JPH0228724Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 産業上の利用分野 この考案は、例えばサンダル、靴等の履物の底
部を構成する滑止め履物底に関する。

従来の技術 従来、合成樹脂またはゴムよりなる履物底本体
の下面に、これより摩擦力の大きい素材によりつ
くられた滑止め部材を接着剤を介して貼り付ける
ことにより、履物底を形成するとは既に知られて
いる。また従来、柔軟なゴムよりなる履物底本体
と、スパイクを有した複数の硬質樹脂片とよりな
り、履物底本体に硬質樹脂片が、これのスパイク
を履物底本体の下面より下方に突出した状態に埋
入されている靴は既に知られている。

考案が解決しようとする課題 しかしながら、上記従来の前者の履物底では、
接着剤を使用するために材料費が高くつき、また
貼付け作業も面倒であつて、履物底の製造を容易
かつ安価になし得ず、さらに長期の使用により接
着剤が劣化して、滑止め部材が履物底より脱落し
てしまい、所期の滑止め作用を果さないという問
題があつた。また上記従来の後者の靴では、スパ
イクが履物底本体の下面より下方に突出してい
て、このスパイクを地面に突き刺して、靴の滑り
を止めるものであるから、歩行面が柔らかい所で
ないと、靴の滑りを止めることができず、例えば
体育館のフロアなどでは、スパイクによつてフロ
アを傷めるという問題があつた。

この考案の目的は、上記の従来技術の問題を解
決し、滑り止め作用が非常に大きく、しかも耐久
性にすぐれており、また製造コストが安くつくと
ともに、見栄えが良く、デザイン性にすぐれてい
るうえに、例えば体育館のような場所で使用して
も、フロアを傷めることがなく、非常に便利な滑
止め履物底を提供しようとするにある。

課題を解決するための手段 この考案は、上記の目的を達成するために、合
成樹脂またはゴムよりなる履物底本体と、履物底
本体より摩擦力の大きい素材によりつくられた板
状連結片によつて所定間隔おきに一体に結合され
た複数個の滑止め突起を備えた滑止め部材とより
なり、履物底本体に滑止め部材が滑止め突起を履
物底本体の下面より表わした状態に埋め込まれて
いる滑止め履物底において、上記滑止め突起が、
中空部を有する短い筒形を有しており、履物底本
体に、上記滑止め部材がそれぞれ滑止め突起の先
端面を履物底本体の下面に表わした状態に埋め込
まれ、各滑止め突起の周囲に、該突起を囲む環状
凸部が履物底本体より一体に設けられ、滑止め突
起の先端面と環状凸部の先端面とが略同レベルと
なされている、滑止め履物底を要旨としている。

実施例 つぎに、この考案の実施例を図面に基づいて説
明する。

この考案の第１実施例を示す第１図〜第３図に
おいて、履物底１は、合成樹脂またはゴムよりな
る履物底本体２と、履物底本体２より摩擦力の大
きい素材によりつくられかつ薄板状の連結片１４
によつて所定間隔おきに一体に結合されかつ中空
部１５を有する３個の短い筒形の滑止め突起１３
を備えた左右一対の滑止め部材１２とよりなる。

そして、第１図に示すように、履物底本体２の
前半部の下面と踵部の下面とに、それぞれ履物底
本体２より一体につくられた多数の滑止め用凸部
１１が設けられ、履物底本体２の前半部に、上記
一対の滑止め部材１２がそれぞれ滑止め突起１３
の先端面１３ａを履物底本体２の下面に表わした
状態に埋め込まれている。また各滑止め突起１３
の周囲に、該突起１３を囲む環状凸部１６が履物
底本体２より一体に設けられ、滑止め突起１３の
先端面１３ａと環状凸部１６の先端面とが略同レ
ベルとなされている。このため、滑止め突起１３
は、これの先端面１３ａしか外部に表われないの
で、見栄えが良く、デザイン性にすぐれている。

なお、図示の滑止め部材１２は左右対称の一対
のものが用いられているが、これに限らず滑止め
部材１２は複数個の滑止め突起１３が連結片１４
により一体に結合されたものであればよい。従つ
て例えば図示の６個の滑止め突起１３が１つの環
状の連結片１４によつて結合されているような場
合も含まれる。

履物底本体２と滑止め部材１２とは、相互に硬
度、弾性および摩擦力の異なる異種の合成樹脂ま
たはゴムによつてつくられている。具体的には、
履物底本体２としては例えば微細な気泡を有する
軟質ポリウレタンを使用し、滑止め部材１２とし
ては例えばゴムを使用する。なお履物底本体２の
色と滑止め部材１２の色とを種々異ならせること
により、優れたデザインの履物底１を得ることが
できる。

上記のように滑止め部材１２は、これの滑止め
突起１３だけでなく連結片１４も履物底本体２に
埋め込まれているので、従来のような接着剤は全
く不要であり、滑止め部材１２は履物底１の長期
の使用においても脱落するようなことがなく、耐
久性にすぐれている。また滑止め部材１２はその
形状が簡単であり、滑止め部材１２自体の製造は
容易である。

第４図〜第６図は、この考案の第２実施例を示
すものである。ここで、上記第１実施例の場合と
異なる点は、履物底１の踵部４にも後側滑止め部
材３が取り付けられている点にある。この後側滑
止め部材３は、下向きの多数の接地用凸部５を有
しており、また滑止め部材３の周縁部には多数の
貫通孔７を有する鍔状の張出部６が設けられてい
る。そして履物底本体２の踵部４に滑止め部材３
がこれの凸部５の先端を下面に表わした状態に埋
め込まれ、該滑止め部材３の張出部６の貫通孔７
の内部に、履物底本体２の成形時に流入固化した
素材の一部よりなる結合部８が履物底本体２に一
体に形成されているものである。

なお、この第２実施例においては、接地用凸部
５は後側滑止め部材３の接地用凸部５は３列に並
列状に設けられていて、横断面略直角三角形状を
有している。そして左右両側の列の凸部５はその
垂直面を前方に向けて配置され、中央の列の凸部
５はその垂直面を後方に向けて配置されていて、
凸部５の向きが異なるものとなされている。また
滑止め部材３の上面には浅い凹部９が設けられて
いて、履物底本体２の素材がこの凹部９にも流入
して固化せしめられている。履物底本体２の上部
には、材料の使用量を少なくして、軽量化を果た
すための凹部１０が設けられている。

この第２実施例のその他の点は、上記第１実施
例の場合同様であり、図面において同一のものに
は同一の符号を付した。

なお、上記滑止め部材１２の全体形状は、図示
のものに限らず、その他のものであつても勿論よ
い。

考案の効果 この考案は、上述のように、合成樹脂またはゴ
ムよりなる履物底本体と、履物底本体より摩擦力
の大きい素材によりつくられた板状連結片によつ
て所定間隔おきに一体に結合された複数個の滑止
め突起を備えた滑止め部材とよりなり、履物底本
体に滑止め部材が滑止め突起を履物底本体の下面
より表わした状態に埋め込まれている滑止め履物
底において、上記滑止め突起が、中空部を有する
短い筒形を有しており、履物底本体に、上記滑止
め部材がそれぞれ滑止め突起の先端面を履物底本
体の下面に表わした状態に埋め込まれているもの
で、滑止め突起が中空状で、吸盤形となされてい
るので、滑り止め作用が大きく、とくに歩行のさ
い、滑止め突起先端の環状面の外周縁部および内
周縁部が歩行面に当たるため、滑り止め作用が非
常に大きいものである。しかも履物底本体に、滑
止め部材の滑止め突起の一部だけでなく、連結片
も埋め込まれているので、従来のような接着剤は
全く不要であり、滑止め部材は履物底の長期の使
用においても脱落するようなことがなく、耐久性
にすぐれている。また滑止め突起が中空状である
から、材料の使用量が少なくてすみ、それだけ製
造コストが安くつく。さらに、各滑止め突起の周
囲に、該突起を囲む環状凸部が履物底本体より一
体に設けられているので、見栄えが良く、デザイ
ン性にすぐれているとともに、滑止め突起の先端
面と環状凸部の先端面とが略同レベルとなされて
いるから、例えば体育館のような場所でも、フロ
アを傷めることがなく、使用に便利である、とい
う効果を奏する。

【図面の簡単な説明】

第１図〜第３図は、この考案の第１実施例を示
すもので、第１図は本考案品の底面図、第２図は
本考案品の前部の要部拡大断面図、第３図は滑止
め部材のみの拡大底面図である。第４図〜第６図
はこの考案の第２実施例を示すもので、第４図は
本考案品の底面図、第５図は本考案品の踵部の要
部拡大断面図、第６図は後側滑止め部材のみの拡
大底面図である。 １……履物底、２……履物底本体、１２……滑
止め部材、１３……滑止め突起、１３ａ……滑止
め突起の先端面、１４……連結片、１６……環状
凸部。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 合成樹脂またはゴムよりなる履物底本体２と、
   履物底本体２より摩擦力の大きい素材によりつく
   られかつ板状連結片１４によつて所定間隔おきに
   一体に結合された複数個の滑止め突起１３を備え
   た滑止め部材１２とよりなり、履物底本体２に滑
   止め部材１２が滑止め突起１３を履物底本体２の
   下面より表わした状態に埋め込まれている滑止め
   履物底において、上記滑止め突起１３が、中空部
   １５を有する短い筒形を有しており、履物底本体
   ２に、上記滑止め部材１２がそれぞれ滑止め突起
   １３の先端面１３ａを履物底本体２の下面に表わ
   した状態に埋め込まれ、各滑止め突起１３の周囲
   に、該突起１３を囲む環状凸部１６が履物底本体
   ２より一体に設けられ、滑止め突起１３の先端面
   １３ａと環状凸部１６の先端面とが略同レベルと
   なされている、滑止め履物底。