JPS641084B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は、接地フロート付き植付け装置を本機
に対して対地姿勢一定又はほぼ一定のままで駆動
昇降させるための平行四連リンク機構と、この平
行四連リンク機構に対して、前記植付け装置をロ
ーリング自在に懸架させる吊下げリンク機構とを
設けるとともに、前記植付け装置側に、機体の横
外方に突出した作用姿勢と機体側に格納した非作
用姿勢とに切換自在で、かつ、前記作用姿勢に突
出付勢された左右一対の線引きマーカーを装備し
てある田植機に関する。

線引きマーカーを備えた田植機においては往復
植付け走行を行う際に、一行程ごとに左右の線引
きマーカーを交互に使つて隣接する次行程での走
行基準線を田面に形成してゆくことになるので、
一行程の植付け走行を終えて畦際でＵターン旋回
を行う時に、先に行程で作用姿勢に突出させてい
た線引きマーカーを非作用姿勢に切換える必要が
あり、従来ではこの線引きマーカーの非作用姿勢
への切換えを手動で行つていた。

しかし、畦際での機体旋回時には、植付け装置
の上昇操作と機体操縦操作を手際よく行わねばな
らず、これに加えて線引きマーカーの非作用姿勢
への切換え操作を行うことは甚だ煩わしいものと
なり、従つて、近年においては、実開昭54−
35218号公報に示される如く、線引きマーカーの
基端を、平行四連リンク機構のロアーリンクの上
昇経路に臨ませて、ロアーリンクの上昇に伴う線
引きマーカーとの接当によつて、前記線引きマー
カーを自動的に非作用姿勢に切換えるべく構成、
又は、実開昭52−150531号公報に示される如く、
平行四連リンク機構を昇降駆動するリフトアーム
と線引きマーカーとをワイヤーを介して連結し
て、植付け装置の上昇に伴つて線引きマーカーを
自動的に非作用姿勢に切換えるべく構成してあ
る。

ところが、前者の手段、つまり、ロアーリンク
との接当によつて線引きマーカーを非作用姿勢に
切換える手段のものでは、ロアーリンクの巾、植
付け装置に対する線引きマーカーの取付け位置等
の規制を受けて、多条植田植機の場合に、ロアー
リンクの植付け装置側、つまり、ロアーリンクの
遊端側を機体横外側方に膨出して特殊形状のロア
ーリンクに形成しなければならず、つまり、ロア
ーリンクの横巾は、一般に、本機の横巾と略同巾
に形成され、そして、線引きマーカーは、一般
に、植付け装置の横外側部近くに取付けられる
為、多条植田植機の場合には、ロアーリンクと線
引きマーカーとの横巾方向の間隔が広くなり、従
つて、線引きマーカーの基端にロアーリンクを接
当させようとすれば、ロアーリンクの遊端側を機
体横外側方に膨出した特殊形状のロアーリンクに
形成しなければならず、かかる場合には、植付け
装置の横巾が大であるが為に道路交通法の規制を
受けて植付け装置を取外して走行しなければなら
ない路上走行時に、機体横巾方向に大きく突出す
るロアーリンクも取外さなければならない不都合
がある。そして、後者の手段、つまり、本機に対
するリフトアームの昇降量をもつてワイヤーを介
して線引きマーカーを非作用姿勢に切換える手段
によれば、本機側のリフトアームと線引きマーカ
ーとを連係するワイヤーが長く、ワイヤーの伸び
によつて線引きマーカーを確実に非作用姿勢に切
換えることができなくなる不都合がある。

本発明は、線引きマーカーをワイヤーを介して
操作する構造のものでありながら、ワイヤーの伸
びを小さくして、線引きマーカーを良好に非作用
姿勢に切換えるべく構成するとともに、そのこと
によつて生じる新たな問題点をもうまく解決せん
とするものである。

上記目的を達成する為の本発明の特徴構成は、
前記平行四連リンク機構のトツプリンクと前記左
右一対の線引きマーカーとのあいだに、前記植付
け装置の植付け作業範囲以上の上昇に連動して、
作用姿勢にある線引きマーカーを付勢力に抗して
非作用姿勢に自動切換えする索状体を張設すると
ともに、前記索状体のトツプリンクに対する連結
点の下方位置近くに、前記索状体を、その中間部
が前記吊下げリンク機構のリンクの下端部を迂回
してＬ字状に張設されるように案内する左右一対
のガイドローラを設けた点にあり、かかる構成か
ら次の作用効果を奏する。

すなわち、植付け装置昇降駆動用平行四連リン
ク機構が上昇すると、平行四連リンク機構のトツ
プリンクの後端と植付け装置との間に上下方向の
相対距離変化が生じ、この変位量でもつて索状体
を介して線引きマーカーが非作用姿勢に切換えら
れる。

このように、植付け装置昇降駆動用平行四連リ
ンク機構の上昇にともなつて索状体を介して線引
きマーカーを非作用姿勢に切換えるワイヤー形式
だから、植付け装置の横外側部に線引きマーカー
が取付けられた多条植田植機の場合にも、それ
を、索状体を介して非作用姿勢に切換えることが
でき、ロアーリンクとの接当形式のように、ロア
ーリンクの遊端側を機体横外側方に膨出した特殊
な形状に構成する必要がなく、路上走行時に、ロ
アーリンクを取外す必要がない。

そして、平行四連リンク機構の昇降に伴うトツ
プリンクの後端と植付け装置との間における変位
量をもつて線引きマーカーを非作用姿勢に切換え
る形式だから、本機に対するリフトアームの変位
量をもつて線引きマーカーを非作用姿勢に切換え
る形式の場合のように、線引きマーカーに連結の
索状体を平行四連リンク機構基端側の本機側まで
長く配設する必要がなく、索状体の伸びを抑制し
て線引きマーカーを非作用姿勢に確実に切換える
ことが可能となる。

そして、このように、トツプリンクの後端と線
引きマーカーとに亘つて索状体を張設する構造の
ものでは、平行四連リンク機構の上昇に伴うトツ
プリンクと線引きマーカーとの上下方向の相対距
離変化が小さく、トツプリンクと線引きマーカー
とを直線的に連結する場合には、水平軸周りで回
動する線引きマーカーの基端近くに索状体を連結
して、トツプリンクと線引きマーカーとの相対距
離変化の少ない動きでもつて線引きマーカーを非
作用姿勢に切換えなければならず、かかる場合に
は、索状体に作用する引つ張り力が大で、索状体
を太くしておかなければならない、又は、これを
避ける為に、線引きマーカーに対して索状体を回
動基端から離れた箇所に連結すると、索状体を操
作する為に、特別な変位拡大機構を用いなければ
ならないという新たな問題が生じるけれども、本
発明は、トツプリンクの後端と線引きマーカーと
を連結する索状体の中間部を、トツプリンク後端
の畦垂直下方に配置したガイドローラを介して、
トツプリンクの下端部を迂回させて張設してある
から、平行四連リンク機構の昇降に伴うトツプリ
ンクの後端と植付け装置との間における少ない変
位量を効率良く利用することができ、これによつ
て、線引きマーカーに対して索状体をマーカーの
回動基端から離れた箇所に連結し得ることから、
索状体に作用する引つ張り力を小さくし得て、索
状体を細くすることができ、この種、軽量化が望
ましい田植機にとつて有利であり、又、特別な変
位拡大機構を用いる必要もない。

以下、本発明の実施例を図面に基づいて説明す
る。

第１図は５条植えの乗用田植機を示し、本機１
に対して植付け装置２を一定又はほぼ一定の対地
姿勢のままで駆動昇降させるための平行四連リン
ク機構３と、前記植付け装置２を平行四連リンク
機構３に対して、両者２，３の左右相対揺動を許
容するためのローリング中心が機体横巾の中央
で、かつ、前記植付け装置２の接地フロート１７
の接地面近傍に位置する状態で懸架する正面視に
おいて逆台形状の吊下げリンク機構４とを設ける
とともに、前記植付け装置２にには、機体の横外
側方に突出した作用姿勢と機体側に格納した非作
用姿勢とに切換え自在な左右一対の線引きマーカ
ー５，５を装備している。

前記本機１は次の如く構成されている。

即ち、エンジン６を搭載してあるフレーム７に
ミツシヨンケース８を連結し、このミツシヨンケ
ース８の前部に左右一対の操向車輪９を軸架する
とともに、前記ミツシヨンケース８の後部には、
左右一対の非操向車輪１０への伝動機構を内装し
てある車輪支持ケース１１を固着し、かつ、前後
車輪９，１０間の上部には、前記操向車輪９に対
するステアリングハンドル１２と運転席１３とを
配置している。

前記植付け装置２は、左右横方向に往復移動自
在な前傾姿勢の苗のせ台１４、植付け爪１５、こ
れらの駆動機構を内装してある植付けケース１６
ならびに、植付け面を整地する接地フロート１７
等から構成されている。

前記平行四連リンク機構３は次の如く構成され
ている。

即ち、第２図でも示すように、本機１の固定フ
レーム１８に、一本のトツプリンク１９と左右一
対のロアーリンク２０，２０の前端部を枢支連結
し、これら両リンク１９及び２０，２０の後端部
同志を、正面視ほぼ門の字状の部材２１にブラケ
ツト２２を介して取付けられた支軸２３及び前記
門の字状部材２１の遊端部間に亘つて固着された
支軸２４を介して枢支連結するとともに、前記ト
ツプリンク１９の途中に固着したアーム２５と前
記ミツシヨンケース８との間に油圧シリンンダ２
６を介装し以つて、油圧シリンダ２６の伸縮作動
に伴なうトツプリンク１９及びロアーリンク２
０，２０の上下揺動により、前記植付け装置２を
本機１に対して一定又はほぼ一定の対地姿勢のま
まで駆動昇降させるべく構成している。

前記吊下げリンク機構４は、前記門の字状部材
２１の横枠部分両端部と植付け装置２の植付けケ
ース１６との間に亘つて、左右一対のリンク４
Ａ，４Ａを、それらの延長線が中央接地フロート
１７の横巾中央位置で、かつ、その接地面近傍で
会交するように枢支連結して構成している。

また、前記門の字状部材２１の横枠部分両端部
と苗のせ台１４との間に、苗のせ台１４が横移動
したとき、その移動した側の苗のせ台部分に対し
て引上げ力を発生作用させる左右一対のスプリン
グ２７，２７を張設している。

そして、第２図乃至第４図で示すように、前記
植付けケース１６から苗のせ台１４の下側部を通
して横外側方に突出した左右のパイプフレーム２
８，２８の先端部に、前記左右一対の線引きマー
カー５，５を機体前後方向軸芯周りで揺動自在に
枢着し、これら両線引きマーカー５，５を前記の
作用姿勢に突出付勢するスプリング２９，２９を
設けるとともに、前記トツプリンク１９の後端部
分１９Ａを、平行四連リンク機構３の昇降に伴な
つて植付けケース１６との上下相対距離が変動す
るように、その後端枢支連結部よりも後方に延出
し、この延出後端部分１９Ａと前記線引きマーカ
ー５，５との間に亘つて、前記植付け装置２の付
け作業範囲以上の上昇に連動して、前記線引きマ
ーカー５，５を付勢力に抗して非作用姿勢に自動
的、かつ、可逆的に切換える左右一対のワイヤー
３０，３０を、前記吊下げリンク機構４を構成す
る左右一対の台形リンク４Ａ，４Ａの下端部に枢
着したガイドローラー３１，３１を通して正面視
ほぼＬ字状に張設している。これら両ワイヤー３
０，３０を、前記トツプリンク１９の延出後端部
分１９Ａ周りにおいて左右移動自在に連結すると
ともに、前記延出後端部分１９Ａには、連結ワイ
ヤー３０，３０を移動自在に巻回支持するガイド
輪３２を取付けている。

また、前記パイプフレーム２８に、前記線引き
マーカー５に固着したピン３３に上方から嵌係合
して該線引きマーカー５を横外側上方に向く第１
非作用姿勢及びほぼ鉛直面に沿う第２姿勢で固定
保持するための係止溝３４ａ，３４ｂを形成して
あるアーム３４を上下揺動自在枢着し、このアー
ム３４を係合方向に付勢するスプリング３５を設
けるとともに、前記アーム３４をスプリング３５
の付勢力に抗して係合解除する棒状の人為操作具
３６を設け、以つて、前記線引きマーカー５を非
作用姿勢から非作用姿勢に人為操作により切換え
る機構３７を構成している。

また、前記線引きマーカー５の線引き部５Ａの
始端部分５ａを円錐状に形成している。このよう
に構成した場合には草やワラ屑などの異物の引掛
りが少なくなる利点がある。

尚、特許請求の範囲の項に図面との対照を便利
にする為に符号を記すが、該記入により本発明は
添付図面の構造に限定されるものではない。

【図面の簡単な説明】

図面は本発明に係る線引きマーカー付田植機の
実施例を示し、第１図は全体側面図、第２図、第
３図は夫々要部の拡大側面図と背面図、第４図は
線引きマーカーの切換え状態を示す背面図であ
る。 １……本機、２……植付け装置、３……平行四
連リンク機構、４……吊下げリンク機構、４Ａ…
…リンク、５……線引きマーカー、１７……接地
フロート、１９……トツプリンク、３０……索状
体、３１……ガイドローラー。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ 接地フロート１７付き植付け装置２を本機１
   に対して対地姿勢一定又はほぼ一定のままで駆動
   昇降させるための平行四連リンク機構３と、この
   平行四連リンク機構３に対して、前記植付け装置
   ２をローリング自在に懸架させる吊下げリンク機
   構４とを設けるとともに、前記植付け装置２側
   に、機体の横外方に突出した作用姿勢と機体側に
   格納した非作用姿勢とに切換自在で、かつ、前記
   作用姿勢に突出付勢された左右一対の線引きマー
   カー５，５を装備してある田植機において、前記
   平行四連リンク機構３のトツプリンク１９と前記
   左右一対の線引きマーカー５，５とのあいだに、
   前記植付け装置２の植付け作業範囲以上の上昇に
   連動して、作用姿勢にある線引きマーカー５を付
   勢力に抗して非作用姿勢に自動切換えする索状体
   ３０を張設するとともに、前記索状体３０のトツ
   プリンク１９に対する連結点の下方位置近くに、
   前記索状体３０，３０を、その中間部が前記吊下
   げリンク機構４のリンク４Ａの下端部を迂回して
   Ｌ字状に張設されるように案内する左右一対のガ
   イドローラ３１，３１を設けてあることを特徴と
   する線引きマーカー付田植機。