JPS6356063B2 - - Google Patents

Info

Publication number
JPS6356063B2
JPS6356063B2 JP57147830A JP14783082A JPS6356063B2 JP S6356063 B2 JPS6356063 B2 JP S6356063B2 JP 57147830 A JP57147830 A JP 57147830A JP 14783082 A JP14783082 A JP 14783082A JP S6356063 B2 JPS6356063 B2 JP S6356063B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
glass
synthetic resin
sheet
layer
group
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired
Application number
JP57147830A
Other languages
English (en)
Other versions
JPS5938054A (ja
Inventor
Kazuhiko Kuga
Hiroshi Washida
Koji Kurita
Hiroyuki Watanabe
Takeshi Harada
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
AGC Inc
Original Assignee
Asahi Glass Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Asahi Glass Co Ltd filed Critical Asahi Glass Co Ltd
Priority to JP14783082A priority Critical patent/JPS5938054A/ja
Priority to US06/499,790 priority patent/US4584245A/en
Priority to DE8383105471T priority patent/DE3375908D1/de
Priority to EP19830105471 priority patent/EP0098961B1/en
Priority to AU15397/83A priority patent/AU565073B2/en
Priority to CA000429810A priority patent/CA1235988A/en
Publication of JPS5938054A publication Critical patent/JPS5938054A/ja
Publication of JPS6356063B2 publication Critical patent/JPS6356063B2/ja
Granted legal-status Critical Current

Links

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は表面が露出した合成樹脂層と硬質基体
層との少くとも2層構造を有する積層安全ガラス
に関するものであり、特に表面特性が改良された
合成樹脂層の露出面を有する積層安全ガラスに関
するものである。
積層安全ガラスとしてガラスシートと合成樹脂
シートとの積層シートが周知である。たとえば、
ガラス−ポリビニルブチラール−ガラスの3層構
造からなる積層シートは自動車用安全ガラスとし
て広く使用されている。このようなガラスシート
の間に積層されている合成樹脂層は中間膜と呼ば
れ、ポリビニル、ブチラール、ポリウレタン、そ
の他の種々の合成樹脂が使用され、あるいは提案
されている。一方、ガラスと合成樹脂からなる積
層安全ガラスにおいて、合成樹脂層を露出させた
積層シート、たとえばガラス−合成樹脂やガラス
−合成樹脂−ガラス−合成樹脂などの片面がガラ
スで他面が合成樹脂である積層シートが自動車用
安全ガラス用等に注目されている。この積層安全
ガラスは従来の両面がガラスである積層安全ガラ
スよりもさらに安全であると考えられている。た
とえば、この積層安全ガラスを合成樹脂面が車内
側となるように自動車フロントガラスとして使用
すると、運転者等がフロントガラスに衝突した場
合の裂傷や切傷がより少くなり、またガラスが破
壊しても車内側へガラスの破片が飛散することも
少くなると考えられている。このような片面がガ
ラスの他の面が合成樹脂である積層安全ガラス
を、以下「バイレイヤーガラス」と呼ぶ。
バイレイヤーガラスについては、たとえば特開
昭48−41423号公報、特開昭48−25714号公報、特
開昭49−34910号公報、および特開昭53−27671号
公報に記載がある。これらの公知例からわかるよ
うに、露出した合成樹脂層(以下バイレイヤー層
という)は通常ポリウレタンから構成される。ポ
リウレタンはまた合せガラスの中間膜としても周
知である。ポリウレタンとしては、いわゆる熱可
塑性ポリウレタンと熱硬化性ポリウレタンがあ
り、前者は線状重合体であり、通常高分子量ジオ
ール、鎖延長剤およびジイソシアネート化合物を
反応させて得られ、後者は架橋した重合体であ
り、たとえば高分子量ポリオール、鎖伸長剤ある
いは架橋剤、およびポリイソシアネート化合物
(ただし、それらの少なくとも一部は3官能以上
である)を反応させて得られる。バイレイヤー層
はガラスと強固に接着する必要がある。ところ
が、熱硬化性ポリウレタンをバイレイヤー層とす
ると、ガラスに強固に接着しないという問題があ
る。一方、熱可塑性ポリウレタンはガラスと強固
に接着するが、バイレイヤー層として使用する限
り他面が露出するのでその表面の性質が問題とな
る。即ち、熱可塑性ポリウレタンは耐候性が不充
分で溶剤に侵され易い。これらの問題について
は、前記特開昭53−27671号公報の特に第6頁〜
第7頁に詳細に説明されている。
上記問題点に対し、特開昭53−27671号公報に
記載された発明では、バイレイヤー層を2層のポ
リウレタン層で構成し、表面を熱硬化性ポリウレ
タンとし、ガラスとの接着面を熱可塑性ポリウレ
タンとすることにより問題解決を図つている。両
ポリウレタンは強固に接着するので、この発明に
よりバイレイヤー層のガラスとの接着と表面特性
の問題が解決される。しかしながら、この発明に
よりすべての問題が完全に解決し得たとは考えら
れない。まず第1に発明では2つの異るポリウレ
タンからなるシート(予備成形シートと呼ばれて
いる)を製造する必要があり、これは比較的繁雑
な工程を必要とする。たとえば、公報第10頁右下
欄第13行目〜第11頁右上欄第14行目に説明されて
いるように、一方のシート上に他方を流し込んで
一体化したり、一方を溶剤に溶解して他方の表面
に塗布するなどの方法を必要とする。第2の問題
点は熱硬化性ポリウレタンは硬化後は可塑性が失
なわれることに起因する問題である。まず、熱硬
化性ポリウレタンのシートやフイルムを成形する
方法が制限され(キヤスト成形して硬化させる方
法がほぼ唯一の方法である)、押出成形、プレス
成形、その他のシートやフイルムの成形に適した
成形方法を使用できず、このため均一な厚さの平
滑なシートやフイルムが得難い。また、可塑性を
有していれば平滑な表面の型で圧縮して平滑な表
面を出すことができるがこれも困難である。勿
論、接着性がないこともこれが原因である。第3
に熱硬化性ポリウレタンは熱可塑性ポリウレタン
に比較してバイレイヤーガラスに要求される物
性、たとえば耐貫通性や耐衝撃性が充分でない点
が問題である。
前記公知例では上記のような多くの問題がいま
だ解決されていず、表面特性の問題を除けば、バ
イレイヤーガラスのバイレイヤー層としては熱可
塑性樹脂、特にポリウレタン系の熱可塑性樹脂が
最も優れていると考えられる。しかしバイレイヤ
ー層すべてが熱可塑性樹脂からなる必要はなく、
多層構造のバイレイヤー層における各層間の接
着、硬質基体が有機ガラスである場合の硬質基体
とバイレイヤー層の接着などに熱硬化性樹脂を使
用しうる。この場合により存在させることのでき
る熱硬化性樹脂層は薄いものが好ましく、バイレ
イヤー層の主要部分、特に露出面を構成する表面
層を含む主要部分は熱可塑性樹脂からなることが
好ましい。このバイレイヤー層を構成する1層あ
るいは多層構造の場合により熱硬化性樹脂層を含
んでもよい熱可塑性樹脂の層を以下合成樹脂層と
いう。
本発明者は上記合成樹脂層とガラスシートなど
の硬質基体層との少くとも2層構造を有する積層
体である前記積層安全ガラスにおいて、合成樹脂
層の露出面に導入された架橋しうる官能基を架橋
してなる架橋結合を存在させることにより優れた
表面特性を有する積層安全ガラスが得られること
を見い出した。架橋しうる官能基(以下架橋性基
という)は合成樹脂の露出面あるいは露出面とな
りうる表面に導入され、その導入時点は積層安全
ガラス製造後であつても、製造前の任意の段階で
あつてもよい。表面への導入とは合成樹脂の露出
面あるいは露出面となりうる表面が形成された後
に架橋性基を表面に結合させる意味であるが、こ
の架橋性基が導入された面は二次的加工(たとえ
ば、後述する熱圧着の際の表面平滑化)などの加
工や変形が行なわれてもよい。しかし、合成樹脂
がシートやフイルムに成形する前の段階ですでに
架橋性基を有している場合(この場合通常合成樹
脂層の内部にも架橋性基を含む)はその架橋性基
は表面に導入された架橋性基ではない。ただし、
架橋性基が導入される合成樹脂層の表面や内部は
導入される架橋性基と同一あるいは異る架橋性基
を既に含んでいてもよい。本発明はこの積層安全
ガラスに関するものであり、即ち、表面が露出し
た合成樹脂と硬質基体層との少くとも2層構造を
有する透明ないしは半透明の積層安全ガラスにお
いて、合成樹脂層の露出面が、合成樹脂の面が形
成された後にその表面に架橋性基が導入され、次
いでその導入された架橋性基が架橋されて生成し
た架橋結合を有している露出面であることを特徴
とする積層安全ガラスである。
本発明積層安全ガラスはその合成樹脂層の露出
面に導入された架橋性基の架橋結合を有してい
る。この架橋結合を有する露出面は耐侯性や耐溶
剤性などの表面特性が優れ、しかもこの架橋結合
は表面に存在するので合成樹脂の表面以外の性質
に大きな影響を与えない。従つて、合成樹脂とし
て表面特性を除いてはその物性等が最も適切なも
のを選択でき、たとえばポリウレタン系熱可塑性
樹脂のような表面特性を除いては積層安全ガラス
として最も適した合成樹脂を使用することができ
る。
架橋性基は熱、光、湿気、あるいは化学物質な
どで架橋しうる種々の架橋性基を使用しうる。好
ましくは熱以外の作用で架橋しうる官能基、特に
光あるいは湿気で架橋しうる官能基が適当であ
る。その理由は、積層安全ガラスを製造する場
合、加熱の工程が少なからず必要とされ、この段
階において熱により架橋しうる官能基が存在する
と不必要な架橋が起る虞れがあるからである。た
とえば、積層安全ガラスは合成樹脂のシートやフ
イルムと硬質基体とを熱圧着、その他の加熱を含
む積層手段で積層して製造されることが多く、ま
た多層の合成樹脂のシートやフイルムを使用する
場合はこの積層合成樹脂の製造にも加熱を含む方
法が使用されることも少くない。これらの場合、
合成樹脂のシートやフイルムにあらかじめ架橋性
基を導入し、これを用いて積層安全ガラスや積層
合成樹脂を製造することが少くない。このとき、
架橋性基が熱により架橋し易い熱に対して感受性
の高い架橋基であると、たとえば熱圧着時に架橋
が起つて表面の平滑化が阻害されるなどの不都合
が生じる虞れがある。従つて、架橋性基は熱以外
の作用によつて架橋しうる架橋性基、特に光ある
いは湿気によつて架橋しうる架橋性基が好まし
い。しかし、既に製造した積層安全ガラスの露出
した合成樹脂面を処理する場合は、熱架橋性の官
能基であつてもよい。導入された官能基はそれぞ
れの架橋作用を起す手段で架橋される。たとえ
ば、光架橋性基に対しては紫外線などの光で架橋
を行い、湿分架橋性基に対しては液体状あるいは
気体状などの水で架橋を行う。たとえば湿分架橋
性基の1種であるアルコキシシリル基の導入と架
橋を例にとれば、まず合成樹脂層の露出面あるい
は露出面となる表面を後述するようなカルボン酸
基などの活性基を有する合成樹脂、たとえばカル
ボン酸基含有ポリウレタン系熱可塑性樹脂で構成
し、この活性基と結合しうる基(以下結合性基と
いう)と湿気架橋性基であるアルコキシシリル基
とを有する化合物をそのままあるいはあるいはそ
の溶液を塗布し反応させることによりアルコキシ
シリル基が合成樹脂の表面に導入される。次に、
この表面に湿気を与えて(たとえば水を塗布した
り湿気を有する空気中に置く)アルコキシシリル
基を加水分解してシラノール基とする。このシラ
ノール基は自然に脱水縮合して、あるいは強制的
に脱水させて架橋結合を生じる。
第1図〜第4図に本発明積層安全ガラスの例を
断面図で示す。第1図は合成樹脂層1と無機ガラ
ス〔以下単にガラスという〕などの硬質基体層2
との2層構造を有する積層安全ガラスの断面図で
ある。合成樹脂の露出面Aは上記導入された架橋
性基の架橋結合を有し、他の面Bは硬質基体2と
融着している面である。第2図は合成樹脂層1が
2層構造を有している積層安全ガラスの断面図で
ある。たとえば、露出面Aを有する合成樹脂層3
は後述するようなカルボン酸基などの活性基を有
するポリウレタン系熱可塑性樹脂の層であり、内
部の合成樹脂層4は通常のポリウレタン系熱可塑
性樹脂である。第3図は第2図のような積層安全
ガラスにおいて、合成樹脂層を3層構造としたも
のであり、第2図のような内部の合成樹脂層4と
硬質基体層2との間に両者に対して結合力の高い
第3の合成樹脂層5を有している。この場合、硬
質基体層2が有機ガラスの層を用いた場合などで
は、この第3の合成樹脂層5は熱硬化性樹脂の層
であつてもよい。第4図は第2図のような積層安
全ガラスにおいて硬質基体層2を3層構造とした
ものであり、この硬質基体は2板のガラス層6,
7とその間に存在するブチラール膜などの中間膜
8から構成されている。
本発明において硬質基体層は合成樹脂よりも硬
質のシート材料、たとえばガラス(即ち無機ガラ
ス)のシートやポリカーボネート、ポリメチルメ
タクリレート、その他の有機ガラスのシートから
なる。これら硬質基体は1層構造は勿論、前記の
ような多層構造であつてもよい。多層構造体の場
合、合成樹脂が熱圧着等で結合する面および露出
する最外層の表面は硬質の材料からなるが、2枚
の硬質材料の間はブチラール樹脂などの軟質材料
からなつていてもよい。ガラスシートの場合、そ
れは風冷強化あるいは化学強化などにより強化さ
れていてもよい。また、ガラスシートは着色され
ていてもよく、熱線反射膜などの薄層を有してい
てもよい。有機ガラスのシートの場合、延伸処理
などの処理が行なわれていてもよく、ハードコー
ト層などの薄層を有していてもよい。また、有機
ガラスのシートは着色されていたり、模様付され
ていてもよく、さらに部分的に不透明な部分があ
つてもよい。これら硬質基体は全体として透明〜
半透明であることが好ましく、特に光学的特性に
優れていることが好ましい。硬質基体全体の厚さ
は0.5mm以上、特に1〜50mm程度が好ましい。こ
の硬質基体は平板は勿論、自動車のフロントウイ
ンド用あるいはリアウインド用に使用されている
種々の形状に成形されたものであつてもよい。ま
た、目的によつてはレンズのような厚さの一定し
ないものであつてもよい。特に好ましい硬質基体
は1層あるいは多層構造を有する透明のあるいは
着色された透明のガラスシートからなる。
本発明において合成樹脂層は硬質基体よりも軟
質の合成樹脂からなる。この合成樹脂は透明〜半
透明の材料からなるが、積層前の材料であるシー
トやフイルム自体は最終的には透明〜半透明とな
りうる不透明なもの(たとえば表面に微細な凹凸
を有するもの)であつてもよい。この合成樹脂は
着色されていてもよく、部分的に不透明な部分が
あつてもよい。露出面を構成する合成樹脂は熱可
塑性樹脂が好ましく、特に後述するようにポリウ
レタン系熱可塑性樹脂が最も好ましいが、露出面
を構成しない合成樹脂は種々のものを使用しう
る。しかし、露出面を構成しない合成樹脂であつ
てもバイレイヤー層の物性が主にその層に依存す
る場合、即ち他の合成樹脂の層に比較して特に厚
い層である場合、はその合成樹脂は熱可塑性樹
脂、特にポリウレタン系熱可塑性樹脂であること
が好ましい。合成樹脂の層が1層のみである場合
は、熱可塑性樹脂のシートが使用される。多層構
造の合成樹脂の層の場合は、シートやフイルムを
使用しうる。本発明において、シートとは厚さ
0.2mm以上のものをいい、フイルムとはそれ以下
の厚さのものをいう。従つて、たとえば前記結合
性基と結合し易い活性基を有するポリウレタン系
熱可塑性樹脂フイルムと厚いポリウレタン系熱可
塑性樹脂シートを用いて合成樹脂層を構成するこ
とができる。合成樹脂層全体の厚さは、特に限定
されるものではないが0.2mm以上、特に0.4〜10mm
であることが好ましい。
本発明において、上記熱可塑性樹脂はポリウレ
タン系の熱可塑性樹脂が好ましい。他の熱可塑性
樹脂としてはポリエステル系樹脂、プチラール系
樹脂、ポリジエン系樹脂、エチレン−酢酸ビニル
系コポリマー、ポリオレフイン系エラストマー、
その他の比較的軟質の熱可塑性樹脂や熱可塑性エ
ラストマーを使用することができる。しかし、透
明性、耐衝撃性、耐貫通特性、その他の物性面か
らポリウレタン系の熱可塑性樹脂が最も好まし
い。ポリウレタン系の熱可塑性樹脂とは、ウレタ
ン基を多数有する熱可塑性を有する合成樹脂であ
る。この合成樹脂はウレタン基以外にウレア基、
アロフアネート基、ビユレツト基その他の活性水
素含有基とイソシアネート基との反応により生じ
る基を有していてもよい。また、イソシアヌレー
ト基、カルボジイミド基、その他のイソシアネー
ト基に起因する基を有していてもよい。さらに、
高分子量ポリオール自体が有しているエステル
基、エーテル基、カーボネート基、あるいはその
他の基を有していることは勿論、鎖延長剤や架橋
剤などの化合物に起因する基を有することもあ
る。また、露出面となるポリウレタンの場合、後
述するように、光あるいは湿気により架橋しうる
官能基を導入するために、それらの官能基を有す
る化合物を結合しうる活性基、たとえばカルボン
酸基や3級アミノ基、を有していることが好まし
い。
ポリウレタン系熱可塑性樹脂は基体的に高分子
量ジオール、鎖延長剤、およびジイソシアネート
化合物を反応させて得られる線状重合体である。
しかしながら少量の分枝部が存在してもよく、た
とえば3官能以上のポリオール、架橋剤、あるい
はポリイソシアネートを上記2官能化合物を併用
することによつて得られる少量の分枝部を有する
大部分が線状の重合体であつてもよい。高分子量
ジオール、鎖延長剤、およびジイソシアネート化
合物の主要3原料の他に、必要により種々の副原
料を使用してポリウレタン系熱可塑性樹脂が得ら
れる。副原料として通常触媒が必要とされる。そ
の他目的に応じて、架橋剤、着色剤、安定剤、紫
外線吸収剤、難燃剤、その他の添加剤を副原料と
して使用することができる。
高分子ジオールとしてはポリエステルジオー
ル、ポリエーテルジオール、ポリエーテルエステ
ルジオール、ポリカーボネートジオール、その他
の高分子量ジオールが使用でき、特に2価アルコ
ールと2価カルボン酸系化合物から得られるポリ
エステルジオール、あるいは環状エステル化合物
を開環重合して得られるポリエステルジオールが
好ましく、たとえば、ポリ(1,4−プチレンア
ジペート)、ポリ(エチレンアジペート)、ポリ
(1,3−ブチレンアゼレート)、ボリ(ε−カプ
ロラクトン)などを使用しうる。また、水、2価
アルコール、2価フエノール、その他のイニシエ
ーターにアルキレンオキサイドなどのエポキシ
ド、あるいは他の4員環以上の環状エーテルを付
加して得られるポリエーテルジオールやポリカー
ボネートジオールも好ましい場合が少くない。こ
れら高分子量ジオールは常温で液体かあるいは反
応時に液体となしうる低融点化合物が適当であ
り、その分子量は特に限定されるものではない
が、600〜8000、特に800〜4000であることが好ま
しい。鎖延長剤は比較的低分子量の2価の化合物
であり、たとえばジオール、ジアミン、2価のア
ルカノールアミン、その他の水酸基やアミノ基を
2個有する化合物である。その分子量は、特に限
定されるものではないが、400以下、特に200以下
であることが好ましい。ジオールとしては2価ア
ルコール、ポリエステルジオール、ポリエーテル
ジオールなどが使用でき、特に炭素数2〜6の2
価アルコールが好ましい。ジアミンとしては脂肪
族、脂環族、芳香族、その他のジアミンが使用で
きる。アルカノールアミンとしてはたとえばN−
アルキルジエタノールアミンなどの2価のアルカ
ノールアミンを使用できる。これら、高分子量ジ
オールと鎖延長剤の組み合せにおいては、さらに
他の2価の化合物、たとえば両者の中間の分子量
を有するジオールを併用することができる。勿
論、高分子量ジオールと鎖延長剤はそれぞれ2種
以上の化合物を併用することができる。
ジイソシアネート化合物としては脂肪族、脂環
族、芳香族、その他のジイソシアネートやその変
性物を使用でき、それらを2種以上併用すること
もまた可能である。芳香族核に直接結合したイソ
シアネート基は得られるポリウレタンを黄変化さ
せる虞れがあるので、このようなイソシアネート
基を有しないジイソシアネート、通常無黄変型と
呼ばれているジイソシアネートが好ましい。たと
えば、ヘキサメチレンジイソシアネート、メチレ
ンビス(シクロヘキシルイソシアネート)、シク
ロヘキシルメタンジイソシアネート、イソホロン
ジイソシアネート、キシリレンジイソシアネー
ト、およびそれらを種々の化合物や処理で変性し
た変性ジイソシアネートが好ましいジイソシアネ
ートである。
ポリウレタン系熱可塑性樹脂は、前記原料を使
用してワンシヨツト法、プレポリマー法、準プレ
ポリマー法、その他種々の方法で製造される。こ
れら方法で直接シートやフイルムにすることがで
きることは勿論、得られたポリウレタンの溶液や
粉末〜粒状のポリウレタンからシートやフイルム
に成形することもできる。たとえば、キヤスト
法、押出成形法、射出成形法、プレス法、その他
の方法でシートやフイルムとすることができる。
多層のポリウレタン系熱可塑性樹脂を使用する場
合、あるいはポリウレタン系熱可塑性樹脂と他の
合成樹脂との多層構造体を使用する場合、これら
のシートやフイルムを融着、圧着、接着などによ
つて積層した積層体や多層押出成形法やキヤスト
法などによつて製造した積層体を使用することが
できる。
本発明積層安全ガラスの露出面は光や湿気で架
橋しうる官能基を導入し易い合成樹脂からなるこ
とが好ましい。即ち、前記第1図においては合成
樹脂層1全体が、第2図〜第4図においては少な
くとも露出面を有する合成樹脂層3がこのような
合成樹脂からなることが好ましい。この合成樹脂
としてポリウレタン系熱可塑性樹脂を例にとれ
ば、このポリウレタン系熱可塑性樹脂はカルボン
酸基、3級アミノ基、その他の反応性の高い基を
有していることが好ましい。勿論、そのような基
がなくても、たとえばウレタン基などのそれ自体
がもとから有している活性基を利用することもで
きる。しかし、光あるいは湿気で架橋しうる官能
基の導入のし易さを考えるとポリウレタン製造時
に反応性の高い基を導入しておくことが好まし
い。反応性の高い基としてカルボン酸基を例にと
れば、カルボン酸基を有する高分子量ジオールや
カルボン酸基を有する鎖延長剤などのカルボン酸
基を有する主原料、またはカルボン酸基を有する
架橋剤などの副原料、その他のカルボン酸基を有
する化合物を使用してカルボン酸基を有するポリ
ウレタンを製造することができる。これらカルボ
ン酸基を有する化合物は前記した高分子量ジオー
ルや鎖延長剤などの全量と置き換えて使用するこ
ともできるが、通常はそれらと併用して使用され
る。たとえばカルボン酸基を有する鎖延長剤とし
て使用しうるジメチロールプロピオン酸などの水
酸基を有するカルボン酸は通常の鎖延長剤である
2価アルコールと併用して使用することが好まし
い。なお、カルボン酸基がポリウレタンの製造の
反応に影響がある虞れがある場合やカルボン酸基
が反応する虞れがある場合などでは、後で、カル
ボン酸基に変えうる基を有する化合物を使用して
ポリウレタンを製造し、その後その基をカルボン
酸基に変えるなどの方法を採用することもでき
る。
前記積層安全ガラスは、好ましくはポリウレタ
ン系熱可塑性樹脂などの熱可塑性樹脂とガラスシ
ートのような硬質基体とを熱圧着、融着、接着、
その他の方法で積層して製造される。積層安全ガ
ラスが3層以上の多層構造体の場合は、各層は同
時にあるいは順次積層される。特に、2層以上の
合成樹脂層を設ける場合は、あらかじめ積層した
それらの積層体を使用することが好ましい。合成
樹脂相互の積層や多層構造の硬質基体の製造にお
ける積層には種々の積層方法を採用しうるが、熱
可塑性樹脂と硬質基体との積層の場合は熱圧着が
最も適している。この合成樹脂と硬質基体との積
層は通常積層安全ガラス製造における最後の積層
工程である。しかしながら、さらに積層を行つて
3層以上の層構造を有する積層安全ガラスを製造
することもでき、たとえば、前記第1図に示した
2層構造の積層安全ガラスの上面にさらに熱可塑
性樹脂のシートやフイルムを積層して、第2図に
示した3層構造の積層安全ガラスを製造すること
もできる。
上記積層における熱圧着は、通常熱可塑性樹脂
と硬質基体との間に存在する空気等を除去するた
めに、それらを重ねて組み立てた組み立て体(以
下積層組立体という)を常温ないし100℃以下の
加温下において減圧し脱気する予備圧着工程と、
該積層組立体を加熱加圧下において熱圧着する本
圧着工程とを通して行なわれる。具体的にはたと
えば、硬質基体上に1枚あるいは複数枚の熱可塑
性樹脂のシートやフイルムを重ね、さらにその上
に表面が平滑な型材、たとえば離型処理されたガ
ラスシート、ゴムシート、プラスチツクシート、
金属シートなどを重ね、この積層組立体をゴム製
予備圧着袋に入れて該圧着袋内を脱気して予備圧
着を行い、次に予備圧着された積層体を型材を離
してあるいは離さずしてオートクレープの中に入
れ、加熱加圧して本圧着を行う方法により熱圧着
が行なわれる。かかる予備圧着は、通常予備圧着
袋内を約700mmHg以下、たとえば200〜650mmHg
に減圧した後、約100℃以下、たとえば常温〜90
℃に加熱して行なわれる。また、本圧着は通常低
くは約60℃程度から熱可塑性樹脂が溶融するまで
の温度、たとえば熱可塑性樹脂がポリウレタン系
熱可塑性樹脂の場合は約80〜150℃の温度下、圧
力は2Kg/cm2以上、たとえばポリウレタン系熱可
塑性樹脂の場合は約7〜20Kg/cm2の圧力下、で行
なわれることが好ましい。これらの条件は熱可塑
性樹脂や硬質基体の種類、各構成単位の厚さや大
きさ、その他の要因により変りうるものである。
上記予備圧着は上記したように予備圧着袋を使
用する方法に限られるものではない。たとえば、
積層組立体を、ロールの間に通しロール押圧して
予備圧着する方法、積層組立体をプラテンにより
プレスして予備圧着する方法、二重の減圧室を有
する減圧装置の内側の減圧室に積層組立体を入
れ、外側の減圧をはじめに脱気した後内側の減圧
室を脱気し、次いで外側の減圧室の減圧を解除し
て大気圧で圧着する二重真空圧着方法などによつ
て行うこともできる。同様に本圧着もオートクレ
ープにより熱圧着する方法に限られるものではな
く、たとえば加熱された油槽の中に積層組立体を
入れて加圧する方法、加熱下に積層組立体をロー
ル間に通してロール押圧する方法、加熱下に積層
組立体をプレスする方法、加熱下に上記二重真空
圧着方法を行う方法などによつて行うこともでき
る。また、熱圧着の際、特に予備圧着工程におい
ては、充分な圧着が行なわれかつ平滑な表面が得
られるように熱可塑性樹脂の上に圧着後取り除く
前記型材を配置することが好ましいが、圧着方法
の種類や目的によつてはかかる型材の使用を省略
することもできる。また、熱可塑性樹脂と硬質基
体との熱圧着は予備圧着工程と本圧着工程とを経
て行うのが最も一般的であるが、熱圧着方法の種
類、熱可塑性樹脂や硬質基体の種類、各構成単位
の厚さや大きさなどの条件によつては予備圧着工
程を本圧着工程の両工程を経ることなく一工程で
熱圧着を行うこともできる。
上記のような熱圧着による積層は積層安全ガラ
スのただ1つの製造方法ではない。しかし、他の
方法に比較して熱可塑性樹脂と硬質基体との間の
高い接着強度が得られること、熱可塑性樹脂をあ
らかじめシートやフイルムに成形しておくことが
できるため平滑かつ光学特性の良好な熱可塑性樹
脂層が得られること、熱圧着の際熱可塑性樹脂層
を型材で押圧することによりさらに平滑な表面が
得られることなど種々の利点がある。積層安全ガ
ラスは硬質基体と1層あるいは多層の熱可塑性樹
脂からなり、かつ硬質基体と熱可塑性樹脂間ある
いは多層の熱可塑性樹脂間に熱硬化性樹脂の層を
有しないことが好ましいが、場合により接着剤や
バインダーその他の熱硬化性樹脂の薄層を有して
いてもよい。しかしながら、合成樹脂層の露出面
には、前記公知例のような熱硬化性樹脂の層を有
しない。また、合成樹脂層に面した硬質基体がガ
ラス(無機ガラス)の場合は同様に両者の間には
熱硬化性樹脂層を含まないことが好ましい。
前記架橋性基の導入、およびその後の架橋性基
の架橋は上記積層安全ガラスの製造工程の任意の
段階で行いうる。たとえば、早い段階では合成樹
脂のシートやフイルムを製造する段階でそれらの
積層安全ガラスの露出面となる表面に架橋性基を
導入して架橋を行いこれを用いて本発明積層安全
ガラスを製造することができ、遅い段階では積層
安全ガラス製造後、その合成樹脂層の露出面に架
橋性基を導入して架橋を行うことができる。架橋
性基の導入とその架橋は連続している必要はな
く、その間に種々の工程を入れることができる。
たとえば、熱可塑性樹脂のシートやフイルムの片
面に架橋性基を導入し、これを用いて、あるいは
さらに他の合成樹脂と組み合せて、硬質基体と熱
圧着などで積層して積層安全ガラスを製造し、次
いで合成樹脂層表面に存在する架橋性基を架橋し
て本発明の積層安全ガラスとすることができる。
具体的な例を示せば、たとえば前記カルボン酸基
を有するポリウレタン系熱可塑性樹脂のシートや
フイルム、該シートやフイルムを表面に有する積
層合成樹脂、あるいはそれらの層を有する積層安
全ガラスのカルボン酸基を有する表面に、前記カ
ルボン酸基とアルコキシシリル基を有する化合
物、たとえば、γ−グリシドキシプロピルトリメ
トキシシランの溶液やそのものを塗布し、反応さ
せることによつて表面にアルコキシシリル基が導
入される。次いであるいは合成樹脂のシートやフ
イルムの場合は硬質基体と積層を行つた後でもよ
いが、このアルコキシシリル基が架橋される。前
記のようにアルコキシシリル基の架橋はアルコキ
シシリル基の加水分解と生じたシラノール基の脱
水縮合によつて行なわれる。この2段階反応は場
合により分解して行うことも可能であり、たとえ
ばアルコキシシリル基の加水分解を行つたシラノ
ール基を有する合成樹脂のシートやフイルムを硬
質基体と積層した後シラノール基の脱水縮合を行
うことができる。同様に、カルボン酸基を有する
ポリウレタン系熱可塑性樹脂の表面に対してたと
えばエポキシ基と光架橋性基(たとえばケイ皮酸
基)を有する化合物を反応させ、この光架橋性基
に紫外線などの光を照射して架橋結合を有する表
面を得ることができる。また、熱架橋は水酸基、
アミノ基、ウレタン基、その他の活性水素を有す
る基やイソシアネート基を有する熱可塑性ポリウ
レタンのシートやフイルムにそれぞれイソシアネ
ート基を有する化合物や活性水素を有する基を加
熱下に反応させて架橋する方法や過酸化物などの
架橋剤を使用する方法などがある。この熱架橋は
熱可塑性ポリウレタンとガラスの積層時に同時に
行うことが好ましい場合もある。
本発明により得られる透明〜半透明の積層安全
ガラスは、自動車、その他の車輌用の窓材、ある
いは建築用の窓材として適している。しかし、そ
の用途はこれらに限られるものではなく透明性と
物理的強度を必要とする種々の用途、たとえば眼
鏡用レンズなどに使用することもできる。
以下、本発明を参考例や実施例で具体的に説明
するが本発明はこれら実施例などに限定されるも
のではない。
参考例 以下の方法によりポリウレタンシートを製造し
た。それぞれシートA〜Eと名付け、以下の実施
例に使用した。
シート A 水酸基価56のポリプチレンアジペート1500gを
3mmHg真空下110℃で2時間脱水した。これにイ
ソホロンジイシシアネート[3−イソシアネート
メチル−3,5,5−トリメチルシクロヘキシル
イソシアネート]908gおよびジ−n−ブチルチ
ンジラウレート0.16gを加え窒素気流下80℃にて
15分間反応させた。次にこの反応混合物に1,4
ブタンジオール244g、ジメチロールプロピオン
酸75gを加えて速やかに撹拌混合した。反応の開
始とともに発熱がみられ、実質的に均一な混合物
が得られた。この液体反応混合物をテフロン被覆
したバツトに注ぎ込み110℃12時間にわたつて反
応させた。生成したポリマーを粉砕機により粉砕
し粒状化した後押出機によつて厚さ0.6mmの熱可
塑性ポリウレタンシートであるシートAを製造し
た。
シート B 水酸基価56.7のポリエチレンアジペート1500
g、4,4′−メチレン−ビス(シクロヘキシルイ
ソシアネート)781g、ジ−n−ブチルチンジラ
ウレート0.45g、1,4ブタンジオール144g、
ジメチロールブロピオン酸75gを用いてシートA
と同じ方法により反応させ、同様の方法で厚さ
0.6mmのシートBを製造した。
シート C 水酸基価54.3のポリエチレンアジペート1500
g、4,4′−メチレン−ビス(シクロヘキシルイ
ソシアネート)642g、ジ−n−ブチルチンジラ
ウレート0.33g、1,4ブタンジオール121g、
ジメチロールブロピオン酸45gを用いてシートA
と同じ方法により反応させ、同様の方法により、
厚さ0.6mmのシートCを製造した。
シート D 水酸基価56のポリエチレンアジペート1500g、
4,4′−メチレンビス(シクロヘキシルイソシア
ネート)1173g、1,4ブタンジオール327g、
ジ−n−ブチルチンジラウレート0.18gを用いて
Aと同じ方法により厚さ0.6mmのシートDを製造
した。
シート E 水酸基価55.8からなる、ポリカプロラクトンジ
オール1500g、4,4′−メチレンビス(シクロヘ
キシルイソシアネート)1003g、ジ−n−ブチル
チンジラウレート0.33g、1,4ブタンジオール
150gおよびジメチルロールプロピオン酸75gを
用いてシートAと同様の方法で0.6mm厚みのシー
トEを製造した。
実施例 1 シートAの片面にグリシジルシンナメート50g
トリエチルアミン15へ、2,2−ジメトキシ−2
−フエニルアセトフエノン5g、ベンゼン500g
からなる溶液を均一に塗布しそのまま110℃の窒
素パージ炉中に移し1時間反応させた。次に、グ
リシジルシンナメートを処理して面より100W高
水銀灯を用い5cmの距離から5分間光を照射し
た。この後シートAを2枚のガラス板の間に合わ
せた。この時、シートAの光処理された面と接す
る1枚のガラスの面には予めポリジメチルシロキ
サンを均一に塗布し、350℃で熱処理を施した。
この非接着ガラス積層体をゴム袋に入れこのゴム
袋のままオートクレーブに入れた。最初、ゴム袋
とオートクレーブの両方を真空にしてガラスとシ
ートAの間の空気を除去した。次にオートクレー
ブを100℃に加熱しゴム袋内は真空に保つたまま
オートクレーブの中だけを大気圧に戻すことによ
り1Kg/cm2の圧力をかけた。この状態で15分間保
つた後、オートクレーブを140℃、13Kg/cm2の条
件に設定し20分間保持した。ガラス積層体をオー
トクレーブより取り出した後ポリジメチルシロキ
サンで処理されたガラスを取りはずすことによ
り、シートAの露出した面がガラス状に平滑で、
ガラスとの接着が良好な、バイレイヤーガラスが
得られた。
このバイレイヤーガラスのシートA面に対し、
エタノール/メタノール=10/1(V/V)四塩
化炭素、灯油、ガソリンの各々をフエルトに染ま
せ、ラビング試験を行つたが1000回ラビングした
後でも全く変化が認められなかつた。また
JISR3212に基づくテーバ試験では100回後のヘイ
ズの増加が2.5%であつた。また同じくJISR3212
に基づく落球試験では鋼球は貫通せず十分な耐貫
通性能を示した。
以下、上記試験方法をそれぞれラビング試験、
テーバー試験、落球試験と呼び、各実施例におけ
るそれぞれの結果を示す。
実施例 2 シートBの片面にグリシジルメタクリレート50
g、N−Nジメチルアニリン15g、ベンゾインメ
チルエーテル5g、ベンゼン500gからつくつた
溶液を均一に塗布しそのまま110℃の窒素パージ
炉中に移し30分反応させた。次いで、実施例1と
同じ方法により、光照射を行つた後ガラスと積層
しバイレイヤーガラスを得た。
このバイレイヤーガラスの試験結果は以下の通
りであつた。
ラビング試験:変化なし テーバー試験:ヘイズ増加2.3% 落球試験 :貫通せず 実施例 3 シートCの片面にγ−グリシドキシプロピルト
リメトキシと痕跡量のN,N−ジメチルアニリン
の混合物を極く薄く均一に塗布し、そのまま窒素
パージ炉に移し、110℃の温度にて30分反応させ
た。このシートCを90℃の熱水中に30分間浸漬
し、その後120℃の乾燥機に移し15分間乾燥した。
この後実施例1で行なつたのと同じ方法により、
バイレイヤーガラスをつくつた。このバイレイヤ
ーガラスのシートC面はガラス状に平滑であり、
光学的な歪みはみられなかつた。またガラスとの
接着も良好であつた。
ラビング試験:変化なし テーバー試験:ヘイズ増加2.0 落球試験 :貫通せず 実施例 4 シートDの片面にγ−イソシアネートプロピル
トリメトキシシラン50gオクチル酸鉛0.5g、ベ
ンゼン500gからなる溶液を均一に塗布、そのま
ま110℃の窒素パージ炉中に移し、1時間反応さ
せた。このシートを実施例3と同じ方法でバイレ
イヤーガラスを製造した。
ラビング試験:変化なし テーバー試験:ヘイズ増加2.4% 落球試験 :貫通せず 実施例 5 実施例1において、平面をグリシジルシンナメ
ートで処理したシートAを光照射することなく実
施例1と同じ方法でガラス板と積層し、表面が未
架橋のポリウレタンシート層を有するバイレイヤ
ーガラスを製造した。このポリウレタンシート層
はガラス状に平滑で、ガラスとの接着性を良好で
あつた。
次にこのバイレイヤーガラスに対し、シートA
面より100W高圧水銀灯を用い、5cmの距離から
5分間光を照射した。光照射により架橋されたシ
ートA表面の物性やこのバイレイヤーガラスの耐
貫通性は以下の通りであつた。
ラビング試験:変化なし テーバー試験:ヘイズ増加2.5% 落球試験 :貫通せず 実施例 6 実施例2において製造した片面に未架橋の光架
橋性基を有するシートBを光照射することなく実
施例1と同じ方法でガラス板と積層してバイレイ
ヤーガラスを製造し、次いで実施例5と同様にし
て光照射し、表面が架橋されたバイレイヤーガラ
スを製造した。
ラビング試験:変化なし テーバー試験:ヘイズ増加2.3% 落球試験 :貫通せず 実施例 7 シートCの片面にγ−グリシドキシプロピルト
リメトキシシランと極く少量のN,N−ジメチル
アニリンとの混合物を薄く均一に塗布し、そのま
ま窒素パージ炉に移して110℃で30分間加熱処理
した。この片面を処理したシートCを用いて実施
例1と同様の方法でガラスと積層し、バイレイヤ
ーガラスを製造した。
次に、このバイレイヤーガラスを90℃の熱水中
に30分間浸漬しその後120℃の乾燥機に移し、15
分間乾燥した。このバイレイヤーガラスのフイル
ム面はガラス状に平滑であり、フイルムとガラス
との接着も良好であつた。
ラビング試験:変化なし テーバー試験:ヘイズ増加2.0% 落球試験 :貫通せず 実施例 8 実施例7において、γ−グリシドキシプロピル
トリメトキシシランの代わりにβ−(3,4−エ
ポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラ
ンを使用した以外は実施例7と同じ方法でバイレ
イヤーガラスを製造し、その後同様に熱水処理・
乾燥を行い、良好なバイレイヤーガラスを得た。
ラビング試験:変化なし テーバー試験:ヘイズ増加2.6% 落球試験 :貫通せず 実施例 9 シートEを使用する以外は実施例7と同じ方法
で表面が湿気架橋された熱可塑性ポリウレタン層
を有するバイレイヤーガラスを製造した。
ラビング試験:変化なし テーバー試験:ヘイズ増加2.9% 落球試験 :貫通せず 実施例 10 シートAを何ら表面処理することなく実施例1
の積層方法を使用して、バイレイヤーガラスを製
造した(以下、表面処理していないシートとガラ
スを積層したバイレイヤーガラスを未処理バイレ
イヤーガラスという)。このバイレイヤーガラス
の熱可塑性ポリウレタン層はガラスと強固に接着
しており、またその露出面は平滑であつた。
次にこの未処理バイレイヤーガラスのポリウレ
タンシートの露出した面にγ−グリシドキシプロ
ピルトリメトキシシラン50gN,N−ジメチルア
ニリン0.5gn−ヘキサン500gよりなる液を均一
に塗布し、そのまま窒素雰囲気下において110℃
の温度にて30分反応させた。この後バイレイヤー
ガラスを90℃の熱水中に30分浸漬した。続いて
126℃の乾燥機内で20分乾燥させた。このバイレ
イヤーガラスは、ポリウレタンシート面がガラス
状に平滑であり、光学的にも良好であつた。
ラビング試験:変化なし テーバー試験:ヘイズ増加2.5% 落球試験 :貫通せず なお上記未処理バイレイヤーガラスをラビング
試験したところ、エタノール/メタノール混合液
でラビングした場合に表面が冒され、そのヘイズ
増加は30%であつた。
実施例 11 シートEを用いて、実施例10と同様に未処理バ
イレイヤーガラスを製造し、次に実施例1と同じ
方法で処理し、表面処理された良好なバイレイヤ
ーガラスを得た。
ラビング試験:変化なし テーバー試験:ヘイズ増加2.9% 落球試験 :貫通せず 実施例 12 実施例10における未処理バイレイヤーガラスを
用い、このもののポリウレタンシート面にグリシ
ジルメタクリレート50g、N,N−ジメチルアニ
リン0.5g、ベンゾインメチルエーテル5g、ベ
ンゼン500gよりつくられた溶液を均一に塗布し、
そのまま窒素雰囲気下において110℃の温度にて
30分間反応させた。この後このバイレイヤーガラ
スに対しポリウレタンシート側の面から100W高
圧水銀灯により10分間光照射を行なつて、良好な
表面処理されたバイレイヤーガラスを得た。
ラビング試験:変化なし テーバー試験:ヘイズ増加2.6% 落球試験 :貫通せず 実施例 13 シートDを用いて、未処理バイレイヤーガラス
を製造した。この未処理バイレイヤーガラスのポ
リウレタンシート面にγ−イソシアネートプロピ
ルトリメトキシシラン50g、オクチル酸0.5g、
ベンゼン500gからなる溶液を均一に塗布し、そ
のまま110℃の温度にて窒素雰囲気下で1時間反
応させた。この後90℃熱水中に30分浸漬し120℃
で20分乾燥し良好な表面処理したバイレイヤーガ
ラスを得た。
ラビング試験:変化なし テーバー試験:ヘイズ増加2.4% 落球試験 :貫通せず 実施例 14 実施例12において、グリシジルメタクリレート
の代りにグリシジルシンナメートを用い、良好な
表面処理されたバイレイヤーガラスを得た。
ラビング試験:変化なし テーバー試験:ヘイズ増加2.8% 落球試験 :貫通せず 実施例 15 水酸基価54.1のポリ(プチレンアジペート)
1500g、4,4′−メチレン−ビス−(シクロヘキ
シルイソシアネート)777g、1,4−ブタンジ
オール148g、ジメチロールプロピオン酸75g、
ジ−n−ブチルチンジラウレート0.45gを用いた
他はシートAと同じ方法により、厚みが0.6mmの
シートをつくつた。
次にこのシートを用いて、実施例1と同じ積層
方法によりバイレイヤーガラスをつくつたが、こ
の時、ポリジメチルシロキサンで処理したガラス
と接するシートの面には、1,4ブタンジオール
50gとN,N−ジメチルアニリン0.5g、テトラ
ヒドロフラン100gからつくられた溶液を均一に
塗布し、風乾しておいた。得られた表面処理され
たバイレイヤーガラスはその熱可塑性ポリウレタ
ン層の表面が平滑で光学的に良好であつた。
ラビング試験:変化なし テーバー試験:ヘイズ増加2.4% 落球試験 :貫通せず 実施例 16 水酸基54.1のポリブチレンアジベート1500g、
4,4′−メチレンビス(シクロヘキシルイソシア
ネート)798g、1,4ブタンジオール127g、シ
ス1,4−ブテン−2−ジオール75g、ジ−n−
ブチルチンジラウレート0.15gを用い、また、シ
ートの面への処理剤として2,5−ジメチル、
2,5ジ−t−ブチルパーオキシヘキサンを均一
に塗布した他は実施例15と同じ方法により、良好
なバイレイヤーガラスを得た。
ラビング試験:変化なし テーバー試験:ヘイズ増加2.5% 落球試験 :貫通せず
【図面の簡単な説明】
第1図〜第4図は本発明積層安全ガラスの例を
示す断面図であり、第1図は合成樹脂層と硬質基
体の2層構造体、第2図は2層の合成樹脂層と硬
質基体の3層構造体、第3図は3層の合成樹脂層
と硬質基体の4層構造体、第4図は2層構造の合
成樹脂層と3層構造の硬質基体との5層構造体を
示すものである。 1…合成樹脂層、2…硬質基体層、A…露出
面。

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1 表面が露出した合成樹脂層と硬質基体層との
    少くとも2層構造を有する透明ないしは半透明の
    積層安全ガラスにおいて、合成樹脂層の露出面
    が、合成樹脂の面が形成された後に、その表面に
    架橋性基が導入され、次いでその導入された架橋
    性基が架橋されて生成した架橋結合を有している
    露出面であることを特徴とする積層安全ガラス。 2 架橋性基が光あるいは湿気により架橋しうる
    官能基である特許請求の範囲第1項の積層安全ガ
    ラス。 3 合成樹脂層の少くとも露出面を構成する部分
    が熱可塑性樹脂である特許請求の範囲第1項の積
    層安全ガラス。 4 合成樹脂層の主要部分が熱可塑性樹脂からな
    る特許請求の範囲第1項の積層安全ガラス。 5 熱可塑性樹脂がポリウレタン系熱可塑性樹脂
    である特許請求の範囲第3項または第4項の積層
    安全ガラス。 6 硬質基体層が少くとも一層の無機ガラス層か
    らなる特許請求の範囲第1項の積層安全ガラス。
JP14783082A 1982-06-08 1982-08-27 積層安全ガラス Granted JPS5938054A (ja)

Priority Applications (6)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP14783082A JPS5938054A (ja) 1982-08-27 1982-08-27 積層安全ガラス
US06/499,790 US4584245A (en) 1982-06-08 1983-05-31 Laminated safety glass
DE8383105471T DE3375908D1 (en) 1982-06-08 1983-06-01 Laminated safety glass
EP19830105471 EP0098961B1 (en) 1982-06-08 1983-06-01 Laminated safety glass
AU15397/83A AU565073B2 (en) 1982-06-08 1983-06-06 Laminated safety glass
CA000429810A CA1235988A (en) 1982-06-08 1983-06-07 Laminated safety glass

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP14783082A JPS5938054A (ja) 1982-08-27 1982-08-27 積層安全ガラス

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPS5938054A JPS5938054A (ja) 1984-03-01
JPS6356063B2 true JPS6356063B2 (ja) 1988-11-07

Family

ID=15439200

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP14783082A Granted JPS5938054A (ja) 1982-06-08 1982-08-27 積層安全ガラス

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPS5938054A (ja)

Families Citing this family (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS61179733A (ja) * 1985-02-05 1986-08-12 旭硝子株式会社 積層体およびその製造方法
JP5134289B2 (ja) * 2007-06-07 2013-01-30 パナホーム株式会社 トップライトの構造

Citations (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS5654260A (en) * 1979-10-09 1981-05-14 Sankyo Alum Ind Co Ltd Laminated glass

Patent Citations (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS5654260A (en) * 1979-10-09 1981-05-14 Sankyo Alum Ind Co Ltd Laminated glass

Also Published As

Publication number Publication date
JPS5938054A (ja) 1984-03-01

Similar Documents

Publication Publication Date Title
EP0285859B1 (en) Reaction curable composition and products comprising a cured product of the composition
US4632877A (en) Laminated safety glass
US5786070A (en) Cross-linked polyurethane resin sheet and laminated product employing it
US4584245A (en) Laminated safety glass
EP0153496B1 (en) Laminated safety glass
JPS61209928A (ja) ラミネート窓ガラスの製法
US4724022A (en) Method of preparing a glass release surface employing a perfluorosilane for manufacturing an anti-lacerative window assembly
JPS6356063B2 (ja)
JPS6336945B2 (ja)
JPH0251922B2 (ja)
JPS6261428B2 (ja)
JPS6336944B2 (ja)
JPH0471708B2 (ja)
JPS6330856B2 (ja)
JPH0610227B2 (ja) ポリウレタン系熱可塑性樹脂の表面部分の改質法
JPS6361179B2 (ja)
JPH0585345B2 (ja)
JPS6260990B2 (ja)
JPH0379186B2 (ja)
JPH0737123B2 (ja) 積層安全ガラス製造方法
JPS6331361B2 (ja)
JPH0144732B2 (ja)
JPH04226750A (ja) フォトクロミック調光機能を有する積層安全ガラス
JPS6257504B2 (ja)
JPS6257503B2 (ja)