JPS63869B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 技術分野 この発明は光学式情報記録再生用テープを収納
する光学式カセツトテープで、詳しくは情報を光
学式記録媒体であるテープにデイジタル式又はア
ナログ式で光学的に高密度記録し、且つテープか
らの情報を光学的に再生する光学式記録再生装置
で使用されるカセツトテープに関する。

背景技術 情報の記録媒体としては磁気テープが一般的で
あるが、磁気テープはその性質上、高密度記録化
やノイズ特性の改善に限界があり、そこでこれを
改善するものとして最近はレーザ光スポツトを用
いて情報の記録再生を行う光学式記録再生装置が
注目され、開発されている。この光学式記録再生
装置は光学式記録媒体にテープを用いるものとデ
イスクを用いるものに大別され、本発明は前者テ
ープを用いるタイプに有効なカセツトテープに関
する。

テープ式の光学式記録再生装置はテープの片面
にレーザ光スポツトの照射で1μm程度の微細孔
（情報ビツト）を形成して情報の記録を行い、他
方情報を記録したテープにレーザ光スポツトを照
射してその反射光又は透過光を検出することで情
報の再生を行う。このような光学式テープは長尺
な１本が一対のリールに巻回されてハウジング内
に収納されてカセツト化されるのが通常である。
前記一対のリールの一方はテープ繰出し用リール
であり、他方は巻取り用リールで、この両者リー
ル間を順方向に送られるテープに対して情報の記
録、再生が行われている。

第１図及び第２図で従来の光学式記録再生装置
におけるカセツトテープ及びその記録再生に必要
な周辺機器を説明すると、１はカセツトテープ、
２は記録再生用光ヘツドである。カセツトテープ
１は矩形の薄い箱形のプラスチツク製ハウジング
３内に２個一対の第１、第２リール４，５を軸方
向を平行にして同一平面上に一定の間隔で且つ
各々回転可能に配置したもので、テープ繰出し用
第１リール４に巻回されたテープ６は複数のテー
プガイド７，７…を経て巻取り用第２リール５へ
巻取られる。テープ６は例えばプラスチツクテー
プの外面にTe―As―Seの金属薄膜などからなる
記録層を形成したものである。光ヘツド２は回転
ドラム８の外周面の少くとも２箇所に光ピツクア
ツプ９，９を装着した構造である。カセツトテー
プ１は光ヘツド２を回転させる機構やカセツトテ
ープ１のリール回転駆動機構などを有する外部機
器に着脱自在にセツトされ、記録再生時はセツト
されたカセツトテープ１の両リール４，５間にあ
るテープ６の一部が外部手段で積極的に湾曲走行
し、この湾曲部６′の外面に沿つて回転ドラム８
が一定の傾斜角θでもつて近接してテープ走行と
反対方向に高速回転する。同時に光ピツクアツプ
９，９からレーザ光が放射されてそのスポツトが
テープ６の湾曲部６′の記録面上をヘリカルスキ
ヤンし、情報の記録又は再生が行われる。テープ
６には第３図に示すような角度θで密集する情報
トラツクＴでもつて情報が記録される。この１条
の情報トラツクＴには例えばCRT画面の１フレ
ーム分の情報が記録される。

ところで上記従来のカセツトテープ１には次の
各問題点がある。

(a) ２個一対のリール４，５を並列に配置するた
めカセツトテープ１は薄形にできるが面積大と
なり、外部機器への設置面積に大きなものが必
要である。

(b) テープ６の回転ドラム８と対向する湾曲走行
面は回転ドラム８の約半周程度であり、従つて
記録再生を途切れなく行うために少なくとも２
個以上の光ピツクアツプ９を回転ドラム８の周
面に装着する必要があり光ヘツド２の構造が複
雑化する。

(c) カセツトテープ１がセツトされる外部機器に
はカセツトテープ１のリール回転用モータ、光
ヘツド２を回転させるモータなどの多種類（通
常４種類）のモータを必要として光学式記録再
生装置を高価、大型化させる。

(d) 記録再生は光ヘツド２の高速回転で行われる
が、光ヘツド２はレーザ光源や情報読み取り用
受光素子、更にはテープ６上を走査するレーザ
光スポツトのフオーカス制御やトラツキング制
御の役を兼ねる可動式対物レンズを含むレンズ
系を有する複雑な構造をしているため、これを
高速回転させるとなると外部電気回路との電気
的接続が難く、而も可動式対物レンズが高速回
転時の遠心力を受けてフオーカス制御やトラツ
キング制御が難しくなる。

(e) 記録再生時にテープ６を記録面側を光ヘツド
２の外周面に直接或は間接に摺動させる必要が
あるため、テープ６の記録面に傷が付き易くて
ノイズ特性が劣下し易く、耐久性が悪い。

発明の開示 本発明の目的は上記問題点を解消し得るカセツ
トテープを提供することで、この目的の達成手段
として、テープの繰出し用と巻取り用の一対のリ
ールを同軸に配置すること、一対のリール間に記
録再生用回転ドラムを同軸に追加挿入してこの回
転ドラムの外周に両リール間のテープをヘリカル
に摺動可能に巻き付けること、一対のリールと回
転ドラムで構成されるリールユニツトを１つのハ
ウジング内に回転可能に収納することを特徴とす
る。このようなカセツトテープを使用するとカセ
ツトテープ及びその周辺機器のコンパクト化が実
現でき、また記録再生用光ヘツドは固定式のもの
の採用が可能となり、上記目的が容易に達成され
る。

発明を実施するための最良の形態 第４図及び第５図に本発明によるカセツトテー
プ１０の一例を示し、これを第６図と第７図の分
解図を参照して説明すると、１１はプラスチツク
製のハウジング、１２はハウジング１１内に回転
可能に収納されたリールユニツトである。ハウジ
ング１１は有底開口の略矩形箱形の本体１３と本
体１３の開口を塞いでネジ１５で締結される蓋板
１４とで構成され、本体１３の前面壁の中央部に
はレーザ光が透過する記録再生用透明窓１６が、
後面壁にはリールユニツト１２の回転制御用切欠
き１７，１７が、更に底面中央にはリールユニツ
ト１２を回転自在に軸受けすると共に後述モータ
回転軸が挿通される軸受突起１８が形成され、ま
た蓋体１４には内部が覗けるテープ残量チエツク
窓１９が形成される。このハウジング１１を透明
プラスチツクで構成すれば上記各窓１６，１９は
特別に設ける必要はない。

リールユニツト１２は第７図に示すようにテー
プ繰出し用第１リール２０とテープ巻取り用第２
リール２１及び記録再生用回転ドラム２２の３者
を同軸に組付けたものである。回転ドラム２２は
同軸の外筒２２ａと内筒２２ｂ及びこの両者で囲
まれる空間を軸方向と直交する方向で二分した仕
切板２２ｃを一体化したもので、外筒２２ａの上
下間口端には夫々１箇所にテープ幅の高さで切欠
き２３，２４が形成される。回転ドラム２２の上
下のリング状空間内に第１リール２０と第２リー
ル２１が夫々の中心穴２０′，２１′を内筒２２ｂ
に回転自在に挿通して同軸に収納される。第１リ
ール２０と第２リール２１には１本の長尺な光学
式テープ２５が同一方向に巻回され、第１リール
２０から延びるテープ２５は回転ドラム２２の切
欠き２３からドラム外に導出され、回転ドラム２
２の外周を１回りと少しだけヘリカルに巻き付け
られ、他の切欠き２４からドラム内に導入されて
第２リール２１に巻回される。回転ドラム２２の
外周にはテープ２５が嵌まつて摺動するガイド溝
２６が形成され、テープ２５はこのガイド溝２６
に沿つてヘリカルスキヤンする。第１、第２リー
ル２０，２１は夫々にテープ巻回用円筒２０ａ，
２１ａの上下端に円形の外輪２０ｂ，２１ｂと内
輪２０ｃ，２１ｃを一体に且つ同心に連結した軽
量なプラスチツク製品で、例えば第１リール２０
の外輪径をD₁、第２リール２１の外輪径をD₂、
回転ドラム２２の外径をD₃とするとD₁＜D₃＜D₂
の関係に設定され、且つ各外輪２０ｂ，２１ｂは
回転ドラム２２の外筒２２ａの上下端面に沿つて
回転するように設定される。テープ２５は外面側
に記録面を有するものが使用され、その材料等は
従来と同様でよい。

上記カセツトテープ１０を用いた光学式記録再
生動作はリールユニツト１２の全体を一方向に高
速回転させる一方で、第２リール２１にのみ適当
なブレーキをかけて他より少し回転速度を低下さ
せてテープ送りを同時併行させることで行われ
る。またテープ巻戻しはリールユニツト２２を同
一方向に高速回転させると共に第１リール２０を
他より高速で回転させることで実施される。この
ようなテープ送り、テープ巻戻し等の動作、及び
テープ送り時の記録再生動作は例えば第８図に示
すような光学式記録再生装置により実行される。

第８図において２７はケース、２８はケース２
７に組込んだ再生用デイスプレイ装置、２９はケ
ース２７の上面一部に形成したカセツトテープ装
着用凹部である。凹部２９の底面には１つの一方
向定速回転駆動用モータ３０の回転軸３１が垂設
され、前側面には光ヘツド３２が定位置に埋め込
まれ、後側面にはリールユニツト１２の第１、第
２リール２０，２１の回転速度を可変するための
回転駆動制御機構３３の例えば加速ローラ３４と
ブレーキローラ３５とが突出自在に設置される。
３６は凹部２９の開口に開閉自在に設けた透明窓
付き保護蓋である。凹部２９にカセツトテープ１
０をセツトした時、第９図に示すように光ヘツド
３２はハウジング１１の透明窓１６の近くに対向
し、加速ローラ３４はハウジング１１の切欠き１
７を通して第１リール２０の外輪２０ｂの外周に
対向し、ブレーキローラ３５は同じく切欠き１７
を通して第２リール２１の外輪２１ｂの外周に対
向する位置にある。各ローラ３４，３５は夫々が
揺動アーム３７，３８の先端に支軸３９，４０で
もつて回転可能に支持され、一方の加速ローラ３
４は大径部３４ａと小径部３４ｂを有するものが
後述動作上使用され、他方のブレーキローラ３５
は一定のブレーキがかけられて回転する。またモ
ータ回転軸３１が回転ドラム２２の内筒２２ｂ内
に挿通され、この時の両者は空回り防止構造で嵌
合して以後、回転ドラム２２は回転軸３１と一体
に回転する。

次に上記構成による記録再生等の動作を説明す
る。

記録又は再生時、第１０図に示すようにブレー
キローラ３５のみを前進させて第２リール２１の
外輪２１ｂの外周面一部に弾圧接触させ、この状
態でモータ３０を始動させて回転軸３１を矢印方
向に一定の高速で回転させる。するとリールユニ
ツト１２の全体が回転軸３１と同速で高速回転す
るが、第２リール２１だけがブレーキローラ３５
の接触でブレーキがかけられているので他より少
し遅く回転をする。従つて第２リール２１は他と
同一方向に回転しているのであるが、第１リール
２０からすると見かけ上反対方向に回転し、これ
によりテープ２５は全体が高速回転しながら第１
リール２０から第２リール２１へと送られて巻取
られ、この間、回転ドラム２２の外周上を走行す
る。同時にリールユニツト１２の回転と同期させ
て光ヘツド３２からレーザ光スポツトを回転ドラ
ム２２の外周上のテープ２５に垂直方向から照射
すれば情報の記録又は再生がなされる。再生時は
再生信号でもつてデイスプレイ装置２８の画面に
情報画を映し出す。

尚、ここで光ヘツド３２は図示するように、通
常のデイスク式と同様に回転させることなく固定
式のものが使用出来る。即ち、テープ２５は回転
ドラム２２の周面に１回以上巻回されているた
め、テープ２５の走行で記録再生が途切れなく行
え、従来のようにピツクアツプ２個以上を装着し
た回転ヘツドを用いる必要がなくなる。しかもテ
ープ一周当り４フレーム分を記録させるようにす
ると、ドラム２２の回転数を反比例して減少さす
ことも可能である。

デイスプレイ装置２８の画面像を静止させたい
場合はリールユニツト１２の高速回転を続行させ
る一方でブレーキローラ３５を第２リールから離
す。すると第２リール２１は他と同速で回転して
テープ２５の送りが停止し、従つてテープ２５上
の１つの情報トラツクＴ上だけをレーザ光スポツ
トが繰り返し走査して静止画像が得られる。

記録、再生が完了してテープ２５を巻戻す場合
は第１１図に示すようにリールユニツト１２を同
じ方向に同じ高速で回転させると共に、加速ロー
ラ３４のみを前進させてその大径部３４ａの外周
を第１リール２０の外輪２１ｂの外周に押し当
て、小径部３４ｂを回転ドラム２２の外周に押し
当てる。すると加速ローラ３４は回転ドラム２２
に当る小径部３４ｂの従動回転速度でもつて回転
し、従つて大径部３４ａに当る第１リール２０が
他より速く回転し、テープ２５は第２リール２１
から回転ドラム２２の外周を経て第１リール２０
へと巻戻されていく。

尚、リールユニツト１２における第１、第２リ
ール２０，２１の相対的な回転速度の制御による
テープ送り、テープ送り停止、テープ巻戻しの制
御はローラ３４，３５による接触方式に限らず、
実際は安定した動作を得るため磁気ブレーキ構造
や空気ブレーキ構造の非接触方式を採用すること
が望ましい。またリールユニツト１２やハウジン
グ１１の形状は上記実施例に限定されるものでは
ない。

以上のように、本発明によればリールを軸方向
に重ねることによりカセツトテープのよりコンパ
クト化が可能であり、外部機器への設置面績は従
来の約1/2になつて外部機器の小型化が図れる。
またテープ送りとテープ巻戻しはリールユニツト
を同一方向に同一速度で回転させることで実行で
き、また記録再生用光ヘツドに固定式のものが採
用できるので、外部機器に設けるモータ数の減少
による構造の簡略化やカセツトテープを含む光学
式記録再生装置のコストダウンが容易にでき、更
に光ヘツドの性能改善が図れる。またテープは記
録面が外部部材に接触すること無くリール間を走
行するので記録面の損傷が激減し、ノイズ特性の
安定化、テープの長寿命化が実現される。

【図面の簡単な説明】

第１図及び第２図は従来のカセツトテープを使
つた光学式記録再生装置の一例を示す概略平面図
及び部分拡大正面図、第３図は光学式テープの部
分図、第４図及び第５図は本発明のカセツトテー
プの一実施例を示す斜視図及び―線拡大断面
図、第６図及び第７図は第４図のカセツトテープ
の全体及び一部の分解斜視図、第８図は第４図の
カセツトテープを使つた光学式記録再生装置の一
例を示す斜視図、第９図は第８図のカセツトテー
プセツト時の部分拡大断面図、第１０図及び第１
１図は第８図の装置による動作を説明するための
各動作時の要部側面図である。 １０…カセツトテープ、１１…ハウジング、１
２…リールユニツト、２０…第１リール、２１…
第２リール、２２…回転ドラム、２５…テープ。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ 光学式記録媒体であるテープを巻回する繰出
   し用及び巻取り用の一対の第１及び第２リールの
   両者を回転ドラムの軸方向の両面に回転可能に収
   納し、両リール間のテープを回転ドラムの外周に
   ヘリカルに巻き付けて走行可能にしたリールユニ
   ツトと、このリールユニツトを回転可能に収納す
   るハウジングとで構成したことを特徴とする光学
   式カセツトテープ。