JPS638970Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 この考案は、温度の異なる複数の流体を適当な
比で混合し、これによつて得た混合流体により搬
送された熱量が所定量に達したときに、制御弁を
作動させて混合流体の供給を停止させる熱量供給
制御装置に関する。

室等を暖房するために温水を供給する場合、温
水の温度は、水圧、周囲の温度等により一定にす
ることが困難である。従つて、温水の供給量をも
つて料金を定めるのは、合理的でなく、料金は供
給した熱量でもつて定めるのが好ましい。

この考案はこのような問題を解決すべくなされ
たもので、温度の異なる複数の流体を適当な比で
混合し、これによつて得た混合流体の流量及び温
度を検出し、両者の積から混合流体により搬送さ
れる熱量を求め、この熱量が所定値に達したとき
は混合流体の供給を停止するように制御すること
ができる熱量供給制御装置を提供することを目的
とする。

以下、この考案の一実施例を図を参照しながら
説明する。図はこの考案の熱量供給制御装置の構
成を示す要部の断面図及びブロツク図である。図
において、１は温水HWと冷水LWを混合する混
合弁、２は混合弁１から導出された混合水MWの
流量を検出して流量信号を発生すると共に混合水
MWの温度を検出して温度信号を発生するセンサ
装置、３はセンサ装置２の流量信号及び温度信号
に従い、混合水MWが有する熱量を求め、この熱
量を時間積分し、その結果が所定値に達するまで
の間、駆動信号を出力する制御回路、４は制御回
路３から出力される駆動信号により混合弁１の動
作を制御するアクチユエータである。

各部分の詳細を説明する。混合弁１は、温水
HWを導入する導入口５と、冷水LWを導入する
導入口６と、導入口５及び６を側壁に有するシリ
ンダ状のハウジング７内を図の上下方向に移動
し、導入口５の開口面積を混合水MWの温度が適
当なものとなるように定めるピストン状の弁体８
と、弁体８をこの考案装置の休止状態（図示の状
態）でハウジング７の上端まで押し上げるバネ９
と、弁体８の上端に開口され、図示の位置ではハ
ウジング７の内壁に形成された弁座７ａより閉塞
される流通孔１０と、ハウジング７と弁体８とで
囲まれ、温水HWと冷水LWとを混合させる混合
水１１と、下降状態にある弁体８の流通孔１０を
介して混合室１１に通じ、混合された混合水MW
をセンサ装置２に導く導出口１２とを有する。

センサ装置２は、混合弁１の導出口１２に接続
されたハウジング１３と、ハウジング１３内に収
容され、混合水MWの流通に従い回転する羽根車
１４と、ハウジング１３を形成する壁内に埋設さ
れたホール素子１５と、羽根車１４の回転により
パルス状の磁束変化をホール素子１５に与える磁
石１６と、ハウジング１３を貫通して取り付けら
れ、センサ装置２を介して流れる混合水MWの温
度を検出する温度センサ１７とを有する。

制御回路３は、ホール素子１５の出力から混合
水MWの流速、即ち流量に比例したパルス発生頻
度を有する流量信号を出力する入力回路１８と、
温度センサ１７の出力から混合水MWの温度に比
例した温度信号を出力する入力回路１９と、入力
回路１８の流量信号と入力回路１９の温度信号と
の積を求め、更にこの積について時間積分をする
ことにより混合水MWにより供給された熱量の熱
量信号を得る演算回路２０と、この熱量信号と混
合水MWによつて供給されるべき熱量を設定する
設定信号SPとを比較し、両者が一致するまでの
間はゲート信号を出力する比較器２１と、比較器
２１よりゲート信号が供給されている間は駆動信
号を発生する駆動回路２２とを有する。

アクチユエータ４は、ケーシング２３と、ケー
シング２３内に収容され、油を一方向にポンプ動
作で圧送する電磁ポンプ２４と、制御回路３の駆
動回路２２から供給されるパルスの駆動信号によ
り電磁ポンプ２４をパルス駆動させるコイル２５
と、ケーシング２３の上端に取り付けられたダイ
ヤフラム２５と、ケーシング２３とダイヤフラム
２５により形成された空気室２６と、ケーシング
２３、ダイヤフラム２５及び電磁ポンプ２４で囲
まれ、油を充満させた給油室２７と、ケーシング
２３及び電磁ポンプ２４により囲まれ、電磁ポン
プ２４を介して給油室２７に通じ、油により充満
された圧力室２８と、圧力室２８の圧力が高めら
れたときはバネ９の力に抗して押し下げられるピ
ストン状の応動体２９と、給油室２７と圧力室２
８とを連通する連通管３０とを有する。

連通管３０の内部には、オリフイス３１が形成
され、連通管３０を介する油の流れに対して抵抗
を与えている。応動体２９は、ロツド３２により
弁体８に接続されている。

動作を説明する。所望の熱量に応じて設定信号
SPを設定する。これにより最初は比較器２１か
らゲート信号が出力され、駆動回路２２は駆動信
号をコイル２５に供給し、電磁ポンプ２４を作動
させる。電磁ポンプ２４の作動により、給油室２
７から圧力室２８に油が圧送され、応動体２９と
共に弁体８が押し下げられるので、流通孔１０の
閉塞が除かれると共に弁体８の移動位置により導
入口５の開口面積が適当な値に設定される。これ
により、温水HWと冷水LWを混合室１１内で混
合した混合水MWは、流通孔１０を介して導出口
１２に導かれる。導出口１２を介した混合水MW
は、センサ装置２の羽根車１４を介して図の右方
へ導かれるので、羽根車１４をその流量に比例し
た速度で回転させ、ホール素子１５に磁束の変化
を与えると共に、温度センサ１７によりその温度
が検出される。

入力回路１８及び１９は演算回路２０に流量信
号及び温度信号を入力するので、演算回路２０
は、両者の積を求め、更に時間積分をして熱量信
号を得る。この熱量信号は混合水MWの供給と共
に増大するので、設定信号SPとある時点で一致
するに至る。この時点になると、比較器２１はゲ
ート信号の出力を停止し、駆動回路２２は駆動信
号を出力するのを停止する。駆動信号の供給が停
止されると、電磁ポンプ２４による油の圧送が停
止されるので、圧力室２８の油圧が復帰し、弁体
８はバネ９の力により図示の上方に押し戻され
る。このため、弁体８は図示の位置に復帰し、流
通孔１０は閉塞される。即ち、混合水MWにより
供給された熱量が設定信号SPにより設定された
ものとなると、その供給が停止される。

なお、所定温度の混合水により所定の熱量を供
給するように、入力回路１９の温度信号と所定の
設定信号との偏差をとり、この偏差に従い、アク
チユエータ４を動作させ、弁体８の設定位置を制
御し、これによつて導入口５の開口面積を選択
し、温度HWと冷水LWとの混合を制御してもよ
い。

以上のように、この考案によれば、温度の異な
る複数の流体を適当な比で混合し、これによつて
得た混合流体の流量及び温度を検出し、両者の積
から混合流体により搬送される熱量を求め、この
熱量が所定値に達したときは混合流体の供給を停
止するように制御したので、流量の変化による熱
供給量の計算誤差の発生等がなく、所定の熱量の
供給が可能となり、供給した熱量に対して合理的
な料金を設定することができる。

【図面の簡単な説明】

図はこの考案の一実施例による熱量供給制御装
置の構成を示す断面及びブロツク図である。 １……混合弁、２……センサ装置、３……制御
回路、４……アクチユエータ、８……弁体、１５
……ホール素子、１７……温度センサ、２１……
比較器、２４……電磁ポンプ、２９……応動体。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 第１の流体とこの第１の流体と温度を異にする
   第２の流体を弁体の移動により導入して混合する
   と共に該混合流体を導出する混合弁と、上記混合
   流体の流量を検出する第１のセンサと、上記混合
   流体の温度を検出する第２のセンサと、上記第１
   及び第２のセンサで検出された上記流量及び温度
   の積につき時間積分して得た上記混合流体により
   搬送される熱量と予め設定された設定値とを比較
   し、上記熱量と設定値とが等しくなつたときはゲ
   ート信号の出力を停止する比較器及び上記ゲート
   信号に従い駆動信号を出力する駆動回路を有する
   制御回路と、上記駆動信号に従つて駆動される電
   磁ポンプ及び上記電磁ポンプの作動により上記弁
   体を移動させる応動体を有するアクチユエータと
   を備えた熱量供給制御装置。