JPS636248B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は、フイルタ素子用のバイパスを設けた
液体流路用の着脱自在なフイルタに関し、さらに
詳細には牛の乳腺炎を検出するための着脱自在な
フイルタに関する。本発明を用いる場合、このフ
イルタは搾乳装置のミルク流路に装着され、乳腺
炎に罹つた牛からのミルクに特徴的であるミルク
凝固物の存在を検出するよう作用する。別々のフ
イルタを各搾乳装置につき使用して、各々の牛か
らのミルクを別々に監視する。

フイルタ素子用のバイパスを有する着脱自在な
フイルタは公知である。しかしながら、この種の
公知フイルタにおいては、流路の１部をフイルタ
本体の包囲に延在させる一方、フイルタ素子はフ
イルタ本体内に収容される。

本発明の目的は、バイパスをフイルタ本体内部
に設けたフイルタを提供することである。

従つて、本発明は、着脱自在なフイルタ部材を
収容する中空フイルタ本体を備えかつフイルタ素
子用のバイパスを設けてなり、前記着脱自在なフ
イルタ部材は一体的な成型構造を有して、前記フ
イルタ素子を保持する部分と前記バイパスを画成
する開口部の部分とで構成したことを特徴とする
液体流路用の着脱自在なフイルタを提供する。

便利には、着脱自在なフイルタ部材をスライド
部材で構成して、これにフイルタ素子とバイパス
開口部とを設ける。

この種の着脱自在なフイルタの一例において、
平らな円形の中空本体部分はスライド部材を受入
れる側部スロツトを有する。このスライド部材に
はその上面と底面にＯ−リングシールを設け、か
つスライド部材が前記スロツト中に装着された際
本体部分内で自己封止を行うようスロツトには内
部方向にテーパをつける。

別の例において、着脱自在なフイルタはスライ
ド部材を受入れるスロツトを持つた中空本体を備
え、かつスライド部はスロツト中に装着された際
スロツトの一つの横断面でスロツト面の全体と連
携する周方向のＯ−リングを備えて封止を行う。

採乳用の家畜については、乳腺炎を回避するに
は不断の検査を必要とする。乳腺炎により動物か
ら採取されるミルク中に凝固物が生ずる前に、乳
腺炎の存在を検査する試験がある。ミルク中の凝
固物の存在は乳腺炎の一つの徴候であつて、搾乳
に際し容易に継続監視し得る徴候である。本発明
は、搾乳時にミルク凝固物を検出するためのフイ
ルタを提供する。この種の別々のフイルタを搾乳
中のそれぞれの牛につき使用して、全ゆるミルク
凝固物の発生源を明らかにする。バイパス開口部
が各フイルタ内に設けられているため、フイルタ
素子自体又は全てのフイルタがミルク凝固物によ
つて遮断されるような場合にも搾乳路は遮断され
ず、かつ減圧は失われない。

さらに、本発明は液体流路に減圧をかけてミル
クを流動させかつフイルタ素子上に残留するミル
ク凝固物を監視するため前記液体流路に装着する
ミルク凝固物検出用の着脱自在なフイルタをも含
む。

以下、添付図面を参照して本発明を実施例につ
き詳細に説明する。

第１図を参照して着脱自在なフイルタは平たい
円形の中空フイルタ本体１からなり、その一側部
にスロツト２を備えてスライド部材３からなる着
脱自在なフイルタ部材を収容する。スライド部材
３は、矢印５の方向に本体１のスロツト２中へ挿
入される。スロツト２は内方向にテーパのついた
上面および底面を有し、スライド部材３は、スラ
イド部材３の上面と底面とにＯ−リングを設ける
ことにより、挿入された際に自己封止を行い、上
面のＯ−リングのみを参照符号４で示す。両Ｏ−
リングは、円形溝部中に配置保持することにより
スライド面内に固定される。

フイルタ本体１は透明プラスチツク材料で作成
されてスライド部材が取付け位置にある際フイル
タ素子を検査することができる。

フイルタ本体１は、その上面および底面にそれ
ぞれ入口および出口パイプ７及び８を連結するた
めの逆向きの角度を持つたカラー部を備える。

スライド部材３は円形リングとして成形された
一体成形の着脱自在な部材であつて、ブリツジ１
１により大小二つの開口部に分けられ、大きい方
の開口部によりフイルタ素子９を保持する一方、
小さい方の開口部によりバイパス開口部１２を画
成する。スライド部材３はさらに突出した取つ手
１０を有し、これによつてスライド部材３をフイ
ルタ本体１に着脱することができる。

第１図に示すフイルタの一般的形態において、
フイルタ素子９の性質はフイルタの用途に応じて
被覆され、もしくは被覆されていない金網、或い
はプラスチツク網、或いは有孔もしくは発泡シー
トまたは担体に保持された消耗部品とすることが
できる。

乳腺炎検出器として使用する目的の特定の実施
例では、本体１を清浄なナイロンプラスチツク材
料で作成して透明である。スライド部材３は、例
えばPPO又はABSのような樹脂材料で作成され
る。本体１は、入口及び出口パイプの端部間の長
さが約85mmであり、かつ全直径が約65mmである。
ミルク導管の入口及び出口パイプ７及び８は直径
１８mmである。フイルタ素子９は面積約11cm²のP.
T.F.E.被覆されたステンレス鋼金網であつて、メ
ツシユ寸法が約150ミクロンである。バイパス開
口部１２の面積は入口及び出口バイパス７及び８
並びに搾乳導管の断面積と等しい。Ｏ−リング４
はニトリル材料で作成される。

使用に際し、慣用の各搾乳装置のミルク導管を
適当な個所で切断する。第１図のフイルタを、ミ
ルク導管の前記切断端部をパイプ７及び８まで延
ばして挿入し、ミルクの流れをパイプ７から流入
させかつパイプ８から流出させるようにする。ス
ライド部材３を挿入した際、フイルタ素子９は第
１図に示すようにカラー部６の右側の透明部分に
て透明フイルタ本体１を通して見ることができ
る。

P.H.F.E.被覆により、フイルタ素子９は黒色の
外観を呈し、ミルク凝固物を容易に検出すること
ができる。もしフイルタの金網面が完全に閉塞さ
れると（特にこの状態で）、ミルクはバイパス開
口部１２を通つて流れるため、ミルク導管は閉塞
フイルタ素子により遮断されることがない。バイ
パス開口部１２が存在するので、牛も搾乳操作も
共にフイルタ素子の閉塞によつて影響を受けず、
特に吸引の喪失により乳頭カツプが牛から落ちる
ことがない。

第１図による別々のフイルタを各搾乳装置で使
用する。これにより、フイルタ中のミルク凝固物
の存在は、対応する搾乳装置における特定の牛と
特異的に相関する。

第２図において、着脱自在なフイルタは、スラ
イド部材２３を受入れるためのスロツト２２を備
えた平らな中空フイルタ本体２１で構成される。
第２図を参照して、スロツト２２は最上部の位置
にある。図中、本体２１の上方に示したスライド
部材２３を矢印２５で示すように下方に挿入す
る。

スライド部材２３は、溝内に設置されかつスラ
イド部材２３の周囲に延在するＯ−リング２４を
有するので、スライド部材２３をスロツト２２中
へ挿入した際にＯ−リング２４がスロツトの全内
面と連携してこのスロツトの一つの横断面で封止
を行う。

フイルタ本体２１は透明プラスチツク材料で作
成されているため、スライド部材２３を取付けた
際にフイルタ素子を検査することができる。

フイルタ本体２１は液体流路の可撓性ホースに
連結する短管パイプ２７及び２８を有し、フイル
タを容易に流路中に挿入できる。短管パイプ２７
及び２８は本体２１の対向側部に接続されて両者
間の接続をフイルタ素子を介して行う短管パイプ
２７及び２８は共通の軸線上になく、それぞれ各
側部に偏つており、パイプ２７につき参照符号２
６で示すように重なり部分を形成する。この特徴
を以下さらに詳細に説明する。

第２図を参照して、このフイルタの実施例は、
フイルタ素子２９を内部に成形したほぼ矩形のス
ライド部材２３からなる着脱自在な部材を備えて
いることがわかる。第１図の実施例と同様にフイ
ルタ素子２９の材料はフイルタの用途に依存す
る。

スライド部材２３は縦型の取つ手３０を有し、
これによつてスライド部材をスロツト２２に対し
着脱すると共に、スライド部材２３及び本体２１
を組立てた際にスロツト２２からＯ−リング２４
を越えて突出する。

短管パイプ２７及び２８の端部に対応し、スラ
イド部材２３の枠体を参照符号３４の個所で切除
して短管パイプ２７及び２８自体とほぼ同じ断面
積の自由通路をフイルタ素子２９に対し形成す
る。さらに、短管パイプ２７及び２８の延長部分
３３も、フイルタ自体が流路に沿つた液体の流れ
を最小限にしか制限しないよう確保する。

スライド部材２３の枠体は、図面に示すよう
に、本体２１の湾曲下表面の内側に隣接する一体
成形されたストツパ３５を有する。ストツパ３５
の両側で枠体の表面３６を切除して、スライド枠
体と本体との間に狭い通路を設ける。この構成の
目的については以下に説明する。

スライド部材２３のフイルタ素子２９は、スラ
イド部材２３に一体成形された内枠３１により形
成した中央の長形バイパス開口部を有する。枠体
３１の壁部高さは、スロツト２２の内面に対し周
方向の空隙を決定し、この空隙面積が短管パイプ
２７及び２８の面積とほぼ一致しかつバイパス開
口部３２の断面積とも等しくなるようにする。か
くして、短管パイプの内側穴部と参照符号３３，
３４の位置及び２６の位置における入口開口部と
バイパス内枠３１の両側の空隙とバイパス開口部
３２とは全てほぼ同じ断面積となる。

使用に際し、第２図のフイルタを搾乳装置のミ
ルク流路内に挿入する。全てのミルク凝固物がフ
イルタ素子２９の上流側の表面に集まる。しかし
ながら、たとえフイルタの表面が閉塞されたとし
ても、前記フイルタ開口部とバイパス開口部との
配設によつてミルクの流れは制限されない。搾乳
導管の減圧が低下しないので、搾乳中の牛から乳
頭カツプが離脱することはない。

第２図による別々のフイルタを各搾乳装置で使
用する。このようにするとフイルタ中の凝固物の
存在は、対応する搾乳装置における特定の牛と特
異的に相関する。

第２図の乳腺炎検出器について好ましいフイル
タ素子２９は発泡加工金属である。この材料は好
ましい方向性を有する。この材料を透して斜めか
ら肉眼検査すると判るように、ある方向性では金
属の領域がこの材料を通して見る視界をさえぎる
のに対し、180゜の方向性においては金属領域の縁
部によつてのみ視野がさえぎられる。発泡加工金
属のフイルタ素子２９はスライド部材２３内に成
形加工され、素子を通過する斜方向の液体の流れ
が上記のようにはさえぎられない方向性になるよ
うにする。この方向性にすることにより、凝固物
がフイルタ素子表面に運搬保持されかつ洗い流さ
れることがなく、またバイパス開口部３２を通つ
て流れないよう確保される。さらに、バイパス開
口部３２の周囲の内壁３１は、ミルク凝固物が洗
い流されるのを防止する。

発泡加工金属のフイルタ素子をスライド部材２
３中へ成形加工することにより方向性が一定とな
り、かつスライド部材２３をスロツト２２中に挿
入するという意味で形成した上流側表面とは無関
係に正確となり、またミルク導管中のパイプ２７
とパイプ２８とに関しフイルタを逆向きにしても
正確になる。

前記の説明においてストツパ３５及びスライド
部材２３とスロツト２２の内側湾曲表面との間の
通路３６につき言及した。搾乳後にミルク導管を
洗浄する際、フイルタも同時に洗浄される。通路
３６は、２個のフイルタ部材の間に洗浄液が到達
しえない割れ目を残さないよう確保する。

さらに、スライド枠体の壁部には、Ｏ−リング
２４を保持する溝部に直接隣接するスロツト２２
の内側表面からテーパを付ける。この特徴によ
り、Ｏ−リングシールの内側表面でミルク導管の
洗浄中の効果的な浄化を妨げるような割れ目が生
ずるのを防止する。

通路３６は、ストツパ３５がなくても得ること
ができる。例えば、スライド部材２３には本体２
１と接触するリング２４の上方にシヨルダ（図示
せず）を形成し、これによりスライド部材２３は
通路３６の所要幅だけスロツト２２の端部から離
間する。

Ｏ−リングシール４及び２４につき説明した
が、その他の任意適当なシールを使用することも
できる。スライド部材３及び２３は、封止材料自
身で作成してもよく、その場合は別のシールを必
要とせず、スライド部材３及び２３が本体１及び
２１と連携してシールを形成する。

【図面の簡単な説明】

第１図は搾乳時に乳腺炎検出器として使用する
着脱自在なフイルタの斜視図、第２図は搾乳時に
乳腺炎検出器として使用し、フイルタ本体とスラ
イド部材とを分離して示した着脱自在なフイルタ
の別の実施例の斜視図である。 １……中空フイルタ本体、２……スロツト、３
……スライド部材、４……上面Ｏ−リング、５…
…挿入方向、６……カラー部、７……入口パイ
プ、８……出口パイプ、９……フイルタ素子、１
０……取つ手、１１……ブリツジ、１２……バイ
パス開口部、２１……中空フイルタ本体、２２…
…スロツト、２３……スライド部材、２４……Ｏ
−リング、２５……挿入方向、２６……重なり部
分、２７……短管パイプ、２８……短管パイプ、
２９……フイルタ素子、３０……取つ手、３１…
…内枠、３２……バイパス開口部、３３……パイ
プ延長部分、３４……枠体切取位置、３５……ス
トツパ、３６……通路。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 着脱自在なフイルタ部材を収容する中空フイ
   ルタ本体を備えかつフイルタ素子用のバイパスを
   設けてなり、前記着脱自在なフイルタ部材は一体
   的な成型構造を有して、前記フイルタ素子を保持
   する部分と前記バイパスを画成する開口部の部分
   とで構成したことを特徴とする液体流路用の着脱
   自在なフイルタ。 ２ 中空フイルタ本体がスロツトを備え、かつ着
   脱自在なフイルタ部材がフイルタ素子とバイパス
   開口部とを備えたスライド部材であつてさらに封
   止手段をも備え、前記フイルタ本体のスロツト中
   に挿入した際にスライド部材が自己封止されるこ
   とを特徴とする特許請求の範囲第１項記載のフイ
   ルタ。 ３ 封止手段がリングシールからなり、スロツト
   の一断面にてスロツト面の全体と連携して封止す
   るよう配置されてなる特許請求の範囲第２項記載
   のフイルタ。 ４ 封止手段が一対のリングシールからなり、こ
   れらをスライド部材の対向面にそれぞれ配置して
   なる特許請求の範囲第２項記載のフイルタ。 ５ バイパス開口部を着脱自在なフイルタ部材に
   そのフイルタ素子の一側部に対し形成してなる特
   許請求の範囲第１項記載のフイルタ。 ６ バイパスをフイルタ素子により囲繞してなる
   特許請求の範囲第１項記載のフイルタ。 ７ 中空フイルタ本体に入口導管と出口導管とを
   設け、フイルタ素子を発泡シート材料で形成する
   と共に、このフイルタ素子の領域により前記両導
   管の連結直線ラインを監視するよう構成してなる
   特許請求の範囲第１項記載のフイルタ。 ８ バイパス開口部の少なくとも１部によつて
   も、両導管の連結直線ラインを監視するよう構成
   してなる特許請求の範囲第７項記載のフイルタ。 ９ 中空フイルタ本体が透明であつてフイルタ素
   子の監視を可能にする特許請求の範囲第１項記載
   のフイルタ。 １０ 入口導管と出口導管とバイパス開口部とが
   実質的に等しい断面を有する特許請求の範囲第７
   項記載のフイルタ。 １１ 液体流路に減圧をかけてミルクを流動さ
   せ、フイルタ素子上に残留するミルク凝固物を監
   視することによりミルク凝固物を検出するための
   前記液体流路に装着する特許請求の範囲第１項記
   載のフイルタ。