JPS6316853Y2

JPS6316853Y2 -

Info

Publication number: JPS6316853Y2
Application number: JP1982116784U
Authority: JP
Priority date: 1982-07-30
Filing date: 1982-07-30
Publication date: 1988-05-13
Also published as: JPS5921072U

Description

【考案の詳細な説明】本考案は吸気通路に作用する負圧の大きさに対
応して該吸気通路内を上昇するピストン弁と、そ
のピストン弁の上昇を気化器外部より操作して制
限する操作レバーとを備えた負圧式気化器に関す
るものである。

従来、この種負圧式気化器では、低速回転時か
ら加速すべく操作レバーを上方へ移動した場合、
低速回転時の吸気通路内負圧が弱く、ダイヤフラ
ムに作用する負圧が小さいためピストン弁は直ち
に上昇せず、加速に必要な燃料を即供給できない
欠点があり、機関の加速不良を招くので、加速ポ
ンプまたはその他の燃料を添加するための補正装
置も併設して使用している現状にある。

本考案は上記欠点に鑑みなされたもので、加速
ポンプ等の補正装置を併設することなく、低コス
トの負圧式気化器を提供するにあり、その特徴と
するところは、ピストン弁の上端から、バネによ
るピストン弁の上動量を設定するための小径部を
形成し、この小径部に環体を摺動自在に嵌合する
と共にこの環体と前記ピストン弁の上端に固着し
たダイヤフラム固定部材との間にバネを設置する
ことにより、ピストン弁を最小開度から一定開度
まで前記バネの作用力により上動させるようにし
たことにある。

以下図について説明すると、１は気化器本体、
２は吸気通路、３はピストン弁であり、吸気通路
２内を垂直方向に摺動するように設けられてい
る。ピストン弁３上部には小径部４が形成されて
おり、この小径部４には環体５が摺動自在に嵌合
している。この環体５はピストン弁３の小径部４
を移動できるように摺動筒部５ａを侮え、該摺動
筒部５ａ下部にはこれより径の大きな鍔部５ｂを
形成している。環体５の鍔部５ｂとピストン弁３
上端に固着されるダイヤフラム固定部材６の間に
はバネ８が設置され、このバネ８により環体５は
常に小径部４の下端肩部に付勢されている。前記
ダイヤフラム固定部材６は上部体６ａと下部体６
ｂとで構成されており、この上部体６ａと下部体
６ｂによりダイヤフラム７を挾み固定している。
９はピストン弁３の上昇限度を気化器外部からの
操作により任意に決定し得る操作レバーであり、
図示しない戻りバネにより常に下側へ付勢されて
いる。１０はダイヤフラム７上側に形成される負
圧室、１１はダイヤフラム７下側に形成される大
気室、１２はピストン弁３を吸気通路２閉塞方向
に付勢する復帰バネ、１３はピストン弁３下流の
吸気通路２と負圧室１０を連通する負圧通路、１
４は大気室１１へ大気を作用させる大気通路、１
５はピストン弁３下部より垂下するジエツトニー
ドル、１６は前記ジエツトニードル１５を係合す
るニードルジエツト、１７はメインジエツト、１
８はフロート室である。１９はピストン弁３を摺
動自在に嵌合する摺動筒であり、ピストン弁３が
一定開度以下に下がつた状態でこの摺動筒１９上
端に前記環体５の鍔部５ｂが着座する。また、バ
ネ８は復帰バネ１２に比較して作用力が大きく設
定されている。

上記のように構成した本考案の作用を説明すれ
ば、機関停止時あるいは低速回転時では、第１図
で示されるようにピストン弁３は操作レバー９に
より最小開度まで押下げられている。ピストン弁
３に嵌合される環体５は摺動筒１９上端に着座し
ており、ピストン弁３のみがダイヤフラム固定部
材６と環体５との間に設置されたバネ８を圧縮し
て押下げられている。

次に機関を加速すべく操作レバー９を上方へ急
速に移動させると、ピストン弁３は前記バネ８の
作用力により上昇力を強制的に付与され上昇す
る。この上昇力はピストン弁３の小径部４の下端
肩部４ａに環体５が着座するまで作用する。した
がつて環体５が摺動する小径部４の長さを調整す
ることにより、ピストン弁３がバネ８の作用力に
より強制的に上昇する範囲を変化させることがで
きる。

ピストン弁３がバネ８の作用力によつて一定開
度まで上昇した後は、ピストン弁３は吸気通路２
内の吸気負圧の作用力に対応して上昇し、この上
昇は復帰バネ１２の下方への作用力とダイヤフラ
ム７に作用する吸気負圧がつりあう状態に至るま
で続くが、操作レバー９をこのつりあうピストン
弁３の開度以内の任意の位置に調整しておけば、
その操作レバー９によつて決定される位置で停止
する。このように操作レバー９はピストン弁３の
上昇限度を気化器外部より決定し、機関への混合
気供給量を規制し機関を任意の回転出力に制御す
ることが可能である。

また、任意の運転状態から減速する場合には、
操作レバー９を目的の位置まで下げることによ
り、強制的にピストン弁３を下降移動させ吸気通
路２の開口面積を減少するので、機関は速やかに
減速する。

上述したように本考案では、ピストン弁上部に
小径部を形成し、その小径部に摺動自在に環体を
嵌合させると共に、前記環体とピストン弁上端に
固着されるダイヤフラム固定部材との間にバネを
設置し、操作レバー上動時にピストン弁が前記バ
ネの働きにより一定開度まで強制的に開くように
したので、吸気通路内負圧の弱い機関低速回転時
より加速する場合に、加速初期開度を強制的に付
与することができ、加速に必要な燃料が速やかに
供給され、加速性を向上させることができる。

また、ピストン弁の上端から、バネによるピス
トン弁の上動量を設定するための小径部を設け、
この小径部下端の肩部とピストン弁上端に固着さ
れたダイヤフラム固定部材との間にバネと、該バ
ネにより付勢される環体を摺動可能に嵌合したの
で、この種気化器におけるピストン弁を設定位置
まで押し上げるための構成が簡単となり、気化器
のコストダウンを図ることができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の一実施例を示す縦断面図であ
り、低速回転時を示す。第２図、第３図は本考案
の作動状態を示す部分縦断面図で、第２図はバネ
によりピストン弁が初期開度を付与された状態を
示し、第３図は吸気負圧によりピストン弁が作動
する中高速回転時を示すものである。１……気化器本体、２……吸気通路、３……ピ
ストン弁、４……小径部、５……環体、６……ダ
イヤフラム固定部材、７……ダイヤフラム、８…
…バネ、９……操作レバー。

Claims

【実用新案登録請求の範囲】

吸気負圧の作用力で上動し、復帰バネの作用力
で下動するピストン弁によつて吸気通路の開口面
積を変化させ、また前記ピストン弁はその上動限
界を気化器外部からコントロールされると共にバ
ネによつて一定の開度まで上動するように構成さ
れた負圧式気化器において、ピストン弁の上端か
ら、前記バネによるピストン弁の上動量を設定す
るための小径部を形成し、この小径部に環体を摺
動自在に嵌合すると共にこの環体と前記ピストン
弁の上端に固着したダイヤフラム固定部材との間
にバネを設置することを特徴とする負圧式気化
器。