JPS636442B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は、スクレーパーアームとこれらスクレ
ーパーアームの端部側に取付けられた案内シユー
とが設けられており、これら案内シユーが、スク
レーパーアームを貫通した垂直結合素子によつて
スクレーパーアームに取りはずし可能に取付けら
れ、かつトラフ側壁の角形断面部内を通つてい
る、スクレーパーチエーンコンベヤ用のスクレー
パーに関する。

本発明においてスクレーパーチエーンコンベヤ
とは、シングルチエーンコンベヤ、インボードま
たはアウトボードダブルチエーンコンベヤを含む
ものとする。

従来のスクレーパーチエーンコンベヤにおい
て、スクレーパーはトラフ側壁を連結する底板を
摺動し且つトラフ側壁に形成された角形断面部内
を摺動するので、スクレーパーは、かなり摩耗
し、それ故にひんぱんに交換しなければならな
い。そのため、スクレーパーアームの端部側に取
付け可能でありかつ交換可能なプラスチツクキヤ
ツプを案内シユーとして有するスクレーパーがす
でに開発されている。プラスチツクキヤツプは、
目違い継ぎによつて、具体的には目違い継ぎを通
る垂直穴およびこの中に挿入された固定スリーブ
またはピンによつて、スクレーパーアームに取り
はずし可能になされているが、それぞれ遊びなし
に取付けられている。このような公知のスクレー
パー、並びに他の公知のスクレーパー、即ち案内
シユーが交換可能ではなく、スクレーパーアーム
と案内シユーが一体に構成されたスクレーパー
は、スクレーパーアームと案内シユーとの間で角
度を成して動作させようとする場合、一走行方向
においてのみ作用し得るだけである。一般にスク
レーパーアームと案内シユーは非対称に構成され
ているので、このようなスクレーパーが逆向きに
走行する際、掻き効率または搬送効率はかなり低
下する。しかしながら逆向き走行は、例えば採鉱
の際しばしば必要となる。さらに公知のスクレー
パーは、単に一つの固定的な角度だけしかもたら
さないために不利である。

同じ欠点は、側面の逃げ角度に関しても出てく
る。

本発明の課題は、両方の走行方向において自動
的に常に最適な掻き角度および逃げ角度の設定を
行い、従つて掻き効率及び搬送効率を低下させる
ことなく送り方向を逆転できる、スクレーパーチ
エーンコンベヤ用のスクレーパーを提供すること
にある。本発明によればこの課題は、初めに述べ
たようなスクレーパーにおいて次のようにして解
決される。すなわちスクレーパーアームおよび案
内シユーが軸線に対して対称に形成されており、
かつ案内シユーが結合素子によつて形成された揺
動軸線のまわりでスクレーパー平面内において
25゜〜30゜の揺動範囲だけ揺動可能なように、スク
レーパーアームに支持されており、かつ揺動した
状態において、案内シユーの走行方向前側がスク
レーパーアームと15゜〜20゜の掻き角度をなし、か
つ後側が15゜〜20゜の逃げ角度をなしている。

本発明によるこれらの処置によればまず次のよ
うな結果になる。すなわち本発明によるスクレー
パーは、軸線対称のため走行方向に応じてチエー
ン組織に取付けることができる。その点において
本発明によるスクレーパーは特に組立易い。その
上前進および後退の際、常に自動的に所定の掻き
角度および所定の逃げ角度が生じ、すなわちスク
レーパーアーム上において案内シユーが相応して
揺動する場合に生じる。掻き角度および逃げ角度
の自動的な設定によつて一定の始動トルクが生じ
る。なぜならスクレーパーアームにおける案内シ
ユーは、スクレーパー走行方向に応じていわばた
わむように揺動でき、また送り材料に依存して初
期位置と最大揺動位置との間において、最終位置
に達するまで、従つて走行方向に依存して案内シ
ユーの完全な揺動が行われるまで転向できるから
である。何れの場合にも、案内シユーがスクレー
パーアームに回動可能に取付けられているので、
コンベヤは前進後退の何れの方向にも走行可能で
ある。

本発明の望ましい実施例によればさらに案内シ
ユーが、垂直揺動軸線に対して垂直にかつ走行方
向に対して横向きに延びた水平揺動軸線のまわり
で、カルダン継手を形成して揺動可能なようにス
クレーパーアームに支持されているようになつて
いる。案内シユーのカルダン支持によれば、最適
な摺き角度および逃げ角度の達成の他に、凹所お
よび突出部を通過する際に、個々のトラフ板間の
突き合せ接続部においてトラフ面にスクレーパー
を合わせることができる。公知のようにこのよう
な凹所および突出部は、突き合せ位置の範囲にお
ける個々のトラフ板間の折れ曲がりによつて生
じ、これら突き合せ位置にカルダン支持により案
内シユーを合わせることができるので、これら危
険な範囲においても本発明によるスクレーパーに
対して支障ない案内が保証されている。この時実
際には突き合せ範囲においてなめらかな移行が行
われる。

本発明の主要な別の特徴は次のようになつてい
る。すなわち本発明によれば、スクレーパーアー
ムが、案内シユーを取付けるため端部側に多角形
鼻端を持ち、かつ案内シユーが、多角形鼻端より
も大きな断面を有する多角形切欠きを持ち、それ
により案内シユーとスクレーパーアームとの間に
所定の遊びが形成されている。この遊びは、常に
多角形鼻端の多角形面と多角形切欠きの多角形面
とが互いに接するように選定されている。それに
より案内シユーは、いわば多角形鼻端においてス
クレーパーの走行方向に対して横向きに水平揺動
軸線のまわりで時計方向またはその逆にころが
る。さらに本発明によれば、多角形鼻端が、案内
シユー内に取付けられた結合素子のための通口を
有し、これら通口の断面が、結合素子の断面より
も大きく選定されており、それにより結合素子
が、所定の遊びを持つて通口を通つていることは
望ましい。このようにしてスクレーパーアームに
おける案内シユーの比較的簡単な支持および取り
はずし可能な結合は、カルダン継手を実現して行
われる。角形側断面における横向き負荷を支障な
く吸収できるようにするため、本発明によれば通
口が走行方向に対して横向きに延びた長穴とし
て、多角形鼻端の端部が継手ヘツドとして、また
いちばん深い所において案内シユーの多角形切欠
きが継手受けとして形成されている。それにより
本発明によるスクレーパーは、スクレーパーアー
ムにおける案内シユーのカルダン支持を害するこ
となく、極端な横向き応力でさえ補償することが
できる。さらに結合素子がシヤーピンまたはスリ
ーブとして形成されており、かつ選定破損点を形
成していると有利である。それにより過負荷の際
常にスクレーパーアームの曲がりを防ぐようにす
る。スクレーパーアームにおける案内シユーの揺
動範囲は、特別の止め部によつて制限できる。案
内シユーは、特に応力に対して強い材料から作ら
れ、この材料は、例えばクロム硬化マンガンのよ
うに、高度な耐久性および延性において優れてい
る。

本発明により得られる利点は大体において次の
点にある。すなわちシングルチエーンコンベヤ、
インボードまたはアウトボードダブルチエーンコ
ンベヤのためのスクレーパーが実現でき、このス
クレーパーは、両方のスクレーパー走行方向にお
いて常に最適な掻き角度および逃げ角度において
優れている。なぜなら案内シユーが揺動可能であ
り、また有利な構成によればスクレーパーアーム
にカルダン式に支持されており、またそれ故に走
行方向に応じて掻き角度および逃げ角度が自動的
に設定できるからである。さらに案内シユーが支
障なく案内され、またスクレーパーは、トラフ板
間の突き合せ範囲において凹所および突出部が屈
曲部をもたらし、それを通過しなければならない
場合であつても、トラフ側壁断面に順応する。さ
らに本発明によるスクレーパーによれば、送り方
向の逆転が可能なので、最適な掻き効率、または
搬送効率を維持しながら、例えば長壁採炭の際の
ように前進送りおよび後退送りを行うことができ
る。

本発明の実施例を以下図面によつて説明する。

図にスクレーパーチエーンコンベヤ用のスクレ
ーパー１が示されており、このスクレーパー１
は、スクレーパーアーム２およびこれらスクレー
パーアーム２の端部側に取付けられた案内シユー
３を有し、これら案内シユーは、スクレーパーア
ーム２を貫通した垂直結合素子４によつてスクレ
ーパーアーム２の取はずし可能に取付けられてお
り、かつコンベヤトラフの側壁５の角形断面部内
を通つている。両側のトラフ側壁は底板６によつ
て結合されている。図示されたスクレーパー１
は、シングルチエーンコンベヤのためのものであ
り、このチエーンコンベヤは、底板６の中央で動
くチエーン７を有し、スクレーパー１はこのチエ
ーン７にヨーク８によつて取付けられている。し
かし基本的にスクレーパー１は、インボード又は
アウトボードダブルチエーンコンベヤに同様に使
用するようになされている。スクレーパーアーム
２および案内シユー３は、軸線に対して対称に形
成されている。すなわち第２図に示すようにスク
レーパー走行方向に延びた中心軸線Ｘに関して対
称に、またこれに対してスクレーパーアーム２の
長手方向に延びた横向き軸線Ｙに対して対称に形
成されている。案内シユー３は、結合素子４によ
つて形成された揺動軸線９のまわりでスクレーパ
ー平面内において所定の揺動範囲Ｓ（好ましくは
25゜〜30゜）だけ揺動可能なように、スクレーパー
アーム２に支持されている。コンベヤチエーン７
が始動するとき、案内シユー３は揺動可能に支持
されているので、中央位置から走行方向とは逆に
揺動範囲Ｓの半分だけ揺動する。この揺動した状
態において、第２図に示した案内シユー３の逆向
き揺動により、自動的に、走行方向の前側に掻き
角度αおよび後方に逃げ角度βが生じる。掻き角
度αは、いわばコンベヤチエーンの走行方向にお
ける案内シユーの配列、従つて掻き効率を決定す
る。なぜならスクレーパーは、送り物質を自身の
前へ押し、かつトラフ底板上で掻くからである。
逃げ角度βは、案内シユー、従つてスクレーパー
がコンベヤトラフの側壁５または角形断面部にく
い込むことがないようにするため必要である。逃
げ角とは、角形断面部に対する案内シユーの接触
または案内面と案内シユーの側面との間の角度で
あり、その際実際には逃げ面、従つて角形断面部
には接触しない逃げ面が問題になる。掻き角と逃
げ角の自動的な設定は、コンベヤチエーンを駆動
した場合、案内シユーの間、トラフ底板内および
角形断面部の摩擦の状態に基づいて行われる。通
常掻き角度αおよび逃げ角度βは15゜〜20゜であ
る。さらに案内シユー３は、垂直揺動軸線９に対
して直角にかつ走行方向に対して横向きに延びた
揺動軸線１０のまわりで、カルダン継手を形成し
て揺動可能なようにスクレーパーアーム２に支持
されている。スクレーパーアーム２は、案内シユ
ー３を取付けるため端部側に多角形鼻端１１を持
ち、かつ案内シユー３は、多角形鼻端１１よりも
大きな断面を有する多角形切欠きを持つている。
それにより案内シユー３とスクレーパーアーム２
の間に所定の遊びが形成されている。多角形鼻端
１１は、案内シユー内に取付けられた結合素子４
のための通口１３を持ち、これら通口の断面は、
結合素子の断面よりも大きく選定されている。そ
れにより結合素子４は、所定の遊びを持つて通口
１３を通つている。しかし本発明の有利な構成に
よれば、その逆に案内シユー３が多角形切欠き１
２の範囲において上側および下側に、多角形鼻端
１１内に取付けられた結合素子４のための通口１
３を持つていてもよい。図示されていないこの構
成において案内シユー３の上側および下側にある
通口の断面は、同様に結合素子４の断面よりも大
きく選定されている。どちらの場合にも通口１３
は走行方向に対して横向きに延びた長穴として、
多角形鼻端１１の端部は継手ヘツド１４として、
またいちばん深い所において案内シユー３の多角
切欠き１２は継手受け１５として構成されてい
る。従つて横向き応力の生じた際、長穴案内のた
め案内シユー３は、継手ヘツド１４が継手受け１
５に接し、それ故に大きな横向き力の吸収に適す
るように、スクレーパーアーム２押付けられる。
スクレーパーアーム２における案内シユー３の揺
動範囲は、図示された止め部１６によつて制限さ
れている。結合素子４は、シヤーピンまたはスリ
ーブとして形成されており、故意に弱くした断面
または意図的に形成した弱い点である「選定破損
点」を形成している。過度の負荷を受けた場合、
ここから破損が生じる。案内シユー３の少なくと
も上側にある突起１７は、大きなＵ字形切欠き１
８内にはまつており、走行方向に対して横向きに
延びたこの切欠きのＵ字形脚部が、突起１７に、
従つて案内シユー３に対する止め部１６を形成し
ている。

【図面の簡単な説明】

第１図は、概略的に示したコンベヤトラフと共
に本発明によるスクレーパーの一部を示す垂直断
面図、第２図は、第１図による対称の平面図、第
３図は、第２図による対称のＡ−Ａ線に沿つた垂
直断面図である。なお、図示された主要部と符号
との対応関係は以下の通りである。 １……スクレーパー、２……スクレーパーアー
ム、３……案内シユー、４……結合素子、１１…
…多角形鼻端、１２……多角形切欠き、１３……
通口、１４……継手ヘツド、１５……継手受け、
１６……止め部、１７……突起、１８……切欠
き。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ スクレーパーアームとこれらスクレーパーア
   ームの端部側に取付けられた案内シユーとが設け
   られており、これら案内シユーが、スクレーパー
   アームを貫通した垂直結合素子によつてスクレー
   パーアームに取りはずし可能に取付けられ、かつ
   トラフ側壁の角形断面部内を通つているスクレー
   パーチエーンコンベヤ用のスクレーパーにおい
   て、スクレーパーアーム２及び案内シユー３が軸
   線に対して対称に形成されており、かつ案内シユ
   ー３が、結合素子によつて形成された揺動軸線９
   のまわりでスクレーパ平面内において25゜〜30゜の
   揺動範囲Ｓだけ揺動可能なように、スクレーパー
   アーム２に支持されており、かつ揺動した状態に
   おいて、案内シユーの走行方向前側がスクレーパ
   ーアーム２と15゜〜20゜の掻き角度αをなし、かつ
   後側が15゜〜20゜の逃げ角度βをなしていることを
   特徴とするスクレーパーチエーンコンベヤ用のス
   クレーパー。 ２ 案内シユー３が、垂直揺動軸線９に対して垂
   直にかつ走行方向に対して横向きに延びた水平揺
   動軸線１０のまわりで、カルダン継手を形成して
   揺動可能なようにスクレーパーアーム２に支持さ
   れている。特許請求の範囲１記載のスクレーパ
   ー。 ３ スクレーパーアーム２が、案内シユー３を取
   付けるため端部側に多角形鼻端１１を持ち、かつ
   案内シユー３が、多角形鼻端１１よりも大きな断
   面を有する多角形切欠き１２を持ち、それにより
   案内シユー３とスクレーパーアーム２との間に所
   定の遊びが形成されている、特許請求の範囲１ま
   たは２記載のスクレーパー。 ４ 多角形鼻端１１が、案内シユー３に取付けら
   れた結合素子４のため通口１３を有し、これら通
   口の断面が、結合素子４の断面よりも大きく選定
   されており、それにより結合素子４が、所定の遊
   びを持つて通口１３を通つている、特許請求の範
   囲１ないし３の１つに記載のスクレーパー。 ５ 案内シユー３が、多角形切欠き１２の範囲に
   おいて上側および下側に、多角形鼻端１１内に取
   付けられた結合素子４のための通口を有し、これ
   ら通口の断面が結合素子の断面よりも大きく選定
   されており、それにより結合素子４が、所定の遊
   びを持つて通口を通つている、特許請求の範囲１
   ないし３の１つに記載のスクレーパー。 ６ 通口１３が走行方向に対して横向きに延びた
   長穴として、多角形鼻端１１の端部が継手ヘツド
   １４として、また、いちばん深い所において案内
   シユー３の多角形切欠き１２が継手受け１５とし
   て形成されている、特許請求の範囲１ないし５の
   １つに記載のスクレーパー。 ７ 結合素子４がシヤーピンまたはスリーブとし
   て形成されており、かつ選定破損点を形成してい
   る、特許請求の範囲１ないし６の１つに記載のス
   クレーパー。 ８ スクレーパーアーム２において案内シユー３
   の揺動範囲が、止め部１６によつて制限されてい
   る、特許請求の範囲１ないし７の１つに記載のス
   クレーパー。 ９ 案内シユー３の少なくとも上側にある突起１
   ７が、スクレーパーアーム２のＵ字形切欠き１８
   内にはまつており、走行方向に対して横向きに延
   びたこの切欠きのＵ字形脚部が、突起１７に対す
   る止め部１６を形成している、特許請求の範囲１
   ないし８の１つに記載のスクレーパー。