JPS6357633B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は、油回転真空ポンプの油給装置の改良
に関するものである。

第１図は従来の油回転真空ポンプの断面図を示
し、第２図は第１図の−矢視断面図を示す。
１はポンプ本体、２はモータ、３はシリンダで、
シリンダ３はポンプ本体１内に充填された油４内
に浸漬されている。シリンダ３の両端にはサクシ
ヨンプレート１１とデリバリプレート１２が固着
され、サクシヨンプレート１１、デリバリプレー
ト１２にはそれぞれロータ軸７を支持するロータ
軸受１７が保持されている。ロータ軸７にはシリ
ンダ室８内の位置にロータ６が固定されロータ６
にはベーン９が直径方向に摺動自在に取り付けら
れロータ６の回転に伴いシリンダ室８内周を摺動
回転するようになつている。また、ロータ軸７は
カツプリング１３を介しモータ１２のモータ軸に
連結されている。ロータ６はシリンダ室８内にお
いて上部に偏心して取り付けられ、シリンダ室８
には吸入口１５及び排出バルブ１０が設けられて
いる。

ロータ６の両端面と各ロータ軸受１７との間の
サクシヨンプレート１１、デリバリプレート１２
にはそれぞれオイルポケツト１４が形成されてお
り、オイルポケツト１４はロータ軸受１７を経て
油４内に開口する給油穴１６と連通されている。
５は油排出穴で、デリバリプレート１２側はロー
タ軸受１７の下部より側方の油４中に向けて開口
しており、サクシヨンプレート１１側はロータ軸
受１７の下部より半径方向に油４中に向けて開口
している。２２はサクシヨンプレート１１に設け
られた封止用オイルシールである。

この真空ポンプにおいてモータ２を介してロー
タ６を回転駆動するとロータ６は矢印方向に回転
し吸入口１５から吸入した空気をロータ６ととも
に回転するベーン９により圧縮し排出バルブ１０
より排出する。即ち、ロータ６が回転するとベー
ン９がロータ６の半径方向に摺動しつつシリンダ
室８内で摺動回転することによりロータ６の１回
転毎に、シリンダ室８内では吸入口１５から供給
され排出バルブ１０から排出される気体の吸入、
圧縮作用が行なわれる。同時に、オイルポケツト
１４内ではシリンダ室８と連通しているため、シ
リンダ室８内の吸入・圧縮作用に連動して給油穴
１６から油を吸入すると共に油排出穴５から排出
を行なうポンプ作用が行なわれる。即ち、オイル
ポケツト１４内ではロータ軸７が回転することに
よりポンプ作用が行なわれ、給油穴１６から供給
された油がロータ軸受１７部分を経てシリンダ室
８内に供給され、ロータ軸受１７部分及びベーン
９の摺動面を潤滑する。このため、真空ポンプ作
用と同時に油潤滑のためのポンプ作用が行なわれ
る。

上記従来の真空ポンプにおいては、オイルポケ
ツト１４からシリンダ室８内に給油される油が多
すぎるため、回転中のベーン９が油によつてサク
シヨンプレート１１またはデリバリプレート１２
側に押されて衝突し振動音が発生する。また、シ
リンダ室８への給油が多いと油によつて排出バル
ブ１０が強く打撃されるため開閉音を発生し騒音
を生じる欠点があつた。

本発明の目的は上記欠点を解消し、ベーンの振
動音及び排出バルブの開閉音を減少し騒音を低減
できる油回転真空ポンプの給油装置を提供するこ
とにある。

本発明の油回転真空ポンプの給油装置は、油中
に浸漬され吸入口及び排出バルブを備えロータに
取り付けられたベーンがシリンダ室内周に摺動し
回転するように形成された上記シリンダ室と、上
記ロータが固着され上記シリンダ室の端面に固定
されたサクシヨンプレート及びデリバリプレート
にそれぞれ取り付けられたロータ軸受に支持され
るロータ軸と、上記油中に開口する給油穴から給
油され上記ロータと上記ロータ軸受との間にそれ
ぞれ形成されたオイルポケツト内で上記シリンダ
内の上記ロータ及び上記ベーンの回転による吸
入、圧縮作用に伴うポンプ作用により上記ロータ
軸受及び上記シリンダ室内へ給油する手段とを設
けてなるものにおいて、上記両オイルポケツト内
にゴム材からなるシングルリツプのオイルシール
を、リツプ部内周とロータ軸外周との間に所定の
間隙を形成し配設したものである。

以下本発明の油回転真空ポンプの給油装置の一
実施例を、従来と同部品は同符号で示し同部分の
説明は省略し第３図ないし第７図により説明す
る。オイルポケツト１４内には、ゴム材からなる
オイルシール１８が底部１９をロータ６側にしリ
ツプ２０を反ロータ側にしてリツプ２０内周とロ
ータ軸７外周との間に所定の間隙を形成して配設
されている。本来、オイルシールは隙間を生じな
いように封止部材として使用するものであるが、
本実施例においては、ロータ軸７外径よりもやや
大きく外径との間に所定の間隙を生じることがで
きる大きさの内径を有するリツプ２０を備えたオ
イルシールを油の制限用に用いている。この間隙
はオイルポケツト１４からシリンダ室８へ給油す
る油量を制限できるようにその大きさを選定す
る。尚、第５図において、２１はロータ６に設け
たベーン９摺動用の溝であり、２３は固定ボルト
である。

この油回転真空ポンプにおいて、モータ２を介
しロータ６を駆動すると、吸入口１５から吸入さ
れた空気は圧縮されて排出バルブ１０から排出さ
れる。この吸込口１５から空気が吸入される吸入
行程においてはシリンダ室８内は負圧になるの
で、シリンダ室８と、サクシヨンプレート１１及
びデリバリプレート１２の接合隙間から油がシリ
ンダ室８内へ吸い込まれる。同時に、シリンダ室
８に対し連通しオイルシール１８が挿入されたオ
イルポケツト１４と、ロータ軸７及びロータ軸受
１７間の隙間も負圧となり、給油穴１６から油が
吸い込まれ、このポンプ作用により給油穴１６か
ら吸入された油は、ロータ軸受１７を給油すると
ともにシリンダ室８へ給油される。シリンダ室８
への給油はオイルシール１８のリツプ２０内周と
ロータ軸７外周との間隙により制限されるのでベ
ーン９が軸方向に振動駆動されたり排出バルブ１
０が油によつて打撃を受けることを減少する。な
お、デリバリプレート１２の軸受１７の外周下部
に軸方向に設けられた油排出穴５は、従来の給油
装置において２mmφの大きさであつたが、ベーン
９の軸方向振動を抑制するために小径の方が振動
が少なく、例えば0.8mmφが好ましい。尚、ベー
ン９による圧縮工程では上記吸入行程の場合と逆
に、シリンダ室８内の高圧により油排出穴５から
油が排出される。従つて、ロータ６の１回転毎に
吸入、吐出の潤滑油のポンプ作用が行なわれてい
る。

このように本実施例の油回転真空ポンプの給油
装置はシリンダ室内への給油量を制限するのに、
ロータ両端面とサクシヨンプレート、デリバリプ
レートにそれぞれ設けられるロータ軸受との間に
形成されたオイルポケツト内に汎用品のオイルシ
ールを取り付けるようにしたので、簡単な構造で
従来の如きベーンの振動音及び排出バルブの開閉
音を低減でき騒音を減少できる。そして、ベーン
及び排出バルブの寿命を長くすることができる。

以上記述した如く本発明の油回転真空バルブの
給油装置は、ベーンの振動音及び排出バルブの開
閉音を減少させ騒音を低減できる効果を有するも
のである。

【図面の簡単な説明】

第１図は従来の油回転真空ポンプの断面図、第
２図は第１図の−矢視断面図、第３図は本発
明の油回転真空ポンプの給油装置の一実施例の断
面図、第４図は第３図の−矢視断面図、第５
図は第４図のシリンダの詳細図、第６図、第７図
はそれぞれ第５図の左右の一部側面図である。 ３……シリンダ、４……油、６……ロータ、７
……ロータ軸、８……シリンダ室、９……ベー
ン、１０……排出バルブ、１１……サクシヨンプ
レート、１２……デリバリプレート、１４……オ
イルポケツト、１５……吸入口、１６……給油
穴、１７……ロータ軸受、１８……オイルシー
ル、２０……リツプ。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ 油中に浸漬され吸入口及び排出バルブを備え
   ロータに取り付けられたベーンがシリンダ室内周
   に摺動し回転するように形成された上記シリンダ
   室と、上記ロータが固着され上記シリンダ室の端
   面に固定されたサクシヨンプレート及びデリバリ
   プレートにそれぞれ取り付けられたロータ軸受に
   支持されるロータ軸と、上記油中に開口する給油
   穴から給油され上記ロータと上記ロータ軸受との
   間にそれぞれ形成されたオイルポケツト内で上記
   シリンダ室内の上記ロータ及び上記ベーンの回転
   による吸入、圧縮作用に伴うポンプ作用により上
   記ロータ軸受及び上記シリンダ室内へ給油する手
   段とを設けてなるものにおいて、上記両オイルポ
   ケツト内にゴム材からなるシングルリツプのオイ
   ルシールを、リツプ部内周とロータ軸外周との間
   に所定の間隙を形成し配設したことを特徴とする
   油回転真空ポンプの給油装置。