JPS639312Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〈技術分野〉 本考案は自動洗浄・滅菌装置の改良に関するも
のである。

〈従来技術〉 自動洗浄・滅菌装置はウオツシヤーステリライ
ザー（washer sterilizer）とも呼ばれ、手術に用
いられる器具を手術後洗浄し、該器具に付着した
ところの汚れや細菌等を洗い落とすものである。
これは、病院内の手術室、その周辺若しくは病棟
から細菌やウイルスを持ち出さないようにし、院
内感染を防止するために必要不可欠なものであ
る。

従来の自動洗浄・滅菌装置は、手術後所定の缶
体内に収納された手術時使用の器具を一担洗浄す
すぎして、続いて該器具を高圧蒸気にて滅菌する
構成であつた。

ところが、従来の自動洗浄・滅菌装置は、上記
した滅菌工程へ移行する時に、缶体内の洗浄すす
ぎによる排水が該缶体内より排出されていても該
缶体内部周囲の排水水滴のたれによる残水のため
滅菌用乾熱蒸気が冷却され、前記缶体内を所定の
滅菌条件（滅菌温度121℃、蒸気圧力1.0〜1.3
Kg／cm²）にするまで長時間を要し、その分滅菌準
備が手間どるという欠点があつた。

〈目的〉 本考案は上記の事項に鑑み、缶体洗浄後該缶体
内部内壁面の残水をほぼ完全に排水するための手
段を有し、迅速に所定の滅菌状態に至らしめるよ
うに改良した自動洗浄・滅菌装置を提供すること
を目的とする。

〈実施例〉 本考案の構成を実施例とともに述べる。

本実施例に係る自動洗浄・滅菌装置は、洗浄す
すぎ工程から滅菌工程への移行時に缶体内の排水
終了を検知する検知手段と、該検知手段の排水終
了の検知に応じて作動するところの所定時間を計
時する計時手段と、該計時手段の所定時間の計時
後に缶体内に蒸気を導くべく蒸気供給手段を作動
させ、缶体内の残水を十分に排出した状態で上記
蒸気の供給を開始するように配慮した構成と特徴
とするものである。

さらに本実施例の構成を詳述する。

第１図に本実施例の自動洗浄・滅菌装置の缶体
配管図、第２図に同装置に組み込まれた電気回路
の要部図を載せる。

第１図において、１は缶体であり、該缶体１内
に手術で使用した器具を収納したバスケツト等を
入れ、該器具を洗浄すすぎ及び滅菌する。２は扉
であり、前記缶体１の前面で開閉自在に動作し、
缶体１内へバスケツトを出し入れする。３は浄水
を缶体１内に供給するための給水手段の一部を構
成する給水管であり、該給水管３に設けられた缶
体給水電磁弁４の開閉によつて浄水を缶体１に選
択的に供給し、器具の洗浄すすぎ作業を実行す
る。５は缶体１内より水や蒸気を排出させるため
の排出手段の一部を構成する排出管であり、該排
水管５に設けられた缶内排水・排蒸電磁弁６の開
閉によつて缶体１内の汚れ及び蒸気を排水する。
７はフイルターで、缶体１の排水口（排水管５の
開口）部に設けられる。８は缶体１内の器具を滅
菌するために缶体１に蒸気を供給するための蒸気
供給手段の一部を構成する給蒸管であり、該給蒸
管８に設けられた缶内給蒸気電磁弁９の開閉によ
つて蒸気発生装置により発生した蒸気を缶体１に
選択的に供給し、高圧蒸気による滅菌作業を実行
する。上記排水管５に設けられた１０ａはフロー
トなしスイツチの電極であり、後述するところの
缶体１内の排水終了を検知する手段として使われ
る。

さて、上記の自動洗浄・滅菌装置の動作につい
て第２図を用いて説明する。

第２図において、１０はフロートなしスイツチ
であり、先記した電極１０ａと接続している。そ
して、このフロートなしスイツチ１０は、電極１
０の水の有無の検出により、上記排水管５中に水
が存在しているとｂ接点側に接続し、排水が終了
して該排水管５中に水がなくなるとａ接点側に切
り換わるスイツチ構成となつている。そして、こ
のフロートなしスイツチ１０のａ接点側には計時
手段である排水遅延タイマー１１が接続されてい
る。その排水遅延タイマー１１は排水が終了して
フロートなしスイツチ１０がａ接点に切り換わる
と作動し、約90秒を計時する。

上記フロートなしスイツチ１０とは別に設けら
れたスイツチ１２は前述の排水遅延タイマー１１
と連動関係にあり、該排水遅延タイマー１１が所
定時間（約90秒）を計時するまではｃ接点側にあ
り、該排水遅延タイマー１１が計時を終了すると
ｄ接点側に切り換わるスイツチ構成となつてい
る。そして、このスイツチ１２のｃ接点側には缶
内排水・排蒸電磁弁６が接続され、ｄ接点側には
缶内給蒸気電磁弁９が接続されている。この缶内
排水・排蒸電磁弁６及び缶内給蒸気電磁弁９は通
電時に開く構造である。

ここで本実施例の自動洗浄・滅菌装置の洗浄す
すぎ工程後の作動について順を追つて述べてみよ
う。

(1) 洗浄すすぎが終了する。

(2) 洗浄すすぎによる排水が排水管５を伝つて排
出される。

(3) 上記排水管５の中に排水がなくなつたことを
フロートなしスイツチ１０の電極１０ａが検知
する。

(4) フロートなしスイツチ１０がｂ接点側からａ
接点側に切り換わる。

(5) 排水遅延タイマー１１が計時を開始する。

(6) 上記排水遅延タイマー１１が所定時間の計時
を行えば、これに応答してスイツチ１２を作動
させ接点を切り換える。

(7) スイツチ１２がｃ接点側からｄ接点側に切り
換わり、缶内排水・排蒸電磁弁６が閉じ、代わ
りに缶内給蒸気電磁弁９が開き、蒸気供給装置
の動作により蒸給管８を通して蒸気が缶体１内
に導かれる。

(8) 滅菌を始める。

これで明らかになる様に、本実施例では洗浄す
すぎ工程で使用された排水の排出後、排水遅延タ
イマー１１の計時時間分だけ遅れて缶体１に蒸気
が供給され滅菌工程へ移行するのである。

〈効果〉 以上の様に本考案によれば、洗浄すすぎ工程か
ら滅菌工程へ移行するまでの間に、缶体内部周囲
に付着した排水水滴のたれによる残水を排水する
ための排水動作を行うため、滅菌用乾熱蒸気が上
記残水により冷却されることがなく、迅速に滅菌
条件に到達することができ、医療業務のスムーズ
な展開に大きく寄与する。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案に係るところの自動洗浄・滅菌
装置の缶体配管図、第２図は同装置に組み込まれ
た電気回路の要部図である。 １……缶体、２……扉、３……給水管、４……
缶内給水電磁弁、５……排水管、６……缶内排
水・排蒸電磁弁、７……フイルター、８……給蒸
管、９……缶内給蒸気電磁弁、１０……フロート
なしスイツチ、１０ａ……電極、１１……排水遅
延タイマー、１２……スイツチ、ａ，ｂ，ｃ，ｄ
……接点。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 器具を収容し洗浄すすぎ、滅菌を行うための缶
   体と、該缶体内の器具を洗浄すすぎするために開
   成される弁を介して水を給水するための給水手段
   と、上記缶体内の器具を滅菌するために開成され
   る弁を介して蒸気を供給するための蒸気供給手段
   と、上記給水手段又は蒸気供給手段にて器具の洗
   浄すすぎ又は滅菌の処理後に缶体内の水又は蒸気
   を開成される弁を介して排出する排出手段とを備
   えてなる自動洗浄・滅菌装置において、 上記給水手段の動作終了後に上記蒸気供給手段
   による滅菌動作の移行時に、上記排出手段に設け
   られ缶体内の水の排出終了を検知する検知手段
   と、 上記検知手段の排出終了信号に応答して作動を
   開始し、所定時間を計時する計時手段と、 該計時手段の所定時間の時計による信号に応答
   して上記蒸気供給手段の弁を開成し上記蒸気供給
   手段を作動させて缶体内に蒸気を導く手段と、 を備えたことを特徴とする自動洗浄・滅菌装
   置。