JPS6036852Y2 - アキユムレシ−バ - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案はアキュムレータとレシーバタンクとを一体化し
、レシーバタンク内にアキュムレータを完全に包含させ
、アキュムレータにおいては圧縮機吸入ガスの過熱度を
上げ、またレシーバタンクにおいては液冷媒を過冷却し
得る構造にしたアキュムレシーバの改良に関するもので
ある。

従来よりアキュムレータとレシーバタンクとを一体化し
たアキュムレシーバが大型の空気調和機等において用い
られているが、このアキュムレシーバを使用する目的は
、先ず暖房運転時には圧縮機吸入ガスの過熱度を上げて
吐出ガス温度を上昇させ、外気温度が低下しても暖房運
転を可能とするためであり、また冷房運転時には室内側
熱交換器（蒸発器）へ入る前の冷媒液を過冷却して冷凍
効果を上げるためである。

第１図は、従来のアキュムレシーバの構造を示したもの
であり、１はアキュムレータ２とレシーバタンク３とを
一体化してなるアキュムレシーバ、４はアキュムレータ
２とレシーバタンク３とを仕切る、熱交換用フィン５を
備えた仕切板、６は蒸発器からの気化冷媒をアキュムレ
ータ２内に取入れるための気化冷媒取入管、７は圧縮機
へ気化冷媒を送り出すための気化冷媒取出管、８は冷媒
取出管７の底部付近に形成された、潤滑油を含有した液
冷媒を小量づつ圧縮機へ吸引させるための小孔、９は凝
縮器からの液冷媒をレシーバタンク３内に取入れるため
の液冷媒取入管、１０はレシーバタンク３から液冷媒を
送り出すための液冷媒取出管である。

上記の如く構成されたアキュムレシーバは前述したよう
な目的のために使用されるが、しかしながら上記構造で
はアキュムレータ２とレシーバタンク３との熱交換面は
仕切板４の部分だけであるため、両方に貯溜された冷媒
間の熱交換状態が悪く、そのため前述したような目的を
完全に遠戚することができなかった。

そこで、両方に貯溜された冷媒間の熱交換率を良くする
ために第２図に示すような構造のアキュムレシーバも提
案されている。

この第２図において、１１は蒸発器を出た冷媒を受け、
その中に含まれる液冷媒を一時的に貯溜して、気化冷媒
及び圧縮機にて処理できる程度の液冷媒を圧縮機に送り
出すアキュムレータ１２と、凝縮器を出た液冷媒を貯溜
するレシーバタンク１３とを一体にしてなるアキュムレ
シーバであり、このアキュムレータ１１を構成するアキ
ュムレータ１２及びレシーバタンク１３は、この第２図
に示す如く、共にその外殻体は中空形状に形成してあり
、そしてレシ−バタンク１３の外殻体の内部にアキュム
レータ１２の外殻体が完全に包含されている。

尚、１４は蒸発器からの気化冷媒をアキュムレータ１２
内に取入れるための気化冷媒取入管、１５は圧縮機へ気
化冷媒を送り出すための気化冷媒取出管、１６は凝縮器
からの液冷媒をレシーバタンク１３内に取入れるための
液冷媒取入管、１７はレシーバタンク１３から液冷媒を
送り出すための液冷媒取出管、１８はアキュムレータ１
２に貯溜された潤滑油を含有した液冷媒を少量づつ圧縮
機へ吸引させるための小孔である。

上記構造のアキュムレシーバは、アキュムレータ１２に
おいては蒸発器からの気化冷媒が気化冷媒取入管１４か
ら内部に取入れられ、そして気化冷媒取出管１５を通し
て気化冷媒及び潤滑油を含有した小量の液冷媒が圧縮機
に送られ、一方レシーバタンク１３においては凝縮器か
らの液冷媒が液冷媒取入管１６から内部に取入れられ、
貯溜されて適量が膨張弁等に送られるが、その際アキュ
ムレータ１２がレシーバタンク１３の内部に完全に包含
されているので、アキュムレータ１２の外殻体全面が熱
交換面となって、レシーバタンク１３の内部に貯溜され
た液冷媒とアキュムレータ１２の内部に貯溜された気化
冷媒との間に熱交換が行なわれる。

従って、アキュムレータ１２内の気化冷媒は、レシーバ
タンク１３内の液冷媒によって加熱されて過熱度を上げ
て圧縮機へ送られ、またレシーバタンク１３内の液冷媒
はアキュムレータ１２内の気化冷媒によって冷却されて
過冷却状態となって蒸発器へ送られる。

ところで上記構造のアキュムレシーバをヒートポンプ式
空気調和機に用いると、冷房運転時には冷媒は第２図に
おいて実線矢印で示す如く流れ、また暖房運転時には点
線矢印で示す如く冷媒が流れる。

つまり、冷房運転時と暖房運転時とでは液冷媒取入管１
６と液冷媒取出管１７の働きが逆になり、そのためこの
液冷媒取入管１６と液冷媒取出管１７を同一高さにして
タンク下部に設け、オイル溜りの防止と液冷媒を優先し
て送り出す構造にしていた。

しかしながら、第２図の如く液冷媒取出管１６．１７を
レシーバタンク１３の外周に接続しただけでは液冷媒は
アキュムレータ１２のまわりを素通りする率が高く、シ
ョートサーキットするために液側、ガス側の熱交換が充
分に行われず、その性能を充分に発揮できなかった。

本考案は上記欠点を改善することを目的としてなしたも
のであり、レシーバタンクに接続した液冷媒管の先端側
をレシーバタンク内において上方に曲げ、液冷媒が流入
した際アキュムレータに添ってアキュムレータの上方ま
で分散するようにして、液冷媒がレシーバタンク内でシ
ョートサーキットするのを防止したものである。

以下、本考案の一実施例を第３図によって説明する。

第３図は本考案に係るアキュムレシーバ１９の構造を示
した断面図であり、２０は凝縮器を出た液冷媒を貯溜す
るレシーバタンク、２１は蒸発器を出た冷媒を受けその
中に含まれる液冷媒を一時的に貯溜して気化冷媒及び圧
縮機にて処理できる程度の液冷媒を圧縮器に送り出すア
キュムレータで、このアキュムレータ２１は前記レシー
バタンク２０の内部に完全に包含一体化されている。

２２は蒸発器からの気化冷媒をアキュムレータ２１内に
取入れるための気化冷媒取入管、２３は圧縮機へ気化冷
媒を送り出すための気化冷媒取出管、２４はアキュムレ
ータ２１に貯溜された潤滑油を含有した液冷媒を小量ず
つ圧縮機へ吸引させるための小孔、２５及び２６は凝縮
器からの液冷媒をレシーバタンク２０内に取入れるため
の、あるいはこのレシーバタンク２０から液冷媒を送り
出すための液冷媒管であり、この液冷媒管２５及び２６
はその先端側がレシーバタンク２０内において上方に曲
がっていて、この液冷媒管２５あるいは２６を出た液冷
媒はアキュムレータ２１に添って上方に分散し、アキュ
ムレータ２１の外殻壁を介して内部に収容された気化冷
媒と熱交換を行なうようになっている。

尚、この第３図において実線矢印は冷房運転時の冷媒の
流れを示し、点線矢印は暖房運転時の冷媒の流れを示す
。

上述したように本考案はアキュムレータとレシーバタン
クとを一体化し、レシーバタンク内にアキュムレータを
完全に包含させたアキュムレシーバにおいて、上記レシ
ーバタンクに接続した液冷媒管の先端側をレシーバタン
ク内において上方に曲げ、液冷媒が流入した際上記アキ
ュムレータに添って上方まで分散するようにしたので、
液冷媒と気化冷媒の熱交換が良好に行なわれ、アキュム
レ−タの性能を充分に発揮することができる。

【図面の簡単な説明】

第１図及び第２図は従来のアキュムレシーバの断面図、
第３図は本考案に係るアキュムレシーバの断面図である
。 １９・・・・・・アキュムレシーバ、 ２０・・・・・・レシーバ タンク、 ２１・・・・・・アキュムレータ、 ２５゜ ２６・・・ ・・・液冷媒管。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. アキュムレータとレシーバタンクとを一体化し、レシー
   バタンク内にアキュムレータを完全に包含させたアキュ
   ムレシーバにおいて、上記レシーバタンクに接続した液
   冷媒管の先端側をレシーバタンク内において上方に曲げ
   、液冷媒が流入した際上記アキュムレータに添って上方
   まで分散するようにしたことを特徴とするアキュムレ−
   タく。