JPS637100Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔技術分野〕 本考案は室内空間を有効に利用するために、不
使用時においては壁面や室内に設置された収納ボ
ツクス内にメインベツドを収納し、必要なときに
メインベツドを収納ボツクスから出して使用に供
することができる収納ベツドに関するものであ
る。

〔背景技術〕 一般に収納ベツドは、室内空間が有効に利用で
きるように、必要なときにのみメインベツドを取
り出し、不使用時には壁面に嵌め込まれたり室内
に設置された収納ボツクス内にメインベツドを収
納するものであつて、据置型のベツドのように室
内空間がベツドによつて専有されてしまうことを
防止して、寝るとき以外は室内が広く有効に使え
るようにすることを目的としている。従来よりこ
の種の収納ベツドとしては、以下に示すような各
種のものが提供されている。第１図に示すもの
は、メインベツド２がその長手方向中央部で折り
畳めるようになつた所謂中折れ式の一種であつ
て、折曲部分の下面にキヤスター２０が設けられ
て収納ボツクス１からの出し入れの操作性をよく
している。しかし、構造が複雑になるとともに、
キヤスター２０のころがり傷が床に付くという問
題がある。また、第２図に示すように、中折れ式
でキヤスター２０のないものでは、収納ボツクス
１からの出し入れの操作に手間がかかり、また収
納ボツクス１にメインベツド２を収納したときに
位置ずれが生じ易いものである。これらの中折れ
式のものではメインベツド２を折り畳むという動
作を伴うものであるから、メインベツド２の表面
側に設けたマツトレス１１が折曲部分で傷み易い
という問題を有している。これに対し、第３図に
示すように、メインベツド２を折曲せずに長手方
向の一端縁の周りに回転させるようにしたもので
は、メインベツド２を収納ボツクス１内に収納し
た状態において、メインベツド２が倒れるのを防
止するために、バランス機構が設けられている
が、それでも地震などによつてメインベツド２が
倒れ易く、安全性に問題がある。また、収納時に
おいてメインベツド２の下端部に設けられたバラ
ンス機構が露出するものであるから、外観上好ま
しいものと言えない。さらに、第４図に示すよう
に、メインベツド２の巾方向の一端縁の周りに回
転させるようにしたものでは、壁面の巾をメイン
ベツド２の長さよりも大きくとる必要があり、こ
の種の収納ベツドを必要とするような狭い部屋で
は、それだけの巾の壁面を得られないことがあ
る。上述したような従来の収納ベツドは何れも収
納時においてメインベツド２の裏面が露出するこ
とになつて、収納時の外観が劣るという問題を共
通に有している。

〔考案の目的〕

本考案は上述したような従来の収納ベツドにお
ける種々の欠点を解消することを目的とするもの
であつて、その目的を具体的に説述すれば、第１
の目的とするところは、メインベツドを収納ボツ
クス内に収納したときに、メインベツドの裏面や
バランス機構が露出しないような外観の優れた収
納ベツドを提供することにあり、第２の目的とす
るところは、収納時において地震などの振動によ
りメインベツドが収納ボツクスから倒れて出てく
ることがない安全な収納ベツドを提供することに
あり、第３の目的とするところは、メインベツド
の使用時においてメインベツドとフツトベツドと
を連結してベツド全体を構成することにより、メ
インベツドの長さを短かくしてメインベツドの出
し入れ操作を容易にした収納ベツドを提供するこ
とにある。

〔考案の開示〕

本考案はメインベツドの長手方向の一端部が収
納ボツクスに枢着され、メインベツドが収納ボツ
クス内に収まる位置と収納ボツクスから突出する
位置との間で回動自在となつた収納ベツドにおい
て、収納ボツクスの開口縁に開閉自在な扉が設け
られたことによつて、メインベツドが収納ボツク
ス内に収納された状態で収納ボツクスの開口部の
上部が扉によつて覆われるとともに、メインベツ
ドとは別体の移動自在なフツトベツドが設けられ
たことによつて、メインベツドの収納時において
収納ボツクスの下部がフツトベツドで覆われるよ
うにし、扉とフツトベツドとによつて収納ボツク
ス内のメインベツドを隠すことができ、さらにメ
インベツドを収納ボツクスから突出させた状態
で、フツトベツドがメインベツドの他端部に連結
されて収納ボツクスとフツトベツドとの間でメイ
ンベツドが略水平に支持され、メインベツドの長
さをフツトベツドの長さ分だけ短かくできる収納
ベツドを開示するものである。

（実施例） 本考案の実施例を以下、図面に基づいて説明す
る。本考案は基本的に、前面開口した縦長の収納
ボツクス１と、収納ボツクス１の開口部の下部に
一端部が枢着されたメインベツド２と、メインベ
ツド２とは独立しキヤスター１６によつて移動自
在となつたフツトベツド３とで構成され、メイン
ベツド２は立てた状態で収納ボツクス１内に収ま
る収納位置と、横に寝かせた状態で収納ボツクス
１の前方に突出する使用位置との間で回動自在で
あり、収納ボツクス１の開口縁には使用位置にお
けるメインベツド２の上面と収納ボツクス１の開
口部の上端との間を開閉する扉４が枢着され、メ
インベツド２が収納位置のときに扉４が閉じられ
るとともに扉４の下端と収納ボツクス１の開口部
の下端との間がフツトベツド３によつて覆われ、
メインベツド２が使用位置のときにメインベツド
２の他端部がフツトベツド３に連結されてメイン
ベツド２上面とフツトベツド３上面とが略面一に
連結されるとともに、収納ボツクス１とフツトベ
ツド３との間でメインベツド２が略水平に支持さ
れることを特徴とするものである。第５図および
第７図はメインベツド２が使用位置にある状態を
示す。第８図はメインベツド２が収納位置にある
状態を示す。収納ボツクス１は縦長薄箱状に形成
され、前面が開口するものであつて、通常は壁に
嵌め込まれるが室内に立設してもよい。メインベ
ツド２は荷台１０と荷台１０の表面側に載設され
たマツトレス１１とで構成され、荷台１０の一端
部が収納ボツクス１の開口縁の内側で略水平な軸
１２によつて枢支されている。メインベツド２の
収納ボツクス１側の一端には荷台１０から立ち上
がるヘツドボード１３が設けられる。荷台１０の
裏面側には通常のバランス機構１４が設けられて
おり、軸１２の周りに働くメインベツド２のモー
メントを調節している。これにより、収納位置に
おいてメインベツド２は収納ボツクス１内で立つ
た状態に保持され、メインベツド２を出し入れす
る際の負担が軽減される。ところで、メインベツ
ド２が使用位置にあるときのメインベツド２上面
と収納ボツクス１上端との間において収納ボツク
ス１の左右両開口縁には一対の扉４が枢着されて
おり、収納ボツクス１の開口部が開閉自在となつ
ている。扉４には取手１５が設けられ、また扉４
を閉じた位置で施錠できるように錠（図示せず）
が設けられている。フツトベツド３は下面にキヤ
スター１６を有するものであつて、メインベツド
２の巾に略等しい左右巾を有する。フツトベツド
３の後面には段部１７が形成されるとともに、段
部１７上面に嵌合孔１８が形成され、嵌合孔１８
にはメインベツド２の自由端部下面に突設された
突起１９が嵌合するようになつている。フツトベ
ツド３はメインベツド２に連結した状態でメイン
ベツド２上面とフツトベツド３上面とが略面一と
なる高さに形成される。

（動作） 上記実施例の動作を以下に示す。メインベツド
２の収納時においては、メインベツド２は立つた
状態に保持されており、扉４も閉じている。この
とき、バランス機構１４と扉４とによつてメイン
ベツド２の倒れ防止が二重になされる。また扉４
に施錠すればさらに確実な倒れ防止ができるもの
である。このとき、収納ボツクス１の前面下部に
はフツトベツド３が配置されて収納ボツクス１の
前面下部が覆われ、バランス機構などが隠され
る。フツトベツド３の上面とメインベツド２の上
面とは略面一であり、また扉４の下端縁はメイン
ベツド２の上面と略同じ高さであるから、フツト
ベツド３と扉４とにより収納ボツクス１の開口部
は全面に亘つて覆われ、ベツド本体２が完全に隠
されることになる。この状態でフツトベツド３を
椅子として使用でき扉４を背もたれとすることが
できる。メインベツド２を使用するにあたつて
は、フツトベツド３を移動させ、扉４を開く。フ
ツトベツド３にはキヤスター１６が設けられてい
るものであるから、簡単に移動できる。次にメイ
ンベツド２を倒して略水平になるように寝かし、
メインベツド２の自由端部下面に設けられた突起
１９をフツトベツド３の嵌合孔１８に嵌合させ
る。メインベツド２を使用位置に出した後は扉４
を閉める。このとき、メインベツド２はフツトベ
ツド３と収納ボツクス１との間で略水平に支持さ
れるのである。また、ベツドの全長がメインベツ
ド２とフツトベツド３とで構成されているもので
あるから、メインベツド２の長さをフツトベツド
３の分だけ短かくすることができ、操作がし易く
なつている。

〔考案の効果〕

本考案は上述したように、前面開口した縦長の
収納ボツクスと、収納ボツクスの開口部の下部に
一端部が枢着されたメインベツドと、メインベツ
ドとは独立しキヤスターによつて移動自在となつ
たフツトベツドとで構成され、メインベツドは立
てた状態で収納ボツクス内に収まる収納位置と、
横に寝かせた状態で収納ボツクスの前方に突出す
る使用位置との間で回動自在であり、収納ボツク
スの開口縁には使用位置におけるメインベツドの
上面と収納ボツクスの開口部の上端との間を開閉
する扉が枢着され、メインベツドが収納位置のと
きに扉が閉じられるとともに扉の下端と収納ボツ
クスの開口部の下端との間がフツトベツドによつ
て覆われ、メインベツドが使用位置のときにメイ
ンベツドの他端部がフツトベツドに連結されてメ
インベツド上面とフツトベツド上面とが略面一に
連結されるとともに、収納ボツクスとフツトベツ
ドとの間でメインベツドが略水平に支持されてい
るものであつて、収納ベツドがメインベツドとフ
ツトベツドとに分離してあり、メインベツドを起
倒自在に回動して収納ボツクスから出し入れする
ので、通常のメインベツドとフツトベツドとが一
体になつて回動して収納ボツクスから出し入れさ
れる収納ベツドに比べて、収納ボツクスの高さを
フツトベツドの大きさによつては相当に低くする
ことができる可能性があり、しかも収納ボツクス
の奥行きはメインベツドの厚みだけの寸法とすれ
ば良いので、収納ボツクスの厚みも薄くでき、従
つて収納時には収納ベツドが室内の空間をとらず
にコンパトに収納することができ、フツトベツド
の長さによつては天井の低い部屋などに収納ベツ
ドを設置しても、天井に収納ボツクスの上端がつ
かえたりせずに収まり良く室内に設置することが
できる。また、メインベツドは回動して起倒させ
るから、この種のベツドの利点であるメインベツ
ドの出し入れの容易さはそのままで、しかもフツ
トベツドはキヤスターによつて容易に移動できる
ようにしてあるから、フツトベツドとメインベツ
ドとが分離しても組立に手間どることもない。ま
た、フツトベツドは組立を考慮して移動が容易に
してあるが、収納ベツドの組立後にはメインベツ
ドと連結されているから、就眠中の人の体動によ
つてフツトベツドが移動する恐れもない。さら
に、メインベツドを立てた状態で収納ボツクス内
に収納する収納ベツドにおいて、収納ボツクスの
開口縁上部に扉を設けるとともに、扉の下端縁と
床との間における収納ボツクスの開口部を覆う移
動自在なフツトベツドを設けたので、メインベツ
ド収納時に、メインベツドが収納ボツクスの外に
露出せず、外観の優れた収納ベツドが得られるも
のであり、収納ボツクスにその開口部を塞ぐ扉を
設けているので、収納時において振動などによつ
てメインベツドが倒れるのを扉によつて防止で
き、その結果、メインベツドが不用意に転倒する
のを防止できる安全な収納ベツドを得られるとい
う利点を有する。また、フツトベツドはメインベ
ツド収納時において椅子として利用できるという
利点を有する。

【図面の簡単な説明】

第１図乃至第４図は夫々従来の各種の収納ベツ
ドの使用時から収納時への動作を示す動作説明
図、第５図は本考案の一実施例の使用時の状態を
示す側面図、第６図は同上の部分側面図、第７図
は同上の使用時の状態を示す斜視図、第８図は同
上の収納時の状態を示す側面図である。 １は収納ボツクス、２はメインベツド、３は
扉、４はフツトベツド、１６はキヤスターであ
る。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 前面開口した縦長の収納ボツクスと、収納ボツ
   クスの開口部の下部に一端部が枢着されたメイン
   ベツドと、メインベツドとは独立しキヤスターに
   よつて移動自在となつたフツトベツドとで構成さ
   れ、メインベツドは立てた状態で収納ボツクス内
   に収まる収納位置と、横に寝かせた状態で収納ボ
   ツクスの前方に突出する使用位置との間で回動自
   在であり、収納ボツクスの開口縁には使用位置に
   おけるメインベツドの上面と収納ボツクスの開口
   部の上端との間を開閉する扉が枢着され、メイン
   ベツドが収納位置のときに扉が閉じられるととも
   に扉の下端と収納ボツクスの開口部の下端との間
   がフツトベツドによつて覆われ、メインベツドが
   使用位置のときにメインベツドの他端部がフツト
   ベツドに連結されてメインベツド上面とフツトベ
   ツド上面とが略面一に連結されるとともに、収納
   ボツクスとフツトベツドとの間でメインベツドが
   略水平に支持されることを特徴とする収納ベツ
   ド。