JPS638063Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 この考案は通信ケーブルの電線端部を電気的に
接続するモジユール形コネクタに関する。

従来、特公昭53−4913号公報に示されるような
モジユール形コネクタが提案されている。このコ
ネクタは、接触要素，上要素，下要素，カバー部
材，ベース部材等の特殊形状をした５種類の部品
で構成されるもので、金属板で形成された接触要
素を互いに接合される上要素，下要素内に支持し
ておき、上要素，下要素内に挿入した多数の電線
をカバー部材，ベース部材で接触要素側に付勢す
る操作で上下の電線を有効に接続できるという特
長を持つている。

しかし前記コネクタにあつては構成部品の形状
が互いに異なる特殊形状であるため仕様の変化に
対して融通性に乏しく、また部品点数が多いとい
う問題があつた。

この考案は、前記事情を考慮してなされたもの
で、構成部品の形状に共通性を持たせるとともに
部品点数を少なくして、仕様の変化に対して融通
性を持たせるとともに製造コストの低減および組
立時の作業性の向上に適したモジユール形コネク
タを提供することを目的とする。

以下、この考案を図面に示す実施例に基づいて
説明する。

第１図〜第３図はこの考案の第１実施例を示す
もので、金属板によつて形成されるとともに上下
両端で電線Ｐを導通させる多数の接触子１・１…
と、合成樹脂によつて角形平板状に形成されその
両面に前記接触子１の両端を突出させて多数の接
触子１を一体に埋設支持するブロツク２と、合成
樹脂によつて形成され前記ブロツク２を上下から
挾むカバー３とによつて、上下２段に配した電線
を相互に接続させるようにしている。

前記接触子１はほぼ縦長に形成されており、そ
の中間部４の両側縁には外方に突出した突起５が
形成され、また中間部４の上下には電線Ｐの外部
被覆を切り破るとともに電線Ｐの導体部分と導通
させるためのスロツト６が長さ方向に沿つて形成
されている。

また前記ブロツク２は、その片側（第３図左端
側）に多数の接触子１が千鳥状に埋設支持される
とともに、他の片側（第３図右端側）に他のブロ
ツク２に支持された接触子１の端部を挿通するこ
とのできるスロツト状の貫通孔７が接触子１の配
置に対応させて千鳥状に設けられており、２個の
ブロツク２を互いに180゜向きを変えて重ねると一
方のブロツク２の接触子１が他方のブロツク２の
スロツト状の貫通孔７に整合するように配慮され
ている。

また前記カバー３は、内面に前記ブロツク２と
嵌合する角形の凹部８が設けられ、この凹部８に
は、電線Ｐを整列保持するためのケーブル挿入溝
９が前後方向（第３図左右方向）に伸びて複数本
平行に設けられている。そして、それぞれのケー
ブル挿入溝９には、前記接触子１が挿入されるス
ロツト状の溝１０が、ブロツク２の接触子１およ
びスロツト状の貫通孔７の配置に対応させて２個
ずつ千鳥状に設けられている。

以下、このように構成されたコネクタを用いて
電線を接続する場合について説明する。

まず、一対のカバー３のそれぞれのケーブル挿
入溝９に電線Ｐを挿入しておき、次いで一方のカ
バー３の凹部８にブロツク２を嵌め込み、カバー
３とブロツク２とを圧して接触子１の端部をスロ
ツト状の溝１０内に押込む。すると接触子１のス
ロツト６に臨む縁部によつて電線Ｐの外部被覆が
切り破られ、一方のカバー３内に配されたそれぞ
れの電線Ｐの導体とそれぞれの電線Ｐに対向する
接触子１との接続がなされる。さらに他方のカバ
ー３の凹部８とブロツク２とを合わせ、接触子１
の端部を他方のカバー３のスロツト状の溝１０に
押込むと、他方のカバー３に配されたそれぞれの
電線Ｐの導体とそれぞれの電線Ｐに対向する接触
子１との接続がなされ、ブロツク２を挾む両カバ
ー３内に上下に対向するように配されたそれぞれ
の電線Ｐが互いに接続される。

また、第４図はこの考案の第２実施例を示すも
ので、ブロツク２を２個使用して、一方のブロツ
ク２の接触子１の端部が他方のブロツク２の貫通
孔７に嵌まるように向きを変えるとともに、それ
ぞれのブロツク２の間に電線Ｐを挾んで上下方向
に並ぶ３本の電線Ｐを互いに接続するようにした
ものである。

なお、前述の第２実施例では、ブロツク２を２
個用いて３本の電線を接続するようにしたが、ブ
ロツク２の数を３個以上用いて上下方向に並ぶ４
本以上の電線を互いに接続することも可能であ
る。

また、カバー３のスロツト状の溝１０およびブ
ロツク２の接触子１およびスロツト状の貫通孔７
の配置を千鳥状にしたがスペースが許される場合
には直線状に配置するようにしてもよい。

以上説明したように、本考案のモジユール形コ
ネクタにおいては、組立てに要する部品の種類が
接触子を埋設したブロツクとカバーとの２種類だ
けでよく、電線接続時に要する組立作業がブロツ
クを２個のカバーによつて上下から挾んでブロツ
クの接触子をカバーのスロツト状の溝に押込むだ
けでよいから、組立時の作業性を著しく向上させ
ることができるとともに製造コストの低減に適す
る。またブロツクの片側に接触子を配しかつ他の
片側に他のブロツクの接触子を挿入するためのス
ロツト状の貫通孔を設けるとともに、カバーのそ
れぞれのケーブル挿入溝にブロツクの接触子とス
ロツト状の貫通孔との配置に対応してスロツト状
の溝を２ケ所ずつ設ければ、複数のブロツクを互
いに隣り合うブロツクのそれぞれの接触子が互い
に相手のブロツクのスロツト状の貫通孔に対向す
るように配してそれぞれのブロツクの間に電線を
挾むことによつて上下方向に並ぶ３本以上の電線
を相互に接続することができ、仕様の変化に対し
て融通性を持たせることができるなどの種々の効
果が生じる。

【図面の簡単な説明】

第１図〜第３図は本考案の第１実施例を示すも
ので第１図は分解斜視図、第２図は要部の斜視
図、第３図は断面図であり、第４図は本考案の第
２実施例を示す断面図である。 １……接触子、２……ブロツク、３……カバ
ー、４……中間部、５……突起、６……スロツ
ト、７……スロツト状の貫通孔、８……凹部、９
……ケーブル挿入溝、１０……スロツト状の溝、
Ｐ……電線。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 (1) 上下端部に電線の外部被覆を切り破つて接続
   させるためのスロツトを形成するとともに両側
   縁に突起を形成した多数の接触子と、合成樹脂
   によつて平板状に形成され両面に前記多数の接
   触子のスロツトを突出させて埋設したブロツク
   と、合成樹脂によつて形成され内面に電線端部
   を保持する複数のケーブル挿入溝を形成すると
   ともにそれぞれのケーブル挿入溝に前記ブロツ
   クの接触子の端部を挿入するためのスロツト状
   の溝を設けた２個のカバーとからなり、前記２
   個のカバーに電線を挿入してブロツクを挾み、
   電線を接触子で接続することを特徴とするモジ
   ユール形コネクタ。 (2) 前記ブロツクの片側に多数の接触子を埋設す
   るとともに他の片側に他のブロツクに支持され
   た接触子の端部を挿入するためのスロツト状の
   貫通孔を設け、かつ前記カバーのそれぞれのケ
   ーブル挿入溝にスロツト状の溝を２ケ所ずつ前
   記ブロツクの接触子およびスロツト状の貫通孔
   の位置に対応させて設け、ブロツクを複数個使
   用しそれぞれのブロツクの間に電線を挾んで上
   下方向に並ぶ３本以上の電線を相互に接続する
   ことを特徴とする実用新案登録請求の範囲第１
   項記載のモジユール形コネクタ。