JPS637865Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本考案は自動車のエンジンの運転が燃費のうえ
から望ましい状態になるよに、運転者に表示を与
える装置に関する。とくに、デイーゼル機関を備
えた自動車に適する経済運転表示装置に関する。

〔従来の技術〕

一般に自動車の走行条件、例えばエンジン負荷
に対するエンジン回転速度は、道路状況やその他
の交通の状況から運転者の意思により選択され、
とくに走行条件が経済的であるか否かは、運転者
の経験により判断されている。このため運転者が
初心者であつたり、車両を変えて運転する場合に
は、経済的な走行を行うことは、通常困難であつ
た。

そこで本出願人は、運転者が自動車の現在の走
行状態が経済的であるか否か容易に直観的に判断
できるように、自動車の経済走行および不経済走
行を区分して運転者に表示する装置を実願昭55−
190045（実開昭57−113233）、特願昭56−23708（特
開昭57−138428）、および実願昭56−24804（実開
昭57−137744）により出願した。

〔考案が解決しようとする問題点〕

本考案者はこれを使用した結果、従来の表示装
置は走行条件が経済的であるか否かを区分して表
示するだけで、どの程度経済的であるのか、もし
くはどの程度不経済的であるのか知ることができ
ず、また走行条件を変えたときにその変化する様
子が把握できない等の改善すべき点に気付いた。

また、エンジン回転数とエンジン出力トルクと
を検知し、この検知信号を、あらかじめエンジン
回転数とエンジン出力トルクに応じた燃料消費率
のマトリツクスを表示したパネルに光点として表
示する技術が提案されている（特開昭50−125121
号公報）。

しかし、このマトリツクス状の燃料消費率パネ
ルに光点として表示された燃料消費率を自動車を
運転中の運転者が、その燃料消費率値を一見して
判読することは難しく、どの程度経済的であるか
否かを容易に判断できない問題があつた。

本考案は、上述の問題を解決するもので、運転
者が選択した走行条件が燃費のうえからどの程度
経済的であるか、もしくはどの程度不経済的であ
るかを運転者が一見して判読できるように見易く
表示し、燃料消費量の節約を容易に行うことがで
きる経済運転表示装置を提供することを目的とす
る。

〔問題点を解決するための手段〕

本考案は、エンジンの負荷率または軸トルクを
電気信号として検出するロードセンサと、エンジ
ンの回転速度を電気信号として検出する回転セン
サと、上記エンジンの回転速度に対するエンジン
の負荷率または軸トルクにより描かれる等燃費曲
線をマトリツクス状にマツプ化し上記エンジンの
回転速度と上記負荷率または軸トルクとの各交点
を燃費率として数値化して記憶する記憶装置と、
上記ロードセンサおよび上記回転センサの各検出
出力を入力情報としこの入力情報と上記記憶装置
の記憶情報とを比較して燃費率を算出する中央処
理装置と、この中央処理装置から算出された燃費
率を表示する表示ランプとを備え、この表示ラン
プは、多数のランプを配列して設けられ燃費率の
程度に応じて上記ランプが各別に異なる色彩で点
灯する構成であることを特徴とする。

〔実施例〕

以下図面に基づいて詳しく説明する。

第１図は本考案実施例装置の構成図である。第
１図において、１はロードセンサであつて、図外
のデイーゼル機関の噴射ポンプのロードレバー位
置、噴射ポンプのラツク位置等からエンジンの負
荷率を電気信号として検出する。また２はエンジ
ンの回転センサであつて、エンジンの回転速度を
電気信号として検出する。

上記ロードセンサ１および回転センサ２の各検
出信号は、マイクロコンピユータ３の入力インタ
フエース５に導かれる。この入力インタフエース
５は、これらの電気信号を所定の情報信号レベル
に変換し、中央処理装置（以下「CPU」とい
う。）６に送出する。このCPU６には記憶装置７
が接続されている。

第２図は、この記憶装置７に記憶されているエ
ンジンの等燃費曲線を示す図である。第２図にお
いて、よこ軸はエンジン回転速度、たて軸はエン
ジン負荷または軸トルクを表す。この記憶装置７
は、この等燃費曲線をマトリツクス状に区分し、
たて軸とよこ軸との各交点を燃費率として数値化
し、各交点における各数値が記憶装置７の各記憶
素子に記憶されている。

CPU６は、第１図に示したロードセンサ１お
よび回転センサ２の入力情報から現在の走行状態
が第２図に示す等燃費曲線のマツプのどの交点に
位置するか判断し、その交点に対応する燃費率を
出力する。このCPU６の出力は、第１図に示す
ように出力インタフエース９を介して表示ランプ
１０に接続される。

第３図は、この表示ランプ１０の正面図であ
る。第３図において、表示ランプ１０は運転席の
他の計器類とともに前面パネルに組み込まれてい
る。この表示ランプ１０には、６個のランプ〜
が横一列に配置され、ランプは燃費率150
ｇ／ps・ｈ未満のとき点灯し、ランプは同じく
150ｇ／ps・ｈ以上〜160ｇ／ps・ｈ未満のとき点
灯し、以下各ランプは10ｇ／ps・ｈ毎に段階的に
点灯し、ランプは燃費率200ｇ／ps・ｈ以上の
とき点灯する。またランプ〜は点灯時には緑
色に発光し、ランプおよびは同じく黄色に発
光し、ランプは同じく橙色に発光するように構
成されている。

このような構成で、まず現時点で運転者が選択
した走行条件がロードセンサ１および回転センサ
２から入力インタフエース５を介してCPU６に
入力情報として与えられる。CPU６はこのとき
のエンジン負荷および回転速度に対応する燃費率
を記憶装置７に記憶されている等燃費曲線のマツ
プにより比較出力する。いま、現時点の走行条件
が第２図に示すＸ点であるとすると、Ｘ点は燃費
率180〜190ｇ／ps・ｈの領域にあるため、CPU
６は、出力インタフエース９を介して表示ランプ
１０のランプを点灯させる。

運転者はランプが黄色に発光することにより
アクセルペダルの踏込み過ぎに気づき、変速ギア
を上段に変速するかあるいはアクセルペダルの踏
込みを減らせば、次の時点で走行条件は第２図に
示すＹ点に移行する。このＹ点は燃費率160〜170
ｇ／ps・ｈの領域にあるため、表示ランプ１０で
はランプが消え、ランプの一時的点灯の後、
ランプが点灯する。これにより運転者は変更後
の走行条件が、不経済領域に隣接した経済領域で
あることを判別できる。

なお、上記例では、表示ランプとしてランプを
多数配列した例を示したが、第４図に示すよう
に、時々刻々の燃費率を〔Km／〕を数字で表示
するデジタルランプ１０′を上記例のランプと併
せて設けて使用すれば、より詳細な走行条件の経
済性を表示することができる。

また上記例で示した燃費率の値は、これに限る
ものでなく、各車両の特性に応じて定めることが
できる。

〔考案の効果〕

以上述べたように、本考案によれば、マイクロ
コンピユータの記憶装置に等燃費曲線のマツプを
数値化して記憶させ、各数値に応じて多数の表示
ランプの色彩と表示ランプ数とが変化して表示す
るので、運転者が走行条件の程度が一見して判断
でき、かつ走行条件を変化させたときには、経済
性の変化していく様子が確認できるので、運転者
には見易い効果が得られる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案実施例装置の構成図。第２図は
同記憶装置に記憶されるエンジン特性図。第３図
および第４図は同表示ランプの正面図。 １……ロードセンサ、２……回転センサ、３…
…マイクロコンピユータ、５……入力インタフエ
ース、６……中央処理装置（CPU）、７……記憶
装置、９……出力インタフエース、１０，１０′
……表示ランプ。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 エンジンの負荷率または軸トルクを電気信号と
   して検出するロードセンサと、 エンジンの回転速度を電気信号として検出する
   回転センサと、 上記エンジンの回転速度に対するエンジンの負
   荷率または軸トルクにより描かれる等燃費曲線を
   マトリツクス状にマツプ化し上記エンジンの回転
   速度と上記負荷率または軸トルクとの各交点を燃
   費率として数値化して記憶する記憶装置と、 上記ロードセンサおよび上記回転センサの各検
   出出力を入力情報としこの入力情報と上記記憶装
   置の記憶情報とを比較して燃費率を算出する中央
   処理装置と、 この中央処理装置から算出された燃費率を表示
   する表示ランプと を備え、 この表示ランプは、 多数のランプを配列して設けられ燃費率の程度
   に応じて上記ランプが各別に異なる色彩で点灯す
   る構成である経済運転表示装置。