JPS6390794A - 高速増殖炉 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 〔発明の目的〕 （産業上の利用分野） 本発明はナトリウム冷却型の高速増殖炉に係り、特に、
ガスダム槽内の熱遮蔽板を支持する支持構造を改良した
高速増殖炉に関する。

（従来の技術） 一般に、この種の高速増殖炉は液体ナトリウムを冷却材
として使用しており、この冷却材は熱伝達能力が極めて
大きいために、冷ＬＩ材に接している部分の原子炉容器
壁の温度がこの冷却材の温度変化に対して極めて早く追
従する一方で、冷却材液面より上方の壁の部分は冷却材
の温度変化に対して、それ程早くは追従しない。

したがって、原子炉容器の運転時と停止時のように冷却
材の温度が大きく変化すると、原子炉容器はその冷が材
液面下の部分と、液面上の部分との間に大きな温度差を
生ずる。

その結果、冷却材液面周辺の原子炉容器壁には大きな温
度勾配が生じ、過大な熱応力が発生して原子炉容器の健
全性を損う恐れがある。

そこで、従来の高速ｊけ殖炉は第３図に示すように原子
炉容器１の側周壁１ａの内周にガスダム槽２を環状に配
設し、原子炉容器１内の冷却材３の熱をガスダム槽２に
より熱遮蔽するようになっている。

ガスダム槽２は原子炉容器１より小径の円筒状の内側仕
切壁４の外周面と、原子炉容器１の側周壁１ａの内周面
とで画成される環状空間に形成され、このガスダム槽２
内底部は、内側仕切壁４の下端に設けた外向フランジ４
ａにより閉塞されて、比較的生石のナトリウム５が貯溜
されるナトリウム槽６が形成されている。

このナトリウム槽６内のナトリウム５と内側仕切壁４の
内側の冷却材３とにより内側仕切壁４の外向７ランジ４
ａが上下両面から加熱されるので、ナトリウム５と冷却
材３の温度変化により外向フランジ４ａが径方向に伸縮
しても、この外向フランジ４ａに接続される原子炉容器
１の側周壁１ａに発生する熱応力を緩和することができ
る。

ガスダム槽２内には熱遮蔽板７の複数枚が径方向に所要
の間隙をおいて並設され、これら熱遮蔽板７は複数個の
取付ボルト８により原子炉容器１の側周壁１ａの内面に
固定され、熱遮蔽板７の下端部がナトリウム槽６内のナ
トリウム５に浸漬されている。

一方、原子炉容器１の上端開口は遮蔽プラグ９により閉
塞され、この遮蔽プラグ９の下端面と冷却材３液面とで
画成される空間にはカバーガスを充填するカバーガス空
間１０が設定され、このカバーガス空間１０中のナトリ
ウムミストがガスダム槽２内に侵入するのを防止するカ
バー１１をガスダム槽２の上端に設け、カバー１１の上
端フランジ１１ａを原子炉容器１の側周壁１ａ内面の凹
状係合段部に係合させて取付けている。

（発明が解決しようとする問題点） しかしながら、このように構成された従来の高速増殖炉
では、地震発生時にガスダム槽２内の複数枚の熱遮蔽板
７に荷重が発生した場合には、この荷重が、熱遮蔽板７
を原子炉容器１の側周壁１ａ内面に取付ける取付ボルト
８の取付部に局所的に集中し、応力集中が発生する恐れ
がある。

また、熱遮蔽板７の熱は取付ボルト８を介して原子炉容
器１の側周壁１ａに伝熱されるので、この側周壁１ａと
取付ボルト８との温度差によっては側周壁１ａの取付ボ
ルト８の取付部に過大な熱応力が発生する恐れがあると
いう問題がある。

そこで、本発明は熱遮蔽板の取付ボルトに起因する熱応
力を緩和して、原子炉容器の健全性の向上を図ることが
できる高速増殖炉を提供することを目的とする。

〔発明の構成〕

（問題点を解決するための手段） 本発明は、従来例の問題点が、ガスダム槽内の熱遮蔽板
を取付ボルトにより原子炉容器内面に取付けている点に
起因することに着目してなされたものであり、次のよう
に構成される。

冷却材を収容する原子炉容器内に円筒状の内側仕切板を
同軸状に収容し、この内側仕切板と上記原子炉容器とで
画成されるガスダム槽内に熱遮蔽板を配設する高速増殖
炉において、上記ガスダム槽内にて上記熱！！蔽板を耐
震支持胴に取付け、この耐震支持胴を上記冷却材液面上
方にて上記原子炉容器に片持ち支持させた。

（作用） 地震発生時に熱遮蔽板に荷重が発生した場合には、この
荷重は耐震支持胴を介して、この耐震支持胴を熱応力条
件が比較的緩和された冷却材液面上方にて片持ち支持す
る原子炉容器の支持部にほぼ均等に負荷されて、分散さ
れるので、熱遮蔽板への応力集中を防止することができ
る。

また、耐震支持胴もしくは熱遮蔽板に発生する熱応力は
、原子炉容器に片持ち支持された耐震支持胴の自由端が
伸縮することにより吸収することができるので、耐震支
持胴を片持ち支持する原子炉容器の支持部へ負荷される
熱応力の低減を図ることができ、原子炉容器の健全性の
向上を図ることができる。

（実施例） 以下、本発明の一実施例を第１図および第２図に基づい
て説明する。

第２図は本発明の一実施例の全体構成を縦断面で示して
おり、図において、原子炉容器２０内に炉心槽２１が冷
却材２２に浸漬されて収容されている。

この炉心槽２１内上部には炉心２３が収容され、その炉
心槽２１下部には下部プレナム２４が形成され、この下
部ブレナム２４は冷却材入口管２５に連通して低温の冷
却材２２ａが導入される。

一方、原子炉容器２０内の炉心２３の上方にて入口端が
開口する冷却材出口管２５Ａの一端は、原子炉容器２０
の側周壁２０ａを径方向に貫通して外部に延出し、ここ
で図示しない中間熱交換器の一次側入口に結合され、こ
の中間熱交換器の一次側出口は図示しない配管を介して
循環ポンプの吸込口に接続され、その吐出口が冷却材入
口管２５Ｂの一端に結合され、冷却材２２が循環する閉
ループが形成されている。

したがって、原子炉容器２０内の炉心２３で加熱された
冷却材２２は炉心２３の上方へ昇流して冷却材出口管２
５Ａに案内され、中間熱交換器および循環ポンプをそれ
ぞれ軽て、さらに、冷却材入口配管２５Ｂを通って再び
原子炉容器２０内の炉心２３へ強制循環される。

原子炉容器２０の上端開口は遮蔽プラグ２６により開基
され、この遮蔽プラグ２６は原子炉容器２０の上端開口
外周部に固定される固定プラグ２６Ａの中央部に、大回
転プラグ２６Ｂと小回転プラグ２６Ｇとを回転自在に設
けて構成されており、小回転プラグ２６Ｃには炉心上部
機構２７や燃料交換機２８が取付けられている。

遮蔽プラグ２６の下端面と原子炉容器２０内の冷却材２
２液面とで画成される空間にはアルゴンガス等のカバー
ガスが封入されて、カバーガス空間２９が形成され、こ
のカバーガス空間２９により冷却材２２液面からの放熱
の熱遮蔽が図られている。

また、原子炉容器２０内上部には、この原子炉容器２０
より若干小径の円筒状の内側仕切壁３０が同軸状に収容
され、内側仕切壁３０と原子炉容器２０の側周壁２０ａ
とで画成される環状空間がガスダム４ｆ１３１に形成さ
れ、このガスダム槽３１により冷却材２２からの放熱の
熱遮蔽が図られている。

内側仕切壁３０の下端には、外向フランジ３゜ａが外径
方向に下り勾配で傾斜するように突設され、この外向フ
ランジ３０ａの外端が原子炉容器２０の側周壁２０ａ内
面に固着されてガスダム槽３１の底部が形成され、この
底部には第１図に示すように少量のナトリウム３２が貯
蔵されるナトリウム槽３３が形成される。

そして、円筒状の内側仕切壁３０の外周には、この内側
仕切壁３０より若干大径の円筒状の耐震支持ｆｊｉ３４
が同軸状に配設されており、耐震支持胴３４がガスダム
槽３１内に挿入されている。

第１図に示すように、耐震支持胴３４はその上端部が原
子炉容器２０内の冷却材２２液面より若干上方へ突出し
た位置にて、原子炉容器２０の側周壁２０ａ内面に密着
するように拡径され、密着した状態でさらに上方に伸び
て、遮蔽プラグ２６の側周面外方にて外径方向へ若干突
出する取付フランジ３４ａを突設している。

この耐震支持胴３４の取付フランジ３４ａは原子炉容器
２０の側周壁２０ａの内面上部の凹状係合段部２０ｂに
係合されて固定されており、したがりて、耐震支持胴３
４は熱応力条件が比較的緩和されたカバーガス空間２９
の上方で原子炉容器２０に片持ち支持されている。

一方、ガスダム槽３１内に挿入された耐震支持胴３４の
挿入部はナトリウム槽３３のナトリウム３２液面より若
干上方の位置まで伸びて、自由端に形成されている。

耐震支持１１３４の挿入部外周には径方向に所要の間隙
をおいて並設された複数枚の熱遮蔽板３５が複数個の取
付ボルト３６により固定されている。

また、各熱′ａＭ板３５の下端はナトリウム槽３３のナ
トリウム３２中に浸漬されており、自由端に形成されて
いる。

上記耐震支持ｆ１３４の内周面と内側仕ＦＪＪ壁３゜の
外周面との環状間隙の上端部には、縦所面が逆り字状の
カバー３７が配置されており、カバーガス空間２９中の
ナトリウムミストがガスダム槽３１内に侵入するのをカ
バー３７により防止している。

このカバー３７の逆り字状下端部は冷却月２２液面の下
方に若干伸びており、一方、その逆り字状上端部は耐震
支持ｔ１３４の拡径端部上にボルトにより固定されてい
る。

次に、本実施例の作用について述べる。

仮に、地震が発生してガスダムｆｆ１３１内の熱遮蔽板
３５に荷重が発生した場合には、この熱遮蔽板３５の荷
重が耐震支持ｆｉ３４を介して、この耐震支持胴３４を
熱応力条件が比較的緩和されたカバーガス空間２９の上
方で片持ち支持する原子炉容器２０の側周壁２０ａの片
持ち支持部にほぼ均等に負荷されて、分散されるので、
熱遮蔽板への応力集中が防止され、熱遮蔽板３５の健全
性の向上を図ることができる。

また、耐震支持）１３４もしくは熱遮蔽板３５に発生す
る熱応力は、原子炉容器２０に片持ち支持された耐震支
持胴３４の自由端が伸縮することにより吸収することが
できるので、耐震支持１１ｉ３４を支持する原子炉容器
２０の支持部へ負荷される熱応力の低減を図ることがで
き、原子炉容器２０のび全性の向上を図ることができる
。

さらに、熱遮蔽板３５およびカバー３７を取付ける耐震
支持ｌ１３４を、原子炉容器２０の側周壁２０ａの係合
段部に係合させて取付けることができるので、その組立
作業性の向上を図ることかできる。

〔発明の効果〕

以上説明したように本発明は、ガスダム槽内にて熱遮蔽
板を取付けた耐震支持１１１を、原子炉容器内の冷却材
液面上方にて原子炉容器に片持ち支持させたので、仮に
、地震発生等により熱′１１蔽板に過大な荷重が発生し
た場合でも、この熱遮蔽板への応力集中を防止すること
ができる。

すなわち、地震発生等により熱遮蔽板に発生した荷重は
耐震支持胴を介して、この耐震支持胴を熱応力条件が緩
和された冷却材液面上方にて片持ち支持する原子炉容器
の支持部にほぼ均等に負荷されるので、熱遮蔽板への応
力集中が防止され、その健全性の向上を図ることができ
る。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明に係る高速増殖炉の一実施例の要部縦断
面図、第２図は第１図で示す一実施例の全体構成を示す
縦断面図、第３図は従来の高速増殖炉の一部縦断面図で
ある。 ２０・・・原子炉容器、２０ａ・・・側周壁、２１・・
・炉心槽、２２・・・冷却材、３０・・・内側仕切壁、
３１・・・ガスダム槽、３４・・・耐震支持胴、３５・
・・熱遮蔽板。 代理人弁理士　　則　近　憲　佑 同　　　　　　　　　三　　俣　　弘　　文第２図 第３図

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 冷却材を収容する原子炉容器内に円筒状の内側仕切板を
   同軸状に収容し、この内側仕切板と上記原子炉容器とで
   画成されるガスダム槽内に熱遮蔽板を配設する高速増殖
   炉において、上記ガスダム槽内にて上記熱遮蔽板を耐震
   支持胴に取付け、この耐震支持胴を上記冷却材液面上方
   にて上記原子炉容器に片持ち支持させたことを特徴とす
   る高速増殖炉。