JPS639989Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 この考案は筒状電池を包装してハンガーロツド
に吊下げられるようにした電池包装体に関するも
のである。

一般に円筒状の乾電池は携帯用電気機器の内部
電源として用いられることが多い。この携帯用電
気機器を長時間使用する場合には、電気機器の定
格電圧に応じて例えば定格電圧が3Vのときには
２個、6Vのときは４個、12Vのときには８個の
交換用乾電池が必要である。複数個の交換用乾電
池を包装されない単品のままカバンまたはポケツ
トなどに入れて携帯すると、乾電池の形状が円筒
形をなしているため収まりが悪く他の荷物の中に
紛れ込むなどして不便であつた。また、使用済の
乾電池の外観は新品と見分けがつかない場合があ
り、このため使用済の乾電池を新品の乾電池と間
違えて使用するおそれがあることから、これらを
区別し得る手段を講じることが求められていた。

従来、これらの問題点を解消するために、複数
個の乾電池を一纒めにしてチユーブ状の熱収縮性
の弾性部材で包装したり、また複数個の乾電池を
ポリ袋で密封包装することなどが行なわれてい
た。

しかしながら、このように包装したものの場合
にも、例えば展示や保管の際に単品の場合と同様
並べるが箱中に積重ねる程度の手段しかなく、ま
た直ちに使用したい場合にも手近かな目立つ場所
に保持しておくような具体的手段を欠いていた。

この考案は上記の事情を解決するためになされ
たもので、上方端部に吊下部を有する台紙の両側
縁にそれぞれ相対向させて２個の切欠を形成して
なる係止部を少なくとも２個所設けるとともにこ
の係止部の切欠に環状の弾性部材を係止させて袋
状の包装部材に収容された筒状電池をハンガー治
具に保持させることにより、筒状電池をハンガー
治具に確実に保持させることができ展示並びに保
管を容易かつ整然と行ない得る電池包装体を提供
しようとするものである。

以下図面を参照してこの考案の一実施例を説明
する。この実施例は予じめ包装された筒状電池に
この考案を採用した一例を示すものである。第１
図において１は筒状電池図示例では円筒状のJIS
−SUM−３の乾電池２を２個纒めて密封包装し
た包装部材である。この包装部材１は例えばロー
ルに巻回されたビニールシートを引き出しその両
側を折返すように上方に巻き上げて両側縁を重ね
合せ、その重ね合せた部分を熱融着させチユーブ
状に形成し開口端から所定の位置を熱融着によつ
て封止した後、前記乾電池２を２本１組にして挿
入しかつ開口端を熱融着させて封止したものであ
る。

次にこの密封包装された乾電池２，２を保持す
るためのハンガー治具３を第２図に示す。このハ
ンガー治具３は図に示すように、短冊状の台紙の
両側縁部に相対向させてそれぞれ２個の切欠４
ａ，４a′，４ｂ，４b′，５ｂ，５b′を形成した係
止部４，５を少なくとも２個所図示例では台紙の
下方端部に下部係止部４を、中間に上部係止部５
を形成するとともに、台紙の上方端部に図示しな
いハンガーロツドに引掛けることができるように
切欠例えば円形の孔６を設けて吊下部７を形成し
たものである。図示例ではこの吊下部７を上部係
止部５の境界部分で離脱できるように切欠部５
ａ，５a′を結ぶ線上にミシン目８を入れる。この
ハンガー治具３に第３図に示すように包装部材１
により密封包装された乾電池２，２載置するとと
もに、包装部材１の両側縁を図に示すようにハン
ガー治具３の裏側に巻き付ける。

次に第４図に示すように係止部４，５に環状の
弾性部材例えば熱を加えることによつて収縮する
熱収縮性合成樹脂部材９，９を嵌め、この熱収縮
性を利用して乾電池２，２をハンガー治具３に保
持させる。すなわち熱収縮性合成樹脂部材９，９
に熱を加えることによりその側縁が切欠４ａ，４
ｂ，４a′，４b′または５ａ，５ｂ，５a′，５b′に
食い込んで確実な保持が行なわれる。このとき熱
収縮性合成樹脂部材９，９の巾寸法を熱収縮率を
考慮して係止部４，５の巾寸法よりも若干長めに
形成しておく。

したがつてこのような構成によれば熱収縮性合
成樹脂部材９，９の熱収縮力によつて乾電池２を
吊下部７を有するハンガー治具３に簡単に保持す
ることができるとともに、切欠４ａ，４ｂ，４
a′，４b′または５ａ，５ｂ，５a′，５b′に熱収縮
性合成樹脂部材９，９が係止されるために乾電池
２をハンガー治具３に確実に保持させることがで
きる。

また吊下部７を用いてハンガーロツドに簡単に
吊下げることができるため常に整理した状態でこ
の電池包装体の展示もしくは保管を行なうことが
できる。したがつて手近な目立場所にこの電池包
装体を吊下げておくことにより、急を要する場合
にも電池の交換を容易かつ短時間に行なうことが
できる。

また乾電池２を包装してあることにより、交換
用電池として携帯する場合に使用済と未使用とを
１目瞭然に判別することができる利点もある。

なおこの考案は上記実施例に限定されるもので
はなく、要旨を変更しない範囲において種々変形
して実施することができる。

例えば上記実施例では乾電池をハンガー治具に
保持させる弾性部材に熱収縮性の合成樹脂を用い
たが、この考案は伸縮性のある弾性部材であれば
これに限定されるものではなく例えば伸縮性ゴム
を用いることもできる。

さらに上記実施例では複数個の係止部を台紙の
下方縁部と中間部に設けたがこれらを全て台紙の
中間部に設けるようにしてもよい。

以上述べたようにこの考案によれば、上方端部
に吊下部を有する台紙の両側縁にそれぞれ相対向
させて２個の切欠を形成してなる係止部を少なく
とも２個所設けるとともにこの係止部の切欠きに
環状の弾性部材を係止させて袋状の包装部材に収
容された筒状電池をハンガー治具に保持させるこ
とにより、筒状電池をハンガー治具に確実に保持
させることができるとともに展示並びに保管を容
易かつ整然と行ない得る電池包装体を提供するこ
とができる。

【図面の簡単な説明】

第１図はこの考案の一実施例を構成する包装体
を示す斜視図、第２図は同じくハンガー治具を示
す正面図、第３図および第４図は上記治具に包装
体を取付ける状況を説明するための斜視図であ
る。 １……包装部材、２……乾電池、３……ハンガ
ー治具、４……下部係止部、４ａ，４ｂ，４a′，
４b′……切欠、５……上部係止部、５ａ，５ｂ，
５a′５b′……切欠、６……孔、７……吊下部、８
……ミシン目、９……熱収縮性合成樹脂部材。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 (1) 筒状の電池２と、 この電池２を収納する包装部材１と、 短冊状の台紙の両側縁にそれぞれ相対向させ
   て２個の切欠４ａ，４a′，４ｂ，４b′，５ａ，
   ５a′，５ｂ，５b′を形成してなる係止部４，５
   を少なくとも２箇所に設けるとともに、その上
   方端部にハンガーロツドに吊下げるための切欠
   ６を設けて吊下部７を形成したハンガー治具３
   と、 このハンガー治具３に前記電池２が収納され
   た包装部材１を載置した状態において前記係止
   部４，５に係合させ前記電池２を前記ハンガー
   治具３に保持させる環状の弾性部材９とを具備
   したことを特徴とする電池包装体。 (2) 前記弾性部材９は熱収縮性の合成樹脂からな
   ることを特徴とする実用新案登録請求の範囲第
   １項記載の電池包装体。 (3) 前記弾性部材はゴムからなることを特徴とす
   る実用新案登録請求の範囲第１項記載の電池包
   装体。