JPS638614Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本案は、合成樹脂製肉薄壜用キヤツプに係る。

近時、合成樹脂製壜が多用されている。該壜は
硝子壜に対して軽量でかつ割れ難い利点を有す
る。該合成樹脂製壜は、肉薄化することでその材
料を節約でき、例えば、二軸延伸させた飽和ポリ
エステル樹脂製壜は、二軸延伸によりその機械的
強度も高めることが出来る。しかし、このような
合成樹脂製の肉薄壜は、例えば加熱殺菌した液体
充填後、キヤツプして密封すると、その充填液体
冷却による体積の減少、および壜内液面上にある
空気、いわゆるヘツドスペース内にある空気の温
度降下による体積減少によつて壜内が負圧化し、
該負圧化により壜壁が内方に彎曲する欠点があつ
た。尚該減圧変形は、高温液体を充填した場合の
ほか、ヘツドスペース内の酸素が充填液体に吸収
される場合にも生ずる。該液体例としては食用油
がある。

合成樹脂製壜の減圧変形防止のために、予め壜
壁に変形許容部分を設けておき、その変形許容部
分だけを凹状に変形させることで壜の外見が損わ
れないようにすることも行われているが、このよ
うにすると、壜のデザイン上の制約が大であり、
又レツテル貼布場所も制約され、更に壜壁肉薄化
も不充分となる欠点があつた。しかし、上記の減
圧変形防止は、減圧を見込んで予め壜のヘツドス
ペース内に高圧空気等を充填しておくことで解決
できる筈である。本案キヤツプは、その高圧ガス
を充填可能としたキヤツプに係るもので、以下図
示の実施例について説明する。

第１図Ａ，Ｂ乃至第５図Ａ，Ｂは、第１乃至第
５の各実施例を示すものである。これらの図にお
いて、１は、いずれにも共通する壜であり、二軸
延伸成形して成る飽和ポリエステル樹脂製肉薄壜
である。該壜は、口頚部１１の外周に螺条１２を
有し、口頚部１１の下部に外向きフランジ１３を
有している。２は、それぞれにおいて少々形態の
異なる合成樹脂製のキヤツプ本体であり、頂壁２
１の周縁から周壁２２を一体に垂設し、該周壁内
周に壜１の螺条１２と螺合する螺条２３を有し、
壜１の口頚部１１へ螺着するようにしている点で
はいずれも共通するが、主として頂壁の部分にお
いて具体的態様を異にしている。ａは、それぞれ
のキヤツプ本体２に内外を連通し得るよう設けた
通気路、３は、それらの通気路ａにおいて外部の
高圧ガスを導入し得るよう設けたガス用逆止弁で
あるが、これらは、キヤツプ本体２と共々、それ
ぞれが具体的態様を異にしている。

即ち、第１図Ａ，Ｂに示す第１例は、キヤツプ
本体２において、頂壁２１の中央部下面から外周
に縦溝２４のある小筒２５を垂設し、該縦溝の外
側で頂壁に小透孔２６を穿設し、又逆止弁３を、
ゴム、軟質合成樹脂等から成り、上記小筒２５の
外周に嵌る筒部３１を有すると共に、該筒部の上
端からキヤツプ本体頂壁２１内面に当接の外向き
フランジ３２を一体に突設して構成し、該逆止弁
３を、キヤツプ本体２内に嵌挿して、該逆止弁３
で小透孔２６を閉塞し、該逆止弁３の周縁をキヤ
ツプ用パツキングに兼用し、且つ小透孔２６から
縦溝２４までを通気路ａに構成している。

第２図Ａ，Ｂに示す第２例は、キヤツプ本体２
において、頂壁２１の中央部を陥没させて上部開
放の有底小筒２７を垂設し、該有底小筒２７の周
壁下部に横孔２８を穿設し、有底小筒２７の周壁
外面にゴム、軟質合成樹脂等の筒体３３から成る
逆止弁３を嵌着して、横孔２８を閉塞し、その有
底小筒２７内から横孔２８を経てキヤツプ本体の
内側に至るルートを通気路ａとしており、又頂壁
２１の内面から壜口頚部１１内に気密に嵌合する
嵌合筒２９を一体に垂設している。

第３図Ａ，Ｂに示す第３例は、キヤツプ本体２
において、頂壁２１の中央部から垂下筒５１を一
体に垂設し、又逆止弁３を、ゴム、軟質合成樹脂
等から成り、上記垂下筒５１の外側に遊嵌の筒部
３４の下端に、垂下筒下端外周へ気密に接する内
向きスカート部３５を設け、且つ筒部上端からキ
ヤツプ本体頂壁２１内面に当接の外向きフランジ
３６を穿設し、該外向きフランジの上面に半径方
向に凹溝３７を形成して構成し、該逆止弁３を、
キヤツプ本体２に内装し、キヤツプ本体周壁２２
の内周、逆止弁の凹溝３７、同筒部３４及び同ス
カート部３５内を通気路ａとして、該通気路をそ
のスカート部３５で閉塞している。

第４図Ａ，Ｂに示す第４例は、上記第３例にお
いて、キヤツプ本体頂壁２１中央からの垂下筒を
無くし、逆止弁を、筒部３４が無いものとすると
共に、フランジ部３６に直接に連ねて内向きで且
つ平坦なスカート部３８を設けてこれをキヤツプ
本体頂壁２１内面に当接させており、キヤツプ本
体周壁２２の内周、逆止弁の凹溝３７、同スカー
ト部３８内を通気路ａとして、該通気路をそのス
カート部３８で閉塞している。

第５図Ａ，Ｂに示す第５例は、上記第４例にお
いて、キヤツプ本体頂壁２１内面に上方へ窪んだ
凹部５２を形成し、逆止弁３のスカート部３８を
それに合わせて上方へ彎曲させ密接させたスカー
ト部３９に形成し、且つ逆止弁３に壜口頚部１１
への嵌入筒４０を設けて、逆止弁３を中栓状に形
成している。この場合の通気路ａは、第４例と同
じてあり、スカート部３９で通気路ａを閉塞する
点も同じである。

而して、上述の第１乃至第５例のものは、壜１
内に加熱液体を充填して後、第１図乃至第５図Ａ
に示すように、キヤツプ本体２を壜口頚部１１へ
螺着し、次いで、各図Ｂに示すように、キヤツプ
本体２上へ、或いは、壜のフランジ１３へ、シリ
ンダ６又は７を気密に当接し、該シリンダ内へ空
気、窒素等の高圧ガスを送込み、これを通気路ａ
へ流入させ、その圧力で逆止弁３を離間させて、
通気路ａを開通させ、その高圧ガスを壜内へ供給
し、封入する。

本案によれば、壜１へキヤツプ本体２を螺着し
た後に、空気、窒素等の高圧ガスの雰囲気中にお
くことにより、高圧ガスを通気路ａ及びガス用逆
止弁３を介して壜内へ任意に供給でき、極めて容
易に封入出来、その封入は時期的に制約を受ける
ことがない。又これによる内圧の増大で、内容物
の加熱充填後の冷却収縮や酸素吸入等による内圧
低下があつても、負圧化させないですみ、壜が合
成樹脂製の肉薄壜であつても負圧化による変形を
生ぜず、変形による不安定、外観の悪化、液面の
上下のバラツキ等を生ぜず、壜のデザインやレツ
テル貼布場所が制約されることなく、壜壁は充分
に肉薄化出来る。

【図面の簡単な説明】

図面は本案の実施例で、第１図Ａ，Ｂ、第２図
Ａ，Ｂ、第３図Ａ，Ｂ、第４図Ａ，Ｂ、第５図
Ａ，Ｂは、各実施例の縦断側面図および説明図で
ある。 １……壜、２……キヤツプ本体、３……逆止
弁、１１……口頚部、ａ……通気路。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 合成樹脂製壜肉薄壜１の口頚部１１へ着脱自
   在に装着させる合成樹脂製キヤツプ本体２と、 上記キヤツプ本体２に内外を連通し得るよう
   設けた通気路ａと、 上記通気路ａにおいて外部の高圧ガスを導入
   し得るよう設けたガス用自動逆止弁３と、 から成る合成樹脂製肉薄壜用キヤツプ。