JPS6410587B2 - - Google Patents
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- JPS6410587B2 JPS6410587B2 JP1220287A JP1220287A JPS6410587B2 JP S6410587 B2 JPS6410587 B2 JP S6410587B2 JP 1220287 A JP1220287 A JP 1220287A JP 1220287 A JP1220287 A JP 1220287A JP S6410587 B2 JPS6410587 B2 JP S6410587B2
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Landscapes
- Extrusion Of Metal (AREA)
- Metal Extraction Processes (AREA)
Description
〔産業上の利用分野〕
本発明は耐摩耗性を有し、かつ切削加工性の優
れたアルミニウム合金展伸材の製造方法に関する
ものである。 〔従来の技術〕 従来よりVTR用部品には軽量化のために種々
のAl合金が使用されており、特にシリンダーな
どのテープ摺動部部品には耐摩耗性を有するAl
−Si系合金が用いられている。ところでVTR機
器の最近の進歩により、従来の機種に加えて、新
たに8mmビームタイプなどのような軽量小型高能
性化への移行が検討されているため、このような
用途におけるAl合金材料の特性の向上が求めら
れており、最終形状を切削加工によつて得るよう
な上記部品等についてはAl合金材料として耐摩
耗性とともに良好な切削加工性が重要視されるよ
うになつてきている。 〔発明が解決しようとする問題点〕 上記Al−Ci系合金としてはJIS4032(Si11.0〜
13.5%、CU0.50〜1.3%、Mg0.8〜1.3%、Ni0.5〜
1.3%、残部Al)が代表的合金として用いられる
が、該合金は耐摩耗性が比較的良好であるものの
切削加工性、特に切粉処理性で劣つている。即ち
切粉が微細化せずリボン状又はつる巻状となり脱
落し難いため加工材と切削工具との間に溜り、加
工材に傷をつける等仕上り面の面粗度を著しく悪
化させるという問題が生じる。 上記Al合金の切削加工性を向上させるため、
従来Al−Si系合金をベースとしてPb、Sn、Biな
どの低融点金属を添加する方法が知られている。
これはAl合金中に固溶せずに球状に分散してい
る低融点金属が加工時に加工材に加わる加工応力
及び加工材と切削工具間に発生する加工熱のため
容易に軟化して破断する。従つて切粉は連続せず
に分断され微細化するので脱落し易くなり加工材
を傷つけることがないからである。しかし低融点
金属はそれ自体が腐食し易く、また切削面に露出
した低融点金属粒子のため切削面に微小な凹凸が
残る。このため低融点金属を添加したAl合金は
他の合金組成が同一で低融点金属を添加しない
Al合金に比較して、耐食性及び切削表面の面粗
度が劣るという問題が新たに発生する。 〔問題点を解決するための手段〕 本発明はこれに鑑み種々検討の結果、耐食性及
び切削表面の面粗度の劣化をもたらすPb、Sn、
Biなど低融点金属の快削成分を添加することな
しに切削加工性を改善した耐摩耗性アルミニウム
合金展伸材の製造方法を開発したものである。 即ち本発明製造法の一つはSi6〜14wt%、
Fe0.1〜1.0wt%、Cu1.0〜3.0wt%、Mn0.05〜
0.2wt%、Mg0.2〜1.5wt%、Cr0.05〜0.5wt%、
Ni0.05〜1.0wt%を含み、残部Alと通常の不純物
からなるアルミニウム合金鋳塊を450〜520℃の温
度で4時間以上の均熱処理を施した後、300〜500
℃の温度で押出加工を施し、その後470〜525℃の
温度で溶体化処理を施し、しかる後加工率3〜30
%の冷間引抜きを施すことを特徴とするものであ
る。 また本発明製造法の他の一つはSi6〜14wt%、
Fe0.1〜1.0wt%、Cu1.0〜3.0wt%、Mn0.05〜
0.2wt%、Mg0.2〜1.5wt%、Cr0.05〜0.5wt%、
Ni0.05〜1.0wt%を含み、残部Alと通常の不純物
からなるアルミニウム合金鋳塊を450〜520℃の温
度で4時間以上の均熱処理を施した後、300〜500
℃の温度で押出加工を施し、その後470〜525℃の
温度で溶体化処理を施し、しかる後加工率3〜30
%の冷間引抜きを施してから150〜200℃の温度で
6〜12時間の人工時効処理を施すことを特徴とす
るものである。 〔作用〕 本発明においてアルミニウム合金組成を上記の
如く限定したのは次の理由による。本発明ではSi
とMgを共存させることによりMg2Si化合物を形
成し、強度を大きくすると共にMg2Si化合物の形
成に必要なSi量よりも過剰にSiを添加して共晶Si
を形成させ耐摩耗性を向上させたもので、Si含有
量を6〜14wt%(以下単に%と略記)と限定し
たのは6%未満では耐摩耗性が不足し、14%を超
えると冷間加工性と切削を低下させるためであ
る。Feの添加は耐摩耗性を向上させるためであ
り、Feの含有量を0.1〜1.0%と限定したのは0.1%
未満では上記効果が認められず、1.0%を超える
と耐食性を低下させるためである。Cuの添加は
基地の強度を高める効果があり、共晶Siによる耐
摩耗性改善の補助的役割を果すもので、Cuの含
有量を1.0〜3.0%と限定したのは1.0%未満では上
記効果が十分に得られず、3.0%を超えると冷間
加工性を低下させるためである。Mn及びCrの添
加は耐摩耗性を改善するためでありMnの含有量
を0.05〜0.2%及びCrの含有量を0.05〜0.5%と限
定したのはそれぞれ0.05%未満では上記効果が不
十分であり、Mnが0.2%あるいはCrが0.5%を超
えると熱間及び冷間加工性を悪化させるためであ
る。Mgの添加は上記のようにSiとMg2Si化合物
を形成して強度を高めるためであり、1.5%を超
えると冷間加工性を低下させるためである。Ni
の添加は温度上昇時において耐摩耗性を維持させ
るためであり、Niの含有量を0.05〜1.0%と限定
したのは0.05%未満では上記効果が小さく、1.0
%を超えると上記効果は飽和してしまうからであ
る。 次に上記Al合金鋳塊を均熱処理するのは一般
の押出用ビレツトと同様に鋳塊のミクロ偏析を均
一化し、かつ熱歪を除去して押出性を改善し、さ
らに共晶Siを球状化して耐摩耗性及び切削加工性
を向上させるためである。しかして該均熱温度を
450〜520℃と限定したのは450℃未満の温度では
上記効果が不十分であり、520℃を超える温度で
はAl合金鋳塊の局部溶融を生じるためである。
さらに均熱処理時間を4時間以上としたのは、4
時間未満では共晶Siの球状化が不十分なためであ
る。なお4時間以上できるだけ長時間均熱処理を
するのが切削加工性と耐摩耗性の向上には望まし
い。均熱処理後の鋳塊を300〜500℃の温度で押出
加工するのは、300℃未満の温度では本発明によ
る上記成分のAl合金鋳塊の押出性が極めて悪く、
500℃を超える温度では押出しによりAl合金の局
部溶融を引き起し押出材表面を悪化させるからで
ある。その後、押出し材に施す溶体化処理の温度
を470〜525℃と限定したのは470℃未満の温度で
は溶体化が不十分であり、525℃を超える温度で
はAl合金の局部溶融を引き起すためである。溶
体化処理後の冷間引抜きはAl合金内部に加工歪
を蓄積させるためであり、該加工歪の一部はAl
合金にすべり線を形成するが他の大部分は非塑性
の共晶Si粒子の周辺に微小なボイドを多数形成さ
せる。従つてこの引抜き材を切削加工する場合に
はこうしたボイドの存在によつて切粉が該ボイド
で分断され、切粉は微細となり切削加工性、特に
切粉処理性が向上することになる。この場合冷間
引抜きの加工率を3〜30%に限定したのは、3%
未満の加工率では微小ボイドを形成するには歪量
が不十分で切粉の微細化効果が得られないからで
あり、30%を超える加工率では冷間引抜時に材料
の破断が発生してしまい製造不可能となるからで
ある。 次に冷間引抜き後に、人工時効処理を行なうの
は材料の硬さ(機械的性質)を増大させることに
より耐摩耗性を向上させるためであり人工時効を
150〜200℃の温度範囲で6〜12時間に限定したの
は150℃未満の温度で6時間未満の処理では時効
がほとんど進行しないために効果がなく、200℃
を超える温度で12時間を超える処理では逆に過時
効のために耐摩耗性が低下してしまうからであ
る。尚上記Al合金は良好な耐摩耗性及び切削加
工性を得るため通常用いられるように鋳造時に
Na、Sb、Srなどを微量添加して共晶Siを微細化
させることは有効である。 〔実施例〕 次に本発明の実施例を詳細に説明する。 第1表に示す9種類の組成のAl合金を常法に
従つて溶解、鋳造し得られた鋳塊を第2表に示す
処理を施した後冷間引抜棒を作成し、これを供試
材として切削加工性、切削面粗度、耐摩耗性及び
耐食性について、それぞれ次のような評価試験を
実施し、得られた結果を従来の溶体化処理後に人
工時効処理を施したT6処理材と比較して第2表
に示す。 切削加工性は超硬バイトにより切削速度300
m/min、切込み量0.2mm及び送り速度0.025〜0.1
mm/revの切削条件にて、切削油を使用せずに切
削した場合の切粉100個当りの重量で評価した。
切削面粗度はダイモンドバイトで鏡面仕上げした
面について最大表面粗さRmaxで評価した。耐摩
耗性は鏡面仕上げした試験材を用い、VTR用磁
気テープによる走行テスト1000時間の重量変化で
評価した。また耐食性は塩水噴霧試験500時間に
おける重量変化で評価した。それぞれの評価項目
についての結果及びそれらの総合評価については
次のように3種類にランク分けして第2表に併記
する。 ◎:すべての試験項目について良好なもの。 △:いずれかの試験項目が劣つているもの。 ×:1又は複数の試験項目が著しく劣つているも
の。
れたアルミニウム合金展伸材の製造方法に関する
ものである。 〔従来の技術〕 従来よりVTR用部品には軽量化のために種々
のAl合金が使用されており、特にシリンダーな
どのテープ摺動部部品には耐摩耗性を有するAl
−Si系合金が用いられている。ところでVTR機
器の最近の進歩により、従来の機種に加えて、新
たに8mmビームタイプなどのような軽量小型高能
性化への移行が検討されているため、このような
用途におけるAl合金材料の特性の向上が求めら
れており、最終形状を切削加工によつて得るよう
な上記部品等についてはAl合金材料として耐摩
耗性とともに良好な切削加工性が重要視されるよ
うになつてきている。 〔発明が解決しようとする問題点〕 上記Al−Ci系合金としてはJIS4032(Si11.0〜
13.5%、CU0.50〜1.3%、Mg0.8〜1.3%、Ni0.5〜
1.3%、残部Al)が代表的合金として用いられる
が、該合金は耐摩耗性が比較的良好であるものの
切削加工性、特に切粉処理性で劣つている。即ち
切粉が微細化せずリボン状又はつる巻状となり脱
落し難いため加工材と切削工具との間に溜り、加
工材に傷をつける等仕上り面の面粗度を著しく悪
化させるという問題が生じる。 上記Al合金の切削加工性を向上させるため、
従来Al−Si系合金をベースとしてPb、Sn、Biな
どの低融点金属を添加する方法が知られている。
これはAl合金中に固溶せずに球状に分散してい
る低融点金属が加工時に加工材に加わる加工応力
及び加工材と切削工具間に発生する加工熱のため
容易に軟化して破断する。従つて切粉は連続せず
に分断され微細化するので脱落し易くなり加工材
を傷つけることがないからである。しかし低融点
金属はそれ自体が腐食し易く、また切削面に露出
した低融点金属粒子のため切削面に微小な凹凸が
残る。このため低融点金属を添加したAl合金は
他の合金組成が同一で低融点金属を添加しない
Al合金に比較して、耐食性及び切削表面の面粗
度が劣るという問題が新たに発生する。 〔問題点を解決するための手段〕 本発明はこれに鑑み種々検討の結果、耐食性及
び切削表面の面粗度の劣化をもたらすPb、Sn、
Biなど低融点金属の快削成分を添加することな
しに切削加工性を改善した耐摩耗性アルミニウム
合金展伸材の製造方法を開発したものである。 即ち本発明製造法の一つはSi6〜14wt%、
Fe0.1〜1.0wt%、Cu1.0〜3.0wt%、Mn0.05〜
0.2wt%、Mg0.2〜1.5wt%、Cr0.05〜0.5wt%、
Ni0.05〜1.0wt%を含み、残部Alと通常の不純物
からなるアルミニウム合金鋳塊を450〜520℃の温
度で4時間以上の均熱処理を施した後、300〜500
℃の温度で押出加工を施し、その後470〜525℃の
温度で溶体化処理を施し、しかる後加工率3〜30
%の冷間引抜きを施すことを特徴とするものであ
る。 また本発明製造法の他の一つはSi6〜14wt%、
Fe0.1〜1.0wt%、Cu1.0〜3.0wt%、Mn0.05〜
0.2wt%、Mg0.2〜1.5wt%、Cr0.05〜0.5wt%、
Ni0.05〜1.0wt%を含み、残部Alと通常の不純物
からなるアルミニウム合金鋳塊を450〜520℃の温
度で4時間以上の均熱処理を施した後、300〜500
℃の温度で押出加工を施し、その後470〜525℃の
温度で溶体化処理を施し、しかる後加工率3〜30
%の冷間引抜きを施してから150〜200℃の温度で
6〜12時間の人工時効処理を施すことを特徴とす
るものである。 〔作用〕 本発明においてアルミニウム合金組成を上記の
如く限定したのは次の理由による。本発明ではSi
とMgを共存させることによりMg2Si化合物を形
成し、強度を大きくすると共にMg2Si化合物の形
成に必要なSi量よりも過剰にSiを添加して共晶Si
を形成させ耐摩耗性を向上させたもので、Si含有
量を6〜14wt%(以下単に%と略記)と限定し
たのは6%未満では耐摩耗性が不足し、14%を超
えると冷間加工性と切削を低下させるためであ
る。Feの添加は耐摩耗性を向上させるためであ
り、Feの含有量を0.1〜1.0%と限定したのは0.1%
未満では上記効果が認められず、1.0%を超える
と耐食性を低下させるためである。Cuの添加は
基地の強度を高める効果があり、共晶Siによる耐
摩耗性改善の補助的役割を果すもので、Cuの含
有量を1.0〜3.0%と限定したのは1.0%未満では上
記効果が十分に得られず、3.0%を超えると冷間
加工性を低下させるためである。Mn及びCrの添
加は耐摩耗性を改善するためでありMnの含有量
を0.05〜0.2%及びCrの含有量を0.05〜0.5%と限
定したのはそれぞれ0.05%未満では上記効果が不
十分であり、Mnが0.2%あるいはCrが0.5%を超
えると熱間及び冷間加工性を悪化させるためであ
る。Mgの添加は上記のようにSiとMg2Si化合物
を形成して強度を高めるためであり、1.5%を超
えると冷間加工性を低下させるためである。Ni
の添加は温度上昇時において耐摩耗性を維持させ
るためであり、Niの含有量を0.05〜1.0%と限定
したのは0.05%未満では上記効果が小さく、1.0
%を超えると上記効果は飽和してしまうからであ
る。 次に上記Al合金鋳塊を均熱処理するのは一般
の押出用ビレツトと同様に鋳塊のミクロ偏析を均
一化し、かつ熱歪を除去して押出性を改善し、さ
らに共晶Siを球状化して耐摩耗性及び切削加工性
を向上させるためである。しかして該均熱温度を
450〜520℃と限定したのは450℃未満の温度では
上記効果が不十分であり、520℃を超える温度で
はAl合金鋳塊の局部溶融を生じるためである。
さらに均熱処理時間を4時間以上としたのは、4
時間未満では共晶Siの球状化が不十分なためであ
る。なお4時間以上できるだけ長時間均熱処理を
するのが切削加工性と耐摩耗性の向上には望まし
い。均熱処理後の鋳塊を300〜500℃の温度で押出
加工するのは、300℃未満の温度では本発明によ
る上記成分のAl合金鋳塊の押出性が極めて悪く、
500℃を超える温度では押出しによりAl合金の局
部溶融を引き起し押出材表面を悪化させるからで
ある。その後、押出し材に施す溶体化処理の温度
を470〜525℃と限定したのは470℃未満の温度で
は溶体化が不十分であり、525℃を超える温度で
はAl合金の局部溶融を引き起すためである。溶
体化処理後の冷間引抜きはAl合金内部に加工歪
を蓄積させるためであり、該加工歪の一部はAl
合金にすべり線を形成するが他の大部分は非塑性
の共晶Si粒子の周辺に微小なボイドを多数形成さ
せる。従つてこの引抜き材を切削加工する場合に
はこうしたボイドの存在によつて切粉が該ボイド
で分断され、切粉は微細となり切削加工性、特に
切粉処理性が向上することになる。この場合冷間
引抜きの加工率を3〜30%に限定したのは、3%
未満の加工率では微小ボイドを形成するには歪量
が不十分で切粉の微細化効果が得られないからで
あり、30%を超える加工率では冷間引抜時に材料
の破断が発生してしまい製造不可能となるからで
ある。 次に冷間引抜き後に、人工時効処理を行なうの
は材料の硬さ(機械的性質)を増大させることに
より耐摩耗性を向上させるためであり人工時効を
150〜200℃の温度範囲で6〜12時間に限定したの
は150℃未満の温度で6時間未満の処理では時効
がほとんど進行しないために効果がなく、200℃
を超える温度で12時間を超える処理では逆に過時
効のために耐摩耗性が低下してしまうからであ
る。尚上記Al合金は良好な耐摩耗性及び切削加
工性を得るため通常用いられるように鋳造時に
Na、Sb、Srなどを微量添加して共晶Siを微細化
させることは有効である。 〔実施例〕 次に本発明の実施例を詳細に説明する。 第1表に示す9種類の組成のAl合金を常法に
従つて溶解、鋳造し得られた鋳塊を第2表に示す
処理を施した後冷間引抜棒を作成し、これを供試
材として切削加工性、切削面粗度、耐摩耗性及び
耐食性について、それぞれ次のような評価試験を
実施し、得られた結果を従来の溶体化処理後に人
工時効処理を施したT6処理材と比較して第2表
に示す。 切削加工性は超硬バイトにより切削速度300
m/min、切込み量0.2mm及び送り速度0.025〜0.1
mm/revの切削条件にて、切削油を使用せずに切
削した場合の切粉100個当りの重量で評価した。
切削面粗度はダイモンドバイトで鏡面仕上げした
面について最大表面粗さRmaxで評価した。耐摩
耗性は鏡面仕上げした試験材を用い、VTR用磁
気テープによる走行テスト1000時間の重量変化で
評価した。また耐食性は塩水噴霧試験500時間に
おける重量変化で評価した。それぞれの評価項目
についての結果及びそれらの総合評価については
次のように3種類にランク分けして第2表に併記
する。 ◎:すべての試験項目について良好なもの。 △:いずれかの試験項目が劣つているもの。 ×:1又は複数の試験項目が著しく劣つているも
の。
【表】
【表】
このように本発明によれば良好な切削面粗度と
耐食性を有し、さらに切削切粉処理性を向上さ
せ、切削加工性に優れた耐摩耗性アルミニウム合
金を提供することができ、切削加工のみによつて
最終形状を得るような部品及び製品などに対し広
く適用できうる等工業上顕著な効果を奏するもの
である。
耐食性を有し、さらに切削切粉処理性を向上さ
せ、切削加工性に優れた耐摩耗性アルミニウム合
金を提供することができ、切削加工のみによつて
最終形状を得るような部品及び製品などに対し広
く適用できうる等工業上顕著な効果を奏するもの
である。
Claims (1)
- 【特許請求の範囲】 1 Si6〜14wt%、Fe0.1〜1.0wt%、Cu1.0〜
3.0wt%、Mn0.05〜0.2wt%、Mg0.2〜1.5wt%、
Cr0.05〜0.5wt%、Ni0.05〜1.0wt%を含み、残部
Alと通常の不純物からなるアルミニウム合金鋳
塊を450〜520℃の温度で4時間以上の均熱処理を
施した後、300〜500℃の温度で押出加工を施し、
その後470〜525℃の温度で溶体化処理を施し、し
かる後加工率3〜30%の冷間引抜きを施すことを
特徴とする快削耐摩耗性アルミニウム合金展伸材
の製造方法。 2 Si6〜14wt%、Fe0.1〜1.0wt%、Cu1.0〜
3.0wt%、Mn0.05〜0.2wt%、Mg0.2〜1.5wt%、
Cr0.05〜0.5wt%、Ni0.05〜1.0wt%を含み、残部
Alと通常の不純物からなるアルミニウム合金鋳
塊を450〜520℃の温度で4時間以上の均熱処理を
施した後、300〜500℃の温度で押出加工を施し、
その後470〜525℃の温度で溶体化処理を施し、し
かる後加工率3〜30%の冷間引抜きを施してから
150〜200℃の温度で6〜12時間の人工時効処理を
施すことを特徴とする快削耐摩耗性アルミニウム
合金展伸材の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP1220287A JPS63183159A (ja) | 1987-01-23 | 1987-01-23 | 快削耐摩耗性アルミニウム合金展伸材の製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP1220287A JPS63183159A (ja) | 1987-01-23 | 1987-01-23 | 快削耐摩耗性アルミニウム合金展伸材の製造方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPS63183159A JPS63183159A (ja) | 1988-07-28 |
JPS6410587B2 true JPS6410587B2 (ja) | 1989-02-22 |
Family
ID=11798813
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP1220287A Granted JPS63183159A (ja) | 1987-01-23 | 1987-01-23 | 快削耐摩耗性アルミニウム合金展伸材の製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPS63183159A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPH0465874U (ja) * | 1990-10-16 | 1992-06-09 |
-
1987
- 1987-01-23 JP JP1220287A patent/JPS63183159A/ja active Granted
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPH0465874U (ja) * | 1990-10-16 | 1992-06-09 |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPS63183159A (ja) | 1988-07-28 |
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