JPS641023B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は、電荷保持体上に形成されたトナー画
像を中間転写体を介して押圧と熱により複写材に
転写定着せしめる方式の複写装置に関する。

一般に電子写真装置による画像形成のプロセス
は、絶縁性光導電体を感光体として用いた電荷保
持体上に、コロナ帯電と光照射によつて原稿の画
像に対応する静電潜像を形成させ、これを熱可塑
性の着色微粉末を主成分とするトナー現像剤にて
現像することにより可視像を形成せしめる。

この電荷保持体上の可視像すなわちトナー像
は、コロナ放電か、バイアスローラーなどによる
電気的な転写法、あるいは押圧または加熱などの
物理的な手段により、複写材たとえば転写紙など
の上に転写される。

上記の方法により転写紙上に転写されたトナー
像は、通常の加熱手段により、転写紙上に定着さ
れて、画像形成プロセスは完了する。

上記画像形成プロセスにおいて述べた通り、電
荷保持体上に形成されたトナー像を転写紙等に転
写させる方法としては、コロナ放電による転写法
またはバイアスローラー転写法等の電気的方法が
あるが、この方法は特に湿度などの雰囲気におい
て転写率が低く、かつ転写画像の乱れが発生する
など問題点が多いので、電気的手段に頼らない他
の方法も検討されており、その一手段として押圧
による転写法なども知られている。

例えば、特公昭46−41679号公報の記載によれ
ば、感光体上のトナー像を弾性的で耐熱性の中間
ブランケツト中に包塑せしめ、感光体上のトナー
像を残留させることなく転写させることによつ
て、良好な画質の像転写を行なわしめる方法と装
置が開示されている。しかしながら昨今の如く複
写効率を高めることが要求される時代において
は、一層定着の速度を速めることも必要とされ、
押圧と加熱によるトナー像の転写、定着方式の複
写装置に関しても特に定着速度の向上を意図する
各種手段による試みがなされている。

従つて、本発明の目的は、電荷保持体にトナー
像を残さない転写率の高い複写装置を提供するこ
とであり、特に定着速度が高く、かつ優れた転写
像を与える如き複写装置を提供することにある。

本発明によれば、光導電体を感光層とする電荷
保持体上に形成されたトナー画像を、ベルト状中
間転写体に押圧転写し、さらに該ベルト状中間転
写体上のトナー画像を複写材に押圧および熱によ
り転写定着せしめる複写装置において、 ベルトの内側に配置した加熱ローラと、該ベル
トの外側に位置し、該ベルトと接触して該加熱ロ
ーラと押圧状態により転写部を形成する熱ローラ
でない押圧ローラと、該ベルトの内側であつて、
かつ該加熱ローラの後方であつて該押圧ローラと
圧接する位置に熱ローラでない補助ローラを設け
たことによつて、上記の目的を達成し得ることが
判明した。

以下、本発明の複写装置を図面の実施例により
具体的に説明する。

第１図は従来の複写装置の概観図、第２図は、
本発明の複写装置の概観図、第３図は本発明の他
の実施例としての複写装置の概観図である。

これらの図において、１は例えば光導電体を感
光層とする電荷保持体、２は上記電荷保持体１の
周辺に配設された画像形成部、３は現像部、４は
転写用押圧ローラー、また５は押圧ローラー４に
掛けまわされている転写用ベルト、６はクリーニ
ング部、７は除電部である。８は加熱ローラーで
押圧ローラー９との圧接作用で転写紙１０上にト
ナー画像を転写、定着させる。１１は転写用ベル
トを回動させる搬送用ローラー、そして１２は補
助ローラーである。

次に以上の如く構成された複写装置による画像
形成プロセスを記述する。

電荷保持体１は矢示方向に回転しながらその表
面に常法に従つて帯電装置と光学系からなる画像
形成部２により、静電潜像を形成させ現像部３に
よつてトナー現像する。

使用されるトナー現像剤は、トナー濃度の調整
が不要である一成分導電性磁性トナーの使用が一
般的であり、通常の磁気ブラシ現像法を用いて現
像する。

このようにして電荷保持体１上に形成されたト
ナー画像は、電荷保持体１の回動にともない転写
位置に搬送され、押圧ローラー４の作用で転写用
ベルト５上に押圧転写される。この転写用ベルト
５は、アルミとかポリエステル、またはフツ素樹
脂フイルム等を基体とし、この上にシリコンゴム
の如き弾性体を転写層として設けたもので、トナ
ー像は押圧ローラー４の押圧作用によつて上記弾
性体の中に埋め込まれるような形で転写される。

以上の転写の方法によつて電荷保持体１上のト
ナー画像はほぼ完全に転写用ベルト５に転写さる
が、なお微量の電荷保持体１上の残留トナー像は
クリーニング部６においてクリーニングされ、ま
た電荷保持体１上の静電像も除電部７において除
電される。

一方、転写用ベルト５上のトナー像は該ベルト
５の矢示方向への回動にともない転写紙１０への
転写位置に搬送される。

第１図の複写装置では、ベルト５の内側に配置
した赤外ランプを内蔵する加熱ローラー８と、ベ
ルト５の外側にあつて、転写紙１０と転写用ベル
ト５上のトナー像との圧接を助長するための押圧
ローラー９とによつて転写部が構成され、加熱ロ
ーラー８と押圧ローラー９との熱と押圧による作
用によつてベルト５上のトナー像は、転写紙１０
へ転写され同時に定着される。

第２図は本発明による複写装置である。本発明
の複写装置では、さらに定着プロセスを高速にす
ることを意図している。この目的を達成する手段
として、上記転写用ベルトの内側に補助ローラー
を設けることによつて押圧ローラーとベルトとの
圧接面積をより大きくさせた。

第２図において１２は補助ローラーであり、他
の実施例として示された第３図の如く、この補助
ローラー１２は押圧ローラー９と接し得る位置で
あれば別の位置に配設させることもできる。

第２図を参照すると、本発明に係わる補助ロー
ラー１２が加熱ローラー８と比較的隣接した位置
に設けられている。これに対して第３図の実施例
では、補助ローラー１２は加熱ローラー８とは押
圧ローラー９を挾んでほぼ対峙する位置に存在す
る。

そして何れの場合でも、加熱ローラー８と補助
ローラー１２とで狭持された転写用ベルト５によ
り押圧ローラー９が被覆される面積は、本発明外
の第１図に示された装置のそれと比較するとかな
り広いことが理解される。

上記の如きローラーとベルトの配置による転写
部の構成において、ローラー８は加熱ローラーで
あり、他の押圧ローラー９および補助ローラー１
２は加熱ローラーではない。

従つて本発明による複写装置においては、転写
用ベルト５上に押圧転写されたトナー像は、加熱
ローラー８に至りこれと接触して十分に加熱され
て溶融状態になり転写紙５へのトナー像の転写お
よび定着を可能にせしめるが、上記構成ではベル
ト５と転写用ローラー９との接触面が広く保たれ
ているので、加熱ローラー８によつて加熱された
ベルト５の余熱が転写紙１０の擦過時間に相応し
てトナー像の溶融による定着に有効に作用すると
共に、ベルトと押圧ローラが圧接している間にト
ナー像が冷却されるので分離も問題なく行われ、
トナー像の定着を完全に行うことができるだけで
はなく、定着の速度をより一層向上させることも
可能となつた。

本発明の複写装置は、以上詳細に説明した通
り、中間転写体としてベルトを使用し、かつベル
トの内側に補助ローラーを設けることにより、ベ
ルトと転写用ローラーとの擦過面を大きくしたの
で、トナー像の定着の効率を高めることができ、
定着の高速化をも可能にせしめた。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明外の複写装置の概観図、第２図
は本発明の複写装置の概観図、第３図は本発明の
他の実施例としての複写装置の概観図である。 １……電荷保持体、２……画像形成部、３……
現像部、４……押圧ローラー、５……転写用ベル
ト、８……加熱ローラー、９……転写用ローラ
ー、１０……転写紙、１２……補助ローラー。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 光導電体を感光層とする電荷保持体上に形成
   されたトナー画像を、ベルト状中間転写体に押圧
   転写し、さらに該ベルト状中間転写体上のトナー
   画像を複写材に押圧および熱により転写定着せし
   める複写装置において、 ベルトの内側に配置した加熱ローラと、該ベル
   トの外側に位置し、該ベルトと接触して該加熱ロ
   ーラと押圧状態により転写部を形成する熱ローラ
   でない押圧ローラと、該ベルトの内側であつて、
   かつ該加熱ローラの後方であつて該押圧ローラと
   圧接する位置に熱ローラでない補助ローラを設け
   たことを特徴とする複写装置。