JPS642076Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は型材の結合構造に関し、特に窓枠材の
結合に良好な結合手段を提供するものである。

近年、窓枠として合成樹脂の窓枠が断熱性に優
れているという特性のために、省エネルギーの観
点から、特に寒冷地の窓枠として普及しつつあ
る。

一般に合成樹脂の窓枠を構成する窓枠材は補強
のために鉄、アルミニウム等の金属補強芯体が内
蔵固定されている。即ち従来一般に合成樹脂の窓
枠材の内部に金属補強芯体を強固に嵌合させ、更
に必要に応じて一部を接着剤や木ネジで固定る手
段により金属補強芯体が窓枠材に内蔵固定されて
いる。しかしながら、従来一般に、このような金
属補強芯体を内蔵する窓枠材同士の結合部におい
ては、窓枠材の合成樹脂部分だけが固着され、金
属補強芯体同士は固着されていない。そのため窓
枠材の結合部においては、金属補強芯体は何ら補
強の機能を有せず、十分な物理的補強が得られて
いないのが現状である。

かかる問題を解決する手段として、窓枠材の結
合部にＬ字型の金具を挿入し、窓枠材の外部から
局部的に力を加え、Ｌ字型の金具と窓枠材内部の
金属補強芯体とを局部的に陥没させるという方
法、いわゆるカシメにより固定する手段がある。
しかしながら、この方法は、窓枠材の外部からカ
シメによつてＬ字型金具と金属補強芯体とを固定
するために窓枠材自体が損傷し、雨水または結露
水が窓枠材内部に浸入し易い。そのため、窓枠材
内部の金属補強芯体が腐食するという欠陥があ
る。また、この方法は、カシメ工程という別工程
が必要となるため、工業的実施においては不利益
をまぬがれない。

本考案は、このように合成樹脂製の枠材を損傷
することなく、しかもカシメ工程等の余分な工程
を必要とせず、簡単な方法で結合することのでき
る型材の結合構造を提供する。すなわち、本考案
は、金属補強芯体が内蔵固定されている長尺の熱
可塑性合成樹脂製型材同士の結合において、該金
属補強芯体の端部に熱可塑性合成樹脂を素材とす
る結合端子が固定して設けられ、該結合端子同士
及び型材の結合端子以外の合成樹脂端部同士が熱
融着の手段により固着されてなることを特徴とす
る型材の結合構造である。

ここで金属補強芯体を型材に内蔵固定させる手
段は、前記した従来一般に公知の手段即ち一般に
合成樹脂の型材の内部に金属補強芯体を強固に嵌
合させ、更に必要に応じて一部を接着剤や木ネジ
で固定する手段等が任意に採用される。

長尺の型材の例としては、窓枠材を初めとする
建物の開口部の枠材のほか戸棚などの扉の枠材な
どがある。また、その素材としては通常はポリオ
レフイン樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、ABS樹脂、
アクリル樹脂などの熱可塑性合成樹脂が用いられ
る。

金属補強芯体としては、通常鉄、アルミニウム
等の芯体が用いられる。

本考案の最大の特徴は、金属補強芯体の端部に
合成樹脂を素材とする結合端子が設けられ、型材
の結合部において、該結合端子同士が熱融着の手
段により固着されていることである。結合端子の
素材としては熱可塑性合成樹脂が用いられるが、
特に、結合端子と型材の両方に同じ合成樹脂を使
用した場合は、結合端子及び型材の固着手段とし
て熱融着を採用した時に、結合端子と型材との相
溶性が高まるために結合強度が上昇し、好ましい
結果を与える。

また、結合端子の形状は、どのような形状でも
良いが、柱状、柱状の内部を空洞にした筒状、筒
状の空洞を補強するための補強材を挿入した筒状
のものが良好に使用される。このような柱状、筒
状の結合端子は、金属補強芯体の端部への取付け
が容易に行えるために良好に使用される。

結合端子の金属補強芯体端部への取付け方法つ
まり結合端子を金属補強芯体の端部に固定して設
ける方法は、従来の金属と合成樹脂を固定して連
結する方法が何ら制限なく使用できる。例えば、
金属補強芯体として筒状のものあるいは端部のみ
を筒状にしたものを使用する場合は、結合端子の
径を金属補強芯体の径よりも小さくし、結合端子
の一部を金属補強芯体の端部に挿入する方法、こ
れとは逆に結合端子として筒状のものを用いた場
合は、結合端子の径を金属補強芯体の径よりも大
きくし、結合端子中に金属補強芯体を挿入する方
法等がある。また、これらの方法と接着剤により
接着する方法あるいは結合端子の一部を熱により
軟化させて金属補強芯体の端部と嵌合するように
変形させる方法とを適宜組合せて使することもで
きる。

結合端子同士の接合面は、型材同士の接合面と
同一平面上に存在することが好ましい。こうする
ことによつて、型材同士及び結合端子同士の接合
を同時に行うことが容易となる。

特に好ましい態様は、型材が合成樹脂窓枠材で
あつて、４本の窓枠材が結合されて四角形の窓枠
が形成されており、夫々の結合部が窓枠が存在す
る面に垂直な平面であつて隣接する窓枠材間の内
角が２等分されるような平面で金属補強芯体端部
の結合端子同士及び窓枠材の結合端子以外の合成
樹脂端部同士が共に熱融着の手段により固着され
ている態様である。この態様によると、型材の断
面が外部に表われず、接合部分は熱融着により密
閉されているために、雨水等が型材の内部に侵入
することがない。

なお、型材の結合は、直角に行う場合のほか、
例えば一直線に結合するなど任意の結合態様に本
考案は適用できる。

以下に本考案をさらに明確にするために、図面
に従つて説明する。

第１図は、本考案の一実施態様を示した斜視図
である。第２図は、第１図のＡ−Ａ断面の部分拡
大図であり、合成樹脂枠材の接合部分を示した概
略図である。合成樹脂枠材２の中には金属補強芯
体３が内蔵されており、その端部には合成樹脂を
素材とする結合端子４が金属補強芯体３に挿入さ
れて取付けられている。一方の結合端子４と他方
の結合端子４′とは、合成樹脂枠材の接合面６と
同一平面内に存在する接合面５で接合されてい
る。第３図は、金属補強芯体３が結合端子４に挿
入された例である。

以上のように、本考案においては、内蔵された
金属補強芯体が結合端子を介して熱融着の手段に
より固着されている。従つて、金属補強芯体によ
る枠材の補強をより確実に行うことができる。ま
た接合部分の面積が増加し、物理的強度の向上し
た合成樹脂枠が得られる。

さらに、枠材と結合端子に共に熱可塑性合成樹
脂が用いられているために枠材同士を熱融着の手
段により固着結合する際に同時に結合端子同士を
熱融着により固着することができる。従つて、合
成樹脂枠をより短時間に量産することができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の一態様を示す斜視図である。
第２図は第１図のＡ−Ａ断面の部分拡大図であ
る。第３図は第２図に相当する図面であつて、他
の実施態様を示す。 １は合成樹脂枠、２は合成樹脂枠材、３は金属
補強芯体、４及び４′は合成樹脂結合端子、５は
結合端子の接合面、６は合成樹脂枠材の接合面を
それぞれ示す。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 金属補強芯体が内蔵固定されている長尺の熱可
   塑性合成樹脂製型材同士の結合において、該金属
   補強芯体の端部に熱可塑性合成樹脂を素材とする
   結合端子が固定して設けられ、該結合端子同士及
   び型材の結合端子以外の合成樹脂端部同士が熱融
   着の手段により固着されてなることを特徴とする
   型材の結合構造。