JPS635524Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 産業上の利用分野 本考案は滑らない靴底に関するものである。

従来の技術とその問題点 従来の運動靴やサンダル、ゴム靴等に於ては、
合成ゴム、ゴムその他の材質にて、所要形状の靴
底を形成し、かつ底面に滑り止めとなる凹凸を刻
設している。しかし、この各種の凹凸模様は、グ
ラウンドを走行したり、歩行したりする場合、所
望の滑り止め作用をするが、同じ運動靴やサンダ
ル等でＰタイル床面やあるいは表面が平滑仕上げ
としたコンクリート床面などの歩行時、しばしば
滑つて危険である。特に冬期、街路などが凍結し
た場合での滑り止め作用はほとんど不可能であつ
たり、さらには磯釣等、岩場を歩く場合も従来の
ゴム靴底や運動靴底では滑りやすく危険である。

本考案では、従来と同じように靴底の底面を凹
凸模様を有する合成ゴム等をもつて所要の靴底形
状に形成し、かつ、足の踵部面と土踏まずより前
方の足裏面に複数のリング形状の突条を底面凹凸
部より少し突出するように、しかも、体重により
圧縮変形可能にして一体に形成し、突条内に通孔
を設けると共に、靴底の接地面と反対の上面側
で、踵部と土踏まずより前方の足裏部にくぼみを
形成し、複数のスパイタ片をリング形状突条に対
応する位置・間隔に設けた基台部をくぼみに嵌合
させ、各スパイク片の先端をリング形状の突条内
で、かつ、リング形状の突条の先端面より少しく
低い状態で覗かせるようになす。

実施例 次に本考案の滑らない靴底にについて、図面に
示す実施例に基づき説明する。

第１図は靴底の底面図で該図に於て１は靴底
で、これは、ぞうり、サンダル、運動靴等の靴底
形状にしかも、合成ゴム、天然ゴムなどの材質を
もつて所要の形状に形成する。勿論底面側（接地
面）には凹凸２を靴底の全面もしくは土踏まずを
除いた踵部と足裏に形成し、一般の道路やグラウ
ンド（運動場）の歩行や走行時に滑らないように
なす。そして、この靴底の底面側即ち接地面側に
は最も接地する箇所で、床面をけつたり体重を支
持する部分例えば、踵部と足裏（土踏まず）よよ
り前方の足裏面）面部に於て、リング形状の突条
３を多数形成する。この時突条３は、踵部や足裏
の面積によつて夫々所要数を設けるようになし、
図面の実施例ではその一例を示すもので、この突
条の数や配置方法は限定されるものではない。そ
してこの突条３は靴底の底面凹凸２よりも少し突
出するように即ち短い筒状にして靴底の本体と一
体に成形すると共に、靴を履く人の体重によつて
圧縮変化しやすいように、肉厚、リング径等が定
められるが、この突条３は、円形の他に、四角形
等の多筒形、菱形、ハート形その他の形状をする
ことも可能である。突条３内にはスパイク片の先
端を覗かせるための通孔を設ける。

また靴底１の接地面と反対側の上面側で、踵部
と足裏部に少しのくぼみ４，５を形成し、この各
くぼみ内にスパイク６，７を嵌合する。このスパ
イクは靴底と同質もしくは硬い材質の合成樹脂、
あるいは鉄、その他の金属をもつて形成するもの
で、このスパイクは靴底のくぼみ４又は５に嵌合
される基台部６１，７１とこの基台部にしかも各
突条内に位置する間隔及び配置形態にスパイク片
６２，７２を複数個突設して成るもので、このス
パイクは靴底１を成形した後、そのくぼみ内に嵌
合あるいは嵌合接着せしめて一体とするか、もし
くは靴底を成形時、予じめ成形しておいたスパイ
クをインサートによつて一体に成形するものであ
る。この時各リング形状の突条内に覗かせるスパ
イク片６２，７２は通孔を挿通してその先端が突
条の先端面より少しくぼんだ位置となるように
し、体重にて突条が圧縮変形した時、このスパイ
ク片の先端が変形突条面より少し突出し床面に接
するようになす。

尚、このように形成した靴底はそのまま運動靴
やサンダル、ぞうりの底として使用するが、この
ままでは厚さが不足する場合、あるいはハイヒー
ルとする場合等には、この靴底の上面に他の弾性
材、例えばスポンジ材やヒール部材を接着して靴
底として使用することがある。勿論ハイヒール用
靴底とする場合は上記靴底は平坦なものをハイヒ
ール様に屈曲加工するものである。

作 用 従つて上述の如く構成する靴底を運動靴、サン
ダル、ぞうり、ゴム長靴（雨靴）などにに用いた
場合、運動場や一般の道路などの歩行や走行時に
は、凹凸あるいは体重にて変形した突条が接地に
滑り止めの作用をする。

そしてＰタイル床や平滑なコンクリート床面あ
るいは岩場ななどでは体重にて変化した突条より
スパイク片６２，７２が突出するようになつてこ
のスパイクが床面あるいは岩場に接地もしくは喰
い込むように作用し、滑りが完全に防止されるも
のである。勿論この場合でも凹凸や変形した突条
も接地して滑り止めの作用をしているものであ
る。

考案の効果 而して本考案は靴底裏面の踵部や足裏部に筒状
の突条を靴底凹凸面より少し突出するようにして
一体に形成し、しかもこの各突条内にスパイクを
覗かせるうににしているため、グラウンドや道路
での歩行、走行時の滑り止めが行なわれると共
に、従来の靴底では滑りやすかつなＰタイル床、
平滑なコンクリート床、岩場でも滑り止めが完全
に行なわれる効果がある。

【図面の簡単な説明】

図面は本考案滑らない靴底の一実施例を示し、
第１図は底面図、第２図は上面図、第３図は側面
図、第４図は断面図、第５図は滑り止め作用をし
ている状態の説明図である。 １……靴底、２……凹凸、３……突条、４，５
……くぼみ、６，７……スパイク、６１，７１…
…基台部、６２，７２……スパイク片。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 靴底の底面を凹凸模様を有する合成ゴム等をも
   つて所要の靴底形状に形成し、かつ、足の踵部面
   と土踏まずより前方の足裏面に複数のリング形状
   の突条を底面凹凸部より少し突出するように、し
   かも、体重により圧縮変形可能にして一体に形成
   し、突条内に通孔を設けると共に、靴底の接地面
   と反対の上面側で、踵部と土踏まずより前方の足
   裏部にくぼみを形成し、複数のスパイク片をリン
   グ形状突条に対応する位置・間隔に設けた基台部
   をくぼみに嵌合させ、各スパイク片の先端をリン
   グ形状の突条内で、かつ、リング形状の突条の先
   端面より少しく低い状態で覗かせてなる滑らない
   靴底。