明の他の実施例にかかる電
波漏洩防止構造が採用された高周波加熱装置の要部断面
図であり、図1に示す実施例と対比して描いたものであ
る。図4において、図1と同一または対応する構成要素
には同一の参照番号が付されている。図4に示す構成の
特徴は、封口板32の立ち上がり位置が図1の実施例と
は異なっている点である。この点につき、図5を参照し
て説明する。
【0032】図5は、図4に示すドアの周縁部28に形
成されたチョーク溝30のより詳細な構成および作用を
説明するための図である。図5を参照して説明すると、
チョーク溝30は、ドア枠板24の一部によって形成さ
れた内側壁34、ドア金具31によって形成された外側
壁35、ドア枠板24の一部によって形成された底板3
6および開口37を有している。内側壁34の上部38
はドアの内方側へ折曲げられてドア中央板25と連結さ
れている。また、外側壁35には、紙面に垂直方向、す
なわち図4に示す縁枠21の長手方向に周期性を持つス
リット39が形成されている。この外側壁35およびス
リット39の構成については、先に説明した実施例(図
3参照)と同等の構成になっている。
【0033】開口37には、この開口37の一部を覆う
ための封口板32が形成されている。封口板32には、
この実施例においては、ドア中央板25の端縁部が延設
されて形成されている。封口板32は、内側壁34の上
端縁が上方へ延びるように、チョーク溝30の深さ方向
(開口37から底面36へ向かう方向)と反対方向に立
ち上がった段部40と、段部40の上端から折れ曲がり
チョーク溝30の底面36とほぼ平行にチョーク溝30
の外側壁35方向へ延びる延出部41と、延出部41の
先端からチョーク溝30の底面36方向に折れ曲がった
折曲部42とを備えている。
【0034】この場合において、封口板32の延出部4
1の寸法をh、折曲部42の寸法をi、延出部41の先
端から外側壁35の上方折曲部50の先端までの距離を
jとする。このような構成において、加熱室20(図4
参照)から漏洩する電波の進行方向は2種類に大別でき
る。すなわち、1つは図5において矢印A3で示す方向
に進行する漏洩電波であり、もう1つは図5において記
号A4で示す方向(紙面に垂直方向)に進行する漏洩電
波である。このうちの、矢印A3方向に進行する漏洩電
波は、チョーク溝30によって減衰される。すなわち、
チョーク溝30は、加熱室20(図4参照)で発生する
基本周波数の漏洩電波のうち、矢印A3方向へ進行する
漏洩電波を減衰させることを主目的として形成されてい
る。このチョーク溝30によって減衰される電波の周波
数領域の中心周波数をf(MHz)とすれば、この高周
波加熱装置が電子レンジの場合は、fは2450に近い
定数に設定されている。
【0035】一方、封口板32の形状を次に述べるよう
に一部変化させると、上記の中心周波数f(MHz)を
周波数の低い方または周波数の高い方に移動させること
ができる。たとえば、 図5に示す封口板32の延出部41の寸法hを長くす
れば、電波減衰領域の中心周波数f(MHz)は周波数
の低い方向へ移動する。
【0036】また、図5に示す封口板32の折曲部4
2の寸法iを長くすれば、すなわち折曲部42の折曲長
さを長くすれば、電波減衰領域の中心周波数f(MH
z)を周波数の低い方へ移動させることができる。 逆に、上述の寸法hを短くするか、または寸法iを短く
すれば、電波減衰領域の中心周波数fを周波数の高い方
向へ移動させることができる。
【0037】このように、封口板32の寸法hまたは寸
法iを変化させることによって、チョーク溝30の電波
減衰領域の中心周波数を変化させることができるので、
チョーク溝30を所望の周波数帯域の電波を減衰させる
形状に容易に設計できる。なお、符号A4で示す紙面に
垂直方向に進行する漏洩電波は、先に説明した実施例と
同様に、外側壁35によって減衰させることができる。
【0038】ところで、図5に示すチョーク溝30の構
造は、ドアの一辺の中心部付近、つまり図5においてチ
ョーク溝30が紙面に垂直方向に延びている場合には良
好な電波漏洩防止構造であるが、ドアのコーナ部分付近
では、必ずしも最適な電波漏洩防止構造とは言えない。
というのは、ドアのコーナ部分付近では、チョーク溝3
0の内側壁34は通常絞り込まれて1/4円形状に湾曲
される。
【0039】また、封口板32の延出部41も、絞り込
まれて1/4円形状に湾曲される。このため、ドアのコ
ーナ部分付近のチョーク溝30の断面形状は、チョーク
溝30が真っ直ぐに延びるドアの一辺の中心部付近の断
面形状と異なっている。それゆえ、ドアの一辺の中心部
付近のチョーク溝30が基本周波数の電波を十分減衰で
きても、ドアのコーナ部分付近のチョーク溝30は、基
本周波数の電波を十分に減衰できない場合がある。
【0040】そこで、この実施例では、次に説明するよ
うに、ドアの一辺の中央付近とコーナ付近とでは、封口
板32の折曲部42の折曲寸法iを異ならせてある。よ
り具体的に、図6を参照して説明する。図6は、ドア2
3のコーナ部分の部分平面図である。図6において、ド
ア中央板25の外周縁は、ドアのコーナ部分で絞り込ま
れて湾曲されている。また、ドア中央板25の外周縁に
連結された封口板32も、コーナ部分において湾曲され
ている。一方、外側壁35はコーナ部分においても直線
状になっている。
【0041】今、図6において、ドア中央板25の外周
縁、すなわち内側壁34(図5参照)は、点Pから点Q
において1/4円形状の湾曲がつけられている。また、
封口板32の延出部41先端にも1/4円形状の湾曲が
つけられている。そこで、図6において、点Pと点Qと
を右方向に移動し、封口板32の最外周に達した点を点
Rおよび点Sとし、同様に、点Pおよび点Qを下方向に
移動し、封口板32の最外周に達した点を点Tおよび点
Uとする。そうすると、封口板32の最外周に形成され
た1/4円形状の湾曲は、点Sから始まり点Tまでであ
る。但し、本実施例においては、封口板32のコーナ部
の形状は、1/4円形湾曲形状に限定されるものではな
く、例えば直角形状であってもよい。
【0042】一方、チョーク溝30によって減衰される
漏洩電波は、矢印A3方向に進む。この矢印A3方向に
進む漏洩電波をチョーク溝30で確実に減衰させるため
には、封口板32の最外周コーナ部分、すなわち点Sか
ら点Tまでにおいて、折曲部42(図5参照)の寸法i
を直線部分と比べて異ならせる必要がある。なぜなら
ば、ドアの一辺の中央付近においては、図5で説明した
寸法hおよび寸法jは、図6に示すように、h1および
j1で表わせるが、ドアのコーナ部分においてはh2お
よびj2で表わされる。ここで、封口板32の周縁部に
おいて、点Rから点Sまでは直線であるから、j1=j
2であるが、寸法h2は点Pと点Qとの間にあるため、
h2>h1となる。よって、ドアの一辺の中央付近のチ
ョーク溝30が基本周波数の電波を十分減衰できても、
ドアのコーナ部分付近では、チョーク溝30によって減
衰される電波の中心周波数は、基本周波数よりも低い方
向に移動して、漏洩電波を十分に減衰できないことにな
る。
【0043】そこで、ドアのコーナ部分付近のチョーク
溝30によって減衰される電波の周波数領域の中心周波
数を高くし、基本周波数に合わせるために、封口板32
の先端の折曲部42の寸法i(図5参照)を、点Rから
点Sへ連続的に短くしていき、点Sから点Tまでは一定
寸法とし、点Tから点Uへと連続的に長くしていくとい
う構成にされている。これがこの実施例の特徴の1つで
ある。
【0044】図7は、ドアのコーナ部分付近の封口板3
2の折曲部42だけを取り出して展開した図である。図
7から明らかなように、折曲部42は、ドアの一辺の中
央方向から点Rまでは相対的に長い寸法i1とされ、点
Rから点Sまでは除々に短くされ、点Sから点Tまでは
相対的に短い寸法i2とされ、点Tから点Uまでは除々
に長くされて、点U以降は再び寸法i1となっている。
【0045】封口板32の折曲部42を、図7に示す寸
法にせず、たとえば図8または図9に示す寸法にしても
よい。すなわち、図8では、コーナ部分の中央部でのみ
折曲部42の寸法iを最も短くし、コーナ部分中央部か
ら点Rおよび点Uまではその寸法が除々に大きくなるよ
うにしてもよい。また、図9に示すように、点Sおよび
点Tにおいて折曲部42の寸法を最も短くし、コーナ部
分の中央部では折曲部42の寸法iをやや大きくしても
よい。
【0046】以上の説明では、図4および図5で説明し
た実施例において、ドアのコーナ部分において、封口板
32の折曲部42の寸法を変化させるものを取り上げた
が、図1および図2に示す実施例においても、ドアのコ
ーナ部分において、封口板32の折曲部42の寸法を変
化させることにより、同等の効果を得ることができる。
【0047】その他、この発明は、請求項記載の範囲内
において種々の変更が可能である。
【0048】
【発明の効果】請求項1記載の発明によれば、高周波加
熱装置において、チョーク溝の減衰電波の周波数領域の
中心周波数を補助溝の形状を変えることによって移動さ
せることができるから、チョーク溝が所望の周波数を減
衰できる形状にすることができ、漏洩電波を良好に阻止
することができる電波漏洩防止構造とすることができ
る。
【0049】さらに、請求項1記載の発明によれば、ド
アの中央板を縮小せず、しかもドアの外観を大きくする
ことなく、ドアの小形化が図れる電波漏洩防止構造とす
ることができる。また、請求項2記載の発明によれば、
ドアのコーナ部分付近においても漏洩電波が良好に減衰
できる電波漏洩防止構造とすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の一実施例にかかる電波漏洩防止構造
が採用された高周波加熱装置の要部断面図である。
【図2】図1に示すドアの周縁部28に形成されたチョ
ーク溝30のより詳細な構成および作用を説明するため
の図である。
【図3】ドア金具31の斜視図である。
【図4】この発明の他の実施例にかかる電波漏洩防止構
造が採用された高周波加熱装置の要部断面図である。
【図5】図4に示すドアの周縁部28に形成されたチョ
ーク溝30のより詳細な構成および作用を説明するため
の図である。
【図6】ドア23のコーナ部分の部分平面図である。
【図7】ドアのコーナ部分付近の封口板32の折曲部4
2だけを取り出して展開した図である。
【図8】折曲部42の他の実施例を示す展開図である。
【図9】折曲部42のさらに他の実施例を示す展開図で
ある。
【図10】従来の高周波電波漏洩防止構造が採用された
高周波加熱器の断面図である。
【図11】図10に示す1点鎖線で囲った枠W内の特徴
となる構造を示す図解的な断面図である。
【符号の説明】
20 加熱室 21 縁枠 22 開口 23 ドア 24 ドア枠板 25 ドア中央板 26 ガラス板 28 ドアの周縁部 29 パンチング孔 30 チョーク溝 31 ドア金具 32 封口板 34 内側壁 35 外側壁 36 底面 37 開口 39 スリット 40 段部 41 延出部 42 折曲部 43 補助溝

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】電波が内部に供給される加熱室を有し、加
    熱室の前面には、縁枠で囲われた開口が形成され、その
    開口を開閉するためのドアが備えられ、ドアは、加熱室
    の開口に対向するドア中央板と、ドア中央板を囲む周縁
    部とを有し、該ドア周縁部は、閉成時に加熱室の開口縁
    枠と対向するようにされ、開口縁枠と対向するドア周縁
    部には、加熱室から洩れる高周波電波を遮蔽するための
    チョーク溝が形成されている高周波加熱装置の電波漏洩
    防止構造において、 チョーク溝は、開口縁枠に対向して延びており、1対の
    側壁と、底面と、開口とを有し、1対の側壁のうちの内
    側の側壁の上部はドア中央板と連結されており、1対の
    側壁のうちの外側の側壁には、開口縁枠の長手方向に周
    期性を持つスリットが形成されており、 チョーク溝の開口には、チョーク溝の開口の一部を覆う
    ための封口板が設けられていて、該封口板は、チョーク
    溝の内側側壁よりも内方側においてチョーク溝の深さ方
    向と反対方向に立ち上がった段部と、段部の上端から折
    れ曲がりチョーク溝の底面とほぼ平行にチョーク溝の外
    側側壁方向へ延びる延出部と、延出部の先端からチョー
    ク溝の底面方向に折れ曲がった折曲部とを備え、 上記段部と延出部と折曲部とドア枠板とによって予め定
    める寸法の補助溝が形成されていることを特徴とする高
    周波加熱装置の電波漏洩防止構造。
  2. 【請求項2】電波が内部に供給される加熱室を有し、加
    熱室の前面には、縁枠で囲われた開口が形成され、その
    開口を開閉するためのドアが備えられ、ドアは、加熱室
    の開口に対向するドア中央板と、ドア中央板を囲む周縁
    部とを有し、該ドア周縁部は、閉成時に加熱室の開口縁
    枠と対向するようにされ、開口縁枠と対向するドア周縁
    部には、加熱室から洩れる高周波電波を遮蔽するための
    チョーク溝が形成されている高周波加熱装置の電波漏洩
    防止構造において、 チョーク溝は、開口縁枠に対向して延びており、1対の
    側壁と、底面と、開口とを有し、1対の側壁のうちの内
    側の側壁の上部はドア中央板と連結されており、1対の
    側壁のうちの外側の側壁には、開口縁枠の長手方向に周
    期性を持つスリットが形成されており、 チョーク溝の開口には、チョーク溝の開口の一部を覆う
    ための封口板が設けられており、該封口板は、チョーク
    溝の深さ方向と反対方向に立ち上がった段部と、段部の
    上端から折れ曲がりチョーク溝の底面とほぼ平行にチョ
    ーク溝の外側側壁方向へ延びる延出部と、延出部の先端
    からチョーク溝の底面方向に折れ曲がった折曲部とを備
    え、 折曲部の折曲長さは、開口縁枠のコーナ部分と対向する
    チョーク溝のコーナ部分において、それ以外の部分より
    も短くされていることを特徴とする高周波加熱装置の電
    波漏洩防止構造。
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