JPS639776B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は低減搬送波単側波帯信号の送受信方式
に関し、特に受信機側の回路構成をできるだけ簡
単にし、かつ復調信号の音質を高品位なものとす
るための送信側の変調方式に関するものである。

低減搬送波単側波帯信号（以下単にSSB信号と
略す）は、たとえば第１図に示すような構成で発
生させることができる。すなわち、変調信号発生
器１と高周波発振器２の出力とを平衡変調器３に
よつて掛け合わせると搬送波が抑圧された両側波
帯信号が得られる。さらに両側波帯信号のいずれ
かを帯域フイルタ４で選択すると搬送波の抑圧さ
れた単側波帯信号が得られる。一方、発振器２の
出力を位相補正器６、レベル調節器７に通すこと
によつて、位相およびレベルを調整し、相加器５
によつて上記帯域フイルタ４の出力信号と相加す
る。これによつて目的に応じた搬送波を有する単
側波帯信号が得られる。この信号はさらに周波数
変換器８によつて送信周波数に変換され、出力端
子９より送出される。

上記のようにして発生されたSSB信号を受信機
側で再生する一例として第２図に示す回路を用い
ることができる。同図において端子１０に入力さ
れた信号は周波数変換器１１により中間周波数に
変換され、中間周波アンプ１２により増幅され
る。前記中間周波アンプ１２の出力はリミツタ１
４で振幅制限された後位相検波器１５に入力さ
れ、電圧制御発振器１７の出力と位相比較され
る。上記位相検波器１５の出力、すなわち、リミ
ツタ１４の出力と電圧制御発振器１７の出力との
間の位相誤差出力はローパスフイルタ１６を経て
上記電圧制御発振器１７に印加され、上記位相誤
差が零になるように上記電圧制御発振器１７が制
御される。結局中間周波信号に同期した発振出力
が得られる。

一方、中間周波アンプ１２の出力を掛算器１３
に印加し、電圧制御発振器１７の出力と掛け合わ
せることによつて送信側で変調された信号が検波
され、その出力が出力端子１８に得られる。これ
が、いわゆる同期検波回路の構成である。

ところが、上記の方式によれば送信側の変調周
波数が低くなると、側波帯信号と搬送波信号の周
波数が接近することになり、上記第２図に示した
位相検波器１５およびローパスフイルタ１６の出
力側に無視できない影響が生じ、電圧制御発振器
１７が位相変調を受けることになる。このような
発振器出力で同期検波された復調信号には当然ひ
ずみが発生することになり再生音の音質を著しく
損うことになる。このことは、送信側から送られ
る変調信号の周波数下限に大きな制限がつくこと
になり、低域信号伝送は行なえないものである。

本発明はこのような従来の欠点を解消するよう
にしたものであり、簡単な構成で音質のよい再生
音を得ることができるものである。

本発明の一実施例を第３図に示す。同図におい
て第１図と同じ構成部分には同一番号を付与し、
同じ構成部分についての説明は省略する。本発明
は従来の位相補正器６を可変位相器２２に代え、
そして新たに付加した位相比較器２０の一方の入
力として相加器５の出力信号を印加し、他方の入
力として発振器２の出力を位相補正器１９によつ
て位相補正した信号を印加することによつて両信
号の位相を比較し、この比較出力をローパスフイ
ルタ２１を経て可変移相器２２に印加する。

すなわち、位相比較器２０、ローパスフイルタ
２１のそれぞれの仕様を受信機側のそれらとほぼ
同一にすることにより、受信機側（第２図）で
SSB波を受信した時にローパスフイルタ１６の出
力側に現れる電圧とほぼ等しい電圧が第３図のロ
ーパスフイルタ２１の出力側に現われる。したが
つて、前記従来例の問題点の説明のところで述べ
たように、変調周波数が低い場合にローパスフイ
ルタ２１の出力に無視できない電圧が発生した
時、これによつて可変移相器２２を制御し、前記
発生電圧が零になるように制御すると相加器５で
相加される搬送波のみ位相補正されることにな
る。

このような構成による送信機により送信される
SSB波信号を上記第２図の受信機で受信すると、
ローパスフイルタ１６の出力は変調信号によつて
ほとんど変化しないことになり、電圧制御発振器
１７からは位相の安定な出力が得られる。

したがつて、前記電圧制御発振器１７の出力と
中間周波アンプ１２の出力とを掛け合わせると歪
の少ない良好な再生信号を得ることができる。

以上のように本発明によれば、送信側のSSB波
発生回路を改良し、変調信号に応じて搬送波を位
相補正するようにしたことにより、受信側での回
路的な対策を何ら必要とせず、良質の再生音が得
られるばかりでなく、コスト的にも非常に有利で
ある。このことは将来この種の放送システムを普
及させてゆく上で効果の大なるものである。

【図面の簡単な説明】

第１図は従来の低減搬送波単側波帯信号の発生
回路図、第２図は従来の受信回路図、第３図は本
発明の一実施例を示す低減搬送波単側波帯信号の
発生回路図である。 １……変調信号発生器、２……高周波発振器、
３……平衝変調器、４……帯域フイルタ、５……
相加器、８……周波数変換器、１１……周波数変
換器、１２……中間周波アンプ、１４……リミツ
タ、１５……位相比較器、１６……ローパスフイ
ルタ、１７……電圧制御発振器、１３……掛算
器、２０……位相比較器、２１……ローパスフイ
ルタ、２２……可変移相器。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ 変調信号発生器と高周波発振器の出力とを平
   衡変調器によつて掛け合わせ、搬送波抑圧両側波
   帯信号を発生した後、該信号のいずれかの側波帯
   を選択し、搬送波抑圧単側波帯信号を発生する一
   方、上記高周波発振器の出力を可変移相器を経
   て、上記搬送波抑圧単側波帯信号に相加すること
   により、低減搬送波単側波帯信号を発生させ、さ
   らに、上記高周波発振器の出力を位相補正器で補
   正した信号と、上記低減搬送波単側波帯信号との
   位相差を位相比較器により検出し、この検出出力
   により上記可変移相器を制御し、上記位相比較器
   で検出される位相差がほぼ零になるように制御ル
   ープを形成するとともに、受信側では上記送信側
   とほぼ同じループ利得特性を有する位相同期ルー
   プ回路を設け、上記低減搬送波単側波帯信号に同
   期する信号を得るとともにこの信号と上記低減搬
   送波単側波帯信号とを掛算することにより検波出
   力を得ることを特徴とする低減搬送波単側波帯信
   号の送受信方式。