JPS6359118B2

JPS6359118B2 -

Info

Publication number: JPS6359118B2
Application number: JP56034848A
Authority: JP
Priority date: 1981-03-11
Filing date: 1981-03-11
Publication date: 1988-11-17
Also published as: JPS57148293A

Description

【発明の詳細な説明】この発明は原子炉格納容器内のドレン水を排出
するドレン排出装置に関する。

一般に、原子炉格納容器の下部にはドレンサン
プ槽が設けられ、このドレンサンプ槽は原子炉格
納容器内で発生したドレン水を収集して貯えられ
るようになつている。そして、このドレンサンプ
槽にはドレン排出装置が備えられており、ドレン
サンプ槽内に所定水位以上のドレン水が貯つた場
合にはこのドレン水を上記ドレン排出装置によつ
てドレンサンプ槽から原子炉格納容器外に排出す
るように構成されている。なお、原子炉格納容器
外に排出されたドレン水はドレン浄化系に導かれ
て浄化されるものである。

しかして、上記ドレン排出装置は一般に原子炉
格納容器を貫通して上記ドレンサンプ槽内に連通
するドレン排気管を備え、このドレン排気管を通
じ、ドレンサンプ槽内のドレン水を汲み上げて排
出するように構成されている。したがつて、従来
は上記ドレンサンプ槽内にドレン排出ポンプを設
け、このドレン排出ポンプでもつて上記ドレン水
を汲み上げて排出するようになつている。しかし
ながら、このようなものにあつては、上記ドレン
排出ポンプが原子炉格納容器内に設置されている
ため、このドレン排出ポンプの保守点検時には作
業者が原子炉格納容器内に入つてその保守点検作
業を行なわなければならない。また、上記ドレン
サンプ槽が原子炉圧力容器等の下部に位置するも
のであるため、このドレンサンプ槽付近の作業ス
ペースは狭く、上記ドレン排出ポンプの保守点検
を容易に行えないものであつた。このため、この
保守点検作業に手間どり、またこの作業場所が原
子炉格納容器内であるため、作業者の放射線被曝
量が増大する不具合があつた。また、万一、上記
ドレン排出ポンプが原子炉の運転中に故障したり
した場合などにはこのドレン排出ポンプが原子炉
格納容器内にあるため、その補修をなすことがで
きず、信頼性に乏しいものであつた。

この発明はこのような事情にもとづいてなされ
たもので、その目的とするところは、保守点検時
における作業者の放射線被曝量を低減し、かつ信
頼性を向上することのできる原子炉格納容器のド
レン水排出装置を提供することにある。

以下この発明の一実施例を第１図にもとづいて
説明する。

図中１は原子炉格納容器であつて、この原子炉
格納容器１内には原子炉圧力容器２が格納されて
いる。そして、原子炉格納容器１内の下部にはド
レンサンプ槽３が設けられている。このドレンサ
ンプ槽３は原子炉格納容器１内で発生したドレン
水４を収集して貯えるものであり、このドレンサ
ンプ槽３内に溜つたドレン水４はドレン排出装置
によつて原子炉格納容器１外に排出されるように
構成されている。すなわち、このドレン排出装置
はドレンサンプ槽３に接続されたドレン排出管５
を備えている。このドレン排出管５は原子炉格納
容器１を貫通し、一端側がドレンサンプ槽３内の
ドレン水４に連通されるとともに他端側がこのド
レンサンプ槽３よりも下方に延長されて収集タン
ク６に接続されている。なお、７ａ，７ｂは格納
容器隔離弁であり、これら格納容器隔離弁７ａ，
７ｂは常時開弁状態となつている。また、上記ド
レン排出管５の収集タンク６側にはドレン開閉弁
８が設けられている。このドレン開閉弁８はドレ
ンサンプ槽３に設けたリミツトスイツチからなる
ドレン水位スイツチ９によつて弁の開閉操作がな
されるようになつており、この実施例の場合ドレ
ンサンプ槽３内のドレン水４が所定の高水位以上
になつたときに開弁され、また上記ドレン水４が
所定の低水位以下になつたときに閉弁されるよう
に構成されている。そして、上記格納容器隔離弁
７ａとドレン開閉弁８との間のドレン排出管５に
は分岐管１０が上方に向つて設けられている。そ
して、この分岐管１０には負圧機構１１が設けら
れており、この負圧機構１１はたとえばドレン貯
溜タンク１２、真空ポンプ１３およびタンク水位
スイツチ１４等から構成されている。上記ドレン
貯溜タンク１２は分岐管１０の途中に配置され、
また真空ポンプ１３は分岐管１０に接続されてな
るもので、この真空ポンプ１３によつて上記分岐
管１０およびドレン排出管５内を排気して負圧に
し、ドレンサンプ槽３内のドレン水４をドレン貯
溜タンク１２内まで吸引して導くように構成され
ている。なお、上記真空ポンプ１３から排出され
る排ガスは空調ダクト１４を通じて排ガス浄化系
（図示しない。）に送られて浄化されたのち排気さ
れるようになつている。また、上記タンク水位ス
イツチ１４は上記ドレン水位スイツチ９と同様に
リミツトスイツチから構成され、ドレン貯溜タン
ク１２内のドレン水位を検知してこのドレン水位
が所定の範囲となるように真空ポンプ１３の起動
を制御するものである。また、真空ポンプ１３と
ドレン貯溜タンク１２との間における分岐管１０
には排気開閉弁１５が設けられている。この排気
開閉弁１５は上記ドレン開閉弁８と同様に上記ド
レン水位スイツチ９によつて弁の開閉操作がなさ
れ、たとえば上記ドレンサンプ槽３のドレン水４
が所定の高水位以上になつたとき閉弁され、また
上記ドレン水４が所定の低水位以下になつたとき
開弁されるように構成されている。なお、上記排
気開閉弁１５が閉弁されたときには同時に真空ポ
ンプ１３の起動が停止され、またこの排気開閉弁
１５が開弁されたときには真空ポンプ１３の起動
が再開されるようになつている。

次に、このような構成による一実施例の作用を
説明する。

上記ドレンサンプ槽３内のドレン水４は常時、
上記真空ポンプ１３で分岐管１０およびドレン排
出管５内が排気されることによつて吸引され、上
記ドレン貯溜タンク１２内に所定の範囲の水位を
保時するように分岐管１０およびドレン排出管５
内に導かれている。なお、このとき、ドレン開閉
弁８は閉弁状態となつている。そして、ドレンサ
ンプ槽３内のドレン水４が所定の高水位以上にな
つたときには、上記ドレン水位スイツチ９によつ
てドレン開閉弁８が開かれるとともに上記排気開
閉弁１５が閉じられる。これによつて、上記ドレ
ンサンプ槽３と収集タンク６とを接続するドレン
排出管５がサイホンとして構成され、このドレン
サンプ槽３内のドレン水４はこのドレン排出管５
内を導かれて収集タンク６内に排出される。な
お、このとき、上記排気開閉弁１５の閉弁と同時
に真空ポンプ１３の起動が停止される。また、上
記収集タンク６内に収集されたドレン水４はドレ
ン浄化系に送られて浄化されるものである。そし
て、上記ドレン水４が排出されてドレンサンプ槽
３内のドレン水位が所定の低水位以下になつたと
きには、上記ドレン水位スイツチ９によつてドレ
ン開閉弁８が閉じられるとともに排気開閉弁１５
が開かれ、またこの排気開閉弁１５の開弁と同時
に真空ポンプ１３の起動が再開される。これによ
つて、上記ドレン水４の排出が停止されるととも
に、このドレン水４は再び上記真空ポンプ１３に
よつて上記ドレン貯溜タンク１２内の所定範囲の
水位にまで吸引されて保持されるものである。

したがつて、このような構成の一実施例によれ
ば保守点検を必要とする装置の負圧機構１１すな
わち真空ポンプ１３を原子炉格納容器１外に設置
してあるから、この真空ポンプ１３の保守点検に
際して作業者は上記原子炉格納容器１内に入る必
要がない。このため、作業者の放射線被曝量を低
減することができる。また、上記保守点検が原子
炉格納容器１外で行えるものであるから、その作
業スペースを充分に確保できるとともに、万一原
子炉の運転中に真空ポンプ１３が故障してもその
補修が可能となる。このため、ドレン排出装置の
信頼性を向上させるとともに、原子力発電設備の
安全性をも向上させることができる。

さらに、上記ドレンサンプ槽３からのドレン排
出は、ドレン排出管５でサイホンを構成して排出
するものであるから、上記真空ポンプ１３は上記
ドレン水４をドレン貯溜タンク１２内まで吸引す
るだけでよく、この真空ポンプ１３に大形のもの
を必要としない利点も有する。

なお、この発明は上記一実施例に限定されるも
のではない。たとえば、負圧機構には必ずしも真
空ポンプが用いられるものではなく、第２図に示
されるように真空ポンプの代わりに空気作動エゼ
クタ２０を用いるようにしてもよい。また、この
場合排気開閉弁１５はこの空気作動エゼクタ２０
と圧縮空気タンク２１との間に設けられているも
のである。

以上説明したようにこの発明は、原子炉格納容
器を貫通し、一端がドレンサンプ槽に連通される
とともに他端がこのドレンサンプ槽よりも下方に
延長されたドレン排出管と、このドレン排出管か
ら上方に分岐された分岐管と、この分岐管を介し
て上記ドレン排出管内を排気してドレンサンプ槽
内のドレン水を吸引して導く負圧機構とを具備し
たことを特徴とする。したがつて、保守点検が必
要とされる負圧機構を原子炉格納容器外に設けた
ので、この負圧機構の保守点検に際し、作業者は
上記原子炉格納容器内に入る必要がなく、作業者
の放射線被曝量を低減することができる。また、
上記負圧機構付近の保守点検作業スペースを充分
に確保できることから、その保守点検作業が容易
になり、また原子炉運転中であつても上記負圧機
構の補修をなすことができるので、その信頼性を
向上できる等、その効果は大である。

【図面の簡単な説明】

第１図はこの発明の一実施例を示す装置の概略
構成図、第２図はこの発明の他の実施例の概略構
成図である。１……原子炉格納容器、３……ドレンサンプ
槽、５……ドレン排出管、１０……分岐管、１１
……負圧機構、１２……ドレン貯溜タンク、１３
……真空ポンプ。

Claims

【特許請求の範囲】１原子炉格納容器を貫通して配設され一端がこ
の原子炉格納容器内のドレンサンプ槽に連通し他
端がこのドレンサンプ槽よりも下方まで延長され
たドレン排出管と、上記原子炉格納容器外の上記
ドレン排出管から上方に分岐された分岐管と、こ
の分岐管を介して上記ドレン排出管内を排気して
上記ドレン水を上記分岐管内に吸引して導く負圧
機構とを具備したことを特徴とする原子炉格納容
器のドレン排出装置。２上記負圧機構は上記分岐管に設けられたドレ
ン貯溜タンクと、分岐管に接続されこのドレン貯
溜タンク内に所定の水位まで上記ドレン水を導く
真空ポンプと、上記ドレン貯溜タンク内のドレン
水位を検知して上記真空ポンプの起動を制御する
タンク水位スイツチとから構成されていることを
特徴とする特許請求の範囲第１項記載の原子炉格
納容器のドレン排出装置。