JPS63825Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本考案は、法面、即ち、傾斜地が風雨、地震等
により崩壊するのを防止するための土木工事関係
の産業分野で利用されるものである。

（従来技術） 法面を保護するために、従来より種々の手段が
用いられている。その主要な手段として、草類の
種子を混入した客土を法面に敷設し、草の成育に
より法面を強靭化して保護することが多く行なわ
れている。

しかるに、この場合、折角敷設した客土が雨水
により流出されることが多々生じ、また、この客
土の流出防止手段も幾つか提案されたが、実効に
乏しい憾がある。

（本考案の目的） 本考案は、法面に敷設した客土が流失するのを
確実に防止して草の成育を効果的に促進し、所期
の法面保護を達成すると共に、法面に凹凸個所が
あつても確実容易に添接施設が可能であり、且つ
強度も良好である等の特長を備えた法面における
敷設客土の流失防止具を提供することを目的とす
るものである。

（本考案の構成） 本考案は、所要長さのＬ字形アングル部材の片
面に複数の通水孔を設けると共に、他面に取着孔
を設け、更に、該アングル部材の角部に内角側に
膨出し、且つ両端が開放されたリブを突設して成
る法面における敷設客土の流失防止具に係るもの
である。

（本考案の構成に基く作用） 上記の構成に係る本考案は、図示のように、そ
のアングル部材の長手側を法面の横横方向に位置
させると共に、内角側を下方に向けた状態で、所
要の間隔を保つて上下に多数配置し、且つアング
ル部材の取着孔を設けた面を接地させると共に、
取着棒等を打込んで固設した後、各防止具の間
に、草類の種子を混入した客土を夫々敷設して使
用に供するものである。

アングル部材の立面部分により、雨水による客
土の流失は防止されると共に、水捌は通水孔から
良好に行なわれ、且つ客土、雨水の重量圧による
アングル部材の内角側への屈曲変形はリブにより
防止される。また、リブは両端が開放されて、リ
ブの背部全体が大きく開放された状態を呈してい
るので、例えば、ブリキ板等の薄い金属板でアン
グル部材を構成しておけば、長手方向に柔軟性が
保持され、したがつて法面に若干の凹凸個所があ
つても、法面への添接施設を確実、容易に行ない
得る。

（本考案の実施例） 第１図及び第２図に示すように、ブリキ板等の
薄い金属板により所要長さのＬ字形アングル部材
１を形成し、その広巾側の面２の内側に向つて切
起し、打出し等の手段により、一側のみを開放し
て他側及び正面側を閉塞した形状の多数の通水孔
３を千鳥状に均等な配置間隔で設けると共に、狭
巾側の面４には複数の取着孔５が設けてある。６
はアングル部材１の角部７に切起し、打出し等の
手段によつて、内角側に膨出突構成されて設した
複数のリブであつて、該リブ６の両端６′，６′は
夫々開放されて構成されている。

このように構成された法面における敷設客土の
流失防止具は、既述の状態で法面Ａに取着棒８等
により固設して使用されるものであるが、この実
施例によれば、アングル部材１の広巾側の面２
（立面部分）により、雨水による客土Ｂの流失は
確実に防止されると共に、水捌は通水孔３から確
実に行なわれ、且つ客土、雨水の重量圧によるア
ングル部材の内角側への屈曲変形はリブ６により
防止され、更にリブの両端６′，６′は開放され
て、リブの背部全体が大きく開放された状態を呈
しているので、アングル部材の長手方向に柔軟性
を付与し得て、したがつて法面に若干の凹凸個所
があつても、法面への添接施設を確実、容易に行
ない得る利点の外に、各通水孔３は一側のみを開
放して他側及び正面側を閉塞した状態に構成され
ているので、客土及び混入種子の流失防止効果を
一層向上できる利点がある。

第３図及び第４図は夫々他の実施例を示すもの
で、上記実施例と同一の符号は同一の部分を示す
ものである。これらの実施例は、上記実施例と較
べて通水孔３の形状のみを異にしており、第３図
に示すものの通水孔３は両側を開放して正面側を
閉塞した形状を備えており、第４図に示すものの
通水孔３は円形状に打抜かれて形成されている。
第４図の通水孔３は形成が容易である反面、他の
実施例のものと較べて通水性が良好過ぎて客土及
び種子の一部が流失し易いおそれがある。

（本考案の効果） 以上詳述したところから明らかなように、本考
案によれば次の効果を達成でき、法面における敷
設客土の流失防止効果を向上し得て、法面の保護
に著しく寄与できるものである。

１ アングル部材の立面部分により、雨水による
客土及び種子の流失を防止し得て、草の成育を
確実に促進、向上できる。

２ 水捌は通水孔から良好に行なわれるので、客
土及び種子の溢失を防止し得て、草の成育を確
実に促進、向上できる。

３ 客土及び雨水の重量圧によるアングル部材の
内角側への屈曲変形はリブにより防止されるの
で、客土の流失防止具としての機能を低下する
ことがない。

４ リブは両端が開放されて、リブの背部全体が
大きく開放された状態を呈しているので、アン
グル部材は長手方向に柔軟性が保持され、した
がつて法面に若干の凹凸個所があつても、法面
への添接施設を確実、容易に達成できる。

【図面の簡単な説明】

図面は本考案の実施例を示すもので、第１図は
１部省略斜視図、第２図はその右側面図、第３図
及び第４図は夫々他の実施例の１部省略斜視図、
第５図は使用状態の簡略説明図である。 １……Ｌ字形アングル部材、２……アングル部
材の片面、３……通水孔、４……アングル部材の
他面、５……取着孔、６……突設リブ、７……角
部、６′……開放端部。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 所要長さのＬ字形アングル部材の片面に複数の
   通水孔を設けると共に、他面に取着孔を設け、更
   に、該アングル部材の角部に内角側に膨出し、且
   つ両端が開放されたリブを突設して成る法面にお
   ける敷設客土の流失防止具。