JPS637810Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、アキユムレータとレシーバタンクと
を一体化してなるアキユムレシーバの改良に係
り、特にアキユムレータにおいては圧縮機吸入ガ
スの過熱度を上げ、またレシーバタンクにおいて
は液冷媒を過冷却し得る構造に関する。

従来よりアキユムレータとレシーバタンクとを
一体化したアキユムレシーバが大型の空気調和機
等において用いられているが、このアキユムレシ
ーバを使用する目的は、先ず暖房運転時圧縮機吸
入ガスの過熱度を上げて吐出ガス温度を上昇さ
せ、外気温度が低下しても暖房運転を可能とする
ためであり、また冷房運転時室内側熱交換器（蒸
発器）へ入る前の冷媒液を過冷却して冷凍効果を
上げるためである。

第１図は、従来のアキユムレシーバの構造を示
したものであり、１はアキユムレータ２とレシー
バタンク３とを一体化してなるアキユムレシー
バ、４はアキユムレータ２とレシーバタンク３と
を仕切る、熱交換用フイン５を備えた仕切板、６
は蒸発器からの気化冷媒をアキユムレータ２内に
取入れるための気化冷媒取入管、７は圧縮機へ気
化冷媒を送り出すための気化冷媒取出管、８は冷
媒取出管７の底部付近に形成された、潤滑油を含
有した液冷媒を小量づつ圧縮機へ吸引させるため
の小孔、９は凝縮器からの液冷媒をレシーバタン
ク３内に取入れるための液冷媒取入管、１０はレ
シーバタンク３から液冷媒を送り出すための液冷
媒取出管である。

上記の如く構成されたアキユムレシーバは前述
したような目的のために使用されるが、しかしな
がら上記構造ではアキユムレータ２とレシーバタ
ンク３との熱交換面は仕切板４の部分だけである
ため、両方に貯溜された冷媒間の熱交換状態が悪
く、そのため前述したような目的を完全に達成す
ることができなかつた。

しかも従来のものにおいては、蒸発器を通過し
た比較的低温の冷媒がアキユムレータに導入され
るので、アキユムレータ２外壁においては空気中
の水分が凝縮し、結露水としてアキユムレータ外
壁に付着するものであつた。

この結露水は次第に成長して下方に滴下し、周
辺を濡らすものであり、周辺部材を腐食させる可
能性もあつた。

本考案は上記従来のアキユムレシーバの有して
いる問題点に鑑みてなしたものであり、アキユム
レシーバを構成するアキユムレータとレシーバタ
ンク間の熱交換が良好に行なわれるアキユムレシ
ーバの構造を提供するものである。

以下、本考案の一実施例を図示した第２図に基
いて本考案について説明する。

第２図は本考案に係るアキユムレシーバの構造
を示した断面図であり、１１は蒸発器を出た冷媒
を受け、その中に含まれる液冷媒を一時的に貯溜
して、気化冷媒及び圧縮機にて処理できる程度の
液冷媒を圧縮機に送り出すアキユムレータ１２
と、凝縮器を出た液冷媒を貯溜するレシーバタン
ク１３とを一体にしてなるアキユムレシーバであ
る。

このアキユムレシーバ１１を構成するアキユム
レータ１２及びレシーバタンク１３は、第２図に
示す如く、共にその外殻体は中空形状に形成して
あり、そしてレシーバタンク１３の外殻体の内部
にアキユムレータ１２の外殻体が完全に包含され
ている。

１４は蒸発器からの気化冷媒をアキユムレータ
１２内に取入れるための気化冷媒取入管、１５は
圧縮機へ気化冷媒を送り出すための気化冷媒取出
管、１６は凝縮器からの液冷媒をレシーバタンク
１３内に取入れるための液冷媒取入管、１７はレ
シーバタンク１３から液冷媒を送り出すための液
冷媒取出管、１８はアキユムレータ１２に貯溜さ
れた潤滑油を含有した液冷媒を小量づつ圧縮機へ
吸引させるための小孔である。

本考案に係るアキユムレシーバは、上記の如く
構成され、アキユムレータ１２においては蒸発器
からの気化冷媒が気化冷媒取入管１４から内部に
取入れられ、そして気化冷媒取出管１５を通して
気化冷媒及び潤滑油を含有した小量の液冷媒が圧
縮機に送られ、一方レシーバタンク１３において
は凝縮器からの液冷媒が液冷媒取入管１６から内
部に取入れられ、貯溜されて適量が膨張弁等に送
られるが、その際アキユムレータ１２がレシーバ
タンク１３の内部に完全に包含されているので、
アキユムレータ１２の外殻体全面が熱交換面とな
つて、レシーバタンク１３の内部に貯溜された液
冷媒とアキユムレータ１２の内部に貯溜された気
化冷媒との間に熱交換が行なわれる。従つて、ア
キユムレータ１２内の気化冷媒は、レシーバタン
ク１３内の液冷媒によつて加熱されて過熱度を上
げて圧縮機へ送られ、またレシーバタンク１３内
の液冷媒はアキユムレータ１２内の気化冷媒によ
つて冷却されて過冷却状態となつて蒸発器へ送ら
れる。よつて、このアキユムレシーバ１１を空気
調和機に備えることにより、暖房運転時はその暖
房効果を上げることができ、また冷房運転時はそ
の冷房効果を上げることができる。

しかも上記アキユムレータ１２は、比較的高温
であるレシーバタンク１３内にあり周辺空気には
一切触れないので、アキユムレータ１２外壁に結
露水が発生することは全くない。

以上本考案によれば、アキユムレータとレシー
バタンクとを一体化してなるアキユムレシーバに
おいて、レシーバタンク内にアキユムレータを完
全に包含させたので、レシーバタンクとアキユム
レータとが一部においてのみ熱交換し得るように
なつた従来のアキユムレシーバに比べて、その熱
交換効率が良く、その目的を充分に達成すること
ができる。

しかも、上記アキユムレータは、内部が比較的
高温状態にあるレシーバタンク内に完全に包含さ
れ周辺空気には一切接触しないので、内部が比較
的低温状態にあるアキユムレータ外壁に結露水が
生じることは一切なく、この結露水の滴下によつ
て、周辺を汚したり、周辺部材が腐食しやすくな
るというような不都合を解消することができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は従来のアキユムレシーバの断面図、第
２図は本考案に係るアキユムレシーバの断面図で
ある。 １１：アキユムレシーバ、１２：アキユムレー
タ、１３：レシーバタンク。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. アキユムレータとレシーバタンクとを一体化し
   てなるアキユムレシーバにおいて、レシーバタン
   ク内にアキユムレータを完全に包含させたことを
   特徴とするアキユムレシーバ。