JPS64123Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案はヘツドレストを座席の背凭部に一体に
構成されている車両用座席（リヤシートバツク）
の改良、特にそのヘツドレスト部分の形状出しに
関するものである。

従来、この種のヘツドレストを有する車両用座
席はヘツドレスト支持部材を座席（背凭部）を構
成する支持部材（例えばバツクフレームにワイヤ
を組込だもの）と一体に形成したものの上に、平
板状に形成した発泡材製緩衝板（スラブ）の一枚
状のものを被着せしめ、これを表皮で被包してい
たため、そのヘツドレスト部分の形状出しを的確
に行うことができず、美感を損ね商品価値の高い
座席を堤供することができなかつた。即ち、背凭
部を構成する支持部材に対して、ヘツドレスト支
持部材はその左右端縁が直角状に立ち上がつてい
るため、その上に弾力性のある発泡材からなる一
枚状の緩衝板を被せ表皮で固定すると、ヘツドレ
スト支持部材と背凭部を構成する支持部材との境
界部に対応する表皮がダレてヘツドレスト部が所
定の形状に形成することができなかつた。

そこで本考案は斯る欠点を解消することを目的
とするものであり、その要旨とするところは、ヘ
ツドレスト支持部材と背凭部支持部材とが一体に
形成され、これらを一枚の平板状スラブ材製緩衝
板で被い、その上を表皮で被覆してヘツドレスト
と背凭部とを形成してなる車両用座席において、
前記背凭部は前記ヘツドレスト支持部材に対応す
る部分を切欠した前記緩衝材と、同部分に切欠を
設けこの切欠の端末をヘツドレスト支持部材の周
囲の背凭部支持部材に取着した表皮とから構成
し、前記ヘツドレストはモールド加工した発泡体
製ヘツドレスト緩衝材、このヘツドレスト緩衝材
を被着した表皮とからなり、前記背凭部を構成す
る緩衝材と表皮におけるヘツドレスト支持部材側
の側面をヘツドレストを構成する緩衝材で内方に
押圧して、ヘツドレスト周辺の背凭部の皺の発生
を防止してなるものである。

以下本考案の実施例を図面にもとずいて説明す
る。

第１図、第２図は第１実施例を示し、図中Ａは
座席の背凭部、Ｂは座席の背凭部Ａに固定したヘ
ツドレスト、Ｃは座席の座部を夫々示し、前記ヘ
ツドレストＢを支持するヘツドレスト支持部材ｂ
は背凭部Ａの支持部材ａと一体に形成されてお
り、支持部材ａは背凭部Ａの外形形状を形状出し
する枠状バツクフレーム（ワイヤフレーム、鋼管
フレーム…）に、Ｓばね、ワイヤなどを架設せし
めたものであり、又、ヘツドレスト支持部材ｂは
ワイヤ、板金などで所定の形状に形成して、前記
背凭部Ａの支持部材ａ上に溶接などで一体に取付
けたものである。そしてこの背凭部Ａの支持部材
ａ上に、発泡材製スラブ板からなる緩衝板１を載
置する。この緩衝板１はヘツドレスト支持部材ｂ
に対応する部分をあらかじめ長方形状に切欠し
て、支持部材ａ上に載置した際ヘツドレスト支持
部材ｂが突出状に露出するようにする。又、この
緩衝板１を被包し支持部材ａの構成部分に端末を
取付けるビニールレザーなどの表皮２における、
ヘツドレスト支持部材ｂに対応する部分にはＨ字
の切り込みを入れ、この切り込みによつて形成し
た部分で前記緩衝材１の切欠部口壁面（ヘツドレ
スト支持部材ｂ側の側面）を被覆し、且つその切
り込みによつて形成した端末を支持部材ａにクリ
ツプなどで取着する。

ヘツドレスト緩衝材３は発泡材などで所定形状
にモールド成形して、前記ヘツドレスト支持部材
ｂに被せる。そしてこのヘツドレスト緩衝材３の
表面にはヘツドレスト表皮４を被せ、その周囲の
端末をＣクリツプ５などでヘツドレスト支持部材
ｂの下端部若しくは背凭部Ａの支持部材ａに止着
してヘツドレストＢを形成する。

すると、第２図に示すようにヘツドレスト緩衝
材３はモールド成形されているため、背凭部Ａの
スラブ材製緩衝材１に対して硬質であるので、ス
ラブ材製緩衝材１におけるヘツドレス支持部材ｂ
側の側面とその側面を被覆する表皮２を、緩衝材
１の内部方向に押圧するため、緩衝材１の側面は
内側方向に凹む。そのため、ヘツドレストＢ周囲
の表皮２は支持部材ａ方向に引込まれるので、皺
が生じない。

第４図、第５図は第２実施例を示し、緩衝材
１′をヘツドレスト支持部材ｂに対応する位置と
その上方部分とをコ字状に切欠し、この切欠する
部分にモールド成形したヘツドレスト緩衝部材
３′と、その表皮４′とを前記実施例と同様な方法
で止着してヘツドレストB′を背凭部Ａに一体に
形成する。斯様に形成することにより、前記実施
例に比べヘツドレストB′周縁の表皮２′を簡単に
張設できるし、皺も発生しない。図中６は吊糸で
Ｃクリツプ５′でその一端をヘツドレスト支持部
材ｂに固定したヘツドレストB′の表皮４′を固定
する。又、Ｄは車体を示す。

本考案によれば、ヘツドレストと背凭部とを一
体に形成した車両用座席において、ヘツドレスト
はモールド加工した発泡体製の緩衝材からなり、
この緩衝材は、背凭部を構成するスラブ材製の緩
衝板に対してモールド成形されているため硬質に
形成されている。そのため、ヘツドレスト支持部
材に対応する部分を切欠した前記スラブ材製緩衝
板と同部分に切欠を設け、この切欠の端末をヘツ
ドレスト支持部材の周囲の背凭部支持部材に取着
して、前記スラブ材製緩衝板を被覆してなる背凭
部は、そのヘツドレスト側の側端面が、前記ヘツ
ドレストによつて緩衝材の弾性に抗して内方に押
圧されるため、ヘツドレスト周囲の表皮がスラブ
材製緩衝板の弾性によつて引張られるので、ダレ
たり、或いは、たるむことがない。従つて、前記
従来品の如くヘツドレストの周囲の背凭部に表皮
の皺が発生することがない。

また、ヘツドレスト自体もモールド加工したヘ
ツドレスト緩衝材によつて形成されているため、
皺などが生じない。そのため、前記従来品に比
べ、座席全体の形状が所定の外形寸法に形成で
き、外観に優れたものを堤供できる。

依つて、所期の目的を達成できる。

【図面の簡単な説明】

図面は本考案の実施例を示し、第１図はその一
部を切欠して示す斜視図、第２図は−線に沿
える縦断側面図、第３図、第４図は他の実施例を
示し、第３図はその一部を切欠して示す斜視図、
第４図は−線に沿える縦断側面図である。 図中Ａは座席の背凭部、Ｂはヘツドレスト、ａ
は背凭部Ａの支持部材、ｂはヘツドレストＢの支
持部材、１，１′は背凭部Ａの緩衝板、２，２′は
背凭部Ａの表皮、３，３′はヘツドレストＢの緩
衝材、４，４′はヘツドレストＢの表皮を夫々示
す。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. ヘツドレスト支持部材と背凭部支持部材とが一
   体に形成され、これらを一枚の平板状スラブ材製
   緩衝板で被い、その上を表皮で被覆してヘツドレ
   ストと背凭部とを形成してなる車両用座席におい
   て、前記背凭部は前記ヘツドレスト支持部材に対
   応する部分を切欠した前記緩衝板と、同部分に切
   欠を設け、この切欠口の端末をヘツドレスト支持
   部材の周囲の背凭部支持部材に取着した表皮とか
   ら構成し、前記ヘツドレストはモールド加工した
   発泡体製ヘツドレスト緩衝材と、このヘツドレス
   ト緩衝材を被着した表皮とからなり、前記背凭部
   を構成する緩衝板と表皮におけるヘツドレスト支
   持部材側の側面をヘツドレストを構成する緩衝材
   で内方に押圧して、ヘツドレスト周辺の背凭部の
   皺の発生を防止してなる車両用座席。