JPS642015B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 〔発明の技術分野〕 この発明は電動圧縮機の電装品として用いられ
る電動圧縮機の保護リレーに係り、特に圧縮機ケ
ースのターミナル部に取付けられる電動機通電用
の電動圧縮機の保護リレーに関する。

〔発明の技術的背景とその問題点〕

室内冷暖房用空気調和機や冷凍機の冷凍サイク
ルには電動圧縮機が組み込まれており、この圧縮
機の駆動により冷凍サイクルが運転されるように
なつている。

電動圧縮機は、第１図に示すように圧縮機ケー
ス１内にモータ主巻線２ａおよび補助巻線２ｂを
有する単相誘導電動機２が収容される。圧縮機ケ
ース１には上記電動機通電用ターミナル部３が設
けられ、このターミナル部３には電動圧縮機の電
装品として保護リレー４が取付けられる。保護リ
レー４はモータプロテクタ５と正特性サーミスタ
６とを備え、ターミナル部３の各ターミナル３
ａ，３ｂ，３ｃに接続される３つのリセプタクル
７ａ，７ｂ，７ｃと４つの外部接続端子８ａ，８
ｂ，８ｃ，８ｄとを有する。

４つの外部接続端子８ａ〜８ｄのうち、第１外
部接続端子８ａは第２図および第３図に示すよう
に、交流電源９の一方に接続可能とされ、この交
流電源９の他方に第２外部接続端子８ｂが接続さ
れる。第３外部接続端子８ｃは、単相誘導電動機
２が第２図に示すように抵抗分相起動方式をとる
とき、第２外部接続端子８ｂに結線１０により接
続される。電動機２が第３図に示すようにコンデ
ンサ起動方式を採用するときには、第３外部接続
端子８ｃは起動用コンデンサ１１に接続される。
第４外部接続端子８ｄは運転用コンデンサ１２に
接続される。

一方、単相誘導電動機は、自始動の能力がない
ため、起動装置を備えており、この起動方式に抵
抗分相起動方式やコンデンサ起動方式等があり、
電動圧縮機の用途や種類に応じて最適な起動方式
が選定される。そして、電動機２が抵抗分相起動
方式に選定された場合、保護リレー４も抵抗分相
起動専用の回路となり、コンデンサ起動方式をと
ればコンデンサ起動専用の回路となる。

ところで、従来の電動圧縮機用保護リレー４は
第３図に示すように基本的にはコンデンサ起動専
用の回路に予めセツトされ、このコンデンサ起動
回路を備えた保護リレー４を抵抗分相起動方式の
電動機に適応させる場合には、保護リレー４内部
（第２外部接続端子と第３外部接続端子）をハン
ダ付やカシメ等で結縁させ、第２図に示す抵抗分
相起動回路を構成している。

しかしながら、抵抗分相起動方式に適用される
保護リレー４を構成するために、保護リレー４内
部を繁雑なハンダ付けやカシメ作業でその都度結
線しなければならず、結線作業が面倒で多大な時
間を要している。このため、保護リレー４に汎用
性を持たせることが困難であつた。

〔発明の目的〕

この発明は上述した点を考慮し、保護リレーに
汎用性を持たせ、簡単かつ単純な切断作業によ
り、抵抗分相起動方式からコンデンサ起動方式の
電動機へ適用可能な電動圧縮機の保護リレーを提
供することを目的とする。

〔発明の概要〕

上述した目的を達成するために、この発明に係
る電動圧縮機の保護リレーは、交流電源側に接続
可能な４つの外部接続端子と、圧縮機ケースの電
動機通電ターミナル部に接続される３つのターミ
ナル側接続端子を備えた電動圧縮機の保護リレー
において、前記外部接続端子は、前記電動機のモ
ータ主巻線に接続可能な第１ターミナル側接続端
子にモータプロテクタを介して結線され、前記交
流電源の一方に接続可能な第１外部接続端子と、
前記モータ主巻線およびモータ補助巻線の間に接
続可能な第２ターミナル側接続端子に結線され、
前記交流電源の他方に接続可能な第２外部接続端
子と、前記モータ補助巻線に接続可能な第３ター
ミナル側接続端子に正特性サーミスタを介して結
線された第３外部接続端子と、前記第３ターミナ
ル側接続端子に結線され、運転用コンデンサに接
続可能な第４外部接続端子とを有し、前記第２お
よび第３外部接続端子は切断可能な結線で互いに
接続されるとともに、上記第３外部接続端子は、
起動用コンデンサに接続可能に構成され、コンデ
ンサ起動方式を採用したとき、結線を切断するよ
うにしたものである。

〔発明の実施例〕

以下、この発明の好ましい実施例について添付
図面を参照して説明する。

第４図は電動圧縮機の電装部品としての保護リ
レー２０を示す回路図であり、この保護リレー２
０はモータプロテクタ２１および電動機の起動ト
ルクを向上させる正特性サーミスタ２２を備え、
さらに３つの第１ないし第３ターミナル側接続端
子としてのリセプタクル（ソケツト）２３ａ，２
３ｂ，２３ｃと４つの外部接続端子（フアストン
タブ）２４ａ，２４ｂ，２４ｃ，２４ｄを有す
る。各リセプタクル２３ａ，２３ｂ，２３ｃは圧
縮機ケース２５のターミナル部２６に形成された
ターミナル２６ａ，２６ｂ，２６ｃに接続され
る。圧縮機ケース２５内には単相誘導電動機２７
が収容されている。この電動機２７はモータ主巻
線２８ａとモータ補助巻線２８ｂとを有し、各巻
線２８ａ，２８ｂへの通電により電動機２７が起
動され、図示しない回転子が回転せしめられる。

前記保護リレー２０は抵抗分相起動方式の回路
を基本としており、モータプロテクタ２１を備え
た第１外部接続端子２４ａは交流電源３０の一方
に接続可能とされ、その他方に第２外部接続端子
２４ｂが接続可能に構成される。第３外部接続端
子２４ｃは電動機が第４図に示す抵抗分相起動方
式をとるときフリーに保たれ、第５図に示すよう
にコンデンサ起動方式を採用するとき、起動用コ
ンデンサ３１に接続可能とされる。この場合、記
動用コンデンサ３１はモータ補助巻線２８ｂと直
列に接続される。また、第４外部接続端子２４ｄ
は運転用コンデンサ３２に接続可能とされ、この
運転用コンデンサ３２の他側は交流電源３０の他
方に接続される。

一方、保護リレー２０内部に配設される正特性
サーミスタ２２は第３および第４外部接続端子２
４ｃ，２４ｄを互いに接続する結線内に介装され
るとともに、第３外部接続端子２４ｃは薄い金属
プレートからなる切断可能な結線３４により第２
外部接続端子２４ｂに電気的に接続される。この
場合、保護リレー２０内の配線を金属板で構成し
てもよく、その場合には、単一の金型で内部配線
を一度の成形加工で一体成形することができる。

しかして、第４図に示す保護リレー２０を抵抗
分相起動方式の電動機２７に適用する場合には、
第５図に示すようにそのままセツトすればよく、
第６図に示すコンデンサ起動方式の電動機に適用
する場合には、保護リレー２０内部の結線３４を
切断すればよい。この切断作業は、ハンダ付やカ
シメ作業などの結線作業と異なり、簡単かつ短時
間で行なうことができる。

実際の保護リレー２０は第７図および第８図に
示すように構成され、モータプロテクタ２１、正
特性サーミスタ２２およびリセプタクル（ソケツ
ト）２３ａ，２３ｂ，２３ｃが本体ケース３５内
に収納される。この収納状態で、本体ケース３５
には外側からカバー３６が被せられ、このカバー
３６はリベツトなどにより本体ケース３５に一体
的に取付けられる。

しかして、保護リレー２０は圧縮機ケース２５
のターミナル部２６から突出したターミナル２６
ａ，２６ｂ，２６ｃにリセプタクル２３ａ，２３
ｂ，２３ｃが挿入されることにより、取付けら
れ、この取付状態で４つの外部接続端子２４ａ，
２４ｂ，２４ｃ，２４ｄはコンデンサ３２，３１
を介して交流電源に接続可能に保持される。

次に、この発明の作用について説明する。

第４図に示す電動圧縮機の保護リレー２０を抵
抗分相起動方式の単相誘導電動機の電装品として
取付ける場合には、第５図に示すように保護リレ
ー２０はそのままセツトされ、このセツト後に通
電することにより、モータ主巻線２８ａとこの主
巻線２８ａと電気角90゜位置に配置されたモータ
補助巻線２８ｂとの間に位相の異なる電流を得て
回転磁界が生ぜしめられる。この回転磁界により
電動機２７は起動され、回転子（図示せず）は回
転せしめられる。その際、保護リレー２０内に正
特性サーミスタ２２が収容されているため、この
サーミスタ２２により起動トルクが改善され、大
きな起動トルクを生じさせる。

電動機２７が起動され、運転状態に入ると、正
特性サーミスタ２２は加熱されて大きな抵抗とな
るため、モータ補助巻線２８ｂ側に電流が流れな
くなる。

また、第４図に示す保護リレー２０をコンデン
サ起動方式の電動機に適用する場合には、第６図
および第８図に示すように、保護リレー２０内部
の第２外部接続端子２４ｂと第３外部接続端子２
４ｃを接続する結線３４を切断することにより行
なわれる。このように、保護リレー２０内部の一
箇所を切断するだけで、基本的には抵抗分相起動
方式の電動機用電装品として使用される保護リレ
ー２０を、コンデンサ起動方式の電装品として適
用することができる。

この場合には、起動用コンデンサ３１がモータ
補助巻線２８ｂと直列に接続され、このコンデン
サ３１でモータ補助巻線２８ｂ内に流れる電流の
位相を進めることにより、回転磁界が得られ、単
相誘導電動機は起動される。コンデンサ起動方式
の単相誘導電動機は、起動コンデンサ３１の進相
電流によつて励磁電流が補償されるので起動電流
が小さく、起動トルクが大きい。このため、例え
ば100W〜400W程度の電動機に適する。

〔発明の効果〕

以上に述べたようにこの発明に係る電動圧縮機
の保護リレーにおいては、電動機の起動回路を変
更する場合、保護リレー内部の結線を切断するだ
けでよく、従来のようにハンダ付やスポツト溶接
等の結線作業を必要としないので、抵抗分相起動
方式からコンデンサ起動方式への起動回路の変更
を簡単な作業で容易に行なうことができる。

また、保護リレー内部の配線を金属板で形成し
た場合には、単一の金型で内部配線を一体成形す
ることができ、配線構造が簡素化される。

【図面の簡単な説明】

第１図は従来の電動圧縮機の保護リレーを示す
回路図、第２図は従来の保護リレーを抵抗分相起
動方式の電装品として使用した例を示す回路図、
第３図は従来の保護リレーをコンデンサ起動方式
の電装品として使用した例を示す回路図、第４図
はこの発明に係る電動圧縮機の保護リレーの一実
施例を示す回路図、第５図はこの発明の保護リレ
ーを抵抗分相起動方式の電装品として使用した例
を示す回路図、第６図は上記保護リレーをコンデ
ンサ起動方式の電装品として使用した例を示す回
路図、第７図は上記保護リレーを電動圧縮機の圧
縮機ケースにセツトした取付状態を示す図、第８
図は第７図の―線に沿う図である。 ２０……保護リレー、２１……モータプロテク
タ、２２……正特性サーミスタ、２３ａ，２３
ｄ，２３ｃ……リセプタクル、２４ａ，２４ｂ，
２４ｃ，２４ｄ……外部接続端子、２５……圧縮
機ケース、２６……ターミナル部、２７……単相
誘導電動機、２８ａ……モータ主巻線、２８ｂ…
…モータ補助巻線、３０……交流電源、３１……
起動用コンデンサ、３２……運転用コンデンサ、
３５……本体ケース。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 交流電源側に接続可能な４つの外部接続端子
   と、圧縮機ケースの電動機通電ターミナル部に接
   続される３つのターミナル側接続端子を備えた電
   動圧縮機の保護リレーにおいて、前記外部接続端
   子は、前記電動機のモータ主巻線に接続可能な第
   １ターミナル側接続端子にモータプロテクタを介
   して結線され、前記交流電源の一方に接続可能な
   第１外部接続端子と、前記モータ主巻線およびモ
   ータ補助巻線の間に接続可能な第２ターミナル側
   接続端子に結線され、前記交流電源の他方に接続
   可能な第２外部接続端子と、前記モータ補助巻線
   に接続可能な第３ターミナル側接続端子に正特性
   サーミスタを介して結線された第３外部接続端子
   と、前記第３ターミナル側接続端子に結線され、
   運転用コンデンサに接続可能な第４外部接続端子
   とを有し、前記第２および第３外部接続端子は切
   断可能な結線で互いに接続されるとともに、上記
   第３外部接続端子は、起動用コンデンサに接続可
   能に構成され、コンデンサ起動方式を採用したと
   き、前記結線を切断するようにしたことを特徴と
   する電動圧縮機の保護リレー。 ２ 切断可能な結線は薄い金属プレートで構成さ
   れ、結線はコンデンサ起動方式をとるとき、切断
   される特許請求の範囲第１項に記載の電動圧縮機
   の保護リレー。