JPS63527Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は駐車ブレーキの操作力を検出する検出
装置に関する。

近年、常用サービスブレーキと駐車ブレーキを
備えるトラツク、ミキサー車、クレーン車等の車
両は、傾斜面に停車して作業する場合のために、
その駐車ブレーキと共に常用サービスブレーキを
一定時間作動させ得るようにしているものがあ
る。

停車時、常用サービスブレーキを一定時間作動
状態に置く従来の方法としては、例えば実開昭57
−28054号公報、実開昭57−63768号公報及び実開
昭53−1740号公報に示されるように、駐車ブレー
キの操作力をコイルスプリングの変位に置換し、
このコイルスプリングの所定の変位でストローク
スイツチを動作させて所定の操作力で常用サービ
スブレーキを動作させるものがある。

しかし、この従来のものにあつては、コイルス
プリングの変位量分が駐車ブレーキ系のストロー
ク損失となるため、この損失を極力微小とするに
はコイルスプリングの線径が太くなり操作力セン
サ全体が大型化する不都合があると共に、操作力
センサの自重により操作ワイヤの湾曲が大きい場
合には、操作時の操作ワイヤの摩擦抵抗が大きく
なつたり、操作力検出装置の振れに伴う操作ワイ
ヤの首振現象によつて操作ワイヤの折損が発生す
る懸念であつた。

本考案は上記の点に鑑みて為されたもので、駐
車ブレーキ本体に一端を枢支されたレバーの他端
側に操作力により圧接する弾性体に弾性変位量検
出用の手段を設けて操作力センサを構成するとと
もに、前記レバーの他端側に設けられたピンを揺
動運動の支点として、前記弾性体取付部の反対側
に、ワイヤを貫通させた前記操作力センサのアダ
プタ部を延在させ、該延在部に前記操作力センサ
に釣合うバランスウエイトを設けた操作力検出装
置を構成し、自重による操作ワイヤの湾曲や操作
力検出装置の振れを小さくした駐車ブレーキ操作
力検出装置を提供するものである。

以下本考案の一実施例を第１図〜第３図に基づ
いて説明する。

本考案の自動車等の駐車ブレーキ系統の概略は
以下の構成である。即ち、図示しない駐車ブレー
キレバーに連結された操作ワイヤ１の反駐車ブレ
ーキレバー側の一端部には雄ねじ部６が形成され
る。この雄ねじ部６は、ブレーキシユー等を内蔵
した駐車ブレーキ本体２に該ブレーキシユーを拡
開するカム３ａを備えたピン３を介して一端を枢
支されたレバー４の他端側の回動自由なピン５に
遊嵌する。このピン５から突出する操作ワイヤ１
の雄ねじ部６に操作力センサ８が螺合してピン５
との間に介在連結固定され、駐車ブレーキレバー
に加えられた操作力を操作ワイヤ１、操作力セン
サ８、ピン５を介した直列伝達通路によりレバー
４に伝える構成となつている。

操作力センサ８は、ピン５に対して中央部に形
成した穴３２が嵌合し操作ワイヤ１遊嵌用の貫通
孔９が形成された断面Ｔ字状の回転形状のアダプ
タ１０と、このアダプタ１０の反駐車ブレーキレ
バー側にその突出した周縁部が係止され雄ねじ部
６遊嵌用の孔１１ａとこの孔１１ａに連続し雄ね
じ部６に螺合する雌ねじ部１１ｂが形成された断
面略Ｔ字状の回動形状の弾性体１２と、雄ねじ部
６に螺合するロツクナツト７等からなり、このう
ち弾性体１２には前記突出した周縁部の裏側にも
突出した周縁部が形成され、この突出した周縁部
にプリント基板１３をねじ１４により締付固定す
るとともに、該プリント基板１３に対面した凹所
１５部に弾性体１２の曲げ応力による弾性歪を検
出する歪ゲージ１６ａ，１６ｂが貼り付けられて
いる。また、ピン５を揺動運動の支点としてアダ
プタ１０の反操作力センサ側（駐車ブレーキレバ
ー側）に延びた延在部の先端には雄ねじ部３３が
形成され、この雄ねじ部３３に操作力センサ８の
重量に釣合うバランスウエイト２５が螺合して取
付けてられており、操作力センサ８重量による操
作ワイヤ１のモーメントがこのバランスウエイト
２５により打消されるようにしてある。一方、歪
ゲージ１６ａ，１６ｂは歪測定用と温度補償用と
からなり、抵抗１７，１８とともに直流電源Ｖを
入力とするブリツジ回路を構成し、その出力は増
幅器１９に入力される。この増幅器１９の出力は
常用サービスブレーキ（図示せず）を作動させる
べく所定の操作力との大小を分圧用抵抗２５，２
６により与えられる基準電圧との比較により比較
する比較器２０に入力され、その出力は前記所定
の操作力以上のとき常用サービスブレーキを作動
させる電磁弁２１駆動用の駆動回路２２に入力さ
れる。尚、２３は弾性体１２に貼付けられた歪ゲ
ージ１６ａ，１６ｂとプリント基板１３部の電気
部等を保護するカバー、２４はリード線である。

かかる構成の駐車ブレーキ系統では、駐車ブレ
ーキに操作力を加えると、その操作力は操作ワイ
ヤ１に伝わり、雄ねじ部６、雌ねじ部１１ｂを介
して弾性体１２、アダプタ１０に順に伝わつてピ
ン５に伝達しレバー４が矢印Ａ方向へ回動し、カ
ム３ａによりブレーキシユーを拡開する。そして
前記操作力が所定値に達した時に弾性体１２の弾
性歪が所定以上となり歪ゲージ１６ａ，１６ｂが
これを検出するので、増幅器１９の出力が比較器
２０の基準電圧以上となり、比較器２０が駆動回
路２２に出力し、電磁弁２１が動作して常用サー
ビスブレーキが動作する。

この本考案の操作力検出装置は、操作力センサ
８に釣合うバランスウエイト２５を剛性の高いア
ダプタ１０延在部の雄ねじ部３３に設けたので、
操作力センサ８の重量（自重）による操作ワイヤ
１の湾曲を防止でき、操作時における操作ワイヤ
１の摩擦抵抗の増大を回避して操作感覚を良好に
できる。また、バランスウエイト２５を設けたこ
とにより、慣性モーメントが増大するため、操作
力センサ８の振れを小さくでき、操作ワイヤ１が
首振りを起こすことがなく、操作ワイヤ１の首振
現象による折損を防止できる。

更に、バランスウエイト２５がアダプタ１０の
雄ねじ部３３に螺合して所定位置に取付調整可能
としたが、振動等の外乱により取付位置がずれな
いように溶接等により固着する構成としても良
い。

以上説明したように本考案によれば、駐車ブレ
ーキ本体に一端を枢支されたレバーの他端側に操
作力により圧接する弾性体に弾性変位量検出用の
手段を設けて操作力センサを構成するとともに、
前記レバーの他端側に設けられたピンを揺動運動
の支点として、前記弾性体取付部の反対側に、ワ
イヤを貫通させた前記操作力センサのアダプタ部
を延在させ、該延在部に前記操作力センサに釣合
うバランスウエイトを設けた操作力検出装置を構
成したので、操作力センサ重量による操作ワイヤ
のモーメントをバランスウエイトにより打消すこ
とができ、操作ワイヤが湾曲することを回避して
操作時における操作ワイヤの摩擦抵抗を小さくで
きる。また、バランスウエイトを設けたことによ
る慣性モーメントの増加により、操作力センサの
振れを小さくでき、操作ワイヤの首振りによる折
損を防止できる。

尚、本考案では操作力センサの一例として弾性
歪検出型を用いたが、従来公知のコイルスプリン
グ型であつても充分に適用できることは明白であ
る。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の一実施例を示す正面断面図、
第２図は第１図の上面断面図、第３図は電気系統
の概略図である。 １……操作ワイヤ、２……駐車ブレーキ本体、
４……レバー、５……ピン、６，３３……雄ねじ
部、８……操作力センサ、１０……アダプタ、１
２……弾性体、１６ａ，１６ｂ……歪ゲージ、２
５……バランスウエイト。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 駐車ブレーキ系統に加えられ、駐車ブレーキ本
   体に一端を枢支されたレバーの他端に操作ワイヤ
   を介して作用し、前記駐車ブレーキ本体を動作さ
   せる操作力を検出してこの操作力が所定以上とな
   つた時常用サービスブレーキ動作用の信号を出力
   する駐車ブレーキ操作力検出装置において、前記
   操作ワイヤに一端側を連結されて前記レバーの他
   端側に圧接する弾性体と、該弾性体に設けられた
   変位量検出用手段と、を備えた操作力センサを設
   けるとともに、前記レバーの他端側に設けられた
   ピンを揺動運動の支点として、前記弾性体取付部
   の反対側に、ワイヤを貫通させた前記操作力セン
   サのアダプタ部を延在させ、該延在部に前記操作
   力センサに釣合うバランスウエイトを設けたこと
   を特徴とする駐車ブレーキ操作力検出装置。