JPS6387986A - 左旋性マンデル酸の連続的製造法 - Google Patents

左旋性マンデル酸の連続的製造法

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JPS6387986A
JPS6387986A JP23284286A JP23284286A JPS6387986A JP S6387986 A JPS6387986 A JP S6387986A JP 23284286 A JP23284286 A JP 23284286A JP 23284286 A JP23284286 A JP 23284286A JP S6387986 A JPS6387986 A JP S6387986A
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Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 、 〔技術分野〕 の医薬品の原料もしくは合成中間体として有用なマンデ
ル酸の左旋性光学活性体〔(R)−左旋性マンデル酸〕
(以下、単に左旋性マンデル酸という)を、その合成に
必要な酵素をくり返し利用しながら行う連続反応によっ
て工業的に有利に製造する方法に関するものである。
〔従来技術〕
左旋性のマンデル酸の製造法としては、ラセミ体の分別
結晶による光学分割法、クロマトグラフィーによる光学
分割法、有機化学的な不斉合成法等が知られているが、
これらの方法は、操作が煩雑であるとか、収率が低い、
生成物の光学純度が低い等の欠点を有している。
一方、左旋性のマンデル酸を得るために、ベンゾイルギ
酸を微生物菌体を用いて不斉還元する方法(特開昭57
−198096号公報)も知られている。この方法によ
れば、前記の公知方法の欠点は除去されるものの、微生
物のプロテアーゼによる自己消化のための活性低下が避
けられず、また菌体内成分や培地成分による製品の汚染
・純度低下の問題等が残る。本発明者らは、微生物菌体
を用いずに、微生物から取出した酵素を用いて合成する
ことを考え、−ストレプトコックス属に属する微生物か
ら取出した酵素がその目的に適合することを見出し、実
際にこの酵素を応用して左旋性マンデル酸を製造した。
しかし、この方法は単なる反応槽内で酵素を使用するも
のであり、回分反応ごとに高価な酵素を使い捨てにする
点で、経済性の上から問題があった。
〔目   的〕
本発明者らは、酵素のくり返し使用をはかるべく鋭意研
究を重ねた結果、上記の酵素及び反応に必要な還元剤で
ある還元型ニコチンアミド・アデニン・ジヌクレオチド
(NAD)I)をその場で再生するために必要な他の1
つの酵素を限外濾過器の中で使用すれば、1週間以上連
続的に左旋性マンデル酸を生産できることを見出し、本
発明を完成するに到った。
〔構  成〕
即ち、本発明によれば、ストレプトコックス属細菌由来
のベンゾイルギ酸還元能を有する酵素Aとギ酸脱水素酵
素の溶液を限外濾過器に入れ、ベンゾイルギ酸とギ酸を
含む基質液を流して限外濾過を行いつつ酵素反応を行う
ことを特徴とするマンデル酸の左旋性光学活性体の連続
的製造法が提供される。
次に、本発明における酵素反応を示す。
この反応において、ギ酸の電子がギ酸脱水素酵素の作用
によってNAD C酸化型ニコチンアミド・アデニン・
ジヌクレオチド〕に渡されて還元型NAD(NADH)
となる。このNADHの電子が酵素Aによってベンゾイ
ルギ酸に立体選択的に移転される結果、不斉還元が起こ
り左旋性のマンデル酸が生成する。同時にNADHは元
のNADに戻る。上式のサイクルはマンデル酸を除去し
、原料のギ酸とベンゾイルギ酸を供給する限り回転し続
ける0本発明では、反応液からマンデル酸のみを取り出
すために限外濾過膜を利用する。限外濾過膜は低分子化
合物は通過させるが高分子は通さない。上式の反応液を
限外濾過すると、酵素Aとギ酸脱水素酵素は濾過されな
いで反応液中E& 、9iまり、生成物のマンデル酸の
み外へとり出される。ところで、上式かられかるように
NADは系内に保持されればくり返し使用できる反応要
素である。 NADは本来低分子化合物であるので、そ
のままでは限外濾過膜を通過してしまう。この通過を防
止するためには、例えば高分子化合物に結合させればよ
い1以上述べたところから明らかなように本発明を構成
する物質的要素は次の4点である。
(1)ベンゾイルギ酸還元能を有する酵素A、(2)ギ
酸脱水素酵素、(3)限外濾過膜と装置、及びNADも
反応器内に保持せんとする場合には、(4)NADを結
合した高分子物質。
まず(1)の酵素Aはストレプトコックス属の細菌の菌
体を破壊し抽出することによって調製する。
このために用いる菌株として、例えばストレプトコック
スファエカリス(Streptococcus fae
calis)が挙げられる。培地及び培養条件としては
菌体の増殖が良く、目的の酵素活性が高いものであれば
どのようなものでもよく、例えば、トマトジュー1釈L
゛、1 ス培地を用いて30℃で15〜25時−間−振どう培養
するなどの方法が挙げられる。集菌した菌体の破壊には
超音波処理など通常の方法を用いればよく、このように
して可溶化された目的酵素を精製するためには、アフィ
ニティークロマトグラフィーやイオン交換クロマトグラ
フィーなど通常の方法を用いればよい、この精製は、必
らずしも目的酵素を単一の蛋白質として単離するほどに
行うことを必要としない、普通には、菌体に由来する低
分子成分、多糖類、核酸及びプロテアーゼやNADHオ
キシダーゼなどの妨害作用をなす酵素を除いて、比活性
を1000/mg程度に上昇させたものでも十分である
。このためには例えば色素結合樹脂によるアフィニティ
ークロマトグラフィーが効果的である。
しかし本発明は、これらの記述によって何ら限定される
ものではない。
この酵素Aの性質は次の通りである。
(1)活性測定法: 0.1Mリン酸緩衝液(pH7,
5)2.5mΩ、83mMベンゾイルギ酸(ナトリウム
塩)水溶液0.211Q、及びlorng/rm fl
 NADH水溶液0.05mQを混合して基質液−を調
製し、30℃に保温する。酵素A溶液20μΩを添加・
混合し、340rv+における吸光度の時間変化を測定
して初速度を求める。
ブランクとしてはベンゾイルギ酸水溶液の代りに水を用
いて測定を行い、その時の吸光度の変化速度を先の値か
ら差し引く。初速度としてNADHの1μmolを1分
間に変化させる酵素量を1単位(U)とする。
(2)精製酵素の比活性: 911U/mg・蛋白質(
3)分子量ニゲル濾過法を用いて測定して72000±
2000. SO3・ポリアクリルアミドゲル電気泳動
法を用いて測定した場合には34000±2000であ
った。従って本酵素Aは分子量34000付近のサブユ
ニット2個からなる二量体蛋白であると考えられる。
(4)等電点:4.9〜5.0゜ (5)至適pt(:ベンゾイルギ酸を基質とした場合は
pH4,5゜逆反応として(−)−マンデル酸を基質と
してNAD+を補酵素として用いた場合はpH9,2゜
(6)安定性に及ぼすpHの影1!p:種々の緩衝液を
用いて55℃で1時間加熱した時の残存活性が70%を
越えるpH領域は6.2〜5.5゜同条件でpH7,2
以上及びP旧以下では完全に失活する。故に本酵素Aは
pH6,5−5,0の微酸性条件において安定である。
(7)加熱に対する安定性H2mMのメルカプトエタノ
ールを含む0.1Mのリン酸緩衝液(pH6,0)の中
で1時間加熱した時の残存活性は、55℃で35%、5
0℃で50%、45℃で80%であった。次に1%の牛
血清アルブミンを安定化剤として共存させた時の結果(
残存活性)は55℃で70%、50℃で87%、45℃
で96%であった。
(8) (−)−マンデル酸を製造するための実際の条
件を模した条件における安定性;ベンゾイルギ酸0.1
M、NAD 1mM、2−メルカプトエタノール2■阿
、牛血清アルブミン1%、ソルビン酸カリウム(防腐剤
)0.02%を含む15+1Mリン酸緩衝液(p)+6
.3)に溶かした状態で30℃に保温した時の酵素Aの
残存活性は、5日目に73%、100日目52%、19
9日目42%であった。
(9)冷蔵保存時ケ、鉛はジる安定性: 2+aMのメ
ルカプトエタノールと3.2Mの硫安を含む15mMリ
ン酸緩衝液(PH6,3)の中で4℃において、1ケ月
の間はとんど失活しなかった。
(10)ミカエリス定数:  0.1Mリン酸緩衝液(
pl(7,5)を用い30℃で測った場合、ベンゾイル
ギ酸については3.3mM、 NADI(については3
5μHであった。
(11)基質特異性:補酵素としてNADPHはNAD
Hの代用にならない。本酵素Aはベンゾイルギ酸以外に
も各種のα−ケト酸を還元する。代表的なものは次の通
りである(括弧の内の数値は、lomMの濃度で使用し
た時の反応速度をベンゾイルギ酸による値を100とし
ての%である):α−ケト酪酸(3)、α−ケトパレリ
アン酸(23)、α−ケトカプロン酸(24)、α−ケ
トイソバレリアン酸(67)、α−ケトイソカプロン酸
(132)、α−ケト−β−メチルバレリアン酸(63
)、フェニルピルビン酸(60)、 3−ブロムピルビ
ン酸(152)、及び3−クロロピルビン! (17)
、α−ケト酸の中でもピなどには全く活性を示さなかっ
た。
(12)反応の立体選択性:ベンゾイルギ酸とNADH
を基質にして生成するマンデル酸を抽出して旋光度を測
定し、またジアステレオメリック誘導体としてガスクロ
マトグラフィー法で光学純度を測定したところ、(R)
−(−)−マンデル酸が100%の光学純度で生成して
いることが確認された。一方逆反応としてNAD+と(
−)−マンデル酸又は(+)−マンデル酸(アルドリッ
チ社製)を用いて活性を測定したところ、(−)−マン
デル酸は完全に酸化されたが、(+)−マンデル酸はご
くわずかしか反応しなかった。
(13)阻害剤:本酵素Aはいくつかの重金属イオンに
よって活性を阻害される。代表的なものを次にかかげる
(括弧内は0.IMトリス/HCQ、!1衝液PH7,
5を用いて測定した時の残存活性を金属イオン無添加時
の値を100として2で示したものと、その時の金属イ
オン濃度である):Cu”(9%、1mM)、Zn2”
 (0%、1mM)、Ni” ” (55%、1mM)
、)1g”(6%、 ’0.1+iM)、Hg”(31
%、0.1mM)、Cd”(2%。
ld)、また本酵素Aは0 、5mMの2−クロロマー
キュリ−ベンゾエートによって完全に阻害され、l■阿
の計エチルマレイミドによっても60%阻害される。
このように、本酵素Aはベンゾイルギ酸還元能を有する
点で新規であり、かつ酵素として高い比活性を有し、実
用的条件下において、簡単に失活することはなく、そし
て左旋性のマンデル酸を光学純度100%で生成するな
ど優れた性質を持つ酵素である。
次に(2)のギ酸脱水素酵素は、(1)のベンゾイルギ
酸還元能を有する酵素Aと同程度かそれ以上に安定であ
って、かつ触媒作用をなすpH域が酵素Aの使用pH域
と重複しているものならばどのようなものでもよい。例
えば市販されているカンデイダボイディニイ(Cand
ida boidinii)菌のギ酸脱水素酵素などが
その例としてあげられる。なおNADHの再生のための
酵素としてはギ酸脱水素酵素以外にもアルコール脱水素
酵素やグルコース脱水素酵素の使用が当然期待できる。
しかしながら、平衡定数や副産物(ギ酸脱水素酵素の場
合には炭酸ガスであり、グルコース脱水素酵素の場合に
はグルコノラクトンである)の除去の容易さなどの点か
ら、ギ酸脱水素酵素が最も効果的であると考えられる。
(3)の限外濾過膜については、マンデル酸は完全に通
過せしめるが、上記の2つの酵素を完全に阻止するだけ
の孔径の細孔を有し、実際の使用条件下では安定であり
、そして酵素や高分子物質を吸着するような不都合な性
質を有しないものならどのようなものでも使用される。
このようなものとして、例えばAmlcon社のPト1
0メンブレンやPM−30メンブレン等があげられる。
限外濾過装置としては、上述のような膜をセットして簡
便に使用できるものならどんなものでもよい。ただし、
pH電極の投入口、pl+調整用酸・アルカリ液の供給
口、基質液の供給口、炭酸ガスの出口及び撹拌器を備え
ていなければならない、またpHを一定に保つための制
御装置(pHスタット)が必要である。
次に、(4)のNADを結合した高分子物質としては、
酸化型(NAD型)の時、にギ酸脱水素酵素に対する活
性が高く、還元型(NADH型)の時に酵素Aに対する
活性が高いものであればどのような構造のものでもよい
、もちろん、水溶性であるということと、使用する限外
濾過膜を通過しないだけの分子量(およそ1oooo以
上)を持つことは当然である。このようなものとしては
、 NADに化学修飾をほどこして重合性官能基を有す
る誘導体としたもの(例えばN’−[2−(計(2−(
N−(2−メタクリルアミドエチル)カーバモイル〕エ
チル〕カーバモイル〕エチル)−NAD)を、アクリル
アミドやN、N−ジメチルアクリルアミドとラジカル反
応で共重合させたもの等があげられる。これらは公知の
方法によって容易に合成される(Agric、Biol
、Chem、誌vo1,45.p、2277(1981
);特許第1°226768号公報)。
最後に、反応の実施条件について説明する。まず緩衝液
を選定するが、中性付近で通常用いられるものならどの
ようなものでもよく、例えばリン酸緩衝液やトリス・塩
酸緩衝液などが挙げられる。
緩衝液の濃度は数組から200〜300mMの範囲で適
当に選べばよい、これよりも高濃度であるでもさしつか
えない、pHは4から8の間の適当な値とする。
どの値にするかは、2つの酵素及びNADとNADHの
安定性及び2つの酵素が活性を示すPH領領域考慮して
決定する0本発明に用いるベンゾイルギ酸還元能を有す
る酵素Aの至適PHは4.5付近であり、また加熱に対
して最も安定となるPHは5.8〜6.0である。
またギ酸脱水素酵素のうちCandida boidi
nii菌由来のものの至適pHは8であり、安定PH域
は7付近である。これらの事実とNADがアルカリ性で
不安定であり、NADHが酸性において不安定であるこ
とを考えると、上の酵素の組合せの場合にはpHは6.
5〜7.5とするのが実際的であると結論される。この
緩衝液には酵素の安定化剤として2−メルカプトエタノ
ールやジチオスレイトールを0.1〜2mM程度添加し
ておくことが望ましい。また硫安などの塩が安定化に効
果を示す場合にはそれも加えるとよい。
酵素AとCandida boidiniiのギ酸脱水
素酵素は1〜2Nの硫安の存在で顕著に安定化される(
PH6,5で60℃で1時間加熱した時、硫安がないと
両酵素とも完全に失活するが、’11gの硫安があれば
酵素Aは完全に安定であり、ギ酸脱水素酵素も50%の
活性を維持する)。高濃度の硫安には酵素反応時の防腐
効果やマンデル酸の有機溶媒抽出時の塩析効果も期待で
きる。これらの緩衝液にベンゾイルギ酸とギ酸をナトリ
ウム塩やカリウム塩など適当な塩の形として溶解させて
基質液を調製する。 NADを使いすてにする場合はそ
れも基質液に添加する。その濃度は、ベンゾイルギ酸の
場合は、酵素Aに対するミカエリス定数(30℃、pH
7,5で3.3mM)の100倍程(約30mMないし
は065%)から100倍程度(約300mMないし5
%)とすることが実際的である。もちろんこの範囲以上
でも以下でもさしつかえない。ギ酸の濃度はベンゾイル
ギ酸の濃度より過剰とするが、2倍程度で十分である。
NADの濃度は使用するPHでのNAD及びNADHの
安定性及び全反応速度として要求される反応速度等を考
慮して適当に決定すればよいが、普通には酵素Aに対す
るNADHのミカエリス定数(30℃、 PH6,5で
94μM)の10〜100倍程度の濃度とすれば十分で
ある。もちろんこれよりも+1.’ l”、 =  + はるかに低い値にして、回転数(夕ご斗ンオ゛−パーナ
ンバー)を向上させることもさしつかえない。
この基質液の一定量を限外濾過器に入れ、これに両酵素
と、必要があれば高分子に結合されたNADを加えて反
応を開始する。この場合は、もちろん基質液にNADは
添加しない。酵素の使用景はりアクタ−として要求され
る反応速度に応じて適当に決めればよい。高分子に結合
されたNADの濃度は遊離のNADを基質液に添加して
使用する場合の濃度に応じて設定するが、分解による減
少を見こんで太き目にしておくのがよい。
反応温度は30℃前後とするのがよい。反応液は常時撹
拌する0反応開始と同時に又は所定の変換率に達してか
ら吸引又は加圧により限外濾過を行う、そして同時に濾
過速度と等しい速度で基質液を供給して限外濾過器内の
反応液の体積を一定に保つようにする。またPHスタッ
トにより所定のpHに保つようにする。中性〜微酸性で
反応を行うと、例えば、ギ酸ナトリウムを基質にした時
は、ギ酸脱水素酵素の反応で生じるNaHCO,が分解
してCO□ガスが逃げNaOHが後に残る結果pHが徐
々に上昇するため、これを抑えるべく、酸の添加を必要
とする。このための酸としてはギ酸や酢酸などが適当で
ある。限外濾過の速度と基質液の供給速度は所望の変換
率を達成するように調節する。流速を上げれば変換率が
低下することは当然である。限外濾液から生成物の左旋
性マンデル酸を単離するには、有機溶媒抽出など通常の
方法を応用すればよい。例えば、反応液を希塩酸や希硫
酸などでpH2〜1の酸性とし、次で必要があれば食塩
などの塩を飽和濃度にまで溶かしこんだ後酢酸エチルや
エーテルなどで抽出を行うと1反応液中のマンデル酸は
ほぼ定量的に回収される。有機層を分は取り溶媒を留去
した残渣を熱したベンゼンなどに溶解させ、必要があれ
ば活性炭処理等を施した上で熱濾過を行い、濾液を冷却
すれば左旋性マンデル酸の結晶を得る。
〔実施例〕
次に実施例について本発明を更に詳細に説明する。
実施例1 公知の方法(J、Biochem、 、95.109(
1984))で合成したN’−(2−(計[2−(N−
(2−メタクリルアミドエチル)カーバモイル]エチル
〕カーバモイル〕エチル−NADとアクリルアミドをに
、 S、 O,とNaH3O3の組合せを開始剤として
用いる公知の方法(Agric、Biol、Chem、
 。
45.2277(1981))でラジカル共重合させ、
限外濾過と透析によって精製後、凍結乾燥して、ポリア
クリルアミド結合NAD(以後PA−NADと略記する
)の白色固体を得た。上記文献に記載の方法で分析した
ところ補酵素的に活性なNADの含量は48.8μno
 n /gであり、平均分子量は56000であった。
ストレプトコックスファエカリス(Streptoco
ccusfaecalis)IFO12964をトマト
ジュース・麦芽エキス・Co50.の培地で通気撹拌培
養した。30℃で24時間培養後、集菌し、菌体を超音
波処理してベンゾイルギ酸還元能を有する酵素Aを抽出
した。これをMatrex Red A樹脂を充填した
カラムによるアフィニティークロマトグラフィーで精製
し、比活性621U/mg蛋白質の標品を得た。カンデ
ィダボイディニイ(Candida boidfn’i
i)’のギ酸脱水素酵素はべ一リンガー・マンハイム・
山之内社から購入した。
アミコン社製のPトコ0メンブレンと52型限外濾過器
を用いて図面に示すようなバイオリアクターを組み立て
た。 0.1Mのリン酸緩衝液中に0.1Mベンゾイル
ギ酸ナトリウム、0.2Mギ酸ナトリウム、2mM 2
−メルカプトエタノール、1M硫安及び0.03%のソ
ルビン酸カリウムを含む基質液を調製し、pHを6.5
とした。これが図の基質液Bである。基質液の一部をと
り牛血清アルブミンを0.2%、酵素Aを100U/m
 Q、ギ脱水素酵素を10υ/aQ及びPA−NADを
NADの濃度としてlIIMになるように溶かし、最後
に新たに基質液を加えて全量を30m Qとしてから限
外濾過器に入れた(図の反応液A)、pHスタットのリ
ザーバーには、5Mギ酸水溶液りが入っている。限外濾
過器は30℃の恒温槽に浸した0反応液Aをマグネチッ
クスターラーで撹拌しつつ、ポンプP2で9m Q /
hrの速度で吸引して限外濾過を行い、同時にポンプP
□で基質液Bを9m Q /hrの速度で供給した。
p)lが上昇してくるから、それを6.5に保つように
pHスタット5を用いて5Mギ酸りを添加した0発生す
るCO2ガスはフィルター4を経て排出させた。120
時間目にPA−NADをNADとして30μnoQ追加
添加した。P2から出る濾液Cは毎日の分を別々に貯め
た。
それぞれの水溶液は6NIICQでpH<2とし、次で
食塩飽和の下に水層と同量、半分量及び173量の酢酸
エチルで抽出した。水層ごとに酢酸エチル層を合し、濃
縮後環とうベンゼンから結晶化させて左旋性マンデル酸
の板状晶を得た。収量、融点、比旋光度は表1の通りで
ある。流速の低下は膜の目づまりのためと思われる。収
率は濾液の体積を元に、そこに含まれていたベンゾイル
ギ酸の量に基いて計算した。融点と旋光度のデータは光
学的に純粋な左旋性マンデル酸についての文献値と一致
した。8日目からの収率低下は両酵素の失活によるもの
であることがわかった。この表の結果から1週間以上に
わたって、このバイオリアクターで左旋性マンデル酸を
連続生産できることが明らかとなった。
〔効  果〕
本発明によれば、酵素及び場合によれば、補酵素のNA
[)も反応器外に放出することなく、くり返し使用しつ
つ光学的に純粋な左旋性マンデル酸を連続生産すること
ができ、酵素及びNADの経済的な使用をはかることが
できる。
【図面の簡単な説明】
図面は本発明の実施に用いられるバイオリアクターの1
例についての説明図である。 1・・・限外濾過膜、2・・・マグネチックスターラー
、3・・・pH電極、4・・・滅菌フィルター、5・・
・PHスタット、6・・・恒温槽(30℃)、P□tP
z・・・ペリスタルチックポンプ、A・・・反応液(酵
素とPA−NAD)、B・・・基質液(ギ酸とベンゾイ
ルギ酸)、C・・・限外濾液(左旋性マンデル酸)、D
・・・5Mギ酸。 特許出願人 工業技術院長 飯 塚 幸 三指定代理人
 工業技術院微生物工業技術研究所長  。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. (1)ストレプトコックス属細菌由来のベンゾイルギ酸
    還元能を有する酵素Aとギ酸脱水素酵素の溶液を限外濾
    過器に入れ、ベンゾイルギ酸とギ酸を含む基質液を流し
    て限外濾過を行いつつ酵素反応させることを特徴とする
    マンデル酸の左旋性光学活性体の連続的製造法。
JP23284286A 1986-09-30 1986-09-30 左旋性マンデル酸の連続的製造法 Granted JPS6387986A (ja)

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