JPS6360304B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 〔発明の利用分野〕 本発明は圧縮機内部空間を適切な中間圧力に保
持して、摺動損失の低減、容積効率の向上、冷却
速度の向上を図るべく提案するものである。

〔従来技術〕

従来の回転式密閉形電動圧縮機を使用した冷凍
サイクルの基本形状と回転ピストン式圧縮機のポ
ンプ部分の横断面図を第１図、第２図に示す。

即ち、蒸発器４を通過した低温、低圧の冷媒ガ
スは圧縮機１の吸込通路８を通つてシリンダ５内
に吸込まれる。圧縮機１を構成するシリンダ５内
の冷媒ガスはクランク軸６およびローラ７の偏心
回転運動に依り吐出通路９、吐出バルブ１０を経
て圧縮機１の容器内部空間に高温、高圧の状態で
放出される。圧縮機１の容器内部空間に放出され
た高温、高圧の冷媒ガスは吐出パイプを介して凝
縮器２からキヤピラリチユーブ３へ導入される。
１０′はローラ７の外周を押圧してシリンダ５内
を高圧と低圧とに分離するベーンである。

上記の如く構成された冷凍サイクルは、圧縮機
容器内に高温、高圧状態の冷媒ガスが放出される
為、ベーン１０′の背面に冷媒ガスの圧力が加わ
り、ベーン１０′とローラ７の間の摺動抵抗が増
加したり高圧の冷媒ガスがベーン１０′部分から
シリンダ５内の低圧側室へ漏洩してしまい容積効
率が低下、吸込ガス過熱による吸込効率の低下、
潤滑油中への高圧冷媒の溶け込み増加による潤滑
効率の低下、および高圧冷媒の圧縮機内への滞留
に依るスタート直後における冷凍サイクルでの冷
却速度の低下等種々の問題点がある。

〔発明の目的〕

本発明の目的は、圧縮機の摺動抵抗を低減し、
容積効率の低下を防止することによつて冷却速度
の低下を防止した冷凍サイクルを提供することに
ある。

〔発明の概要〕 上記目的は、圧縮機容器内に設けられた圧縮機
と、上記圧縮機を構成するシリンダと、上記シリ
ンダの内部に連通するよう上記容器に設けられた
第１の吐出パイプと、上記第１の吐出パイプと連
通する凝縮器と、上記凝縮器と連通する第１のキ
ヤピラリチユーブと、上記第１のキヤピラリチユ
ーブと接続された蒸発器と、上記蒸発器に接続さ
れかつ上記シリンダの内部に連通するよう上記容
器に設けられた第１の吸込パイプとからなり、上
記容器内に開放された第２の吐出パイプと第２の
吸込パイプとを上記容器に設けるとともに、上記
凝縮器と連通する第２のキヤピラリチユーブを設
け、この第２のキヤピラリチユーブは上記第２の
吸込パイプに接続し、上記第２の吐出パイプは上
記第１のキヤピラリチユーブの中間圧力部分に接
続することにより達成される。

〔発明の実施例〕

以下本発明を第３図〜第４図に示す一実施例に
より説明する。

第３図は本発明の冷凍サイクル構成図、第４図
は本発明の冷凍サイクルに備えられた圧縮機の要
部断面図である。

圧縮機１１は吐出バルブ１３の周囲を密封させ
るべくシリンダ１２に取りつけられた吐出サイレ
ンサ１４と、この吐出サイレンサ１４と導通し圧
縮機１１の密閉容器の外部と連通せる第１の吐出
パイプ１５と、圧縮機容器の内部空間に開放状態
で接続された第２の吸込パイプ２０と第２の吐出
パイプ２２および第１の吸込パイプ１９の４ケの
通路を配設している。

一方、冷凍サイクルは前記第１の吐出パイプ１
５と連通せる凝縮器１６と、第１の吸込パイプ１
９と連通する蒸発器１８を具備している。上記第
２の吸込パイプ２０は第２のキヤピラリチユーブ
２１の一端と接続され、この第２のキヤピラリチ
ユーブ２１の他端は凝縮器１６の出口側に接続さ
れている。第２の吐出パイプ２２は第１のキヤピ
ラリチユーブ１７の中間部分（圧縮機の容器内の
圧力とほぼ同等の圧力部分）に接続して構成す
る。

上記の如く構成された冷凍サイクルに接続され
た密閉形圧縮機は、圧縮機内で生成された高温高
圧の冷媒ガスは、圧縮機内部に滞留することなく
第１の吐出パイプ１５によつて直接圧縮機外の凝
縮機１６に排出され、凝縮機１６からの冷媒ガス
は第２のキヤピラリチユーブ２１により減圧、冷
却されて圧縮機容器内部に第２の吸込パイプ２０
を介して流入される。容器内に流入した冷媒ガス
は第２の吐出パイプ２２を介して第１のキヤピラ
リチユーブ１７の中間圧力部分に接続されている
ので、圧縮機の容器内部は適切な中間圧力状態に
保持される。

したがつて、容器内に高圧の冷媒ガスが滞留し
た場合と、逆に低圧の冷媒ガスが滞溜した場合の
シリンダ外からシリンダ内へ、又はシリンダ内か
らシリンダ外へ洩れる冷媒ガスの量は極めて少な
くなる。このことから、圧縮機内部ではベーン背
面にかかる圧力は減少し、ベーンとローラ間の摩
擦損失が低減される。しかもシリンダ内の低圧室
へ冷媒ガスが侵入する量を低減することができる
とともに、吸込ガスの過熱温度低下による容積効
率の向上と、潤滑油内への冷媒の溶解量を減少さ
せることができ、潤滑特性の改善を図ることがで
きる。それによつて、冷却速度を早くすることが
できる冷凍サイクルとなる。

〔発明の効果〕

上記の如く本発明の冷凍サイクルに依れば圧縮
機の機械効率、ポンプ効率の大幅な改善と冷却速
度の改善等が図れ、更に圧縮機内部が従来タイプ
に対して適当に低い状態に保持出来る為電動機お
よびポンプ部分の高寿命化を図ることができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は従来の冷凍サイクル構成図、第２図は
従来の回転ピストン式圧縮機のポンプ部分の横断
面図、第３図は本発明の目的を達成させるべく構
成された冷凍サイクル構成図、第４図は本発明の
冷凍サイクルに必要とする回転ピストン式圧縮機
のポンプ部分の横断面図である。 １……圧縮機、２……凝縮器、３……キヤピラ
リ、４……蒸発器、５……シリンダ、６……クラ
ンク軸、７……ローラ、８……吸込通路、９……
吐出通路、１０……吐出バルブ、１０′……ベー
ン、１１……圧縮機、１２……シリンダ、１３…
…吐出バルブ、１４……吐出サイレンサ、１５…
…吐出パイプ、１６……凝縮器、１７……第１の
キヤピラリチユーブ、１８……蒸発器、１９……
吸込パイプ、２０……パイプ、２１……第２のキ
ヤピラリチユーブ、２２……パイプ。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ 容器内に設けられた圧縮機と、上記圧縮機を
   構成するシリンダと、上記シリンダの内部に連通
   するよう上記容器に設けられた第１の吐出パイプ
   と、上記第１の吐出パイプと連通する凝縮器と、
   上記凝縮器と連通する第１のキヤピラリチユーブ
   と、上記第１のキヤピラリチユーブと接続された
   蒸発器と、上記蒸発器に接続されかつ上記シリン
   ダの内部に連通するように上記容器に設けられた
   第１の吸込パイプとからなり、上記容器内に開放
   された第２の吐出パイプと第２の吸込パイプとを
   上記容器に設けるとともに、上記凝縮器と連通す
   る第２のキヤピラリチユーブを設け、この第２の
   キヤピラリチユーブは上記第２の吸込パイプに接
   続し、上記第２の吐出パイプは上記第１のキヤピ
   ラリチユーブの中間圧力部分に接続することを特
   徴とする冷凍サイクル。