JPS6361038B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 〔発明の利用分野〕 本発明はドライクリーニング機に係り、特に、
逆汚染の少ない循環洗いを高能率で行い得るよう
に改良したドライクリーニング機に関するもので
ある。

〔発明の背景〕

第１図は従来一般に用いられているドライクリ
ーニング機の１例を示す系統図である。

１はワツシヤで、外胴１ａの中に回転駆動され
る内胴１ｂが設けられている。１ｃは溶剤注入口
である。２は主溶剤タンク、３は使用済溶剤を回
収する汚れ溶剤タンクである。

４は使用済溶剤を再精製するための蒸留器で、
エクスパンシヨンタンク４ａ、コンデンサタンク
４ｂ、水分分離器４ｃ、及びスチルポンプ４ｄが
付設されている。

５は主ポンプで、３方弁６を介して主溶剤タン
ク２内の溶剤を吸入し、フルフロー形のフイルタ
７、注入口１ｃを介してワツシヤ１に送入する。

ワツシヤ１中の使用済溶剤は、ボタントラツプ
８を介して汚れ溶剤タンク２に貯留し、若しくは
主溶剤タンク１に送入し、又は３方弁６を介して
主ポンプ５に供給できる構造になつている。９は
乾燥機である。

上記の従来形クリーニング機を用い、従来技術
によつて洗浄を行う方法について、第２図乃至第
７図を参照しつつ次に述べる。

第２図は洗浄の準備工程の説明図である。本第
２図及びそれ以降の図面に太線で示した管路は弁
の開閉によつて連通されている管路を表わしてい
る。

主ポンプ５を作動させて主溶剤タンク２内の溶
剤を吸入、圧送し、フイルタ７で過しつつワツ
シヤ１内に注入する。図においてハツチングを付
した部分は溶剤で満たされている部分を表わして
いる。

この準備工程ではボタントラツプ８がワツシヤ
１に連通されていて、ボタントラツプ８内の溶剤
面はワツシヤ１内の溶剤面と同レベルになつてい
る。この状態でボタントラツプ８内にパウダ（図
示せず）を投入する。

第３図は洗浄の準備としてのプリコーテイング
工程を示す。主ポンプ５を作動させて、溶剤をボ
タントラツプ８→３方弁６→主ポンプ５→フイル
タ７→主溶剤タンク２の順に送給する。これによ
り、ボタントラツプ８に投入したパウダがフイル
タ７の過面に付着（プリコート）される。

次に、ワツシヤ１内被洗物を投入し、ボタント
ラツプ８のすべての排出口を閉じた状態で、主溶
剤タンク２内の溶剤をワツシヤ１中に所望の液面
になるまで注入する（第４図）。

この状態でソープタンク１０からソープを供給
し、ワツシヤの内胴１ｂを回転させて洗浄する。
この洗浄工程中において、第３図におけると同様
に溶剤を主溶剤タンク→主ポンプ５→フイルタ７
→主溶剤タンク２の順に循環させてフイルタ７に
より溶剤の浄化を行うこともできる。

また、ドライクリーニング機は前述の如く構成
されているので、第５図に示すようにして、溶剤
をワツシヤ１→ボタントラツプ８→主ポンプ５→
フイルタ７→ワツシヤ１の如く循環させながら洗
浄を行うこともできる。

第６図は洗浄後の排液工程を示すもので、ワツ
シヤ１内の排液をボタントラツプ８を介して汚れ
溶剤タンク３に落とし、これをスチルポンプ４ｄ
で蒸留器４に汲み上げ、加熱、気化させ、コンデ
ンサタンク４ｂで液化させて精製し、水分分離器
４ｃを経て新液タンク１１に貯えておく。

第７図はすすぎ洗い工程を示し、新液タンク１
１内の再精製溶剤を新液ポンプ２４によりワツシ
ヤ１内に注入してすすぎ洗いを行う。すすぎ工程
の後、ワツシヤ１内の溶剤はボタントラツプ８を
経て主溶剤タンク２に流下させて回収する。

その後、内胴１ｂを高速回転させて遠心脱液
し、乾燥機９により矢印イの如くワツシヤ１内の
上部空間の気体を循環させて乾燥を行う。

上述の如く、従来技術における洗浄はワツシヤ
１内に溶剤を滞留させた状態で行うので、被洗物
から流れ出した汚染物質が再び被染物に付着する
（逆汚染）という問題が有る。

本発明者は上記の逆汚染の防止に関して種々試
験、研究を重ねた結果、ワツシヤ内の被洗物に大
流量の溶剤をシヤワーしつつ、、ワツシヤ内に溶
剤を滞留させることなく内胴１ｂを回転させるこ
とによつて、前記の逆汚染が著しく改善されるこ
とを確認した。上記の新しい洗浄方法は別途に特
許出願中である。

その後、更に前記の洗浄方法について研究を重
ねた結果、この新しい洗浄方法を実用化するため
には、クリーニング機に関しても改良すべき問題
点の有ることを発見した。

即ち、大流量の溶剤を被洗物にシヤワーしつつ
洗浄を行うには、専用のシヤワーノズルとシヤワ
ー用の溶剤ポンプを設けた方が容易に行い得る
が、更に重要なことは大流量の溶剤を上記のシヤ
ワーノズルに供給しつつ、該大流量の溶剤を有効
に浄化する手段を設けなければならないことであ
る。

従来のクリーニング機を用いて前記の発明に係
る洗浄方法（大流量シヤワー）を行うと、フイル
タ７が早期に目詰まりを生じるという不具合が有
る。また、フイルタ７の目詰まりを遅らせるため
に、第１図に示した従来の構成のクリーニング機
において単にフイルタ７を大形、大容量のものに
すると、溶剤の量が増加するため第６図に示した
蒸留工程を２回に亙つて行わねばならなくなり、
却て能率を低下させる結果となる。

〔発明の目的〕

本発明は上述の事情に鑑みて為されたもので、
大流量の溶剤を被洗物にシヤワーしつつ、ワツシ
ヤ内に溶剤を滞留せしめない洗浄方法を容易に、
かつ高能率で実施することができ、該洗浄方法の
効果（逆汚染防止・高能率）を充分に発揮せしめ
得るクリーニング機を提供しようとするものであ
る。

〔発明の概要〕

上記の目的を達成するため、本発明のクリーニ
ング機は、ワツシヤにシヤワーノズルを設けると
ともに、このシヤワーノズルに溶剤を圧送する洗
浄ポンプ及び該シヤワーノズルに供給すべき溶剤
を貯留する溶剤タンクを設け、かつ、上記溶剤タ
ンク内の溶剤を吸入、吐出する循環ポンプと、該
循環ポンプの吐出溶剤を過するバイパス形のフ
イルタと、該フイルタを通過した溶剤を前記の溶
剤タンクに還流せしめる循環流路とを設けたこと
を特徴とする。

〔発明の実施例〕

次に、本発明のクリーニング機の１実施例の構
成を第８図について説明する。このクリーニング
機は、前述の従来形クリーニング機（第１図）に
本発明を適用して改良したもので、第１図と同一
の図面参照番号を付したものは従来のクリーニン
グ機におけると同様乃至類似の構成部材である。
従来のクリーニング機（第１図）と異なる点を次
に述べる。

ワツシヤ１のドア１ｄにシヤワーノズル１２を
設けるとともに、上記シヤワーノズルに溶剤を圧
送する洗浄ポンプ１３を設ける。

上記のシヤワーノズル１２及び洗浄ポンプ１３
によつて被洗物に噴注すべき溶剤を貯える溶剤タ
ンク１４を設ける。本実施例においてはこの溶剤
タンク１４を前述の蒸留器４よりも高所に設置し
てある。このように構成するとこの溶剤タンク内
の溶剤を蒸留器４に送りこんで再精製するのに便
利である。

更に、上記の溶剤タンク１４内の溶剤を循環流
動させる管１５を設けるとともに、該循環管路１
５中に循環ポンプ１６およびバイパス形のフイル
タ１７を設ける。１８は、上記溶剤タンク１４の
ドレンパイプで、３方弁１９を介して蒸留器４に
接続してある。

主ポンプ５によつて主溶剤タンク２内の溶剤を
シヤワ１内に汲み上げる管路２０に３方弁２１を
介装して、溶剤タンク１４に分岐する溶剤注入管
路２２を設ける。２３はオーバーフローパイプで
ある。

次に、上に述べた実施例のクリーニング機（第
８図）の使用方法について説明する。

（第９図参照）、ボタントラツプ８にパウダを
投入し、主ポンプ５によつて溶剤をボタントラツ
プ８→主ポンプ→フイルタ７、溶剤注入口１ｃ→
ワツシヤ１→ボタントラツプ８の順に循環させて
プリコートを行う。

上記のプリコート工程の後、第１０図に示すよ
うにワツシヤ１内の溶剤をボタントラツプ８を介
して主溶剤タンク２に戻すとともに、３方弁２１
を切り替えて主溶剤タンク２内の溶剤を溶剤タン
ク１４に注入する。

溶剤タンク１４に溶剤が汲みこまれると、第１
１図に示すように循環ポンプ１６を運転して、該
溶剤タンク１４内の溶剤をパイパス形のフイルタ
１７に循環させて溶剤の過、清浄を行う。

溶剤タンク１４と循環ポンプ１６とフイルタ１
７とを連通せしめた循環管路１５は、本クリーニ
ング機における他の循環回路から独立しているの
で、以下の工程において随時運転して溶剤タンク
１４内の溶剤を過、洗浄することができる。も
ちろん、随時に循環過を停止させても他の機器
類に影響を及ぼさないし、連続運転して常時
過、清浄を行うこともできる。

本実施例のフイルタ１７は、紙フイルタと活
性炭フイルタとを直列に組み合わせて構成してあ
るので、溶剤中の各種の異物を効率よく除去する
ことができる。本発明を実施する際、上記のフイ
ルタとして各種型式のフイルタを任意に選定して
用いることができる。

第１２図に示すように、溶剤タンク１４内の溶
剤を洗浄ポンプ１３によりシヤワーノズル１２に
圧送し、内銅１１内の被洗物に噴きつけながら内
胴１ｂを回転させて洗浄工程に入る。この洗浄工
程の初期においては溶剤中の汚染物質含有量が急
激に増加するので、この汚れた溶剤は汚れ溶剤タ
ンク３に流入させる。本実施例においては、130
／minの流量の溶剤をシヤワーし、最初の排液
120を汚れ溶剤タンク３に回収した。

汚れ溶剤タンク３内に120の溶剤が貯まると、
第１３図のように流路を切り替え、ワツシヤ１か
ら排出した溶剤をボタントラツプ８を介して主溶
剤タンク２に還流させるとともに、該主溶剤タン
ク２内の溶剤を主ポンプ５によつて溶剤タンク１
４に汲み上げる。この状態においても溶剤タンク
１４内の溶剤を洗浄ポンプ１３で圧送し、シヤワ
ーノズル１２から噴射し続け、本図に太線で示し
た流路の如く溶剤を循環させる。

上記のようにして洗浄を行つた後、第１４図に
示したすすぎ工程に入る。即ち、新液タンク１１
内の溶剤を新液ポンプ２４によつてワツシヤ１内
に注入して所定の液面ならしめ、内胴１ｂを回転
させて被洗物をすすぐ。

上記のすすぎ工程中において、次のサイクルに
備えて主溶剤タンク２内の溶剤を主ポンプ５によ
つて溶剤タンク１４内に汲み上げるとともに、バ
イパス形のフイルタ１７による循環過を行つて
おくと、次回のサイクルタイムが短縮される。

次いで第１５図に示す脱液工程に進む。すなわ
ち、ワツシヤ１内の溶剤をボタントラツプ８を介
して主溶剤タンク２に排出し、内胴１ｂを高速回
転させて遠心脱水を行う。

本実施例においては、上記の脱液操作と併行し
て主溶剤タンク２内の溶剤を溶剤タンク１４に汲
み上げるとともに、バイパスフイルタ１７による
過を行い、かつ、汚れ溶剤タンク３内の汚染溶
剤を蒸留器４に送入して再精製し、再生溶剤を新
液タンク１１に貯留する。

上記の脱液工程（第１５図）を終わると、第１
６図に示すように乾燥を行う。即ち、乾燥機９の
フアン９ａを作動させてワツシヤ１内の溶剤蒸気
を含んだ空気を吸入し、クーラ９ｂを通して溶剤
蒸気を液化させる。液化した溶剤は水分分離器４
ｃを経て新液タンク１１に回収する。

溶剤を除去した空気はヒータ９ｃを通して加熱
し、ワツシヤ１内に吹きこんで循環させる。本実
施例においては、この乾燥工程中においても溶剤
タンク１４の溶剤の循環過を継続している。こ
れにより、この乾燥工程を終えて被洗物を搬出
し、次サイクルの被洗物をワツシヤ１内に投入す
ると直ちにシヤワーノズル１２を用いる洗浄（第
１２図について既述）を開始することができ、サ
イクルタイム短縮に有効である。

〔発明の効果〕

以上詳述したように、本発明のクリーニング機
によれば、大流量の溶剤を被洗物にシヤワーしつ
つワツシヤ内に溶剤を滞留せしめない洗浄方法を
容易に、かつ高能率で実施することができる。

【図面の簡単な説明】

第１図乃至第７図は従来のクリーニング機の１
例を示し、第１図は系統図、第２図乃至第７図は
上記のクリーニング機を使用したクリーニング操
作の各工程を順次に示した説明図である。第８図
は本発明のクリーニング機の１実施例の系統図、
第９図乃至第１６図は上記実施例のクリーニング
機を用いた洗浄操作の各工程を順次に示した説明
図である。 １……ワツシヤ、１ａ……外胴、１ｂ……内
胴、１ｃ……溶剤注入口、１ｄ……ドア、１２…
…シヤワーノズル、１３……洗浄ポンプ、１４…
…溶剤タンク、１５……循環管路、１６……循環
ポンプ、１７……バイパス形のフイルタ。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ ワツシヤと、主溶剤タンク及び汚れ溶剤タン
   クと、汚れ溶剤の再生用蒸留器と、上記主溶剤タ
   ンク中の溶剤を過してワツシヤに供給する手段
   と、ワツシヤ内の溶剤を汚れ溶剤タンクに排出す
   る流路とを設けたドライクリーニング機におい
   て、前記のワツシヤにシヤワーノズルを設けると
   ともに、このシヤワーノズルに溶剤を圧送する洗
   浄ポンプ及び該シヤワーノズルに供給すべき溶剤
   を貯留する溶剤タンクを設け、かつ、上記溶剤タ
   ンク内の溶剤を吸入、吐出する循環ポンプと、該
   循環ポンプの吐出溶剤を過するバイパス形のフ
   イルタと、該フイルタを通過した溶剤を前記の溶
   剤タンクに還流せしめる循環流路とを設けたこと
   を特徴とするドライクリーニング機。