JPS637460Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は移動部材の切断装置に関するものであ
る。一般に、移動部材の切断装置は第１図に示す
ように、上刃１と下刃２とから成る切断型３をス
ライダー４により保持し、このスライダー４をシ
リンダ装置５によつて、連続的に送られる移動部
材６の移動速度に合わせてガイドするようにし
て、このガイド中にプレス７によつて上記上刃１
にプレス圧を加えることにより、上記移動部材６
にストレスが加わらないようにして切断するよう
にしている。移動部材６としては例えば自動車の
ボデイパネルに取付けられる長尺なモールデイン
グ等が考えられる。この移動部材６を切断型３に
連続的に送ることによりこの切断型３によつて移
動部材６を所定寸法にすることができる。

しかしながらこのような移動部材の切断装置に
よれば、スライダー４を移動するためのシリンダ
装置５を必要とするために、装置自体の設備費が
高くなりかつスペースが大きくなり、しかも構造
が複雑となると共に速度調整が容易でなく、この
ため切断寸法に誤差が生ずるという欠点を有して
いた。

本考案の目的はプレスによつて押圧されるガイ
ド板にカム面を設け、このカム面によつて切断型
を移動部材の移動方向にガイドするようにして、
上記シリンダ装置を不用とし、上記欠点を除去す
るものであり、以下実施例を用いて詳細に説明す
る。

第２図、第３図は本考案による移動部材の切断
装置の一実施例を示す側面図であり、同図におい
て１０は基板であり、この基板１０の上には摺動
板１１が固定され、この摺動板１１の上に移動台
１２が載置される。この移動台１２はフツク１８
ａと、ピン１８ｂとの間に張設されたスプリング
１８によつて常に移動部材１４の移動方向とは逆
方向に牽引されており、第３図に示すようにこの
移動台１２には上刃１３に噛合う下刃１９が設け
られており、上記上刃１３はスプリング１５によ
つて常に上部方向に押圧されている。上記上刃１
３と下刃１９との間にはガイド孔１６を介する移
動部材１４が長手方向に沿つてガイドされ、この
ガイド中に下降する上刃１３によつて切断され
る。尚、移動台１２はストツパー１７によつてそ
の移動が規制される。基板１０の隅部からは支柱
２０が垂直方向に突出しており、この支柱２０の
外周にはスプリング２１が装置されており、この
スプリング２１は押板２２に対して常に上部方向
の押圧力を与えている。この押板２２は支柱２０
によつて下部方向に移動する如くガイドされるも
ので図示しないプレス装置により与えられたプレ
ス圧によつて上記スプリング２１に抗して下部方
向にガイドされる。この押板２２の下面側には上
記上刃１３を押圧するプレス部２３及びガイド板
２４が設けられている。このガイド板２４の下部
側には移動台１２の後端側角部２５に対向する傾
斜面より成るカム面２６が設けられており、この
カム面２６は上記角部２５に当接することによ
り、その傾斜方向に沿つて上記移動台１２を押圧
することにより、移動台１２を移動部材１４の移
動方向に摺動するものである。

従つて以上の構成によれば移動台１２の上刃１
３と下刃１９との間に連続的に送られる移動部材
１４を次のようにして切断することができる。す
なわち図示しないプレス装置によつて押板２２に
上からプレス圧を加えると、まず押板２２の下降
に伴いガイド板２４のカム面２６が移動台１２の
角部２５に接して、この状態でガイド板２４がさ
らに下降すると、移動台１２はカム面２６の傾斜
方向すなわち移動部材１４の移動方向に沿つて押
圧される。このときプレス部２３の押圧力によつ
て上刃１３が下降して移動部材１４の切断が行な
われる。この切断後もガイド板２４が下降し続け
ると移動台１２がさらに前方に移動するためつい
には上刃１３がプレス部２３から外れて戻しバネ
１５によつて上部方向に移動して復旧し、このと
き押板２２の押圧を解除すると押板２２が復旧バ
ネ２１のために上部方向に移動して復旧し、カム
面２６が角部２５からはずれるので移動台１２は
引きバネ１８の力によつてストツパー１７に当接
する位置までスライドして復旧する。以上の動作
をくり返すことにより移動部材１４を所定寸法に
切断することが可能となる。尚、本考案を実施す
るにあたつては、押板２２の下降スピード及びカ
ム面２６の傾斜角を予め所定の値に設定して移動
台１２の移動速度が移動部材１４の移動速度とマ
ツチングするように設定する必要があることはも
ちろんである。

以上説明したように本考案による移動部材の切
断装置によれば、連続的に送られる移動部材を切
断する上刃と下刃とを保持する移動台と、移動台
の上方に位置し固定したプレス装置のプレス圧で
下降する押板と、押板の一部に上記移動台側に向
けて突出するように固定され移動台に当接して移
動台を移動部材の移動方向に移動させるカム面を
有するガイド板と、押板から上刃側に向けて突出
するように固定され押板の下降に伴つて上刃を押
し下げるプレス部とから構成したので、従来のシ
リンダ装置を用いたものと異なりプレス装置を上
下動させるだけで移動部材を切断でき、構成が極
めて簡単なものとなり、設備費を低くすることが
でき、かつスペースを小さくすることができ、さ
らに上記ガイド板のカム面の傾斜角及びガイド板
の下降スピードを調整することにより、上記移動
台の移動速度を調整することができるので、この
調整が極めて容易となり、かつ正確となり、従つ
て移動部材の切断寸法の誤差を小さくすることが
できる。

【図面の簡単な説明】

第１図は従来の移動部材の切断装置の一例を示
す側面図、第２図、第３図は本考案による移動部
材の切断装置の一実施例を示す側面図である。 １０……基板、１１……摺動板、１２……移動
台、１３……上刃、１９……下刃、１５，１３，
２１……スプリング、２０……支柱、２２……押
板、２３……プレス部、２４……ガイド板。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 (1) 連続的に送られる移動部材を切断する上刃と
   下刃とを保持する移動台と、移動台の上方に位
   置し固定したプレス装置のプレス圧で下降する
   押板と、押板の一部に上記移動台側に向けて突
   出するように固定され移動台に当接して移動台
   を移動部材の移動方向に移動させるカム面を有
   するガイド板と、押板から上刃側に向けて突出
   するように固定され押板の下降に伴つて上刃を
   押し下げるプレス部とから構成したことを特徴
   とする移動部材の切断装置。 (2) 上記移動台はスプリングによつて移動部材の
   移動方向とは反対方向に牽引されて成る実用新
   案登録請求の範囲第１項記載の移動部材の切断
   装置。