JPS6353371B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は可変ベンチユリ型気化器に係わり、更
に詳しくは、吸気道を流れる空気流量に応じてベ
ンチユリ面積を可変制御する負圧摺動絞り弁を有
すると共に、前記負圧摺動絞り弁の作動ストロー
クを負圧室内に設けた絞り弁レバーで制御するよ
うにした可変ベンチユリ型気化器の改良に関す
る。

従来、上記の如き可変ベンチユリ型気化器にお
いては、操作レバー及び絞り弁レバーを開動作す
ると負圧摺動絞り弁は押下力から開放されて、上
下の圧力差によつて開閉動作する構造になつてい
る。従つて操作レバー及び絞り弁レバーを急開し
た場合に於いて、その時丁度負圧室内に強い負圧
が作用していた場合、負圧摺動絞り弁が急上昇し
ベンチユリ部を急開してしまい、空気流量が多く
なるのに比べて、燃料の追随が遅れて一時的に混
合気が稀薄になり、機関ノツクや、いわゆる機関
のもたつきを招き易く、加速不良や所期の出力も
得られない場合があつた。

そこで、特公昭44−19483号公報や、実公昭43
−23922号公報にみられるように、負圧摺動絞り
弁を直接ダンパースプリングで閉方向に付し、操
作レバーの急開操作時に該負圧摺動絞り弁を徐々
に開動作するようにした技術が提案されている。

これによれば、操作レバー及び絞り弁レバーを
急開させた場合に、負圧摺動絞り弁を急上昇させ
ることなく、緩徐に上昇でき、混合気の稀薄化を
生じさせることがない。

本発明も、この種のものに関するものである
が、従来はダンパースプリングを直接負圧摺動絞
り弁に押圧させていたので、このダンパースプリ
ングの設定及びその設計がむずかしいものであつ
た。即ち負圧摺動絞り弁に対する閉方向付勢力
は、負圧摺動絞り弁４に与えられる負圧による上
昇力を打消さない程度に決めなければならない所
であるが、従来は負圧摺動絞り弁に直接ダンパー
スプリングを押し当てているので、上記付勢力を
スプリングばね定数のみで決めねばならず、その
設定がむずかしい所であり、多種多様な特性の気
化器に必ずしも適用できる技術的手段ではなかつ
た。

従つて本発明の目的とする所は、操作レバー及
び絞り弁レバーを急開させた場合に、負圧摺動絞
り弁を急上昇させることなく、緩徐に上昇させ、
混合気の稀薄化を防止するも、この利点を可能に
する負圧摺動絞り弁に対する閉方向付勢力の設定
をより容易と成し、この種気化器の製造を容易と
すると共に、強いては上記作用を可能にする負圧
摺動絞り弁に対する閉方向付勢力をより正確に出
し得る手段を提供するにある。従つて、多種多様
な特性の気化器の全てに適用できる手段を提供す
るにある。

次に添付図面に従い本発明の実施例を詳述す
る。

第１図中、１は内部に吸気道２が貫通した気化
器本体であり、該吸気道２の上側に案内筒３が形
成され、その案内筒３内に負圧摺動絞り弁４が摺
動自在に配設されている。そして負圧摺動絞り弁
４の下部にはジエツトニードル５が支持され、こ
のジエツトニードル５がニードルジエツト６内に
挿入配置されて燃料吐出間隙を形成している。他
方負圧摺動絞り弁４の上部にはダイヤフラム７が
取着しており、このダイヤフラム７の上下に負圧
室８と大気室９が区分形成され、前記負圧室８に
は吸気道２内の負圧が急圧摺動絞り弁４に穿設し
た負圧通路１０，１０を介して導入される一方、
大気室９には大気導入路１１を介して大気が導入
されるようになつている。

前記負圧室８を形成したトツプケーシング１２
の内部一側にはスロツトルシヤフト１３が回転自
在に架設され、このスロツトルシヤフト１３に対
して絞り弁レバー１４の基部が回動自在に取付け
られ、その先端部は負圧摺動絞り弁４の頂部１５
に当接される。絞り弁レバー１４は長片１６と短
片１７を平面Ｌ字状に連設した板体でなるレバー
部１４ａと、前記短片１７の端部に直角に連設し
た板体１３に筒体１９を、短片と平行に固着して
なる取付部１４ｂで構成され、取付部１４ｂの筒
体１９をスロツトルシヤフト１３に嵌装して回動
自在とする。そして絞り弁レバー１４の取付部１
４ｂを形成した筒体１９の外側に設けたダンパー
スプリング２０の一端をレバー部１４ａの短片１
７の側縁部に掛止すると共に、他端をケーシング
１２の内壁に掛止することによつて絞り弁レバー
１４を矢印２１の方向に付勢すると共に、スロツ
トルシヤフト１３の側壁に穿設したストツパーピ
ン２２を絞り弁レバー１４のレバー部１４ａを形
成した短片１７の側縁部に衝合させて、絞り弁レ
バー１４が矢示２３方向へ回動するのを制限する
ようにしてある。上記においてスロツトルシヤフ
ト１３の回転はアクセル（図示していない。）と
連結された操作レバー２４を介して制御される。

上記の可変ベンチユリ型気化器において、機関
が回転すると吸気道２に生じた負圧が負圧通路１
０，１０を介して負圧室８に導かれ、負圧室８と
大気室９に圧力差を生じて負圧摺動絞り弁４は
徐々に上昇する。この上昇は負圧摺動絞り弁４自
体の重量による下方への力と、圧力差による上方
への力が均衡するまで続き、絞り弁レバー１４を
この均衡する位置以下の所に位置するように開度
を定めればその位置で停まる。そしてこの任意の
状態から絞り弁レバー１４を更に開ければ、負圧
摺動絞り弁４は更に上昇し、ベンチユリ面積およ
び燃料吐出間隙が増し、機関の加速が図られる。
逆に上記の任意の状態から絞り弁レバー１４を閉
動作させれば、負圧摺動絞り弁４は強制的に降下
されて減速が図られる。

そして、いま絞り弁レバー１４を第１図図示の
ように閉位置にして負圧摺動絞り弁４が低開度状
態にあるものとし、この状態から機関を急加速す
るべく操作レバー２４を急開操作した場合を考え
る。この場合、先ずスロツトルシヤフト１３が回
転してストツパーピン２２と絞り弁レバー１４の
掛止が外れ、絞り弁レバー１４を介してスロツト
ルシヤフト１３から加えられていた負圧摺動絞り
弁４に対する押下力が解除され、負圧摺動絞り弁
４にはダンパースプリング２０の付勢力による押
下力のみが加わる。この場合負圧室８内に強い負
圧が導入されたとすると負圧摺動絞り弁４は急上
昇せしめられようとするが、ダンパースプリング
２０の付勢力による押下力が加わつているので、
急上昇することなく緩徐に上昇することになる。
その緩徐な開動作は負圧摺動絞り弁４の頂部１５
と絞り弁レバー１４の先端部が常時、当接した状
態にあるので、絞り弁レバー１４のレバー部１４
ａがスロツトルシヤフト１３に穿設したストツパ
ーピン２２に掛止した所まで行なわれる。

このように操作レバー２４を急開操作した場
合、負圧摺動絞り弁４の上昇を緩徐にして、ベン
チユリ部を徐々に開動作するので、機関に対して
は、要求空気量を流入させると共に、これに追随
させて燃料も流入させることができる。

そして、減速する場合には、スロツトルシヤフ
ト１３のストツパーピン２２と絞り弁レバー１４
が互いに衝合することから、スロツトルシヤフト
１３の回転に従つて、絞り弁レバー１４が閉方向
に回動し、これと同時に負圧摺動絞り弁４も押し
下げられ、絞り弁レバー１４と負圧摺動絞り弁４
は一体的に動作することとなる。

上記に於いて、絞り弁レバー１４を基準にして
考えると、絞り弁レバー１４を押し上げようとす
る回転モーメントは、負圧摺動絞り弁４に対する
負圧上昇力と絞り弁レバー１４の長辺１６の長さ
の積であり、他方絞り弁レバー１４を押し下げよ
うとする回転モーメントは、ダンパースプリング
２０のばね定数によつて定まる張力と、ダンパー
スプリング２０の一端が止着されている短片１７
のシヤフト１３からの距離の積である。即ち、単
にダンパースプリング２０のばね定数だけで、負
圧摺動絞り弁の閉方向付勢力を定めているもので
はない。絞り弁レバー１４の長辺１６の長さや、
シヤフト１３からの短片１７の距離や、ダンパー
スプリング２０のばね定数で定めているもので、
このように調節要素が複数あるので、負圧摺動絞
り弁に対する好適な開方向付勢力を設定し易いも
のであり、この技術的手段は種々特性の気化器に
も適用できる。

次に第３図に示した実施例は、スロツトルシヤ
フト１３に絞り弁レバー１４を回動自在に取付け
て、絞り弁レバー１４の開方向の回動はスロツト
ルシヤフト１３に穿設したストツパーピン２２で
制限すると共に、トツプケーシング１２と絞り弁
レバー１４のレバー部１４ａとの間にダンパース
プリング２５を設けたものである。

この実施例においても、絞り弁レバー１４を急
開操作すると、スロツトルシヤフト１３から絞り
弁レバー１４を介して負圧摺動絞り弁４に加えら
れていた押下力が解除され、負圧摺動絞り弁４に
はダンパースプリング２５の付勢力による押下力
のみが加わる。従つて負圧摺動絞り弁４は前記実
施例と同様に緩徐に上昇し、ベンチユリ部を徐々
に開動作して、要求空気量を流入させると共に、
これに追随させて燃料も流入させることができ
る。減速すべくスロツトルシヤフト１３を閉方向
に回転した場合は、スロツトルシヤフト１３に穿
設したストツパーピン２２と絞り弁レバー１４が
衝合しているので絞り弁レバー１４も閉方向に一
体的に回動し、これに従つて負圧摺動絞り弁４が
降下する。

この例の場合も、絞り弁レバー１４を基準にし
て考えると、絞り弁レバー１４を押し上げようと
する回転モーメントは、負圧摺動絞り弁４に対す
る負圧上昇力と絞り弁レバー１４の長辺１６の長
さの積であり、他方絞り弁レバー１４を押し下げ
ようとする回転モーメントは、ダンパースプリン
グ２５のばね定数によつて定まる張力と、ダンパ
ースプリング２５がのつている長辺１６のシヤフ
ト１３からの距離の積である。このように絞り弁
レバー１４の長辺１６の長さや、ダンパースプリ
ング２５がのる長辺１６の位置や、ダンパースプ
リング２５のばね定数で定めているので、負圧摺
動絞り弁に対する好適な閉方向付勢力を設定し易
い。

以上に説明の通り本発明は、吸気道を流れる空
気流量に応じてベンチユリ面積を可変制御する負
圧摺動絞り弁を有すると共に、該負圧摺動絞り弁
の作動ストロークを負圧室内に設けた絞り弁レバ
ーで制御するようにした可変ベンチユリ型気化器
であつて、前記負圧摺動絞り弁を負圧室内に配し
たダンパースプリングで閉方向に付勢し、操作レ
バーの急開操作時に該負圧摺動絞り弁を徐々に開
動作させるようにした可変ベンチユリ型気化器に
於いて； 前記負圧室８内に於いて回転自在に軸支された
スロツトルシヤフト１３に対して前記絞り弁レバ
ー１４の基部が回動自在に取付けられ、この絞り
弁レバー１４は長片１６と短片１７を平面Ｌ字状
に連設した板体より成るレバー部１４ａと、前記
短片１７の端部に直角に連設した板体１８に筒体
１９を短片と平行に固着してなる取付部１４ｂで
構成され、取付部１４ｂの筒体１９をスロツトル
シヤフト１３に嵌装して回動自在とし、上記ダン
パースプリング２０，２５によつて上記絞り弁レ
バー１４を閉方向に付勢すると共に、スロツトル
シヤフト１３の側壁に突設したストツパーピン２
２を絞り弁レバー１４のレバー部１４ａを形成し
た短片１７の側縁部に衝合させて成ることを特徴
とする可変ベンチユリ型気化器なので、急加速状
態にするべく、絞り弁レバーを急開操作した場合
丁度その時負圧室に強い負圧が導入されたとして
も、負圧摺動絞り弁を急上昇させることなく、ダ
ンパースプリングの付勢力によつて緩徐に上昇さ
せて、ベンチユリ部を徐開するので、機関ノツク
や機関のもたつきを回避できる効果があり、機関
の加速性能を維持することができることは勿論の
こと、上記作用を可能にする為の負圧摺動絞り弁
に対する閉方向付勢力の設定を、絞り弁レバーの
長辺の長さや、ダンパースプリングの張力がかか
る絞り弁レバー上の位置及びダンパースプリング
のばね定数によつて定まる張力の複数の要因によ
つて定めることができるので、より容易に設定で
きる。従つて、急開時の負圧摺動絞り弁の徐開特
性（負圧摺動絞り弁が徐々に開動作する時の特
性）を正確に定め得るし、多種多様な特性の気化
器の個々に対して各々好適な負圧摺動絞り弁の徐
開手段を提供できる。

【図面の簡単な説明】

添付図面は本発明の実施例を示し、第１図は第
１実施例の縦断側面図、第２図は同じく第１実施
例の要部拡大斜視図、第３図は第２実施例の縦断
側面図である。 ２……吸気道、４……負圧摺動絞り弁、８……
負圧室、１２……トツプケーシング、１３……ス
ロツトルシヤフト、１４……絞り弁レバー、２
０，２５……ダンパースプリング。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 吸気道を流れる空気流量に応じてベンチユリ
   面積を可変制御する負圧摺動絞り弁を有すると共
   に、該負圧摺動絞り弁の作動ストロークを負圧室
   内に設けた絞り弁レバーで制御するようにした可
   変ベンチユリ型気化器であつて、前記負圧摺動絞
   り弁を負圧室内に配したダンパースプリングで閉
   方向に付勢し、操作レバーの急開操作時に該負圧
   摺動絞り弁を徐々に開動作させるようにした可変
   ベンチユリ型気化器に於いて； 前記負圧室８内に於いて回転自在に軸支された
   スロツトルシヤフト１３に対して前記絞り弁レバ
   ー１４の基部が回動自在に取付けられ、この絞り
   弁レバー１４は長片１６と短片１７を平面Ｌ字状
   に連設した板体より成るレバー部１４ａと、前記
   短片１７の端部に直角に連設した板体１８に筒体
   １９を短片と平行に固着してなる取付部１４ｂで
   構成され、取付部１４ｂの筒体１９をスロツトル
   シヤフト１３に嵌装して回動自在とし、上記ダン
   パースプリング２０，２５によつて上記絞り弁レ
   バー１４を負圧摺動絞り弁の閉方向に付勢すると
   共に、スロツトルシヤフト１３の側壁に突設した
   絞り弁レバー１４の開きを抑止する為のストツパ
   ーピン２２を絞り弁レバー１４のレバー部１４ａ
   を形成した短片１７の側縁部に衝合させて成るこ
   とを特徴とする可変ベンチユリ型気化器。