JPS635690Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は消化器管Ｘ線透視撮影に際し、圧迫透
視を行ないながら病変部を観察する場合に造影剤
を胃内各部移行させ或いは散らせるために用いる
圧迫装置に関するものである。

第１図は圧迫装置を備えたＸ線撮影装置を示
す。第１図ａは正面図、第１図ｂはその側面図で
あり、図中１は被検者２を載置する寝台天板、３
はこの寝台天板１を支える架台である。この架台
３には回転駆動する駆動板３ａが設けてあり、前
記寝台天板１はこの駆動板３ａに取付られてい
る。４はイメージインテンシフアイア等のＸ線映
像検出器であり、前記寝台天板１の裏面に取付け
られている。５は前記寝台天板１を介して前記Ｘ
線映像検出器４に対峙して設けられるＸ線管であ
り、このＸ線管５は支持腕６を介して前記駆動板
３ａに取付られている。７は柄杓状の圧迫筒であ
り、この圧迫筒７は前記駆動板３ａに取付られて
いる圧迫筒駆動装置８により被検体２を圧迫する
ものである。

このような装置はバリウム等の造影剤を投与し
た被検体２を寝台天板１上に載置、固定し、Ｘ線
管５よりＸ線を曝射してその透過Ｘ線像をＸ線映
像検出器４にて捕える。そして、その捕えたＸ線
像をテレビモニタ等に表示しこの表示された透視
像を観察して病変部の診断を行なう。また必要に
応じ、写真撮影を行なう。

このような透視、撮影の際、造影剤を被検体２
の所望とする胃壁面に移動させたりして観察をよ
り効果的に行なうため木製等の硬質材料による圧
迫筒７を用いて体表面より胃部に圧力を加え駆動
板３ａを回転駆動させて寝台天板１を起倒操作さ
せたり、寝台天板１を移動させたりしつつ造影剤
の胃内移動を行なうものである。このように圧迫
筒が固形であると硬い圧迫筒７を用いて圧迫しつ
つ寝台天板１を移動させ、あるいは圧迫筒自体を
回転させることにより、胃部をしごいたりする場
合には骨折等の思わぬ事故を招く恐れがあること
から十分なしごき圧迫が行なえず、また圧迫筒駆
動装置８により圧迫筒７を被検体２に進退移動さ
せて圧迫を行なう場合には機械操作であるため短
時間に所望とする状態に圧迫操作することが困難
であるから、操作中に流動性の造影剤が目的の位
置から流れ去る等していずれも思うように透視や
撮影が行なえない欠点がある。

本考案は上記事情に鑑みて成されたもので、ド
ーナツ状の例えばゴムチユーブ等による空気袋を
硬質の圧迫筒本体の周囲に沿つて取付け、空気袋
内の空気圧を調整可能とすることにより、十分な
しごき圧迫を高速で行なうことができるようにし
た圧迫装置を提供することを目的とする。

以下、本考案の一実施例について第２図〜第４
図を参照しながら説明する。第２図ａ及びｂは本
考案による圧迫筒２０の構成を示す一部断面裏面
図及び正面断面図であり、図中２１はＸ線透過の
良好な材料で作られた圧迫杆である。この圧迫杆
２１の先端部には帽子形の圧迫子２１′が形成さ
れている。そして、この圧迫子２１′の凸部周囲
にはドーナツ状のゴムチユーブ２２がこの凸部に
嵌め込まれる形で取付られ、またこのゴムチユー
ブ２２を覆うように圧迫子２１′及びゴムチユー
ブ２２には布製の袋２３が被せて取付けてある。
２４は前記ゴムチユーブ２２の空気を給排するフ
レキシブルなパイプである。

第３図は前記ゴムチユーブ２２に空気を送り、
また排気させるための空気圧制御装置の構成を示
す概略図であり、図中３１は空気圧縮装置、３２
はこの空気圧縮装置３１の供給する圧縮空気を減
圧する減圧弁である。３３Ａはこの減圧弁３２に
より減圧された適正圧力の空気を前記パイプ２４
を介してゴムチユーブ２２に送り、またゴムチユ
ーブ２２内の空気を排気する場合には給気動作を
停止する常時閉形の２ポート弁、３３Ｂはゴムチ
ユーブ２２の排気を行なう為の前述の２ポート弁
３３Ａと同様の機能を有する２ポート弁である。

次に上記構成の本装置の動作について説明す
る。本装置は２ポート弁３３Ａ及び３３Ｂを操作
することにより空気圧縮装置３１、減圧弁３２か
ら供給される圧縮空気をゴムチユーブ２２に送つ
てこれを膨ませ、また、ゴムチユーブ２２内の空
気を排気して萎ませることができる。即ち、ゴム
チユーブ２２に空気を送る場合には、一方の２ポ
ート弁３３Ａを動作させ、他方の２ポート弁３３
Ｂを停止させ、反対に排気の場合には、２ポート
弁３３Ａを停止させ、２ポート弁３３Ｂを動作さ
せることにより行なうものである。この動作によ
り、圧迫子２１の凸部側に被せてある袋２３はゴ
ムチユーブ２２の膨脹、縮小に伴なつて膨み、ま
た萎みゴムチユーブ２２内の圧力は、２ポート弁
３３Ａ，３３Ｂを動作停止することにより一定圧
力を維持することができ、その大きさは或る程度
任意に操作が可能である。

従つて、しごき圧迫操作を行なうには第４図ａ
の如く袋２３を萎ませた状態で圧迫子２１′を被
検体Ｐに近づけ、体表面より目的部位である胃を
圧迫する。そして、造影剤と胃壁の各部に行きわ
たらせたり、或いは散らせたりすることが必要な
場合には第３図の２ポート弁３３Ａ及び３３Ｂを
操作して給気状態とし、ゴムチユーブ２２を膨ま
せる。すると圧迫筒２０はその凸部の袋２３がゴ
ムチユーブ２２の膨張に伴なつて膨脹するから、
第４図のａ→ｂ→ｃの過程を辿つて袋２３部分を
含めた圧迫筒２０全体の形状が変化し、その変化
の過程で袋２３外壁が圧迫している体表面を押圧
し、しかもその範囲を拡大するような形でしご
く。従つて２ポート弁３３Ａ及び３３Ｂを給排交
互に切換えて数回繰返えすことにより、胃壁の微
細部まで造影剤を浸透させることができる。

このように本考案においては圧迫子のまわりに
ゴムチユーブを取付けその上から袋で覆うととも
にゴムチユーブに圧力空気を送りまたゴムチユー
ブ内の空気を排気する空気圧制御装置を用いてゴ
ムチユーブ内の空気の給排を行なうことにより袋
を膨脹、縮小することができるようにしたので、
所望の位置を圧迫子で圧迫しつつ袋の膨脹、縮小
を行なうことにより袋の表面でしごき動作を発生
させることができ、しごき圧迫が圧迫子を停止さ
せた状態で行なうことができる他、圧縮空気の給
排により操作するため、圧迫力の微調整が迅速に
行なえる等、短時間で微細な病変を現出させるこ
とができる操作性の極めて良い圧迫装置を提供す
ることができる。又、従来の空気袋方式は、しご
き圧迫の際、「横ずれ」が生じるため所望の位置
を圧迫することが困難であつたが、本考案におい
ては、袋を萎ませた状態で中央部の固形の圧迫子
で圧迫することにより「横ずれ」の発生を防ぐこ
とができる。

尚、本考案は上記し、且つ図面に示す実施例に
限定することなくその要旨を変更しない範囲で適
宜変形して実施し得るものであり、例えばゴムチ
ユーブの代りに可撓性の他のチユーブを用いた
り、又、ゴムチユーブはドーナツ状とせず、断面
第２図Ｃのように袋状としてもよく更にこの袋と
して布製の他、ナイロンや革などを用いることも
可能である。

【図面の簡単な説明】

第１図ａ及びｂは圧迫装置を備えたＸ線装置の
概略的な構成を示す正面図及び側面図、第２図ａ
及びｂは本考案による圧迫装置の圧迫筒を示す一
部断面裏面図及び正面断面図、同図ｃは他の実施
例を示す断面図、第３図は空気圧制御装置の構成
を示すブロツク図、第４図ａ，ｂ，ｃは本装置の
動作を説明するための図である。 １……寝台天板、２，Ｐ……被検体、２０……
圧迫筒、２１……圧迫杆、２１′……圧迫子、２
２……ゴムチユーブ、２３……袋、２４……パイ
プ、３１……空気圧制御装置、３２……減圧弁、
３３……切換弁。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 造影剤を投与した被検体の体表面を圧迫筒によ
   り圧迫して造影剤の体内移行或いは浸透を行なわ
   せるものにおいて、Ｘ線透過の良い硬質材料で作
   られた圧迫用の凸状部を形成した圧迫子と、この
   圧迫子の凸状部分を覆つて内部を気密に保つよう
   取付られた可撓性の袋体とより構成される圧迫筒
   と、この圧迫筒の前記袋体内に空気を供給・排気
   及び一定圧に維持する装置とを備えたことを特徴
   とする圧迫装置。