JPS63597Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本考案は先細り物品を収容する容器に関し、特
に、先細り物品として半流動性内容物を充填した
先細りの容器を正置したり倒置したりするのに好
適な容器に関する。

〔従来の技術〕

マヨネーズ、ドレツシング及びケチヤツプ等の
半流動性内容物を、チユーブ状の先細り容器に充
填してなる先細り物品では、内容物を消費して残
量が少なくなると、使用の都度容器の底部に流下
している内容物を容器の頭部付近に移動させなけ
ればならないため、内容物を頭部から注出させる
のに時間を要し、またこの内容物を残らず取り出
すことはきわめて困難である。

そこで、先細り物品の容器を倒立させて残り少
なくなつた内容物を常に容器頭部に集めておき、
内容物をすぐに、また残らず取り出せるようにし
た先細り物品の容器立てが考えられ、具体的に
は、例えば、実開昭57−74146号公報や実開昭54
−123177号公報に記載される、半流動性内容物
（マヨネーズ）を先細り容器に充填した先細り物
品を、正置（先細り物品の容器頭部を上方に向け
た正立状態で立て置く）したり、倒置（先細り物
品の容器頭部を下方に向けた倒立状態で立て置
く）することができる先細り物品の正置及び倒置
兼用容器立てが存在した。

すなわち、前者のものは、成形プラスチツクな
どで台板を作り、その台板上面中央部に提手を上
端部に具えた支柱を立設し、支柱の中央部に先細
り物品の胴部受けの倒れ止め支枠を適当に配設
し、台板の上面には支枠の取付け位置に対向させ
て先細り物品の頭部受け凹窪を形成してなるもの
であり、台板上に先細り物品を正置あるいは倒置
状態で載せ、先細り物品の胴部の中間部を支枠で
支えるようにするものである。

また、後者のものは、先細り物品の下半部に対
応する大きさの容器本体と、先細り物品の上半部
に対応する大きさの蓋体とで構成されるととも
に、蓋体の下端開口縁と容器本体の上端開口縁と
には係合部を有し、蓋体の外周には蓋体を容器本
体内に挿入したときにその内壁と摺滑する半截環
状のガイド突起が付設されるものであり、先細り
物品を正置して収容する場合には、互いの開口縁
の係合部で結合した容器本体及び蓋体の内部に、
先細り物品全体をそつくり収容し、また、先細り
物品を倒置して収容する場合には、容器本体内に
蓋体を上下逆にして挿入し、この蓋体の内側で倒
立した先細り物品の上半部を支えるものである。

〔考案が解決しようとする問題点〕

しかしながら、前者のものは、先細り物品を台
板上に転倒しないように載せて置くだけのもので
あるから、振動や衝撃が加わると安定保持ができ
ず、食卓上において静止状態で使用する先細り物
品の正置及び倒置兼用容器立てとして利用するこ
とはできても、先細り物品の商品販売流通過程で
包装用あるいは陳列用の容器として使用すること
はできない。また、食卓上で容器立てとして使用
する場合に、支柱及びそれに支えられる支枠等の
棒状構造物の組み合わせ構造を有するために、一
旦汚れが付着すると掃除がしにくく汚れが落ちに
くい。

次に、後者の容器は、食卓上の容器立てとして
使用したり、包装用あるいは陳列用の容器として
も使用することができるが、容器本体及び蓋体
は、夫々先細り物品の上半部及び下半部と同じ形
状であり、すなわち全く異なる形状であるため、
それらを組み合わせたとしても、組み合わせ構造
上、例えば、両者が強度的に合い補うというよう
な協動性がなく、いわば別個独立のものを結合し
たに過ぎないため、容器本体及び蓋体の夫々を構
造堅牢に製作しなければならず、従つて、安価な
ものに製作することが難しい。また、容器本体及
び蓋体は、夫々先細り物品の上半部及び下半部と
同じ形状であるため、１個の先細り物品しか収容
することができず（汎用性がない）、例えば、食
卓上での容器立てとして使用する場合に、同種類
の複数本あるいは異種類の複数本の先細り物品
を、一つにまとめて適宜正置あるいは倒置して収
容したり、包装用あるいは陳列用の容器として復
数本の同種類あるいは異種類の先細り物品をセツ
トにして包装し陳列するような使い方ができな
い。また、食卓上の容器立てとして使用する場合
に、先細り物品はその上半部全体が蓋体の内壁と
広い面で接触して収容されるので、この内壁部分
に先細り物品の内容物が付着するなどして汚れ易
いが、蓋体は先細り物品と同形状の先細りのいわ
ゆるロート状のため、掃除がやりにくく清潔に保
つておくことが難しい。

なお、後者のものは正置及び倒置の場合に先細
り物品の全体あるいは上半部を覆つてしまうの
で、内容物を確認できるようにするには、その材
質を透明樹脂にしなければならないなどの制約が
ある。

本考案は、このような従来の問題点を解決する
ものであり、一本あるいは復数本の先細り物品を
正置・倒置にかかわらず安定して保持できて食卓
上での先細り物品の正置及び倒置兼用の容器（容
器立て）として利用できるだけでなく、先細り物
品の正置用の容器として流通時の包装用あるいは
販売時の陳列用の容器としても利用でき、その構
成部分の個々を形状的及び強度的に無駄のない簡
単なものとして構造堅牢なうえ容器の材料に各種
のものを選べて安価に製作することができ、また
正置及び倒置した際に先細り物品が適度に露出し
て内容物の確認がし易く、また掃除も簡単にでき
る先細り物品の正置及び倒置兼用容器を提供する
ことを目的とする。

〔問題点を解決するための手段〕

上記の目的を達成するための手段を、実施例に
対応する第１図ないし第１０図について説明する
と、本考案の先細り物品の正置及び倒置兼用容器
は、上面を開口し、底面４に倒立した先細り物品
２０の首部２２又は胴部上部２３ｂを支持可能な
孔５を穿設し、内側に正立した先細り物品２０の
胴部下部２３ａを収容可能な凹部３を有し、側壁
１ａ外面が垂直に形成される少なくとも１個以上
の内側器体１を、上面を開口し、側壁１０ａ内面
が垂直に形成される外側器体１０の収容室１２
に、互いの側壁１ａ，１０ａを内外に重ねて正置
又は倒置して嵌め込んでなることを特徴とする。

〔作 用〕

上記構成よりなる本考案の先細り物品の正置及
び倒置兼用容器は、基本的に、簡単形状で自在に
嵌め合わせ組立・分解ができる孔５付の内側器体
１と外側器体１０とからなるものであり、内側器
体１の側壁１ａ外面と外側器体１０の側壁１０ａ
内面が垂直とされ、これら側壁１ａ，１０ａが内
外に重ねて挿嵌配置されるよう組み合わされるも
のであるから、正置の場合には、容器全体が内側
器体１と外側器体１０との二重容器構造となり、
倒置の場合にも、側壁１ａ，１０ａ部分が二重壁
構造となつて組立構造上から大きな強度を引き出
すことができる。このことは、構成部分の個々に
必要以上の構造強度を付与しなくともよいことに
もなり、例えば、重複する内側器体１と外側器体
１０の側壁１ａ，１０ａを肉薄にし、その分外側
器体１０の底部を肉厚として重心を下げるなどの
有効な設計ができる。

そして、本考案の容器では、外側器体１０の収
容室１２内に、内側器体１をその底面４を下方に
向けて正置して収容し、この内側器体１の凹部３
に正立した先細り物品２０の胴部下部２３ａを収
容する。このようにすれば、先細り物品２０の胴
部下部２３ａが内側器体１の凹部３内に嵌め込ま
れるので、先細り物品２０は正置状態で安定支持
される。

また、外側器体１０の収容室１２内に、内側器
体１を、その底面４を上方に向けて倒置して収容
し、内側器体１の底面４にあけた孔５に、その頭
部２１を下方に向けた先細り物品２０の首部２２
又は胴部上部２３ｂを挿入して倒置して収容す
る。これにより先細り物品２０は、その首部２２
又は胴部上部２３ｂが孔５の縁部で係止されるの
で倒置状態で安定支持される。

しかも、容器に支持された先細り物品２０は、
正置・倒置いずれの場合も容器内に嵌め込まれる
一部を除いて、その相当部分が容器上に露出し、
内容物、特にその残量を十分に確認できる状態で
安定保持されることになる。

また、本考案の容器では、外側器体１０に対し
て複数個の内側器体１を組み合わせるよう構成す
ることで、複数本の先細り物品２０の収容がで
き、複数本の先細り物品２０の間で任意に正置や
倒置を組み合わせることができる。

〔実施例〕

以下、本考案の実施例を図面に基づいて説明す
る。

第１図ないし第５図において、１，１はプラス
チツクを成形した同一形状の内側器体であつて、
これらの各内側器体１は、その側壁１ａの外面が
垂直に形成され、また上面に開口部２を有し、内
側に頭部２１を上方に向けて正立した先細り物品
２０の胴部下部２３ａ（底部２４より少し上部の
胴部２３まで）が収容される凹部３が形成され、
この凹部３の下部の底面４に頭部２１を下方に向
けて倒立した先細り物品２０の首部２２を支持で
きる大きさの孔５が穿設されている。この孔５の
大きさは、場合によつては、先細り物品２０の胴
部上部２３ｂの外周を支持できる程度にしてもよ
い。

１０は内側器体１と同じくプラスチツクにて成
形した外側器体であつて、その内部には中央に仕
切板１１が配設され、この仕切板１１によつて仕
切られた両側に上面を開口し、側壁１０ａの内面
が垂直に形成された２個の収容室１２，１２が形
成されている。

この収容室１２，１２は、前記内側器体１，１
がその開口部２を上方に向けた状態（正置した状
態）あるいは底面４を上方に向けた状態（倒置し
た状態）にて収容されるもので、収容室１２，１
２の内部は内側器体１，１の周囲側面より若干大
きな形状にして内側器体１，１が収容室１２，１
２に緩く嵌め込まれるようにし、この収容室１
２，１２に内側器体１，１を出し入れ可能にする
とともに、先細り物品を収容した内側器体１，１
が収容室１２，１２内で動かないようにする。

なお、上記外側器体１０の仕切板は、必ずしも
必要なものではなく、これを取り外して収容室１
２，１２を連続したものとすることができる。

また、上記外側器体１０の収容室１２，１２の
下部の底壁１３には、先細り物品２０の頭部２１
を嵌め込んで支持する円形の窪みからなる受部１
４，１４が形成されている。

かかる容器に先細り物品２０（この場合は先細
りのチユーブ状容器にマヨネーズを充填したも
の）を正置して収容するには、外側器体１０の収
容室１２，１２内に内側器体１，１を正置した状
態で嵌め込み、内側器体１，１の凹部３，３に正
立した先細り物品２０の胴部下部２３ａを収容す
る。

第６図は、先細り物品２０，２０を正置して収
容した店頭における陳列の使用態様を示すもので
あり、包装袋３０を被せた２本の先細り物品２
０，２０を外側器体１０の収容室１２，１２に嵌
め込んだ２個の内側器体１，１の凹部３，３に正
置して収容し、さらにその外側に包装袋３１を被
せたものである。

また、かかる容器に先細り物品２０を倒置する
には、外側器体１０の収容室１２，１２に内側器
体１，１を、その底面４を上方に向けた倒置した
状態で嵌め込み、内側器体１，１の底面４，４の
孔５，５に、先細り物品２０，２０を倒立して挿
入すれば、先細り物品２０，２０はその首部２
２，２２の外周が穴５，５の縁部に係止され、安
定よく倒立支持される。加えて、先細り物品２
０，２０の頭部２１，２１は外側器体１０の受部
１４，１４に係止されて先細り物品２０は一層安
定よく倒立支持される。

また、外側器体１０の底部に配設する受部１４
は、先細り物品２０の頭部２１を係止することが
できる適宜係止手段を採用し得ることは勿論であ
り、例えば第８図のように、外側器体１０の収容
室１２，１２の底部に先細り物品２０の頭部２１
外周が適合する凹所１４ａを形成した中底板１５
を配設したり、第９図のように外側器体１０の底
壁１３に所定の内径を有する係止リング１４ｂを
を配設したりすることもできる。

そして、本考案の容器は、その形状を自由に変
えて先細り物品２０の収容本数を１本だけにした
り、３本以上にしたりすることもできる。例え
ば、第１０図は、先細り物品２０を３本収容可能
にした場合を示すものである。

なお、図示しないが、内側器体１及び外側器体
１０の表面に花模様等適当な模様や図柄をあしら
うこともできる。また、本考案の容器は、プラス
チツクや硬紙を材料として製作するものであり、
他に焼物、木質及び金属等を採用することもでき
る。

〔考案の効果〕

以上述べたように、本考案の先細り物品の正置
及び倒置兼用容器は、外側器体に正置あるいは倒
置して嵌め込んだ内側器体の凹部内あるいは底面
の穴に先細り物品の胴部下部あるいは首部ないし
胴部上部を嵌め込んで先細り物品を正置及び倒置
状態で安定保持することができ、また、１個の外
側器体と複数個の内側器体とを組み合せること
で、同種類あるいは異種類の複数本の先細り物品
を正置倒置いかようにしても収容することがで
き、さらに、容器に支持される先細り物品は、正
置・倒置いずれの場合も容器内に嵌め込まれる一
部を除いて、その相当部分が容器上に露出し、内
容物、特にその残量を十分に確認できるので、食
卓上の容器立てとしてあるいは包装用・陳列用容
器として便利である。

また、本考案の容器は、内側器体と外側器体と
いう器状のものから構成されるので、形状が簡単
で成形型も簡単となり、また、これら２つの器体
を、互いの側壁が内外に重なるよう嵌め合わせ組
み立てするものであり、二重容器あるいは二重側
壁構造となつて大きな強度が得られて個々の器体
の強度をそれ程大きくしなくとも構造堅牢に組み
上げることができることから、容器の材料が透明
材料やプラスチツクに限定されず、各種材料を使
用でき、包装用材料として広く用いられる硬紙も
使用できるので、安価に製作が可能である。

さらに、本考案の容器は、特に、食卓上で使い
かけの先細り物品を倒置する際に、先細り物品と
の接触が主として孔の縁部の僅かな部分であるこ
とから汚れにくく、汚れても内側器体は外側器体
に嵌め合わせるものであり、いずれの器体も短筒
状の形状であるから、容易に分解・組立ができ掃
除もし易いので、清潔に保つておくことができる
などの劾果を奏する。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の実施例に係る先細り物品の正
置及び倒置兼用容器の分解斜視図、第２図は内側
器体を正置して外側器体に収容した平面図、第３
図は第２図の中央縦断正面図、第４図は内側器体
を倒置して外側器体に収容した平面図、第５図は
第４図の中央縦断正面図、第６図は容器に先細り
物品を正置して収容した状態の斜視図、第７図は
容器に先細り物品を倒置して収容した状態の斜視
図、第８図は本考案の他の実施例の外側器体の中
央縦断正面図、第９図は本考案のさらに他の実施
例の外側器体の中央縦断正面図、第１０図は本考
案のさらに他の実施例の容器の平面図である。 １……内側器体、１ａ……内側器体の側壁、３
……凹部、５……孔、１０……外側器体、１０ａ
……外側器体の側壁、１２……収容室、２０……
先細り物品（チユーブ容器）、２２……先細り物
品の首部、２３ａ……先細り物品の胴部下部、２
３ｂ……先細り物品の胴部上部。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 上面を開口し、底面に倒立した先細り物品の首
   部又は胴部上部を支持可能な孔を穿設し、内側に
   正立した先細り物品の胴部下部を収容可能な凹部
   を有し、側壁外面が垂直に形成される少なくとも
   １個以上の内側器体を、上面を開口し、側壁内面
   が垂直に形成される外側器体の収容室に、互いの
   側壁を内外に重ねて正置又は倒置して嵌め込んで
   なることを特徴とする先細り物品の正置及び倒置
   兼用容器。