JPS6361080B2 - - Google Patents

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JPS6361080B2
JPS6361080B2 JP3166080A JP3166080A JPS6361080B2 JP S6361080 B2 JPS6361080 B2 JP S6361080B2 JP 3166080 A JP3166080 A JP 3166080A JP 3166080 A JP3166080 A JP 3166080A JP S6361080 B2 JPS6361080 B2 JP S6361080B2
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Description

【発明の詳細な説明】 本発明は、工業用あるいは、家庭用の給排水の
通水管あるいは、冷却水を使用する電気機器の熱
交換部の壁面に生じる錆および付着スケール防止
のための水処理方法に関するものである。
近年、産業界を始め各家庭においても水の需要
は増大してきており、水資源の枯渇が叫ばれるよ
うになつて久しい。このため、かなり低質の水も
活用されるようになつており、各種機械の冷却や
洗浄用の水は循環再使用されることが多い。
ところで、一般に水中には無機塩類がかなり含
まれており、工場、ビル、家庭での給排水配管
や、熱交換器、ボイラー、クーリングタワーなど
の通水部分には、錆や付着スケール等が生成され
る。これらが生成すると、圧力損失の増加、流量
の低下、配管の腐蝕、熱効率の低下など種々の障
害をもたらす。それ故に水の供給に際しては、錆
や付着スケール等が生成しないように適切に水を
処理することが要望される。
なお、本明細書において、管壁等に強固に付着
したスケールは「付着スケール」と称し、水中に
浮遊しているだけの「浮遊スケール」と区別す
る。
従来、この要望に鑑みて、例えば特開昭49−
32463、同48−44168、同51−4855各公報などにあ
るように、各種原理による水処理方法が提案され
ている。水の電気分解を利用した従来の水処理方
法においては、 2H2O+2e-→H2+2OH- の反応により生じたOH-イオンによつて陰極付
近の水をアルカリ性とし、強い電界の中でカルサ
イト結晶の炭酸カルシウム(CaCO3)を水中に
析出させることにより、管壁等への炭酸カルシウ
ムの付着を防ぐという方法がとられている。
しかし、上記のようなの従来の方法において
は、水の分解電圧以上の高い電圧を印加して、大
きい電流を電極間に流しているので、付着スケー
ル防止のための消費エネルギーが非常に大きくな
り、装置全体のエネルギー効率が低下するだかり
か、カルサイト結晶の炭酸カルシウムは基本的に
結晶粒が粗大で硬く、管壁に強固に付着しやすい
ので効果的に付着スケールの防止を行うことがで
きなかつた。
この発明は、かかる点に鑑みてなされたもので
あり、水の電気分解電圧以下の特定の範囲の直流
電圧を印加することにより、溶存酸素を還元して
OH-基を発生させ、陰極付近をアルカリ性にす
るとともに、冷却水などの処理すべき水に含まれ
るカルシウム等を、結晶径が小さく、しかも柔ら
かくて、水中に懸濁浮遊する結晶として析出さ
せ、水の電気分解以上の電圧を印加した場合のよ
うに結晶径が大きく、かつ硬い結晶が析出して、
通水管の壁面に堅固に付着、蓄積するのを防ぎ、
付着スケールや錆の生成を効果的に防止できる水
処理方法を提供することを目的とするものであ
る。
即ち、本発明では、通水管内に陽極と陰極とを
配置し、前記両極間に溶存酸素を含む処理すべき
水を流すとともに、この処理すべき水に前記両極
を介して直流電圧を印加する錆および付着スケー
ル防止のための水処理方法において、前記陽極を
酸素の標準電極電位よりも低い標準電極電位の金
属材料で構成し、前記直流電圧として、水の電気
分解が起こる分極電圧以下の直流電圧であつて、
かつ前記陽極の電流密度が4.0μA/cm2〜4.5μA/
cm2となる直流電圧を印加することによつて前述の
目的を達成したものである。
次に、本発明の方法を実施するための水処理器
の一例を第1図および第2図に基づいて以下に述
べる。
第1図は第2図のブロツク図に示される水処理
器101の断面図である。図において、1は金属
外筒、2はこの金属外筒1内に配置した金属内筒
で、この金属外筒1および金属内筒2は、同心円
状に一定の間隔をもつて配置されている。
金属外筒1は、工業用などの給排水、あるいは
電気機器の冷却水などの処理すべき水を水処理器
内に流入する流入口41および流出させる流出口
42を有し、さらにその内壁には、全面に亘つて
電極となる例えば亜鉛メツキ層が形成されてい
る。
金属内筒2は、ここでは腐蝕し難い例えばステ
ンレス鋼で構成されており、この金属内筒2自体
が金属外筒1に対向するもう一方の電極としての
役目をしている。
金属外筒1の右端は、側板5に例えば溶接等の
手段によつて水密的に取付けられ、また金属内筒
2の右端は金属内筒2の外径にほぼ等しい径の支
持部61をもつた絶縁物側板6によつて閉鎖支持
されている。金属外筒1の左端は、リング状のホ
ールダ7に例えば溶接等の手段で水密的支持さ
れ、また、金属内筒2の左端は、絶縁物で構成さ
れる上蓋8の内側面の中央部に突出する突出部8
1に嵌合して閉鎖支持されている。
ホールダ7はシール用のOリング91を介して
ボルト92によつて上蓋81に結合している。上
蓋8の外面側には、電源部82がはめ込んで内装
され、又は一体にモールドして構成されている。
電源部82と電極のひとつを構成している内筒2
とは、波バネ83及びリード線84を介して電気
的に接続されている。波バネ83は、突出部81
に嵌合した電極たる金属内筒2の寸法誤差(上蓋
8の内側面との間隙の大小)を吸収し、かつ、確
実に電気接触させる役目を果す。電源部82と金
属外筒1の内面側に形成した電極部とは、リード
線85及びボルト92を介して互に電気接続され
ている。
なお、ここでは、金属内筒2は陽極、金属外筒
1が陰極となるように電源部82に接続してあ
る。これにより、電源部82から出力され直流低
電圧は、電極となる金属外筒1と金属内筒2との
間を通る水に印加される。
このように構成された水処理器101は、例え
ば、第2図に示すように循環する冷却水の通水管
系内に取付けられる。
第2図において、201はクーラあるいは冷却
を必要とする大型の変圧器等の電気機器からなる
発熱体である。
Bは、発熱体201の冷却媒体、例えばフロン
ガスあるいは油等の湿つた媒体を循環する配管系
である。
102は、冷却水の放熱を行うクーリングタワ
ー、103は、発熱体201の冷却媒体と冷却水
との熱交換を行う熱交換器である。
Cは、冷却水の通水管系であり、水処理器10
1は、熱交換器103の手前に配置される。
そして、クーリングタワー102で放熱して冷
却水は、水処理器101に流入口41から流入
し、金属外筒1と金属内筒2との間を通つて矢印
の方向に流れ、流出口42により流出し、通水管
系C内に循環する。
ここで、電極間に加えられる電圧ESは、水の
電気分解電圧より低い電圧であり、かつ陽極(金
属内筒2)の電流密度が4.0μA/cm2〜4.5μA/cm2
となる直流電圧(詳細後述)が選定される。具体
的にこの電圧の値をいくらにするかは、金属外筒
1及び金属内筒2の材質、供給する水の質、温度
などによつて決定される。例えば第1図に示され
るような水処理器101において電源82の正極
性側に接続される金属内筒2(以下陽極という)
をステンレスで構成し、負極性側に接続される金
属外筒1(以下陰極という)の内面に亜鉛メツキ
層を施した場合、陽極電流密度を4.0μA/cm2
4.5μA/cm2とするには直流電源82の電圧は約2V程
度とすれば良い。
上記のような構成の本発明にかかる水処理器に
おいて、水の電気分解以下の電圧であつて、陽極
電流密度が4.0μA/cm2〜4.5μA/cm2となる直流電
圧を両電極間に印加すると、以下のような作用に
よつて、錆や付着スケールの生成を防止すること
ができる。
まず、陽極と陰極の両電極間に電圧を印加する
と、この間に電界が形成される。
両電極間に形成される電界が極めて強いと分子
は分極を起すが、本発明においては、水の電気分
解電圧より低い低電圧を印加するので、形成され
る電解の強さは弱いものであり、有極性の溶液分
子が一定の方向に配向する。
周知のように、H2O分子は大きい双極子能率
を有するので、陽極と陰極の両電極間を水が通過
する際、両電極間に形成された電界Eによつて、
熱運動でばらばらの向きになつているH2O分子
が回転力Fを受けて強制的に回転させられ、歪を
受ける。なお、H2O分子が受ける回転力Fは(1)
式で示すことができる。
F=E・M sinθ ………(1) ただし、M:双極子能率、θ:双極子と電界E
とのなす角である。
次に、本発明において印加される直流電圧は、
水の電気分解電圧以下の電圧であるが、酸化還元
反応を進行させるには充分な電圧である。
水の電気分解にはネルンストの式により求まる
酸化環元電位以上の電圧が必要であることが知ら
れている。この電圧を過電圧といい、これは、電
極材料、電流密度に依存するものである。本発明
においては、水の電気分解を起さない電圧範囲内
であつて、陽極の電流密度が特定の範囲
(4.0μA/cm2〜4.5μA/cm2;詳細後述)となるよう
な電圧を印加するので、以下に説明する酸化還元
反応が促進される。
本発明では、酸素の標準電極電位(電極反応:
Q2+2H2O+4e-=40H-)より標準電極電位が低
い金属材料、例えば、Ni、Cu、Fe、あるいはス
テンレス等で陽極を構成するので、陽極では酸素
が発生する代りにその材料がイオンとして溶出す
る。
即ち、陰極側では、 2H++2e→H2 ………(2) 陽極側では、 M→Mn++ne ………(3) の酸化還元反応が起こる。
また、処理すべき水には酸素が溶解しているの
で、陰極側では 2H2O+O2+4e→4OH- ………(4) の還元反応が起こり、これらの各反応の結果とし
て、水中で気泡となる寸前の原子状元素が還元性
をもつとともに、遊離アルカリが生成されること
となる。
いま、陽極と陰極の両電極間を処理すべき水が
通過すると、前記した作用によつて以下のような
現象が起こる。
即ち、付着スケールとなる金属イオン(Ca2+
など)水中では水和しているが、この水和イオン
に弱い電界が作用すると水和状態が乱され、配向
を起す。次いで、配向を起した金属イオンは電界
方向に移動を始め、この結果陰極付近では配向し
たCa2+等の金属イオンの濃度が増加する。
一方、陰極では(4)式に示す還元反応によつて溶
存O2がイオン化することにより生成された遊離
アルカリによつてPH値が上昇する。
このようにして陰極側にて金属イオンの濃度増
加と、PH値上昇とが同時に起こる結果、Ca2+
の金属イオンは、もはやイオンとしては存在し得
なくなり、さらに電界の影響を受けて、結晶形に
変化を生じた固形物として水中に析出し懸濁浮遊
する浮遊スケールとなる。その結果、処理水に溶
解している金属イオン濃度が低下し、管壁等にス
ケールが析出して付着スケールとなるのが抑制さ
れる。
また、温度上昇により熱交換面にCaCO3等が
析出する場合でも、配向した金属イオンは前述し
たように歪を受けているので安定な粗大結晶とな
り得ず、微細なものとなり、管壁に付着しても容
易に剥離され、付着スケールの生成が防止され
る。
さらに、陰極側で(4)式の反応により、水中の溶
存酸素が消費されるため、パイプ等が酸化されに
くくなるとともに、生成したアルカリによつてPH
値が上昇し、金属のイオン化を防止して錆の生成
を防止することができる。
次に、第2図のブロツク図によつて本発明の作
用をさらに具体的に説明する。
図において、クーリングタワー102から送り
出された水は、水処理器101で水の電気分解電
圧以下の所定の直流電圧が印加され、これにより
水中に溶存しているCaイオンは微細で柔らかな
炭酸カルシウム(CaCO3)の浮遊スケールとし
て水中に析出する。このため、熱交換器103お
よび、冷却水の通水管系Cにおいては、CaCO3
が壁面に強固に付着して付着スケールとなること
がなく、CaCO3は微細な浮遊物として押し流さ
れ、冷却水はクーリングタワー102に戻る。
また、水処理器101での通電により水中の溶
存酸素が還元されてアルカリを生成することによ
り、金属の腐食反応も起こりにくくなり、熱交換
器103および冷却水の通水管C表面に生じる錆
も防止することができる。
なお、本発明は処理水から炭酸カルシウム等を
除去してしまうものではないから、かかる水処理
器101は錆や付着スケールを防止しようとする
機器の手前、特に直前に設置することが望まし
い。
次に、本発明において印加する直流電圧の値に
ついて詳細に説明する。第3図は第1図に示され
た水処理器を用いて、金属内筒(陽極:ステンレ
ス)と金属外筒(陰極:内面亜鉛メツキ)間に25
℃における比抵抗が4800Ωcmの水道水を流した場
合の電極間電圧ESと電極間電流ISとの関係を、
水の温度(22℃、40℃、60℃、80℃)を変えて測
定した結果を示したものである。
第3図の線図から明らかな通り、印加電圧ES
を零Vから次第に増加させていくと、はじめは両
極間の電池作用により負の電流が流れるが、次第
に減少し、電圧EBで電極間電流ISは零になり、
やがて僅かな正の電流が流れる。この僅かな正の
電流は、或る電圧範囲で印加電圧を増加させても
ほとんど変化せず、ほぼ一定である。この正の電
流が流れ始めてから、はじめに印加電圧を増加し
ても電流がほとんど変化しなくなる電圧範囲を
「第一不動態域」と呼ぶ。
更に、印加電圧を増加させると、流れる電流は
次第に増加し始めるが、電気分解に至る直前の或
る電圧範囲内では、再び印加電圧を増加させても
電流の変化が極僅かになり、ほぼ一定の電流が流
れる。この電気分解に至る直前において、印加電
圧を増加しても流れる電流の値がほとんど変化し
なくなる電圧範囲を「第二次不動態域」、この電
圧範囲において流れるほぼ一定の電流を「第二次
不動態化電流(ISO)」と呼ぶ。
ここで、この第二次不動態化電流ISOの値は第
3図から判るように通常の水温範囲(22〜80℃)
では温度依存性が極めて少ないものである。即
ち、このことは、印加電圧が次第に増加させてい
くと、水の電気分解が起こる直前の一定の電圧範
囲(第二次不動態域)において、水温にほとんど
依存しないある特定の値の電流(第二次不動態化
電流)が流れることを示している。
この第二次不動態化電流ISOを電極面積の影響
を除外するために陽極の電流密度として表わす
と、その値は、後述する実施例によつて裏付けら
れるように4.0μA/cm2〜4.5μA/cm2となる。
一方、第二次不動態域の電圧範囲を越えて、更
に印加電圧を増大させ、印加電圧が各水温におけ
る水の分極電圧EA(22)、EA(40)、EA(60)、EA
(80)、{( )内は水温}を越すと水の電気分解が
生じ、電極間電流ISは急激に上昇する。
従つて、本発明では陽極の電流密度が4.0μA/
cm2〜4.5μA/cm2となる直流電圧を電極間に印加す
ることにより、水の電気分解を起こさせないで、
前述した酸化還元反応を最も効率良く進行させ、
浮遊スケールの析出を最大としている。
第4図は、スケール発生の原因となる水道水
(温度25℃)に含まれる炭酸カルシウム
(CaCO3)の濃度を種々変えた場合の比抵抗、分
極電圧EA、電流ISが零となる電圧EBおよび第二
次不動態化電流ISOの最大値における陽極電流密
度をそれぞれ求めて示した図表である。
電気分解が生ずる電圧、即ち分極電圧EAは、
第4図に示されるようにCaCO3の濃度にはほと
んど影響されず、第3図から判るように水の温度
に依存性がある。
第二次不動態化電流(ISO)は前述したように
温度依存性が小さく、かつ第4図の表に明らかな
ように、CaCO3の濃度にもほとんど影響される、
CaCO3濃度25ppm〜200ppmの広い範囲で、電流
密度4.0μA/cm2〜4.5μA/cm2となつている。
第5図は、本発明に用いられる直流電源の一例
を示す電気的接続図である。ここでは、特に直流
電源を定電流電源とし、電流密度4.0μA/cm2
4.5μA/cm2の定電流を両電極間に流すようにして
いる。
この定電流電源は、交流電源31からの交流出
力をトランス32を介してブリツジ整流回路33
に加えて、このブリツジ整流回路33の直流出力
を、定電圧ダイオード34、抵抗35,36およ
び定電圧ダイオード34の定電圧をベース電極に
受けるトランジスタ37で構成される定電流回路
30を介して電極間に印加するようにしている。
なお、定電流回路30に代えて定電流ダイオード
を用いてもよい。
定電流回路30の定電流出力は、あらかじめそ
の電圧値が水の分解電圧より低く抑えられるよう
にトランス32の巻線比によつて調整され、また
その電流値が電流密度4.0μA/cm2、4.5μA/cm2
なるように、例えば定電圧ダイオード34、抵抗
35の値によつて調整してある。
このような電圧制限付き外部電流特性の電源を
用いることによつて、防極と陰極との間には、常
に電流密度4.0μA/cm2〜4.5μA/cm2となる電流を
流すことができ、水の温度が予想範囲内で変化し
ても両電極間の電圧を常に水の電気分解電圧より
低い電圧に制御することができ、効果を最大に維
持することができる。
続いて、第6図〜第8図は、いずれも金属外筒
1と金属内筒2の両電極相互間に定電流
(4.0μA/cm2、印加電圧約1.70V)を流すようにし
た第1図に示す構造の装置を用い、これに
CaCO3の水溶液を流して、付着スケール防止効
果と防止効果と防錆効果を調べた実験結果の一例
を示す図表である。
第6図は炭酸カルシウム(CaCO3)溶液
(800ppm)の付着スケール防止効果を示したも
の、第7図はCaCO3溶液(160ppm)の付着スケ
ール防止効果を示したもの、第8図は水道水を流
し、流水中に試料(Fe、6cm2×0.5cm)を置いた
場合の防錆効果を示したものである。
本発明による方法で処理した場合は、付着スケ
ール量が少なく、溶液中に残存しているCaCO3
が多くなつている(浮遊スケールとして残存)こ
とが明らかであり、腐食減量比も未処理の場合の
約1/3程度となつている。
また、本発明において水に通電する電流は、電
気分解を行う場合に比べて非常に少ないので、陽
極側の金属の溶出はきわめて僅かで無視できる程
度である。このことは、フアラデイ定数F=9.65
×104c/molから計算すると、電流密度4μA/cm2
では、4×10-6/9.65×104=4.15×10-9mol/
sec・cm2であることにより明らかである。
そして、前記の印加電圧約1.70V、電流密度
4.0μA/cm2の実験結果から明らかなごとく、1.70
×4.0=6.8μw/cm2の僅かな消費電力で、効果的に
付着スケールおよび錆を防止できる。この消費電
力は、水の電解分解を利用しした従来例の例えば
1/100程度の値であり、本発明によつて、極めて
省エネルギーの水処理が実現できるといえる。
さらに、参考写真1は第6図に結果を示した実
験において、処理側(水処理器を通つた例)にお
ける析出物の結晶構造を示す写真であり、参考写
真2は未処理側における結晶構造を示す写真であ
る。また、第9図および第10図は本発明による
処理を行つた場合と行わない場合における析出物
のX線回折図である。
これらの結果に示されるように、処理先側の結
晶構造は結晶径が小さいアラゴナイト
(Aragoniteアラレ石形)であり、未処理側の結
晶構造は、少量のアラゴナイトを含むものの、大
部分が結晶径の大きなカルサイト(Calcite方解
石形)である。このため、未処理水ではCaCO3
が管壁等に強固に付着し、増大するのに対し、本
発明を実施した場合には、析出したCaCO3は大
部分が浮遊スケールとして押し流され、管壁等に
析出した場合にも結晶が柔らかく小さいので、流
速によつて剥離されてしまい、付着スケールとな
ることがない。
以上説明したように、本発明は、処理すべき水
に、水の電気分解電圧以下の電圧であつて、陽極
電流密度4.0μA/cm2〜4.5μA/cm2となる直流電圧
を印加し、弱い電界を生じさせるとともに溶存酸
素を還元して遊離アルカリを生成することによ
り、水中の硬度分をアラゴナイト結晶の微細な浮
遊スケールとして析出させ、付着スケール生成を
防止するとともに錆の発生も防いでいる。
このように、本発明では、水の電気分解を利用
する従来例に比較して、非常に少ない電力消費費
量で、付着スケールや錆による熱交換器、ボイラ
ー、クーリングタワー等の通水部分の圧力損失の
増大や熱効率の低下、損傷等を効果的に防ぐこと
ができる。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明に係る方法を実施するための水
処理器の断面図、第2図は本発明を実施する水処
理の使用例を示すブロツク図、第3図は印加電圧
と電流の関係を示す線図、第4図は水中の
CaCO3濃度を変えた場合の分極電圧EA、第二次
不動態化電流ISO等を示す図表、第5図は本発明
に用いられる直流電源の一例を示す電気的接続
図、第6図〜第8図はいずれも本発明に係る方法
の付着スケールおよび錆の防止効果を調べた実験
結果の一例を示す図表、第9図は本発明を実施し
た場合の析出物のX線回折図、第10図は本発明
を実施しない場合の析出物のX線回折図である。 1……金属外筒、2……金属内筒、3……直流
電源。

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1 通水管内に陽極と陰極とを配置し、前記両極
    間に溶存酸素を含む処理すべき水を流すととも
    に、この処理すべき水に前記両極を介して直流電
    圧を印加する錆および付着スケール防止のための
    水処理方法において、 前記陽極を酸素の標準電極電位よりも低い標準
    電極電位の金属材料で構成し、 前記直流電圧として水の電気分解が起こる分極
    電圧以下の直流電圧であつて、かつ前記陽極電流
    密度が4.0μA/cm2〜4.5μA/cm2となる直流電圧を
    印加することを特徴とする錆および付着スケール
    防止のための水処理方法。 2 前記直流電圧を印加するための直流電源とし
    て、定電流電源を用いることを特徴とした特許請
    求の範囲第1項に記載の錆および付着スケール防
    止のための水処理方法。 3 前記陽極をステンレス鋼で構成し、前記陰極
    を亜鉛で構成することを特徴とした特許請求の範
    囲第1項に記載の錆および付着スケール防止のた
    めの水処理方法。
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