JPS6355282B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は閉鎖配電盤用母接続装置、特に、大電
力、大電流用閉鎖配電盤などに使用される絶縁母
線の接続装置に関するものである。

従来使用されている大電力、大電流用の閉鎖配
電盤の概略を示すと添付図面第１図及び第２図の
とおりであつて、図において、符号１は閉鎖配電
盤の筐体、２は上記筐体１内に設置された遮断器
であり、上記遮断器２の上下端には母線又はケー
ブルなどと接続できるブツシング２ａ，２ｂが設
けられている。また、３は上記ブツシング２ａ，
２ｂに同心に取り付けた変流器、４，５はそれぞ
れ上記ブツシング２ａ，２ｂの先端に取り付けら
れた接続導体で、その外表面は一体注形により絶
縁外被が形成されており、且つ、取付台６により
筐体１に取に付け固定されている。また、７はア
ーク事故防止と筐体縮少化のために用いられる絶
縁母線であり、この絶縁母線７は母線接続装置８
によつて上記接続導体４に接続されている。な
お、符号９は接続導体４，５を筐体１に固定の取
付台６に取り付けるための締付けボルトである。

このような閉鎖配電盤における絶縁母線７の母
線接続装置８は、添付図面第３図に示すように構
成され、両側の絶縁母線７，７を接続する接続導
体部材２０は、第２図に示すところの遮断器２の
ブツシング２ａ，２ｂに結合される接続導体４と
一体に構成されると共にその外周面には一体注形
により絶縁外被２０ａが形成され、更に、その内
部には長手方向に沿つて、接続される２本の母線
を嵌挿するための貫通孔２０ｂが形成されてい
る。また、上記絶縁母線７の導体部７ａの先端に
は、挿入導体２１がねじ込みにより一体に結合さ
れており、そして、この挿入導体２１の外径は上
記接続導体部材２０の貫通穴２０ｂの内径よりも
少し小さくしてあると共に挿入導体２１の外周に
は挿入導体２１と貫通穴２０ｂとの間の微小な間
隙に介在してその外周が貫通穴２０ｂの内面と接
触するところの２個のフイン状のコンタクト２２
が装着されている。更に、挿入導体２１のねじ結
合側の外周には止めリング２３及び２４が嵌着さ
れており、また、挿入導体２１と絶縁母線７の導
体部７ａとのねじ結合部の外周面にはスパナ用の
引掛け穴２５，２６が形成され、挿入導体２１と
導体部７ａとをねじ結合する場合の操作に供され
るようになつており、母線接続装置８と絶縁母線
７との間は絶縁物２７によつて保護されている。
また、このように大電力、大電流の場合には、コ
ンタクト２２は電流容量により複数個装着される
のが通例である。

上記のような構成を有する従来の母線接続装置
にあつては、絶縁母線７を接続するためには、ま
ず、取付台６に接続導体４を締付けボルト９にて
固着し、挿入導体２１を接続導体部材２０に挿入
し、絶縁母線７を挿入導体２１にねじ込むことに
よつて接続が行なわれる。

しかしながら、閉鎖配電盤の筐体、取付台、接
続導体部材、挿入導体などには、工作上の誤差が
あるために、閉鎖配電盤を接続する長尺の母線と
を母線接続装置８で受けるとき、隣接盤とのセン
ターラインがずれていれば、挿入導体２１と絶縁
母線７の導体部７ａとをねじ結合する場合、ねじ
部に焼き付きを生じたり、コンタクト２２の接続
導体部材２０の貫通穴２０ｂの内面への確実な接
触が期待できなくなり、従つて、このような状態
の場合には、絶縁母線７を母線接続装置８に仮装
着し、しかる後に、接続導体４の取付台６に対す
る取付位置を調整した後、締付けボルト９によ
り、接続導体４を固定しなければならない。しか
も、このような調整は、母線接続装置８が多数あ
るために、作業性はきわめて悪く、また、センタ
ーずれを起こした場合など、確実な接触が得られ
ないばかりでなく、絶縁母線７と接続導体４，５
間に温度による絶縁母線の伸縮等無理な荷重がか
かり、その結果は破損してしまう場合もある。

本発明は、上記のような従来の閉鎖配電盤用母
線接続装置における欠点を除去し、組立上の誤差
及び母線の伸縮を十分吸収できると共に確実な接
触が確保され、しかも、母線接続の作業性も良好
である大電力、大電流用の閉鎖配電盤用母線接続
装置を提供することをその目的とするものであ
る。

本発明は、この目的を達成するために、接続さ
れる２本の絶縁母線の導体部先端にねじ結合され
ると共に上記ねじ側が大径に且つ先端側が小径に
形成された挿入導体と、上記挿入導体がわずかな
間隙を有して挿入されるように挿入導体の大径よ
りもわずかに内径が大きく形成された貫通穴を有
すると共に外面に絶縁外被を施した接続導体部材
と、上記各挿入導体の大径部に設置されてその外
周端が上記貫通穴の内面に圧接している薄板より
成形の１個のフイン状のコンタクトと、各挿入導
体の小径部に両端が圧接すると共に中央部が上記
接続導体部材の上記貫通穴の内面に圧接するよう
に形成されたばねコンタクトとを備え、上記フイ
ン状のコンタクト部及び挿入導体部により上記絶
縁母線を支持するように構成したことを特徴とす
るものである。

以下、本発明をその一実施例を示す添付図面第
４図に基づいて説明する。

絶縁母線７を接続する接続導体部材２０は、第
２図と同様に、遮断器２のブツシング２ａ，２ｂ
に結合されている接続導体４と一体に構成され、
そして、その外周面には一体注形により絶縁外被
２０ａが形成されていると共に、その内部には長
手方向に沿つて絶縁母線７に結合の挿入導体が挿
入される貫通した貫通穴２０ｂが形成されている
ことは、従来装置におけるものと同様である。

ただし、本発明においては、上記両絶縁母線７
の導体部７ａの各先端には、挿入導体３０がねじ
によるねじ込みにより一体に結合されていると共
に、この挿入導体３０の外径は、上記接続導体部
材２０の貫通穴２０ｂの内径よりも少し小さい上
記ねじ側に形成される大径部分３０ａと、上記内
径より更に小さい先端側に形成される小径部分３
０ｂとが形成され、上記各大径部分３０ａの外周
には、貫通穴２０ｂの内面との間の微小な間隙に
介在してその外周端が貫通穴２０ｂの内面に押圧
して接触する各１個のフイン状のコンタクト３１
が設けられ、また、小径部分３０ｂの外周には、
上記貫通穴２０ｂのほぼ中間に位置して装着され
たばね性の高いばねコンタクト３２の両端部がそ
れぞれ各挿入導体３０の小径部分３０ｂを押圧す
るように接触し、且つ、ばねコンタクト３２の中
央部分は上記貫通穴２０ｂの内面を押圧するよう
に接触している。従つて、ばねコンタクト３２の
両端部分は、各絶縁母線７に結合の挿入導体３０
の小径部分３０ｂに圧接されるようになつてい
る。

なお、止めリング２３，２４及びスパナ等の引
掛け穴２５，２６の構成及びその用途は、従来装
置における第３図に示すものと全く同様である。

本発明装置は、上記のように構成されるので、
フイン状のコンタクト３１部分において挿入導体
３０は一点支持となり、且つ、先端部はばね性の
高いばねコンタクト３２によつて接触しており、
従つて、挿入導体３０はフイン状のコンタクト３
１部を支点にして先端がある程度自由に動き得る
と共に、この挿入導体３０と接続導体部材２０の
貫通穴２０ｂとがセンターずれを起こしたとして
も、コンタクト３１及びばねコンタクト３２によ
り、良好な接触が得られ、その結果、大電力によ
る短絡時等のコンンタクト部の溶着が発生するこ
とはない。

また、挿入導体３０は接続導体部材２０に対し
て一点支持であるので、従来の絶縁母線７の母線
接続装置への組付けに当つても、接続導体４の調
整は不要となつて作業性が向上するばかりでな
く、コンタクト３１及びばねコンタクト３２に無
理な応力が掛らなくなり、また、温度変化による
母線の伸縮によつても、無理な荷重が掛らず、更
にその結果、絶縁母線７の導体部７ａと挿入導体
３０とを結合するねじ部の焼き付きも皆無とな
る。

以上のように本発明によれば、１個のコンタク
トとばねコンタクトとの組合せにより、挿入導体
を一点支持式で支持して電気的、機械的に結合す
るようにしたので、組立上の誤差及び絶縁母線の
伸縮を完全に吸収することができ、しかも、絶縁
母線の導体部と挿入導体との組付けも容易とな
り、その結果、従来のような母線接続のための各
部の位置等の調整が不要となつて接続の作業性が
向上すると共に、確実な接触が得られるという効
果を有している。

【図面の簡単な説明】

第１図は従来の母線接続装置を備えた大電力、
大電流用閉鎖配電盤の概略平面図、第２図はその
−線による断面図、第３図は第１図の−
線による拡大断面図、第４図は本発明による母線
接続装置の一実施例の断面図である。 １…筐体、２…遮断器、４，５…接続導体、７
…絶縁母線、７ａ…導体部、７ｂ…絶縁外被、８
…母線接続装置、２０…接続導体部材、２０ｂ…
貫通穴、２１，３０…挿入導体、２２，３１…コ
ンタクト、２３，２４…止めリング、３０ａ…大
径部分、３０ｂ…小径部分、３２…ばねコンタク
ト。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ 接続される２本の絶縁母線の導体部先端にね
   じ結合されると共に上記ねじ側が大径に且つ先端
   側が小径に形成された挿入導体と、上記挿入導体
   がわずかな間隙を有して挿入されるように挿入導
   体の大径部分の外径よりもわずかに内径が大きく
   形成された貫通穴を有すると共に外面に絶縁外被
   を施した接続導体部材と、上記各挿入導体の大径
   部分に設置されてその外周端が上記貫通穴の内面
   に圧接している薄板により成形の１個のフイン状
   のコンタクトと、各挿入導体の小径部分に両端が
   圧接すると共に中央部が上記接続導体部材の上記
   貫通孔の内面に圧接するように形成されたばねコ
   ンタクトとを備え、上記フイン状のコンタクト部
   及び挿入導体部により上記絶縁母線を支持するよ
   うに構成したことを特徴とする閉鎖配電盤用母線
   接続装置。