JPS6374117A - 磁気記録媒体 - Google Patents

磁気記録媒体

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JPS6374117A
JPS6374117A JP22052286A JP22052286A JPS6374117A JP S6374117 A JPS6374117 A JP S6374117A JP 22052286 A JP22052286 A JP 22052286A JP 22052286 A JP22052286 A JP 22052286A JP S6374117 A JPS6374117 A JP S6374117A
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正俊 中山
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国博 上田
Mitsuru Takai
充 高井
Shigeo Kurose
茂夫 黒瀬
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Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 工 発明の背景 技術分野 本発明は、磁気記録媒体、特に金属薄膜型の磁気記録媒
体に関する。
先行技術とその問題点 ビデオ用、オーディオ用等の磁気記録媒体として、テー
プ化して巻回したときのコンパクト性から、金属薄膜型
の磁性層を有するものの開発が活発に行われている。
このような金属薄膜型の媒体の磁性層としては、特性上
、基体法線に対し所定の傾斜角にて蒸着を行う、いわゆ
る斜め蒸着法によって形成したCo系、Co−Ni系等
からなる蒸着膜が好適である。
このような、磁性層が強磁性金属薄膜層からなる磁気記
録媒体は、塗布型の磁気記録媒体に比べて、バインダー
を含まないため薄型化が容易でかつ飽和磁化も大きいこ
とがら有利である。 しかし、反面、非バインダー型磁
気記録媒体は、磁性層が電気メッキ、無電解メッキ、ス
パッタリング、真空蒸着、イオンブレーティング等の方
法によって形成され、バインダーを含まないため、磁気
ヘッドとの接触摺動時、例えば磁気信号の記録、再生、
消去を行う際に、磁気ヘッドとの高速相対運動に起因す
る摩擦によって磁性層は削りとられるか、あるいは破壊
され易いものである。 また、非バインダー型磁気記録
媒体は、磁性層の表面が腐食し易く、腐食が進行すると
ヘッドタッチ、耐摩耗性等の実用特性が低下し、電磁変
換特性にも悪影汗を及ぼす傾向にある。 さらに、媒体
のカールないしカッピングによりヘッドタッチが悪く、
出力変動が生じる。
磁気記録媒体の受ける衝%や摩擦を低減させる手段とし
て、磁性層の表面に潤滑剤を塗布する方法(特公昭39
−25246号)がある。
また、潤滑剤を継続的に磁性層表面に供給する手段とし
て磁気記録媒体の磁性層と反対側の面に液状ないし半固
体状の潤滑剤と有機バインダーを主成分とする潤滑層(
バックコート層)を形成する方法(特公昭57−297
69号)が提案されている。 この方法では、磁気記録
媒体がロール状に巻かれた際に、裏面のバックコート層
からにじみ出た潤滑剤が磁性層の表面に移ることにより
、磁性層の表面に潤滑剤を供給することができ、それに
よって磁性層の耐久性(スリキズやハガレ程度)を増大
し、かつ動fly係数の変化に対しても容易に対応する
ことができるとしている。
しかし、特公昭39−25246号公報に記載されてい
る方法では、潤滑剤は磁気ヘッド等によって取り去られ
るため潤滑剤作用が永続せず、また防錆、耐久性等の効
果は期待すべくもなかった。
また、特公昭57−29769号公報に記載されている
方法のように、磁性層の表面にトップコート層を形成し
ないでバックコート層に潤滑剤を含有させただけでは、
磁性層表面と磁気ヘッドとの摩擦は依然として大きく、
走行不良にいたりやすく、耐食性、防錆効果においても
満足すべき結果が得られない。 さらに、バックコート
層の潤滑剤がトップコートされていない磁性層に裏型転
写されると、例えば蒸着膜において酸素を導入しない場
合(酸素を含有しない金属膜:特公昭57−29769
号)では顕著ではないが、現在通常行われている酸素を
導入した場合(酸素含有金属膜)では膜が不安定な状態
となり、出力ダウンして目づまりしたり、画像が出なく
なフたり、あるいは摩擦抵抗が十分に低下せずに未だ大
きく、時には膜が削りとられるかあるいは破壊されてし
まうという現象が見られた。
さらに、バックコート層に潤滑剤を含有させる方法に対
して、トップコート層に潤滑剤を塗布する方法が容易に
考えられる。  しかし、この方法では、摩擦は低下す
るが一時的なもので継続せず、かつ防錆性、耐食性、耐
久性等か著しく劣った磁気記録媒体しか得られない。
また、耐久性や電磁変換特性を向上させるために、強磁
性金属薄膜層を2層以−ヒの多層構成とする旨の提案も
柿々行われている(特開昭54−141608号、特公
昭56−26892号、特開昭57−130228号等
)。
しかし、この場合も、前述したように媒体のカールない
しカッピングによりヘッドタッチが悪化し、出力変動が
生じてしまう。
以上述べてきたように現状では、走行性、耐久性、強磁
性薄膜強度が良好でかつ電磁変換特性の面でも不都合が
なく、かつ、媒体のカールないしカッピングの生じない
技術は未だ実現していない。
■ 発明の目的 本発明の目的は、媒体の走行性が良好で、走行による磁
性層のクラックやケズレが少なく、また、ヘッド摩耗量
およびドロップアウトが少なく、さらに、媒体のカール
ないしカッピングが改とされた電磁変換特性の良好な金
属薄膜型の磁気記録媒体を提供することにある。
■ 発明の開示 このような目的は、下記の本発明によって達成される。
すなわち、本発明は、プラスチックフィルム基体上にC
oを主成分とする強磁性金属薄膜層を存し、この強磁性
金属薄膜層か2層以上の層からなる多層構造を有し、強
磁性金属薄膜層のうち少なくとも一層が炭素を含有する
ことを特徴とする磁気記録媒体である。
■ 発明の具体的構成 以下5本発明の具体的構成について詳細に説明する。
本発明における磁性層としての強磁性金属薄膜層はCo
を主成分とし少なくとも2層からなる多層構造を有する
ものである。
このような磁性層は、通常、基体主面の法線に対して傾
斜した柱状結晶構造の粒子の集合体であることが好まし
い。 これにより、電磁変換特性が向上する。
本発明においては、このような多層からなる磁性層のう
ち少なくとも一層中に炭素が有機物の重合体の形で含有
されている。 このような有機物の重合体は、磁性層の
中、特に磁性層を形成する柱状粒子と柱状粒子の間を埋
めるように存在するものである。 このような有機物重
合体は、磁性層の柱状粒子と空気中の02分子とが直接
触れ得ない程度のち密なものである。
このような炭素を含有する層中の炭素/金属の原子比は
10−8〜10−2である。
炭素/金属比が上記の範囲をはずれると出力および保磁
力が低下する。
また、耐食性の改善効果もあられれない。
磁性層中の炭素/金属の原子比は、磁性層の組成をオー
ジェ分光分析、SIMSで同定すれば容易に得られる。
tp  +:     +  n  RE  ’n  
+、+  l’M  4%  j+  /J、%  P
I  イ  )−#、  −1:f4 1.=  +有
されればよく、炭素が含有される層は、いずれの層であ
ってもよいが、通常は最上層であることが好ましく、さ
らにはすべての層に炭素が含有され、層全体として、炭
素/金属の原子比が10−8〜10−2であることが好
ましい。
また、有機物の重合体としては種々のものが可能である
が、特にCとHとを含有するものが好ましい。
この場合、C/Hの原子比は1層6程度であることが好
ましい。
以上述べてきたような、有機物の重合体を磁性層中へ含
有させる方法は、以下に示す方法に従えばよい。
第3図および第4図には、本発明の媒体の製造装置が例
示されている。 第3図には、41機物をとりこませな
がら磁性層を形成させる蒸着装置11が示されており、
また第4図にはイを機物重合処理装置20(第4図には
その1例としてプラズマ処理装置)が示されている。
蒸着装置11において、蒸発源16から蒸発した物質は
高入射角θmax(bの位置)から遮へい板17で規制
される低入射角θm1n(Cの位置)へとill減的に
基体上に被着し、磁性層が形成される。
本発明においては、この磁性層形成時に5〜0間に存在
するノズル15から有機物ガスが導入され、磁性層中に
有機物がとりこまれる。
有機物としては、1O−5Torr程度の減圧下で気体
となるもの、例えば、 (A)メタン、エタン、プロパン、ブタン、ペンタン、
エチレン、プロピレン、ブテン、ブタジェン、アセチレ
ン、メチルアセチレン、ベンゼン、スチレンその他の飽
和ないし不飽和の炭化水素や、 (B)フロロメタン、ジフロロメタン、トリフロロメタ
ン、ジフロロエタン、テトラフロロエタン、その他の飽
和ないし不飽和のフッ化炭化水素や、 (C)テトラフロロメタン、ヘキサフロロエタン、オク
タフロロプロパン、オクタフロロシクロブタン、テトラ
フロロエチレン、ヘキサフロロプロピレン、その他の飽
和ないし不飽和のフッ化炭素や、 (D)その他、メチルメタアクリレート、アクリル酸、
塩化ビニル、塩化ビニリデン等が挙げられる。
通常は、これら(A)〜(D)の中の1種類を単独で原
料ガスとして用いるが、2種以上混合して用いてもよい
また必要に応じて、原料に窒素、酸素、ホウ素、リン等
の微量成分を添加することもできる。
これらの中では、特に炭素数3以下のメタン、エタン、
エチレン、アセチレン、プロパン、プロピレン、メチル
アセチレン、テトラフロロメタン、テトラフロロエチレ
ン等を用いるのが好ましい。
これらの原料ガスは、磁性層を形成する蒸着粒子と接触
させるため第3図に示されるb−c間のいずれの位置か
ら導入してもよい。
原料ガスの流量は、真空槽の容積等に応じて適宜決定す
ればよいが、通常は10〜110003CC程度とされ
る。
なお、磁性層を蒸着以外の真空成膜法、例えば、イオン
ブレーティングやスパッタにて形成する場合にも、上記
有機物の導入は同様に応用できるものである。
このようにして磁性層の形成時に、磁性層中にとりこま
れた有機物は、その後、第4図に示されるような有機物
重合処理装置20によって重合される。 重合処理装置
20内に設置される重合手段は特に制限されるものでは
ないが、通常、下記の方法などが用いられる。
(1)プラズマを利用し、プラズマ雰囲気中で重合させ
る方法。
(2)電子線・紫外線等の放射線照射により重合させる
方法。
ただし上記(2)の放射線を用いる場合には、面記磁性
層中にとりこませる有機物としては、エチレン、アセチ
レン、プロピレン、ブタジェン、スチレン、ベンゼン等
の多重結合を有するものに限定される。
第4図には、上記(1)の方法を用いてプラズマ雰囲気
中で、磁性層中にとりこまれた有機物を重合させる装置
が示されている。
プラズマ雰囲気は例えば、N2.02、N2 、A r
、He、Ne等のガスを用い、これらのガスの放電プラ
ズマによってつくられる。
原理について概説すると、気体を低圧に保ち電場を作用
させると、気体中に少量存在する自由電子は、常圧に比
べ分子間距離が非常に大きいため、電界加速を受け5〜
10eVの運動エネルギー(電子温度)を獲得する。
この加速電子が原子や分子に衝突すると、原子軌道や分
子軌道を分断し、これらを電子、イオン、中性ラジカル
など、通常の状態では不安定の化学種に解離させる。
解畠した電子は再び電界加速を受けて、別の原子や分子
を解閣させるが、この連鎖作用で気体はたちまち高度の
電離状態となる。 そしてこねはプラズマガスと呼ばれ
ている。
気体分子は電子との衝突の機会が少ないのでエネルギー
をあまり吸収せず、常温に近い温度に保たれている。
このように、電子の運動エネルギー(電子温度)と、分
子の熱運動が分離した系は低温プラズマと呼ばれ、ここ
では化学種が比較的原型を保ったまま重合等の加酸的化
学反応を進めつる状況を創出しており、本発明の磁気記
録媒体の製造に際しては、この状況を利用して磁性層中
にとり込まれた有機物をプラズマ雰囲気にさらすことに
よって重合させようとするものである。 なお低温プラ
ズマを利用するため、基体や磁性層などへの熱Hpは全
くない。
第4図において、反応容器Rには、処理ガス源21また
は22から処理ガスがそれぞれマスフローコントローラ
23および24を経て供給される。 カス源21または
22から別々のガスを供給する場合は、混合器25にお
いて混合して供給する。
処理ガスは、各々1〜250mIL/分の流量範囲をと
りつる。
反応容器R内においては、基体上に有機物をとりこんだ
磁性層を有する例えばフィルム状の被処理体がくり出し
ロール31からくり出され、巻き取りロール30によっ
て巻きとられる。 この間に磁性層中にとりこまれた有
機物の重合が行なわれる。
さらに重合処理装置20について詳細に説明すると、被
処理体を間に挟んで対向する電極27.57が設けられ
ており、一方の電極27は周波数可変型の電源26に接
続さね、他方の電極57は28にて接地されている。
さらに、反応容器R内には、容器内を排気するための真
空系統が配備され、そしてこれは液体窒素トラップ11
1、油回転ポンプ112および真空コントローラ113
を含む。 こ れら真空系統は反応容器内を0.01〜
10Torrの真空度の範囲に維持する。
操作においては、反応容eR内がまず、10 ’ T 
o r r以下になるまで油回転ポンプにより容器内を
排気し、その後、処理ガスが所定の流量において容器内
に混合状態で供給される。
このとき、反応容器内の真空は0.01〜10To r
 rの範囲に管理される。
被処理体の移行速度ならびに処理ガスの流量が安定する
と、周波数可変型電源がオンにされる。 こうして、移
行中の被処理体がプラズマ処理される。
このようなプラズマ処理において、本発明ではプラズマ
ガスとして、前述したようなN2.02 、N2 、A
r、Ne、He等のガスを用いる。
これらのカスは、通常、1種類を単独で用いるが、必要
に応じて2種類以上混合して用いてもよい。
プラズマ処理条件は、室内圧力0.01〜10To r
 r、周波数10にN2〜2GH2、′、圧力0.5〜
5KW程度とされ、こわらの条件は、磁性層の膜質に影
響するために、製造装置ごとに実験的に求められるもの
である。
ところで、磁性層中にとりこまれた有機物を重合させる
に際して、このようなプラズマを用いる方法のかわりに
放射線を照射する方法を用いる場合には、第4図に示さ
れる装置にかえて公知の種々の放射線照射装置が用いら
れる。
その場合、例えば重合に使用する活性エネルギー線とし
ては、放射線加速器を線源とした電子線、Co60を線
源としたγ−線、5r90を線源としたβ−線、X線発
生器lIi!源としたX線あるいは紫外線等が使用され
る。
特に照射線源としては吸収線量のル制御、製造工程ライ
ンへの導入、電離放射線の遮蔽等の見地から放射線加速
器により放射線を使用する方法が有利である。
使用する放射線特性としては、透過力の面から加速電圧
100〜750KV、好ましくは150〜300にVの
放射線加速;5を用い吸収lit量を0.5〜20メガ
ラツドになるように照射するのが好都合である。
重合に際しては、米国エナージーサイエンス社にて製造
されている低線量タイプの放射線加速器(エレクトロカ
ーテンシステム)等がテープ加工ラインへの導入、加速
器内部の2次X、1!の遮蔽等に極めて有利である。
勿論、従来より放射線加速材として広く活用されている
ところのファンデグラフ型加速器を使用してもよい。
また放射線架橋に際しては、N2ガス、Heガス等の不
活性ガス気流中で放射線を照射することが重要であり、
空気中て放射線を照射することは、重合に際し放射線照
射により生じた03等の2雷で有機物中に生じたラジカ
ルが打利に重合反応に働くことを阻害するので極めて不
利である。 従フて、活“性エネルギー線を照射する部
分の雰囲気は、特に酸素濃度が最大で5%である、N2
 、He、Co2等の不活性ガス雰囲気に保つことが重
要となる。
このようにして、磁性層中にとりこまれた有機物を重合
させることによフて、得られた媒体のカールおよびカッ
ピングの発生はきわめて少ないものとなる。
そのため出力が安定し、しかも耐食性、走行耐久性にす
ぐれた効果を発揮する。
さらに、本発明に用いる強磁性金属薄膜層は、Coを主
成分とし、これにOを含み、さらに必要に応じNiおよ
び/またはCrが含有される組成を有する。
すなわち、好ましい態様においては、Cof…独からな
ってもよく、CoとNiからなフてもよい。 Niが含
まれる場合、Co / N sの重量比は、1,5以上
であることが好ましい。
さらに、強磁性金属薄膜層中には、Crが含有されてい
てもよい。
このような場合、Cr / CoあるいはCr/(Co
+N i )の重量比は0.1以下、特に0.001〜
0.1、より好ましくは、0.005〜0.05である
ことが好ましい。
さらに、上記強磁性金属薄膜中には0が含有されること
が好ましい。
強磁性金属薄膜中の層全体の平均酸素量は、原子比、特
にO/(CoまたはCo+N i )の原子比で、最上
層における平均酸素量CIは0.1〜0.5程度、好ま
しくは0.1〜0.4程度である。
平均酸素量CI′が、0.1未満では耐食性、走行性、
磁性層のクラック、ケズレ、等の点で不充分であり、0
.5をこえると、表面酸化物層が増大し、ヘッドとのス
ペーシングによる出力の低下等の問題を生じる。
そして、最下層のプラスチックフィルムとの界面近傍の
酸素濃度C2、特に0/(CoまたはCo+N i )
原子比を、最上層のプラスチックフィルムと反対側の表
面近傍での酸素濃度C1特にO/(CoまたはCo十N
 i )原子比で除した値C2/ C1は0.3以下、
より好ましくは0.15以下であることが好ましい。
この場合、これら酸素濃度は、強磁性金属薄膜をAr等
がイオンミリングないしイオンエツチングしながら、オ
ージェ分光分析、SIMS(2次イオン質量分析)等を
行い、測定することができる。
すなわち、イオンエツチングを行ないながら0、Co、
Ni等をカウントし、その膜厚方向のプロファイルを比
較する。
そして、プラスチックフィルムと反対側の強磁性金属薄
膜表面の0/(CoまたはCo+Ni)をCIとする。
 また、最下層については、プラスチックフィルムまで
エツチングが行なわれ、Cがカウントされる直前のO/
(C。
またはCo+N i )をC2とする。
イオンエツチングおよびオージェ分光分析ないしSIM
Sの測定法は、常法に従えばよい。
このように最上層表面の酸素濃度を相対的に高くするこ
とにより、保磁力Hcが高くなり、また最下層の酸素濃
度を相対的に低くすることにより、最大残留磁束φ、お
よび角形比S0がt’% <なり、電磁変換特性がきわ
めて良好な磁性層となる。
また、さらに、F記の強磁性金属薄膜層では、最上層と
隣接する層の最上層との界面近傍の酸素濃度C3、特に
O/(CoまたはCo+Ni)原子比を最上層のプラス
チックフィルムと反対側の表面近傍での酸素濃度CI、
特に0/(CoまたはCo+N i )原子比で除した
値C3/ Crはo、1〜3.0、より好ましくは0.
2〜2.0であることが好ましい。
この場合、プラスチックフィルムと反対側の強磁性金属
薄膜表面のO/(CoまたはCo+Ni)原子比CIは
前述と同様に測定することができる。 また、最上層に
隣接する層の最上層との界面近傍での酸素濃度C8につ
いては、最上層の膜厚に対応するエツチング時のカウン
トからO/(CoまたはCo+Ni)を算出し、これを
C3とすればよい。 ただ、各層においては、通常の成
膜条件下ではそのフィルム基体反対面で酸素濃度が最大
となる。 このため、通常は、イオンエツチングを行な
いながら0をカウントしたとき、膜内での極大値をC3
とすればよい。
このように最上層表面の酸素濃度C8を相対的に高くす
ることにより、保磁力Hcが高くなり、また最上層の表
面より下の、最上層に隣接する層との近傍までの部分の
酸素濃度を上記C1より相対的に低くすることにより、
最大残留磁束φrおよび角形比S0が高くなり、電磁変
換特性がきわめて良好な磁性層となる。 したがって、
中心周波数5MHz程度の比較的磁界の浅い信号は、最
上層で有効に保持されるものとなる。
また、最上層に隣接する層の最上層との界面近傍での酸
素濃度C3を、上記C,との関係が前述のようにC3/
C1がo、i〜3.0となる範囲において相対的に高く
することにより、この部分での保磁力Hcが高くなり、
また、最上層に隣接する層の最上層との界面近傍から下
の部分の酸素濃度を上記C3より相対的に低くすること
により、最大残留磁束φ「および角形比SQが高くなり
、電磁変換特性がきわめて良好な磁性層となる。 した
がって、中心周波数0.75MHz程度の比較的磁界の
深い信号は、最上層に隣接する層以下で有効に保持され
るものとなる。
そして、上記CIとC3との関係として前述のようにC
3/ C+が0.1〜3.0となるときに、磁性層の電
磁変換特性、耐食性等が最もバランスの良い優れた磁性
層となる。
なお、表面近傍の0/(CoまたはCo+Ni)原子比
C2は、一般に0.2〜0.7、好ましくは0.3〜0
.6である。
したがって1、フィルム界面近傍の0/(CoまたはC
o+N i )原子比C2は0.06〜0.21.好ま
しくは0.09〜0.18である。
また、最上層に隣接する層の最上層近傍の0/(Coま
たはCo+N i )原子比C3は0.07〜0.6、
好ましくは0.1〜0.5である。
さらに、最上層の層全体でのO/(CoまたはCo+N
 i )平均原子比C,11は0.1〜0.5、より好
ましくは0.1〜0,4であることが好ましい。 また
、最下層の層全体での0/(CoまたはCo+Ni)平
均原子比C211は、0.5以下、より好ましくは0.
3以−Fであることが好ましい。 また、最上層に隣接
する層全体での0/(CoまたはCo+N i )は0
.5以下、より好ましくは0.3以Fであることが好ま
しい。
このとき、電磁変換特性、耐食性、走行耐久性、磁性膜
強度等はきわめて良好となる。
この場合、3層以上の多層構造の場合、それらの各層の
層全体でのO/(CoまたはCo+Ni)は、一般に、
0.5以下、好ましくは0.3以下とする。
強磁性金属薄膜の膜厚方向の酸素濃度プロファイルにつ
いては、通常、少なくとも最−に層と最下層に隣接する
層との界面に酸素分4rのピークが存在するものである
なお、通常、強磁性金属薄11Qは2層とすわばよいが
、必要に応じ3層以上、特に3〜5層とすることもでき
る。
なお、このような強磁性金属薄膜中には、さらに他の微
量成分、特に遷移元素、例えばFe、Mn、V、Zr、
Nb、Ta、Ti。
Zn、Mo、W、Cu等が含まれていてもよい。
このような強磁性金属薄膜層は、好ましい態様において
5上記したCoを主成分とする柱状結晶粒の集合体から
なる。
この場合、強磁性金属薄膜層の厚さは、総計で0.05
〜0.5μm1好ましくは、0.07〜0.3μmとさ
れる。
そして、このような強磁性金属薄11Q層の各層の厚さ
の比は特に制限はないが、例えば2層構成の場合、上層
と下層の厚さの比は好ましくは0.1〜10程度、より
好ましくは0.2〜0.9、さらに好ましくは0.4〜
0.9が好ましい。
そして、柱状の結晶粒は、各層の厚さ方向のほぼ全域に
亘る長さをもち、その長手方向は、基体の主面の法線に
対する最小角度が、最上層では20〜90°、より好ま
しくは20〜50°の範囲、最下層では50°以下、よ
り好ましくは0〜40“の範囲にて傾斜していることが
好ましい。
この場合、3層以上の構成における中間に位置する各層
では、柱状結晶粒の基体主面法線に対する傾斜角度は、
通常、最上層と最下層における傾斜角度域内にあればよ
く、特に制限はない。
そして、この場合、相隣接する各磁性層の結晶粒の基体
主面法線に対する傾斜の向きは、媒体の長さ方向で同方
向であってよいが、好ましくは相対向する向きであるこ
とが好ましい。
このような、結晶粒の傾斜の向きを2層構成を例として
模式的に例示すると第1図および第2図のようになる。
第1図および第2図において、磁気記録媒体1は、基体
2上に強磁性金属薄膜下層部3および強磁性金属薄膜上
層部4とを有する。 そして、強磁性金属薄膜下層部3
内の下層結晶粒5の傾斜の向き、強磁性金属薄膜上層部
4内の上層結晶粒6の傾斜の向きは、第1図では媒体の
長さ方向aで相対向する向きであり、第2図では媒体の
長さ方向aで同方向である。
また、強磁性金属薄膜上層部4の基体2と反対側表面に
トップコート層7を有し、基体2の磁性層が設層されて
いない面上には、バックコート層8を有してもよい。
本発明では、第1図あるいは第2図のいずれの結晶粒傾
斜を有するものであってよいが、好ましくは、第1図に
示される結晶粒傾斜を有するものが好ましい。
なお、酸素は、表面部の柱状の結晶粒の表面に化合物の
形で存在するものである。
また、結晶粒の短径は、50〜500人程度の長さをも
つことが好ましい。
このように、強磁性金属薄膜層が多層構成をなすことに
より、柱状結晶粒の長さが小さいものとなるため強磁性
金属薄膜層の膜強度が向上する。
また、最上層の柱状結晶粒が基体主面法線に対し20〜
90°の傾きを有し、特に50°以上の傾きを有するも
のとすると、例えば、比較的浅い磁界を有する中心周波
数5MHz程度の信号は最上層にて有効に保持され得る
ものとなる。
また、最下層の柱状結晶粒が基体主面法線に対し50°
以下の傾きを有し、基体に対し立っている状態を呈する
と、例えば比較的深い磁界を有する中心周波数0.75
MHz程度の信号は最下層等の下層域にて有効に保持さ
れ得るものとなる。
また、さらに、前述のように最上層の酸素濃度を高くす
ることにより、耐摩耗性に優れたCo、Ni等の酸化物
が最上層に形成されるため、多層構造および炭素含有と
の相乗効果によリ、強磁性金属薄膜層の膜強度がより高
いものとなる。
本発明の磁気記録媒体に用いられる基体の材質としては
、非磁性プラスチックであれば特に制限はないが、通常
は、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレン2.6
−ナフタレート等のポリエステル、ポリアミド、ポリイ
ミド、ポリフェニレンサルファイド、ポリサルフオン、
全芳香族ポリエステル、ポリエーテルエーテルケトン、
ポリエーテルサルフオン、ポリエーテルイミド等を用い
る。
基体の厚さは特に制限はなく、5〜20−程度であって
よい、特に8μm以下、特に5〜7μm程度のものが好
ましい。
8μm以下のものでは、媒体の小型化、長時間記録等の
目的が達成されるからである。 ただし、この厚さがあ
まり薄くなりすぎると、磁性層を上述のように多層構造
として膜強度を向上させた効果が相殺され、走行性、出
力低下、ヘッド摩耗等の問題が生じる。
そして、本発明の強磁性金属薄膜層の多層構造化による
電磁変換特性向上の効果は、基体の厚さを薄いものにし
た場合に、より顕著に現われるものである。
例えば、2層構造を例にとれば、基体の厚さ10μmに
おいて、強磁性金属薄yA層を従来の単層構造から本発
明の2層構造にすることによる電磁変換特性の向上中は
、0.75MHzの低周波領域の信号で+6(dB)程
度、5MHzの高周波領域の信号で+6(dB)程度で
あるが、基体の厚さを7μmとした場合の向上中は、0
.75MHzの低周波領域の信号で+6 (dB)程度
で基体J510μmの場合と同等であるが、5MHzの
高周波領域の信号では+7.5 (dB)程度まで増大
する。
このように、10μm厚の基体に比べ、7μm厚の基体
における電磁変換特性の向上が著しいのは、基体厚みを
10μmから7μmにすることにより、基体剛度不足に
よるヘッドタッチが急激に悪化し、5MHz等の高周波
領域において、この影響がより大きく、このような場合
に本発明の効果が発現されるものである。
本発明において、磁性層はいわゆる斜め蒸着法によフて
形成することが好ましい。
この場合、基体法線に対する蒸着物質の最小入射角は、
最下層設層時においては50°以下、最上層設層時にお
いては20〜90°、また、3層以上の構造の場合にお
ける中間に位置する層の設層時においては20〜50°
とすることが好ましい。
最小入射角がそれぞれ前記の入射角からはずれたものと
なると、電磁変換特性が低下する。
また、磁性層は一工程で2層以上を、連続して設層して
もよいが、通常は、各層毎に蒸着工程に流して設層する
ことが好ましい。
このように、磁性層の設層を各層毎に分けることにより
、前述のように基体法線に対する磁性柱状結晶粒の傾斜
の向きが相隣接する各層間で、媒体の長さ方向で相対向
する向きとなる。
このような磁性層構成とすることにより、電磁変換特性
は極めて良好となる。
なお、蒸着雰囲気は、通常、アルゴン、ヘリウム、真空
等の不活性雰囲気に、酸素ガスを含む雰囲気とし、10
−5〜10’Pa程度の圧力とし、また、蒸着距離、基
体搬送方向、キャンやマスクの構造、配置等は公知の条
件と同様にすればよい。
そして、酸素霊囲気での蒸着により、表面に金属酸化物
の被膜が形成される。 なお、金属酸化物が形成される
酸素ガス分圧は、実験から容易に求めることができる。
なお、表面に金属酸化物の被膜を形成するには、各種酸
化処理が可能である。
適用できる酸化処理としては下記のようなものがある。
1)乾式処理 a、エネルギー粒子処理 特願昭58−76640号に記載したように、蒸着の後
期に、イオンガンや中性ガンにより酸素をエネルギー粒
子として磁性層にさしむけるもの。
b、グロー処理 Q2.N20,02+H20等とAr。
N2等の不活性ガスとを用し1、これをグロー放電して
プラズマを生じさせ、このプラズマ中に磁性膜表面をさ
らすもの。
C1酸化性ガス オゾン、加熱水蒸気等の酸化性ガスを吹き付けるもの。
d、加熱処理 加熱によって酸化を行なうもの。 加熱温度は60〜1
50℃程度。
2)湿式処理 a、陽極酸化 す、アルカリ処理、 C1酸処理 クロム酸塩処理、過マンガン酸塩処理、リン酸塩処理等
を用いる。
d、酸化剤処理 N20□等を用いる。
このようなプラスチックフィルムの磁性層が設けられて
いない他方の面上には、裏地層を介して、あるいは直接
バックコート層が設層されることが好ましい。
裏地層はAfL%Cu%W、Mo、Cr、Ti等の単一
金属薄膜またはこれらの金属の合金、さらにはこれらの
酸化物等の薄膜であることが好ましい。
このような必要に応じ形成される裏地層の膜厚は0.0
5〜1.5μmとされる。
さらにこのような必要に応じ設けられる裏地層の上には
、バックコート層が設層される。
バックコート層には顔料および放射線硬化型化合物のバ
インダーが含有される。
顔料としては、 1)導電性のあるカーボンブラック、グラファイト、ま
た、 2)無機充填剤として5i02.TiO2、AIl、2
03 、Cr203 、S iC,CaO1CaCo3
,酸化亜鉛、ゲーサイト、 αFe2O3、タルク、カオリン、 CaSO4,窒化ホウ素、フッ化黒鉛、二値酸モリブデ
ン、ZnS等があり、中でも CaCo3、カオリン、ZnO、ゲーサイト、ZnSや
カーボンが使用される。
このような無機顔料の使用量は、 1)に関してはバインダー100重量部に対して20〜
200重量部、また 2)に関しては10〜300重量部が適当であり、無機
顔料があまり多くなると、塗膜がもろくなり、かえって
ドロップアウトが多くなるという欠点がある。
なお顔料の平均粒径は、0.01〜 0.3μm程度より好ましくは0.02〜0.1μmと
される。
バックコート層で用いられる放射線硬化系樹脂のバイン
ダーは、塩化ビニル−酢酸ビニル−ビニルアルコール共
重合体(カルボン酸導入のものも含む)、またはアクリ
ル変性塩化ビニル−酢酸ビニル−ビニルアルコール共重
合体(カルボン酸導入のものも含む)およびウレタンア
クリレート等からなるものが好ましい。
放射線硬化系樹脂については、前記の好ましい組み合わ
せのほかに、ラジカル重合性を有する不飽和二重結合を
示すアクリル酸、メタクリル酸あるいはそれらのエステ
ル化合物のようなアクリル系二重結合、 ジアリルフタレートのようなアリル系二重結合、 マレイン酸、マレイン酸誘導体等の不飽和結合等の、放
射線照射による架橋あるいは重合する基を熱可塑性樹脂
の分子中に含有または導入した樹脂等を用いることがで
きる。
その他、使用可能なバインダー成分としては、単量体と
してアクリル酸、メタクリル酸、アクリルアミド等があ
る。
二重結合のあるバインダーとしては、種々のポリエステ
ル、ポリオール、ポリウレタン等をアクリル二重結合を
有する化合物で変性することもできる。 さらに必要に
応じて、多価アルコールと多価カルボン酸を配合するこ
とによりて、種々の分子量のものもできる。
放射線感応樹脂として上記のものはその一部であり、こ
れらは混合して用いることもできる。
さらに好ましいのは、 (A)放射線により硬化性をもつ不飽和二重結合を2個
以上有する、分子量5000〜t oooooのプラス
チック状化合物、(B)放射線により硬化性をもつ不飽
和二重結合を1個以上有するか、または放射線硬化性を
有しない、分子量3000〜1oooooのゴム状化合
物、および (C)放射線により硬化性をもつ不飽和二重結合を1個
以上有する、分子量200〜3000の化合物を、 (A)20〜70重量%、 (B)20〜80重量%、 (C)10〜40重量%の割合で用いた組み合わせであ
る。
これにより、塗膜の破断強度が上り、塗膜の強化がなさ
れ、バックコート削れが少なく、バックコート層から磁
性層への無機充填剤粉末の移転がないためドロップアウ
トの少ない、かつロール状に巻き取りだ形での硬化の際
の巻きしまりのない、長さ方向で均一の特性を有する磁
気記録媒体が得られる。
本発明の磁気記録媒体の製造において、有機バインダー
が熱硬化型では、製造過程において、バックコート層の
潤滑剤が磁性薄膜に裏型転写し、前述のような不安定な
走行による出力ダウンが発生し、画像が出なくなるとか
、あるいは、摩擦レベルが未だ大きく不十分であり、裏
型転写により強磁性薄膜が取れたり、あるいは破壊され
るという現象が生じ、好ましくない。
そのため、例えば、磁性層上に設層されるトップコート
を最初に行うことが考えられるが、操作上、傷つきやす
く不都合なことが多い。
さらに、熱硬化型の場合、硬化時の巻きしまりによるバ
ックコート面の裏型転移のため、熱硬化中のジャンボロ
ールの内側、外側での電磁変換特性の差が問題となる。
これに対して、放射線硬化型樹脂の場合、製造上、連続
硬化が可能であり、硬化時間も短く、上記の裏型転写が
ないので、ドロップアウトが防止でき、その上放射線硬
化およびトップコート処理がオンライン上で処理できる
ので、省エネルギ一対策、製造時の人員の減少にも役立
ち、コストの低減にもつながる。
特性面では熱硬化時の巻きしまりによるドロップアウト
の外に、ロール状に巻かれたときの内外径の個所の圧力
のちがいにより、磁気テープの長さ方向の距離による出
力差が生じることもなくなる。
上記(A)、(B)、(C)の化合物における不飽和二
重結合は、1分子当り(A)は2以上、好ましくは5以
上、(B)は1以上、好ましくは5以上、(C)は1以
上、好ましくは3以上である。
本発明で用いる(A)のプラスチック状化合物は、放射
線によりラジカルを発生し、架橋構造を生じるような、
不飽和二重結合を分子鎖中に2個以上含むものなのであ
り、これはまた熱可塑性樹脂を放射線感応変性すること
によフても得ることができる。
放射線硬化性樹脂の具体例としては ラジカル重合性を
有する不飽和二重結合を示すアクリル酸、メタクリル酸
、あるいはそれらのエステル化合物のようなアクリル系
二重結合、ジアクリルフタレートのようなアリル系二重
結合、マレイン酸、マレイン酸誘導体等の不飽和結合等
の放射線照射による架橋あるいは重合乾燥する基を、熱
可塑性樹脂の分子中に含有または導入した樹脂であり、
その他放射線照射により架橋重合する不飽和二重結合を
有する化合物で、分子量が5000〜100000のも
の、好ましくは10000〜80000のものであれば
用いることができる。
放射線照射による架橋あるいは重合乾燥する基を熱可塑
性樹脂の分子中に含有する樹脂としては、次のような不
飽和ポリエステル樹脂がある。
分子Sn中に放射線硬化性不飽和二重結合を含有するポ
リエステル化合物、例えば下記(2)の多塩基酸と多価
アルコールのエステル結合からなる飽和ポリエステル樹
脂で、多塩基酸の一部をマレイン酸とした放射線硬化性
不飽和二重結合を含有する不飽和ポリエステル樹脂を挙
げることができる。
放射線硬化性不飽和ポリエステル樹脂は、多塩基酸成分
1種以上と、多価アルコール成分1種以上に、マレイン
酸、フマル酸等を加え、常法すなわち触媒の存在下で、
180〜200℃、窒素雰囲気下、脱水あるいは脱アル
コール反応の後、240〜280℃まで昇温し、0.5
〜1 oonll、、の減圧下、縮合反応により得るこ
とができる。
マレイン酸やフマル酸等の含有量は、製造時の架橋、放
射線硬化性等から酸成分中1〜40モル%、好ましくは
10〜30モル%である。
放射線硬化性樹脂に変性できる熱可塑性樹脂の例として
は、次のようなものを挙げることができる。
(1)塩化ビニール系共重合体 塩化ビニール−酢酸ビニール−ビニールアルコール共重
合体、塩化ビニール−ビニールアルコール共重合体、塩
化ビニール−ビニールアルコール−プロピオン酸ビニー
ル共重合体、塩化ビニール−酢酸ビニール−マレイン酸
共重合体、塩化ビニール−酢酸ビニール−末端OH側鎖
アルキル基共重合体、たとえばUCC社製VROH,V
YNC,VYBGX、VERR。
VYES、VMCA、VAGH等が挙げられ、このもの
に後述の手法により、アクリル系二重結合、マレイン酸
系二重結合、アリル系二重結合を導入して、放射線感応
変性を行う。
(2)飽和ポリエステル樹脂 フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、コハク酸、ア
ジピン酸、セバシン酸、のような飽和多塩基酸と、エチ
レングリコール、ジエチレングリコール、グリセリン、
トリメチロールプロパン、1.2プロピレングリコール
、1.3ブタンジオール、ジプロピレングリコール、1
.4ブタンジオール、1.6ヘキサンジオール、ペンタ
エリスリット、ソルビトール、グリセリン、ネオペンチ
ルグリコール、1,4シクロヘキサンジメタツールのよ
うな多価アルコールとのエステル結合により得られる飽
和ポリエステル樹脂、またはこれらのポリエステル樹脂
をS O−)−N a等で変性した樹脂(例えばバイロ
ン53S)が例として挙げられ、これらも同様にして放
射線感応変性を行う。
(3)ポリビニルアルコール系樹脂 ポリビニルアルコール、ブチラール樹脂、アセタール樹
脂、ホルマール樹脂およびこれらの成分の共重合体で、
これら樹脂中に含まれる水酸基に対し、後述の手法によ
り放射線感応変性を行う。
(4)エポキシ系樹脂、フェノキシ系樹脂ビスフェノー
ルAとニブクロルヒドリン、メチルエピクロルヒドリン
の反応によるエポキシ樹脂、例えばシェル化学製(エピ
コート152゜154.828,1001,1004.
1007)、ダウケミカル類(DEN431.DER7
32、DER511,DER331)、大日本インキ社
製(エピクロン400,800)、さらに上記エポキシ
の高重合度樹脂であるUCCfl製フェノキシ樹脂(P
KHA、PKHC。
PにHH)、臭素化ビスフェノールAとエピクロルヒド
リンの共重合体、大日本インキ化学工業製(エビクロン
145,152,153.1120)等がある。
これら樹脂中に含まれるエポキシ基を利用して、放射線
感応変性を行う。
(5)ja維素誘導体 各種のものが用いられるが、特に効果的なものは、硝化
綿、セルローズアセトブチレート、エチルセルローズ、
ブチルセルローズ、アセチルセルローズ等が好適である
樹脂中の水酸基を利用して後述の方法により放射線感応
変性を行う。
その他、放射線感応変性に用いることのできる樹脂とし
ては、多官能ポリエステル樹脂、ポリエーテルエステル
樹脂、ポリビニルボロリドン樹脂および誘導体(pvp
オレフィン共重合体)、ポリアミド樹脂、ポリイミド樹
脂、フェノール樹脂、スピロアセタール樹脂、水酸基を
含有するアクリルエステル、およびメタクリエステルを
重合成分として、少なくとも1種含むアクリル系樹脂等
も有効である。
本発明で用いる(B)の高分子化合物は、熱可塑性エラ
ストマーもしくはプレポリマー、またはこれらを放射線
感応変性したものであり、後者の場合は、より効果的で
ある。
以下にエラストマーもしくはプレポリマーの例を挙げる
(1)ポリウレタンエラストマーもしくはプレポリマー ウレタン化合物の例としては、インシアネートとして、
2.4−トルエンジイソシアネート、2.6−トルエン
ジイソシアネート、1゜3−キシレンジイソシアネート
、1,4−キシレンジイソシアネート、1,5−ナフタ
レンジイソシアネート、m−フェニレンジイソシアネー
ト、3,3−ジメチル−4,4−ジフェニルメタンジイ
ソシアネート、4.4−ジフェニルメタンジイソシアネ
ート、3.3−ジメチルビフェニレンジイソシアネート
、4.4−ビフェニレンジイソシアネート、ヘキサメチ
レンジイソシアネート、イソフォロンジイソシアネート
、ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート、デスモジ
ュールし、デスモジュールN等の各種多価イソシアネー
トと、 線状飽和ポリエステル(エチレングリコール、ジエチレ
ングリコール、グリセリン、トリメチロールプロパン、
1.4−ブタンジオール、1.6−ヘキサンジオール、
ペンタエリスリット、ソルビトール、ネオペンチルグリ
コール、1,4−シクロヘキサンジメチノールのような
多価アルコールと、フタル酸、イソフタル酸、テレフタ
ル酸、コハク酸、アジピン酸、セバシン酸のような飽和
多塩基酸との縮重合によるもの)、 線状飽和ポリエーテル(ポリエチレングリコール、ポリ
プロピレングリコール、ポリテトラメチレングリコール
)やカプロラクタム、ヒドロキシル含有アクリル酸エス
テル、ヒドロキシ含有メタクリル酸エステル等の各種ポ
リエステル類の縮合物よりなるポリウレタンエラストマ
ー、プレポリマーが有効である。
これらのウレタンエラストマーの末端のイソシアネート
基または水酸基と、アクリル系二重結合またはアリル系
二重結合を有する単量体とを反応させることにより、放
射線感応性に変性することは非常に効果的である。
(2)アクリロニトリル−ブタジェン共重合エラストマ
ー シンクレアベトロケミカル社製ポリBDリタイッドレジ
ンとして市販されている末端水酸基のあるアクリロニト
リルブタジェン共重合体プレポリマー、あるいは日本ゼ
オン社製ハイカー1432J等のエラストマーは、特に
ブタジェン中の二重結合が放射線によりラジカルを生じ
、架橋および重合させるニラストアー成分として適する
(3)ポリブタジエンエラストマー シンクレアベトロケミカル社製ポリBDリタイッドレジ
ンR−15等の低分子量末端水酸基を有するプレポリマ
ーが、特に熱可塑性との相溶性の点で好適である。
R−15プレポリマーにおいては、分子末端が水酸基と
なフているため、分子末端にアクリル系不飽和二重結合
を付加することにより放射線感応を高めることが可能で
あり、バインダーとしてさらに有利となる。
また、ポリブタジェンの環化物、日本合成ゴム製CBR
−M901も熱可塑性樹脂との組合わせにより、すぐれ
た性質を有している。
その他、熱可塑性エラストマーおよびそのプレポリマー
の系で好適なものとしては、スチレン−ブタジェンゴム
、塩化ゴム、アクリルゴム、イソプレンゴム、およびそ
の環化物(日本合成ゴム製ClR701)があり、エポ
キシ変性ゴム、内部可塑化飽和線状ポリエステル(東洋
紡バイロン#300)等のエラストマーも下記に述べる
放射線感応変性処理を施すことにより有効に利用できる
本発明で用いられる(C)放射線硬化性不飽和二重結合
を有する化合物としては、 スチレン、エチルアクリレート、エチレングリコールジ
アクリレート、エチレングリコールジメタクリレート、
ジエチレングリコールアクリレート、ジエチレングクコ
ールジメタクリレート、1.6−ヘキサングリコールジ
アクリレート、1,6−ヘキサングリコールジアクリレ
ート、トリメチロールプロパントリメタクリレート、多
官能オリゴエステルアクリレート(アロエックスM−7
100、東亜合成)、ウレタンエラストマーにツボラン
4040)のアクリル変性体、あるいはこれらのものに
C0OH等の官能基が導入されたもの等が挙げられる。
高分子には、放射線照射により崩壊するものと分子間に
架橋を起こすものが知られている。
分子間に架橋を起すものとしては、とりエチレン、ポリ
プロピレン、ポリスチレン、ポリアクリル酸エステル、
ポリアクリルアミド、ポリ塩化ビニル、ポリエステル、
ポリビニルピロリドンゴム、ポリビニルアルコール、ポ
リスチレンがある。
このような架橋型ポリマーであれば、上記のような変性
を特に施さなくても、架橋反応が起こるので、前記変性
体の他に、これらの樹脂はそのまま放射線架橋用バック
コート樹脂として使用可能である。
さらにまた、この方法によれば溶剤を使用しない無溶剤
型の樹脂であっても、短時間で硬化することができるの
で、このような樹脂をバックコート用として用いること
ができる。
本発明に用いる放射線硬化性樹脂組成物の、特に好まし
い組合わせとしては、 (A)の化合物が一部ケン化した塩化ビニール−酢酸ビ
ニール共重合体、カルボン酸が導入された塩化ビニール
−酢酸ビニール共重合体、フェノキシ樹脂にポリイソシ
アネート化合物を反応させて得られたイソシアネート基
を有する化合物に、イソシアネート基との反応性を有す
る官能基をもつアクリル化合物、あるいはメタクリル化
合物を反応させてなる化合物であり、(B)の化合物が
ポリオールにイソシアネート化合物を反応させて得られ
た、イソシアネート化合物またはポリオール(ポリウレ
タンエラストマー)に、反応性を有する官能基をもつア
クリル化合物あるいはメタクリル化合物を反応させてな
る化合物であり、 (C)が多官能(メタ)クリレートモノマー、オリゴエ
ステルアクリレート、または(B)の低分子量化合物と
いうものである。
このようなバックコート層の膜厚は0.2〜2.5μm
であり、より好ましくは0.3〜1.5μm程度とされ
る。 膜厚が0.2μm未満であると充分な走行安定性
が得られなくなり、また2、5μmをこえるとバックコ
ート層のケズレが発生するからである。
なお、バックコート層には、上述したような顔料、有機
バインダーの他に、必要に応じで憫滑剤等の種々の公知
の添加剤を含有させてもよい。
塗布溶剤としては、MEに、シクロヘキサノン、MIB
K等のケトン系、IPA等のアルコール系、トルエン等
の芳香族系、ジクロロエタン等のハロゲン系などが用い
られる。
使用に際しては、これらの1種類を単独で用いたり、2
種類以上を混合して用いたり、いずれでもよい。
潤滑剤としては(分散剤をも含めて)、従来この種のバ
ックコート層に用いられる種類のものはいずれも用いる
ことができるが、 カプリル酸、カプリン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、
バルミチン酸、ステアリン酸、ベヘン酸、オレイン酸、
エライジン酸、リノール酸、リルン酸、ステアロール酸
等の炭素数12以上の脂肪酸(RCoO)I、Rは炭素
数11以上のアルキル基): 前記の脂肪酸のアルカリ金属(Li、Na。
K等)またはアルカリ土類金属(Mg、Ca。
Ba等)からなる金属石鹸; レシチン 等が使用される。
この他に、炭素数12以上の高級アルコール、およびこ
れらの硫酸エステル、界面活性剤、チタンカップリング
剤、シランカップリング剤等も使用可能である。
これらの潤滑剤(分散剤)はバインダー100重量部に
対して1〜20重量部の範囲で添加される。
潤滑剤としては、上記の他にシリコンオイル、グラファ
イト、二硫化モリブデン、二硫化タングステン、炭素数
12〜16個の一塩基性脂肪酸と炭素数3〜12個のm
個のアルコールからなる脂肪酸エステル類、炭素数17
個以上の一塩基性脂肪酸とこの脂肪酸の炭素数と合計し
て、炭素数が21〜23個よりなるm個のアルコールと
からなる脂肪酸エステル等が使用される。
これらの潤滑剤はバインダー100重量部に対して0.
2〜20重量部の範囲で添加される。
また、その他の添加剤としては、この種のバックコート
に用いるものは何にでも用いることができるが、例えば
、帯電防止剤として、サポニンなどの天然界面活性剤: アルキレンオキサイド系、グリセリン系、グリシドール
系などのノニオン界面活性剤;高級アルキルアミン類、
第4級アンモニウム塩類、ピリジンその他の複素環類、
ホスホニウムまたはスルホニウム類などのカチオン界面
活性剤; カルボン酸、スルホン酸、リン酸、硫酸エステル基、リ
ン酸エステル基等の酸性基を含むアニオン界面活性剤ニ アミノ酸類、アミノスルホン酸類、アミノアルコールの
硫酸またはリン酸エステル類等の両性活性剤などが使用
される。
また、上記バックコート層あるいは後述するトップコー
ト層に含まれる潤滑剤、酸化防止剤等としては放射線硬
化型のものが好ましい。
このような場合、その架橋に使用する活性エネルギー線
としては、放射線加速器を線源とした電子線、C060
を線源としたγ−線、5r90を線源としたβ−線、X
線発生機を線源としたxi、あるいは紫外線が使用され
る。
特に照射線源としては、吸収線量の制御、製造工程ライ
ンへの導入、電離放射線の遮断等の見地から、放射線加
速器により放射線を使用する方法が有利である。
上記のバックコート層、および下記のトップコート層を
硬化する際に使用する放射線特性としては、透過力の面
から加速電圧100〜750にV、好ましくは150〜
300Kvの放射線加速器を用い、吸収ramを0.5
〜20メガラツドになるように照射するのが好都合であ
る。
上記の放射線硬化に際しては、米国エナージーサイエン
ス社にて製造されている低線量タイプの放射線加速器(
エレクトロカーテンシステム)等がテープコーティング
加エラインへの導入、加速器内部の2次X線の遮断等に
極めて有利である。
また、従来より放射線加速材として広く活用されている
ことろのファンデグラフ型加速器を使用してもよい。
また、放射線架橋に際しては、N2ガス、Heガス等の
不活性ガス気流中で放射線をバックコート層、トップコ
ート層に照射することが重要であり、空気中で放射線を
照射することは、バインダー成分の架橋に際し、放射線
照射による生じた03等の影Mでポリマー中に生じたラ
ジカルが有利に架橋反応に働くことを阻害するので、極
めて不利である。
したがって、活性エネルギー線を照射する部分の雰囲気
は、特に酸素濃度が最大で5%であるN2.He、Co
□等の不活性ガス雰囲気に保つことが重要となる。
また、バックコート層が設けられる基体ないし裏地層の
表面には、接着強度を向上させる目的でプラズマ処理を
施すことが好ましい。 このようなプラズマ処理は通常
、無機ガスを処理ガスとして行われ、これらの処理ガス
の中では特に0、N、Hとを含む処理ガスを用いるのが
好ましい。
プラズマ処理の周波数については特に制限はない。
このようなプラズマ処理によって裏地層とバックコート
層の接着強度は向上する。
以上、述べてきたような磁気記録媒体の磁性層の上には
、さらにトップコート層を設けることが好ましい。
トップコート層には、脂肪酸エステルおよび放射線感応
不飽和二重結合を有する基とフッ素置換のアルキル基と
を有する化合物を含有させる。
トップコート層に含有される脂肪酸エステルは、その物
性として融点−20〜30℃、より好ましくは一10〜
25℃のものを用いるのが好適である。
そのため、このような物性を有する脂肪酸エステルとし
ては、例えば1、カプリン酸、ラウリン酸、ミリスチン
酸、バルミチン酸、ステアリン酸、アラキン酸などの炭
素数4〜24の一塩基性脂肪酸と炭素数1〜12の一価
の飽和アルコールとからなるものであり、この中でも特
に、炭素数6〜20の一塩基性脂肪酸と一価の飽和アル
コールとからなる合計の炭素数7〜26の脂肪酸エステ
ル等が好ましい。
トップコート層中に含有されるこのような脂肪酸エステ
ルは、通常1種のものを用いるが、必要に応じて2種以
上を混合して用いてもよい。
さらにトップコート層中には、放射線感応不飽和二重結
合を有する基と、フッ素置換のアルキル基とを有する化
合物を含有させる。
この場合、放射線感応不飽和二重結合を有する基として
は、CH2=CR2−Co−で示される基(R2は水素
原子またはアルキル基を表わす)が好ましい。
また、フッ素置換のアルキル基としては、炭素原子数2
〜20のアルキル基であって、その複数の水素原子がフ
ッ素原子によって置換されたものである。 そして、こ
れらのうち、特にCnF 2 n + +−で示される
もの(nは2〜20の整数である)が好ましい。
このような化合物としては、特に下記の式(I)または
(II)で示される化合物が好ましい。
式(I) 1(一 式(■) (上記式(I)および(Il)において、R1はフッ素
置換のアルキル基、LlおよびL2はそれぞれ2僅の連
結基、R2は水素原子またはアルキル基を表わし、mは
1または2である。) 上記式(I)および(n)において、R3は、好ましく
は炭素数2〜2oのフッ素置換のアルキル基を表わし、
特に、Cn F 2n+1−で示される基(nは2〜2
oの整数)が好ましく、例えば、C4F9 、Cs F
z、C6F13、C?F15、C6F14、C9F+9
、CIOF 21等が好適である。
LIおよびL2は、それぞれ置換または非置換のアルキ
レン基、またはアリーレン基、あるいはこれらと結合し
た基、あるいはこれらと、−〇−1−S−1−SO□−
1−Co−1−CoO−1−OCo−1それぞれ置換ま
たは非置換の−NH−1−S 02 N H−1−NH
SO2−1−CoNH−1−NHCo−等が結合した基
が好ましい。 これらのうちでは、特に炭素原子数1〜
4の非置換のアルキレン基等が好適である。
なお、これらのLlとL2は同一でも異なっていてもよ
い。
またL I 、 t、 2は、さらに他の置換基、例え
ばアルキル基、アリール基、ヒドロキシ基、さらにはC
H2=CR2Coo−L’−基等で置換されていてもよ
い。
R2は水素原子または炭素数1〜3のアルキル基を表わ
し、特に、水素一原子、メチル基が好適である。
また、mは1または2である。
以Fに式(I)および式(11)て表わされる化合物の
具体例を挙げる。
FI         O F2        0 鳳 Cs、 F17C2H4−0−C−CHギCH2F3 
              0習 このような化合物は公知の方法を用いて容易に製造する
ことができる。
一例を挙げるならば、式(1)および式(n)中のR1
としてCn F 2n+1基を有するハロゲン化化合物
、例えばca FI7−c2H41を水と反応させて対
応するアルコール、例えばc、、F17−C2H4−O
Hを作る。 強酸を触媒として用いこのアルコールを不
飽和酸、例えばアクリル酸を縮合反応させて所望の化合
物、例えば 葺 ca FI7−C2H4−0−C−CH=CH2を得る
ことができる。
このような式(I)および式(■)で表わされる化合物
は、式(I)もしくは式(11)の化合物のIMAのみ
用いてもよく、その2種以上を適当に混合して用いても
よく、その総合有量は脂肪酸エステル100重量部に対
して、200重量部以下、より好ましくは10〜100
瓜量部とされる。 このような範囲をはずれると目づま
り、ハリツキ、ジッターの増加等の不都合がある。
このようなトップコート層は、放射線感応不飽和二重結
合を有する化合物を使用することによって磁性層との接
着力が向上し、このため耐久性が向上する。 好ましく
は活性化エネルギー線を照射して架橋反応を行わせるこ
とによって、トップコート層は磁性層と迅速に結合し、
耐久性がさらに向上する。 また、上記トップコート層
は例えば、CnF2nや+(nは2〜20の間の整数で
ある)等で表わされるフッ素置換のアルキル基を有する
化合物を用いることによって特に優れた走行安定性を有
する。
放射線感応性化合物におけるC n F 2n+Iのn
が20をこえるとトップコート層の磁性層への総合力が
弱くなり、またnが2未満になると潤滑性が著しく低下
するため好ましくない。
さらに、上記のトップコート層は、放射線感応不飽和二
重結合と例えばC1F 2n+I等で表わされるフッ素
置換のアルキル基の両方を有する化合物を使用すること
により、走行性はきわめて向上し、ケズレやヘッドの目
づまりが生じない。
このような組成成分を含有するトップコート層は通常グ
ラビアコート、リバースロールコート、エアーナイフコ
ート、エアードクターコート等を用いて設層され、上述
したように放射線加速器を線源とした電子線、C060
を線源としたγ−線、5r90を線源としたβ−線、X
線発生器を線源としたX線あるいは紫外線等の活性化エ
ネルギー線を照射して硬化させられる。 照射量は、0
.5〜20Mradの範囲が好ましい。
塗布溶剤としては、前述したバックコート層の場合と同
様にMEK、シクロヘキサノン、MIBK等のケトン系
、夏PA等のアルコール系、トルエン等の芳香族系、ジ
クロロエタン等のハロゲン系などが用いられる。
使用に際しては、これらの1種類を単独で用いたり、あ
るいは2種類以上を混合して用いたり、いずれでもよい
上記のトップコート層には、必要に応じてさらに公知の
種々の潤滑剤、酸化防止剤、硬化剤等を含有してもよい
潤滑剤としては従来この袖の磁気記録媒体に用いられて
いる潤滑剤、例えばシリコーンオイル、フッ素オイル、
アルコール、脂肪酸、パラフィン、流動パラフィン、界
面活性剤等を用いることができるが、特に脂肪酸が好ま
しい。
脂肪酸としては炭素数12以上の脂肪酸(RCoOH,
Rは炭素数11以上のアルキル基)、例えばカプリル酸
、カプリン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、バルミチン
酸、ステアリン酸、ベヘン酸、オレイン酸、エライジン
酸、リノール酸、リルン酸、ステアロール酸等が好まし
い。
シリコーンオイルとしては脂肪酸変性よりなるもの、一
部フッ素変性されているものが使用される。 アルコー
ルとしては高級アルコールよりなるもの、フッ素オイル
としては電解置換、テロメリゼーション、オリゴメリゼ
ーション等によって得られるものが使用される。
さらに、潤滑剤として放射線硬化型のものを好適に用い
ることができる。 放射線硬化型潤滑剤を使用した場合
、潤滑剤の裏型転写が抑えられ、これにより、ドロップ
アウトの防止、ロール状に巻かれたときの内外径の個所
による出力の差の現象の他、オンライン上での製造が可
能である等の利点が生ずる。
放射線硬化型潤滑剤としては、滑性を示す分子鎖ζアク
リル系二重結合とを分子中に有する化合物1例えばアク
リル酸エステル、メタクリル酸エステル、ビニル酢酸エ
ステル、アクリル酸アミド系化合物、ビニルアルコール
エステル、メチルビニルアルコールエステル、アリルア
ルコールエステル、クリセライト等があり、これらの1
lVI滑剤を構造式で表すと、CH2=CH−CH2C
0OR。
CH2=CHC0NHCH20CoR1CH20CoR RCoOCH=CH2、 等(ここで、Rは直2nまたは分校状の飽和もしくは不
飽和炭化水素基で、炭素数は7以上、好ましくは12以
上23以下であり、これらはフッ素置換体とすることも
できる)である。
これら放射線硬化型潤滑剤の好ましい具体例としては、
ステアリン酸メタクリレート(アクリレート)、ステア
リルアルコールのメタクリレート(アクリレート)、グ
リセリンのメタクリレート(アクリレート)、グリコー
ルのメタクリレート(アクリレート)、シリコーンのメ
タクリレート(アクリレート)等を挙げることができる
上記のトップコート層に用いる放射線硬化型添加剤の架
橋に使用する活性エネルギー線としては、放射線加速器
を線源とした電子線、C。
60を!!i!源としたγ−線、5r90f!0−線源
としたβ−線、X線発生器を線源としたX線あるいは紫
外線等を挙げることができる。 特に照射線源としては
吸収線■の制御、製造工程ラインへの導入、電離放射線
の遮蔽等の見地から放射線加速器により発生される放射
線を使用する方法が有利である。
上記トップコート層の厚さは5〜200人が好ましい。
 あまり厚すぎると型持が低下したり、ケズラしたりす
る。 また、あまり薄すぎると目づまりが発生する。 
 トップコートなしの磁性層の表面粗度は100Å以下
が好ましいため、この上にトップコート層を形成する場
合、あまり厚すぎるとケズレを生ずることがわかった。
 あまり少なすぎるとトップコート層の吸着が弱すぎ、
目づまりを発生することが予想される。 特に好ましい
範囲としては10〜100人である。
なお、トップコートは、プラズマ重合によって形成して
もよい。
上記のトップコートを形成する際に、上述したようにさ
らに通常用いられる酸化防止剤、硬化剤等を通常用いら
れる量で加えることができる。
本発明において硬化剤を用いる場合、硬化剤としては放
射線硬化型子ツマ−およびオリゴマーが適している。 
放射線硬化型モノマーとしては分子j12,000未満
の化合物が、オリゴマーとしては分子量500〜10,
000のものが用いられる。 これらはスチレン、エチ
ルアクリレート、エチレングリコールジアクリレート、
エチレングリコールジメタクリレート、ジエチレングリ
コールジアクリレート、ジエチレングリコールジメタク
リレート、l。
6−ヘキサングリコールジアクリレート、1゜6−ヘキ
サングリコールジアクリレート等を包含し、特に好まし
くは以下を包含する=N−ビニルピロリドン、ペンタエ
リスリトールテトラアクリレート(メタクリレート)、
ペンタエリスリトールトリアクリレート(メタクリレー
ト)、トリメチロールプロパントリアクリレート(メタ
クリレート)、トリメチロールプロパンジアクリレート
(メタクリレート)、多官能オリゴエステルアクリレー
ト(東亜合成(株)製アロニックスM−7100、M−
5400,5500,5700等)ウレタンエラストマ
ーにツボラン4040)のアクリル変性体、あるいはこ
れらのものにC0OH等の官能基が導入されたもの、フ
ェノールエチレンオキシド付加物アクリレート(メタク
リレ−トン、下記一般式で示されるペンタエリスリトー
ル縮合環にアクリル基(メタクリル基)またはε−カプ
ロラクトン−アクリル基のついた化合物:および下記一
般式で示される 特殊アクリレート類: (CH2=CHC0OH2)3−CCH20H:(CH
2=CHC0OH2)3−CCH2CH3。
(n=1〜6) CH2=CHCoO−(CH2CH20)4−CoCH
=CH2;A Aニアクリル酸、   X:多価アルコールY:多塩基
酸 放射線硬化型オリゴマーの例としては、下記一般式で示
される多官能オリゴエステルアクリレートやウレタンエ
ラストマーのアクリル変性体あるいはこれらのものにC
0OH等の官能基が導入されたもの等を挙げることがで
きる。
(式中R,、R2:アルキル基、n:整数)本発明にお
いてトップコート層に潤滑剤、酸化防止剤、硬化剤等を
添加する場合、これらの合計重量は、式(I)および式
(n)で表わされるように放射線感応不飽和二重結合を
1個以上有し、かつフッ素置換のアルキル基を有する化
合物の総重量の10倍以内になるようにするのが好まし
い。 また、酸化防止剤の重量は、iη滑滑剤砂硬化剤
重量をこえないことが好ましい。
なお、プラスチックフィルム上には各種下地処理を施し
たり、プラスチックフィルムと磁性層ないし裏地層間に
はさらに下地層を形成することもできる。
また、本発明の磁気記録媒体の表面には、微細な突起が
所定の密度で設けられてもよい。
微細な突起は、30〜300人、より好ましくは50〜
250人の高さを有するものである。
すなわち、上記の突起は、光学顕微鏡で観察でき、かつ
触針型表面粗さ計で測定できるものではなく、走査型電
子顕微鏡にて観察できる程度のものである。
突起高さが300人をこえ、光学顕微鏡にて観察できる
ものとなると、電磁変換特性の劣化と、走行安定性の低
下をもたらす。
また、30人未満となると、物性の向上の実効がない。
そして、その密度は1mm2あたり平均105個以上、
より好ましくは10’″〜109個、特に106〜10
8個である。
突起密度が105個/ m m 2未満となると、ノイ
ズが増大し、スチル特性が低下する等物性の低下をきた
し、実用に耐えない。
また、109個/ m m 2をこえると、物性上の効
果が少なくなってしまう。
なお、突起径は、一般に200〜1000人程度とする
このような突起を設けるには、通常、基体上に微粒子を
配設すればよい。 微粒子径は。
30〜1000人にすればよく、これにより微粒子径に
対応した微細突起が形成される。
用いる微粒子としては、通常、コロイド粒子として知ら
れているものであって、例えばSio2 (コロイダル
シリカ)、八!203(アルミナゾル)、Mgo%Ti
e、、ZnO1Fe203、ジルコニア、CdolNi
o%CaWO4,CaC0,、 BaCo3、Coco、、、BaTiO3、Ti(チタ
ンブラック)、Au、Ag、Cu、Ni、Fe、各種ヒ
ドロシルや、樹脂粒子等が使用可能である。 この場合
、特に無機物質を用いるのが好ましい。
このような微粒子は、各種溶媒を用いて塗布液とし、こ
れを基体上に塗布、乾燥してもよく、あるいは塗布液中
に各種水性エマルジョン等の樹脂分を添加したものを塗
布、乾燥してもよい。
なお、場合によっては、これら塗布液を基体上に配設す
るのではなく、磁性薄膜層上にトップコート層として配
設することもできる。
また、樹脂分を用いる場合、これら微粒子にもとず〈微
細突起に重畳してゆるやかな突起を設けることもできる
が、通常はこのようにする必要はない。
もし必要であるならば、強磁性金属薄膜層の最上層と最
下層との間に非磁性金属薄膜層を介在させてもよい。
■ 発明の具体的作用効果 本発明によれば、磁性層が2層以上の届構成をなすこと
により、磁性柱状結晶粒の長さが小さいものとなるため
磁性層の膜強度が向上する。 このため、走行安定性が
きわめて高く、また、走行による磁性層のクラックや磁
性面のケズレの発生がきわめて少なく、ヘッドPJ耳量
、ドロップアウトの発生もきわめて少ないものとなる。
また、磁性層中に、炭素を有機物の重合体の形で含有す
るため、媒体のカールないしカッピング等がほとんどな
く、出力が安定し、しかも耐食性、走行耐久性が向上す
る。
■ 発明の具体的実施例 以下、本発明の具体的実施例を示し、本発明をさらに詳
細に説明する。
(実施例1) 下記表1に示す厚さのポリエステル(PET)フィルム
を円筒状、冷却キャンの周面に沿わせて移動させ、02
+Ar(容積比1:1〉を毎分800ccの速さで流し
真空度を1、  ox l O−’Torrとしたチャ
ンバー内で、Co80、Ni20(重量比)の合金を溶
融 ′し、斜め蒸着により第1図に示されるCo−Ni
 −0の2層薄膜を形成した。 なお、蒸着に先立ち、
フィルム面をプラズマ処理した。
処理条件は、処理ガスAr、ガス流量100r117分
、真空度0.05Torr、電f150kHz、200
Wとした。
蒸着物質の最小入射角および磁性層の厚さを表1に示す
また、比較として、入射角30〜90°の部分のみ斜め
蒸若し膜厚0.15μmのCo−Ni−0の単層薄膜を
形成した。
なお、蒸着に際しては、導入有機物としてC,H4ガス
を所定量真空槽に導入しながら行った。
このように磁性層中に有機物をとりこませた後、次工程
のプラズマ処理真空槽を通過させることによって、磁性
層中の有機物を重合させた。
プラズマ処理真空槽中のプラズマ処理条件は、槽内圧力
0.0ITorr、RF13.56MHzを用い500
Wとし、Arでプラズマ処理した。
磁性層中の平均の炭素/金属比は、イオンエツチングを
行いながらオーシュ分光分析またはSIMs分析で、各
組成の厚さ方向のプロファイルを測定し磁性層中の平均
の炭素/金属比を算出した。 本測定においては、まず
標準サンプル炭化コバルトC02Cを測定し、その測定
感度を求め、 C/ C。
(Coのカウント数)X(Coの測定感度)で求めた。
 また、Ni等については、Coとの感度比をコレクシ
ョンファクターとして算出した。
なお酸素は下層と上層との界面およびベースと反対側の
表面に多く偏在していた。 また、ベースと反対側の表
面はほぼ酸化物のみで覆われていた。
Hc=1000 0e、  膜中の平均酸素量はCoと
Niに対する原子比 (−一π−−x100) oN t で40%であった・ 表1に示される各個では、Arにてイオンエツチングを
行ないながら、オージェ分光分析を行なって得たO/(
CoまたはCo+N i )原子比のうち、C+(表面
)、c+”(上層平均)、C2(下層の基体との界面)
、C2”(下層平均)、C3(下層の上層との界面近傍
)が併記される。
このフィルム裏面をプラズマ処理した後、下記に示すよ
うなバックコート層を設層した。
なお、プラズマ処理条件は、処理ガスを02ガスとし、
ガス流量100mn/分、真空度0.5Torr、電源
50にHz、200W、フィルム走行速度30m/分と
した。
またさらに必要に応じて、磁性層上に下記に示すような
トップコート層を設層した。 なお、これらの設層厚さ
は表1に示すとおりとした。
(1)バックコート層の形成 氏工久ユニ上1           重量部カーボン
ブラック            7Si02    
            2アクリル変性塩化ビニル−
酢酸ビニル−ビニルアルコール共重合体     30
アクリル変性ポリウレタン エラストマー            10アクリルエ
ステルオリゴマー      4分散助剤      
       0.4上記混合物をボールミル中5時間
分散させ、プラズマ処理が施された裏地層上に乾燥厚1
−になるように塗布し、エレクトロカーテンタイプ電子
線加速装置を用いて加速電圧150KeV、電極電流1
0mA、吸収線量5Mrad、N2ガス中で電子線をバ
ックコート層に照射した。
(2)トップコート層の形成 以下に示すような組成物を磁性層上に設層した。
ツブコートy           重量部ミリスチン
酸ブチルm、p、= 1.0℃  0.5F−2(上記
の具体例中の化合物)0.3ME  に       
                    30シクロ
ヘキサノン        70を常温で1時間攪拌混
合し、生成した混合物を上記の磁性居表面に均一な厚さ
になるようにグラビア塗布を行い、100℃で1分間乾
燥した。
このようにして形成した下記表1に示す各サンプルにつ
き下記の測定を行った。 なお、媒体走行方向と下層の
基体法線に対する磁性結晶粒の傾きの方向を同一方向と
した。
(1)カッピング 1/2″巾にスリットしカッピングの高さを測定した。
(2)電磁変換特性 中心周波数0.75MHzおよび5MHzの出力を測定
し、サンプルNO68の出力なOdBとした時の値を求
めた。
使用デツキ:5ONY  A−300 ヘッド:スパッタ センダスト モード:SPモード (3)スチル耐久性 温度0℃の条件下で出力が5dB低下するまでの時間を
求めた。
使用デツキ:5ONY  A−300 (スチル解除機構をはずして使用した)ヘッドニスバッ
タ センダスト (4)耐食性 各サンプルを60℃、相対湿度90%にて7日間放置し
、1 cm2あたりの−△φm/φm(%)を測定した
これらの結果を表2に示す。
(実施例2) 蒸着物質の最小入射角および磁性層中の0/(Coある
いはCo+N i )原子比を表3に示すものとした他
は、実施例1と同様の方法により磁性層を形成し、実施
例1と同様のバックコート層、トラブート層を用いて表
3に示されるサンプルを作製した。(サンプルNo。
11〜22)。
このように形成した各サンプルについて、実施例1と同
様の測定を行なフた。 なお、電磁変換特性は、サンプ
ルNo、22の出力をOdBとした時の値を求めた。
結果を表4に示す。
(実施例3) ベース厚みおよび磁性層の上層厚みと下層厚みを表5に
示すものとした他は、実施例1と同様の方法により磁性
層を形成し、実施例1と同様のバックコート層、トラプ
ート層を用いて表5に示されるサンプルを作製した。(
サンプルNo、31〜38)。
このように形成した各サンプルについて、実施例1と同
様の測定を行なった。 なお、電磁変換特性は、サンプ
ルNo、38の出力をOdBとした時の値を求めた。
結果を表6に示す。
なお、サンプルNo、37(ベース厚7戸、磁性層構成
:単層)の出力に対するサンプルNo、31.32,3
3.36 (ベース厚7戸、磁性層構成:2層)の出力
の向上中を表6のく )内に記載した。
表1〜表6に示される結果より、本発明の効果は明らか
である。
すなわち、各測定項目のすべてにおいて良好な値が得ら
れるのは、本発明の磁性層構成を有するサンプルである
ことが明らかである。
また、ベース厚8μm以下では、上層厚/下層厚の比が
0.2〜0.9であると、特に5MHzの出力および耐
久性のきわめて高い向上がみられ、5MHz出力の点で
実用に耐えないベース厚のうすいものでも、十分実用可
能な電磁変換特性、耐久性を示すことがわかる。
また、プラズマ処理を施したポリエステルフィルム上に
コロイダルシリカを塗布し、微小突起を有する基体を得
、その他は前述の実施例と同様にしてサンプルを作製し
た。
このサンプルの磁性層表面における微小突起の突起径は
250人、突起密度は5X10’個/lllI2であっ
た。
このサンプルでは、高温走行時のヘッド付着量が減少し
た。
【図面の簡単な説明】 第1図は、本発明の磁気記録媒体の1実施例の媒体方向
に平行な断面の模式図である。 第2図は、本発明の磁気記録媒体の他の実施例の媒体方
向に平行な断面の模式図である。 第3図は蒸着装置の概略図である。 第4図はプラズマ処理装置の概略図である。 符号の説明 !・・・・磁気記録媒体、 2・・・・基体、 3・・・・強磁性金属薄膜下層部、 4・・・・強磁性金属薄膜上層部、 5・・・・下層結晶粒、 6・・・・上層結晶粒、 矢印a・・・・媒体長さ方向、 7・・・・トップコート層、 8・・・・バックコート層、 11・・・・蒸着装置、 12・・・・巻き出しロール、 13・・・・基体、 14・・・・冷却ドラム、 15・・・・ノズル、 16・・・・蒸発源、 17・・・・遮蔽板、 20・・・・重合処理装置、 21.22・・・・処理ガス源、 23.24・・・・マスフローコントローラ、25・・
・・混合器、 26・・・・直流、交流および周波数可変型電源、27
.57・・・・電極、 30・・・・巻取りロール、 31・・・・くり出しロール、 111・・・・液体窒素トラップ、 112・・・・油回転ポンプ 出願人  ティーディーケイ株式会社 □−τ ;−f7: 代理人  弁理士  石 井 陽 −(“・−fFIG
、1 FIG、3 】1

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. (1)プラスチックフィルム基体上にCoを主成分とす
    る強磁性金属薄膜層を有し、この強磁性金属薄膜層が2
    層以上の層からなる多層構造を有し、強磁性金属薄膜層
    のうち少なくとも一層が炭素を含有することを特徴とす
    る磁気記録媒体。
  2. (2)炭素を含む層の炭素/金属の原子比が10^−^
    8〜10^−^2である特許請求の範囲第1項に記載の
    磁気記録媒体。
  3. (3)強磁性金属薄膜層の全体の炭素/金属の原子比が
    10^−^8〜10^−^2である特許請求の範囲第1
    項または第2項に記載の磁気記録媒体。
  4. (4)前記強磁性金属薄膜層被着時の基体法線に対する
    被着物質の最小入射角が基体側の最下層設層時は50°
    以下、基体と反対側の最上層設層時は20°〜90°で
    ある特許請求の範囲第1項ないし第3項のいずれかに記
    載の磁気記録媒体。
  5. (5)強磁性金属薄膜層の最下層の基体側界面近傍の酸
    素濃度C_2を最上層の基体と反対側表面近傍の酸素濃
    度C_1で除した値C_2/C_1が0.3以下である
    特許請求の範囲第1項ないし第4項のいずれかに記載の
    磁気記録媒体。
  6. (6)最上層に隣接する層の最上層との界面近傍での酸
    素濃度C_3を最上層の基体と反対側表面近傍での酸素
    濃度C_1で除した値C_3/C_1が0.1〜3.0
    である特許請求の範囲第1項ないし第5項のいずれかに
    記載の磁気記録媒体。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JPS595420A (ja) * 1982-07-02 1984-01-12 Hitachi Condenser Co Ltd 磁気記録媒体の製造方法
JPS61145722A (ja) * 1984-12-20 1986-07-03 Hitachi Maxell Ltd 磁気記録媒体

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