JPS64129Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔技術分野〕 この考案は、ソフアを兼ねるベツド、すなわ
ち、ソフアベツドに関する。

〔背景技術〕

従来、ベツドとして使用される一枚のマツトを
折り曲げることによつて、ソフア（長椅子）の機
能を満たさせるようにしたソフアベツドが提供さ
れてはいる。

しかし、この従来のソフアベツドには、次のよ
うな欠点が見られる。まず、マツトを折り曲げて
ソフア（長椅子）にした場合、座部が略水平に、
そして背もたれが略垂直になつてしまうので、座
る姿勢に無理が生じ、いわゆるリクライニング的
なゆつたりした座り心地が十分楽しめないと言う
点である。つぎに、起床後、ソフアとして使用す
る時に、ベツドに敷いていた寝具を別の場所に移
動しなくてはならず、寝具の収納場所を別に必要
とすると言うスペース上の不利があつた点であ
る。

〔考案の目的〕

この考案は、上記のような従来のソフアベツド
に内在する欠点を解消することを目的とするもの
であつて、寝具の収納が簡単にできて、狭いスペ
ースでも有効に生かせ、しかも、リクライニング
が可能でゆつたりした座り心地が十分楽しめるソ
フアベツドを提供するものである。

〔考案の開示〕

上記の目的を達成するために、この考案は、左
右に側壁を有し、これらの間隔部は前部が上に開
いた箱状部、後部が台部として構成され、前記箱
状部における左右側壁内側面には、上部位置にお
いて側壁上面から下方に伸び、ついで前方に向か
う屈曲ガイド溝が、また、この屈曲ガイド溝の斜
め下となる位置において屈曲ガイド溝の下方から
前方斜め上方に向かう傾斜ガイド溝がそれぞれ形
成されたベツド本体と、前記箱状部の上面開口部
を覆うように配置され左右側面に前記屈曲ガイド
溝に滑走自在に嵌合されたガイドローラを有する
前部マツトと、その前端を前記箱状部の前端上面
に乗せた状態で前記前部マツトの直下に配置さ
れ、左右側面に前記傾斜ガイド溝に滑走自在に嵌
合されたガイドローラを有する下部マツトと、前
記台部上に配置され、前記前部マツトと同一平面
を作る後部マツトとをそれぞれ具備し、前記前部
マツトを、その前端が上になるように立て起こし
たときには、その後端が前記下部マツトの後端に
衝合されて、前部マツトが背もたれになり、下部
マツトが座部になるソフアが構成されるソフアベ
ツドを要旨とする。

以下、実施例を示す図面を参照して、この考案
を説明する。

第１図、第２図、第３図は、このソフアベツド
の使用３態様を示すものであつて、それぞれ、ベ
ツド、ソフア（長椅子）、リクライニングソフア
として使用する状態を示す。第４図は、前部マツ
トと下部マツトとを立ててベツド本体前部の箱状
部をみたところを示す。また、前記第１図、第２
図、第３図各場合の内部の状態は、第５図、第６
図、第７図にそれぞれみることができる。

ベツド本体１は、その左右に側壁１０，１０を
有し、これらの間隔部は、前部が上に開いた箱状
部１、後部が台部１２として構成されている。前
記箱状部における左右側壁１０，１０の内側面に
は、それぞれ、下記のごとき屈曲ガイド溝１３と
傾斜ガイド溝１４とが形成されている。すなわ
ち、その上部位置において、側壁１０上面から下
方に伸び、ついで前方に向かう略Ｌ字形（逆Ｌ字
形）の屈曲ガイド溝１３，１３が対称に各々設け
られ、他方、その斜め下となる位置において、前
記屈曲ガイド溝１３の下方から前方斜め上方に向
かう傾斜ガイド溝１４，１４が対称的に設けられ
ている。傾斜ガイド溝１４は、その前端において
前方に開口している。前記箱状部１１の上面開口
部は、前部マツト２で覆われ、その直下には、下
部マツト３が配置されている。下部マツト３は、
その前端３ａを箱状部１１の前端１１ａ上面に乗
せ、この前端で前部マツト２の前端２ａを受けて
いる。前部マツト２の左右側面には、その中央か
ら少し後寄りの位置にガイドローラ２０，２０が
回動自在に枢着されており、また、下部マツト３
の左右側面の後端にも、ガイドローラ３０，３０
が回動自在に枢着されている。なお、ガイドロー
ラ３０は、下部マツト３の後端部から上方に突出
形成されたローラ取付部３１に取り付けられてい
る。

前部マツト２のガイドローラ２０は、側壁１０
の上部位置に設けられた屈曲ガイド溝１３に滑走
自在に嵌合され、一方、前記下部マツト３のガイ
ドローラ３０は、側壁１０の下部に設けられた傾
斜ガイド溝１４に滑走自在に嵌合されている。第
８図は、ガイドローラ２０を屈曲ガイド溝１３に
嵌合させる様子を示している。ガイドローラ３０
を傾斜ガイド溝１４に嵌合させるのも、同様にし
て行なわれる。

箱状部１１の左右方向中央位置には、第４図に
示すように、前部上端面１５ａが前記傾斜ガイド
溝１４と同一高さで同じ傾斜角度となつた補強枠
１５が設けられている。下部マツト３の前部下面
は、補強枠１５のこの傾斜上端面によつても支持
されているのである。なお、下部マツト３の後端
３ｂは、ガイドローラ３０を介して傾斜ガイド溝
１４に支えられている。前部マツト２の後端２ｂ
は、ガイドローラ２０を介して傾斜ガイド溝１４
に支えられている。

ベツド本体１の後部位置たる台部１２は、内部
が空洞の収納箱となつており、その上面開口を閉
す蓋を兼ねる後部マツト４は、ベツド状態のと
き、前部マツト２と同一面を作り、ベツド用マツ
トとなる。

第９図は、前記後部マツト４とベツド本体１と
の連結構造を示し、マツト４の後端に取り付けら
れたヒンジ４０の自由片４０ａを、本体１の後側
面に形成された受け溝１６に差し込むと、後部マ
ツト４は、このヒンジ４０を中心にして回動する
ことができる。通常は、このようにして、収納箱
（台部１２）の開閉を行えばよいのであるが、後
部マツト４の不要時には、ヒンジ４０を溝１６か
ら引き抜けばよい。

つぎに、このソフアベツドの使い方を説明す
る。

第１図、第５図は、ベツドとして使用する際の
状態であつて、下部マツト３は前部マツト２の下
になり、前部マツト２と後部マツト４とがベツド
面たる同一面を作つている。寝具を片付けるとき
には、図に鎖線で示すように、収納箱１２の蓋部
たる後部マツト４を立て、収納箱の上面開口よ
り、折りたたんだ寝具を入れる。

第２図、第６図はソフア（長椅子）として使用
する際の状態であつて、第１図、第５図のベツド
状態より、前部マツト２の前端を持ち上げる。そ
うすると、この後端２ｂが下部マツト３の後端３
ｂに当たつて係止される。このとき、その中央よ
り少し後ろ目の部分の腹部が、後部マツト４の前
面たる傾斜突出面４ｂに当たつて係止支持され
る。このようにして背もたれが形成され、これと
ともに下部マツト３が表面に表れて座部となる。
前部マツト２を立て起す前に、寝具を後部マツト
４のところに巻いておけば（このときには、蓋４
を開けない）、立て起した前部マツト２がこの寝
具を隠すため、寝具を収納する手間も不要とな
り、好ましい。

第３図、第７図はリクライニングソフアとして
使用する際の状態であつて、第２図、第６図のソ
フア状態より、下部マツト３の先端部分を前方に
引くと、前部マツト２が自重によつて、少し下に
ずれるとともに後ろに倒れる。このとき、前部マ
ツト２のガイドローラ２０は、側壁の屈曲ガイド
溝１３の水平部を滑走し、その前端で止る。その
ため、前部マツト２は、図のような緩傾斜状態に
なるのである。

第１０図にみるように、前部マツト２の後端２
ｂにフツク２１を設けておき、前部マツト２を立
て起したときに、このフツク２１が下部マツト３
のガイドローラ３０の軸３０ａに引つ掛るように
しておけば、下部マツト３を前記のように引張つ
たときに、前部マツトの後端２ｂがこの動きに確
実に追随でき、好ましい。前部マツト２を横にす
るときには、前記フツク２１による係合は、簡単
に外れる。

前記補強枠１５の中央部分から後部は、前部マ
ツト２をその前端２ａが上になるように立て起こ
す等、前記前部マツト２の回動動作をなすとき、
その後端２ｂが当ることのないよう、曲凹部１５
ｂに形成されている。

第４図に示すように、下部マツト３を持ち上げ
ると、箱状部１１の内部に寝具等を収納すること
ができるため、従来の引き出し式の収納部に比べ
て出し入れが行い易く、かつ、収納能力が大きい
利点がある。

第１１図に示すように、ベツド本体１とは別体
のマツト１７ａ付き補助台（補助収納箱）１７を
用意しておくと、これを一つ加えることにより、
ベツド面をダブルサイズに広くすることができ
る。なお、後部マツトに前方上方に向かつて傾斜
した突出面を形成し、これと反対側の面をこの突
出面と対応する形状の傾斜面に形成すると、前部
マツト２に対する収まりや、補助台用マツトの収
まりが良くなり、ベツドとして使用するとき、就
寝時、背中に異和感が生じることがない利点があ
る。

第２図に示すように、ベツド本体１の左右側壁
１０，１０の上端面後方に孔１０ａ，１０ａを穿
設し、側面覆板１９の下面に突起１９ａ，１９ａ
を設けて、この側面覆板の突起１９ａを側壁上面
の孔１０ａに嵌入させれば、立て起した前部マツ
ト２の後側に寝具等を置いても、この左右側面覆
板１９，１９がこの寝具等の側面を隠すので、外
観の見若しさを無くす利点がある。

〔考案の効果〕

この考案にかかるソフアベツドは、以上述べた
ように構成されるため、単にベツドをソフアに兼
用させるだけでなく、就寝時使用した寝具類を起
床時、特にソフア（長椅子）として使用するとき
に、前部マツトの後部に簡単に隠して収納するこ
とができる。そのため、スペースの狭い室内でも
有効にそのスペースを利用でき、押入れ等のない
事務所での使用や、リビングルーム、または、押
入れ等を他の物品の収納に使用することを希望す
るワンルーム等には最も適している。同時に、不
意の来客があつた場合にも、ベツドからソフア
（長椅子）へ、また、ソフアからベツドへの変更
使用が即座に出来、便利である。さらに、下部マ
ツトおよび前部マツトが適度な傾斜角度でリクラ
イニングシートを作るため、ゆつたりした座り心
地が十分楽しめる等の優れた効果をも発揮するも
のである。

【図面の簡単な説明】

図面はこの考案の一実施例を示すもので、第１
図はベツド状態の斜視図、第２図はソフア（長椅
子）状態の斜視図、第３図はリクライニング状態
の斜視図、第４図は前部マツトと下部マツトをと
もに立てた状態の斜視図、第５図は第１図の側断
面図、第６図は第２図の側断面図、第７図は第３
図の側断面図、第８図は、前部マツトのガイドロ
ーラをベツド本体側壁の屈曲ガイド溝にはめ込む
ときの状態を示す斜視図、第９図は収納箱（台
部）の蓋たる後部マツトの開閉構造を示す要部斜
視図、第１０図は前部マツトと下部マツトの係合
連結構造を示す斜視図、第１１図は別の実施例を
示す縮小側断面図である。 １……ベツド本体、２……前部マツト、３……
下部マツト、４……後部マツト、１０……側壁、
１１……箱状部、１２……台部、１３……屈曲ガ
イド溝、１４……傾斜ガイド溝、２０，３０……
ガイドローラ。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 左右に側壁を有し、これらの間隔部は前部が上
   に開いた箱状部、後部が台部として構成され、前
   記箱状部における左右側壁内側面には、上部位置
   において側壁上面から下方に伸び、ついで前方に
   向かう屈曲ガイド溝が、また、この屈曲ガイド溝
   の斜め下となる位置において屈曲ガイド溝の下方
   から前方斜め上方に向かう傾斜ガイド溝がそれぞ
   れ形成されたベツド本体と、前記箱状部の上面開
   口部を覆うように配置され左右側面に前記屈曲ガ
   イド溝に滑走自在に嵌合されたガイドローラを有
   する前部マツトと、その前端を前記箱状部の前端
   上面に乗せた状態で前記前部マツトの直下に配置
   され、左右側面に前記傾斜ガイド溝に滑走自在に
   嵌合されたガイドローラを有する下部マツトと、
   前記台部上に配置され、前記前部マツトと同一平
   面を作る後部マツトとをそれぞれ具備し、前記前
   部マツトを、その前端が上になるように立て起こ
   したときには、その後端が前記下部マツトの後端
   に衝合されて、前部マツトが背もたれになり、下
   部マツトが座部になるソフアが構成されるソフア
   ベツド。