JPS6352741B2 - - Google Patents
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- JPS6352741B2 JPS6352741B2 JP54098936A JP9893679A JPS6352741B2 JP S6352741 B2 JPS6352741 B2 JP S6352741B2 JP 54098936 A JP54098936 A JP 54098936A JP 9893679 A JP9893679 A JP 9893679A JP S6352741 B2 JPS6352741 B2 JP S6352741B2
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Classifications
-
- H—ELECTRICITY
- H01—ELECTRIC ELEMENTS
- H01M—PROCESSES OR MEANS, e.g. BATTERIES, FOR THE DIRECT CONVERSION OF CHEMICAL ENERGY INTO ELECTRICAL ENERGY
- H01M4/00—Electrodes
- H01M4/02—Electrodes composed of, or comprising, active material
- H01M4/62—Selection of inactive substances as ingredients for active masses, e.g. binders, fillers
- H01M4/621—Binders
-
- Y—GENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
- Y02—TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
- Y02E—REDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
- Y02E60/00—Enabling technologies; Technologies with a potential or indirect contribution to GHG emissions mitigation
- Y02E60/10—Energy storage using batteries
Landscapes
- Chemical & Material Sciences (AREA)
- Chemical Kinetics & Catalysis (AREA)
- Electrochemistry (AREA)
- General Chemical & Material Sciences (AREA)
- Battery Electrode And Active Subsutance (AREA)
Description
本発明は、鉛粉,硫酸および水よりなるペース
トを支持体に塗着する鉛電池用ペースト式電極の
製造法の改良に関するもので、ペーストの支持体
への充てん性およびペーストの水分保持力を向上
して性能のすぐれたペースト式電極を提供するも
のである。 動力用,移動用,据置用などの電源として二次
電池が使用され、鉛蓄電池が最もよく知られてい
る。鉛蓄電池は、比較的低廉であることから二次
電池のうち最も多く用いられている。 鉛蓄電池は極板の構造上、ペースト式、クラツ
ド式,チユードル式などに大別され、これらの中
でペースト式は低価格でしかも高率放電にすぐれ
ているので、自動車の起動用電源などには、最も
多く採用されている。これは、ペースト式極板が
格子に活物質となるペーストを充てんし、乾燥固
化して造られているので、活物質と電解液との接
触面積が大きく、長寿命を目的としたクラツド式
のように抵抗となる活物質保護枠もないことによ
る。このように活物質は直接極板間の電解液に触
れことができ、したがつて反応に必要な硫酸が容
易に供給され、利用率が高く電圧特性もすぐれて
いる。 しかしながら、極板の強度に関しては活物質同
志の結着力のみに頼るので、充放電の繰り返しに
より収縮,膨脹した際に次第に結着力が弱まつて
いき、やがては活物質が軟化脱落し、短絡を引き
起こして容量の低下をもたらす。この点で他のク
ラツド式などに比べ、充放電サイクル寿命が短い
という欠点を有する。 上記欠点を改善するために、種々の検討がなさ
れているが、その中の一つとして、ペースト中に
フツ素樹脂、とくにポリ4フツ化エチレンのデイ
スパージヨンを添加する方法がある。 鉛粉,硫酸,水およびフツ素樹脂デイスパージ
ヨンを練合すると、練合する過程でフツ素樹脂の
粒子は次第に非常に細かい繊維状となり、鉛粉と
緻密に絡み合い、丁度ゴム状の弾性を有するよう
になる。こうして練り上げたペーストを鉛合金か
らなる格子などの支持体に充てんし、乾燥固化し
て極板としたものは、非常に強固であり、無添加
のものに比べて充放電での寿命ははるかに大とな
る。 しかしながら、フツ素樹脂デイスパージヨンを
加えたペーストは、ゴム状弾性が強く、活物質粉
末間の結着力が増す反面、鉛合金格子に簡単には
付着しないので、結果的に充てんしにくくなり、
表面をならす際にも平坦になり難いので、均一な
厚さのものも得難くなる。このような点で作業能
率がきわめて悪くなり、格子と活物質間に亀裂が
入つたり、容量のばらつきをもたらす。さらにペ
ースト充てん時に、ペーストに含まれる水分がペ
ースト外に押し出されやすく、製造工程のわずか
な差で押し出される水の量が異なるので、出来上
がつた極板間の水分比率が異なつてしまい。それ
によつて極板の容量のばらつきが生じ、また、高
率放電では水が少ない場合には悪影響を受ける。 このようにフツ素樹脂デイスパージヨンの添加
は寿命の向上には効果があるが、従来の粘性が失
われ、ゴム状弾性が強くなつて、水分の保持力が
弱まることにより、上記のような問題が出てくる
ことがわかつた。 本発明者らは、このような問題を改善するため
に、ペースト中に、ポリエチレンオキサイド、カ
ルボキシメチルセルロース、ポリビニルアルコー
ル、デン粉などの親水性高分子を添加する方法を
提案した。これらの親水性高分子の添加により、
ペーストの支持体への充てん性が良くなり、放電
容量の増大、ばらつきが少なくなる効果がある
が、未だ不充分であつた。 本発明は、親水性物質として後述のような特異
な性質を有するグラフト共重合デン粉を用いるこ
とにより、ペーストの水分保持能力を向上するも
のである。 すなわち、本発明は、フツ素樹脂デイスパージ
ヨンとともに、アクリル酸系モノマーもしくはメ
タクリル酸系モノマーをグラフト共重合したデン
粉をペーストに添加することを特徴とする。 このグラフト共重合デン粉は、中性に近い領域
では保水量がきわめて大きく、重量比で200〜300
倍程度の水を保持する能力があるが、強酸性の領
域内、たとえばPHが2程度以下の場合ではほとん
ど水を保持することがない新しい性質を有してい
る。従つて、ペーストの練合時に加える硫酸が鉛
粉と完全に反応してしまつたあとで、ペーストが
ほとんど中性を呈する状態において、ペースト中
に存在する水分の保持にきわめて有効に働く。そ
してペーストの成分として加えられる硫酸がこの
グラフト共重合デン粉に保持されることはなく、
鉛粉と硫酸が反応することを妨げることはない。 ここで、前記グラフト共重合デン粉の鉛粉に対
する添加割合は0.001重量%未満では添加の効果
がほとんど認められない。また、0.5重量%を超
えると、得られる極板の容量のばらつきが小さい
点では良好な結果を示すが、この添加物自体が極
板内部で電気抵抗の原因となるためかどうかはは
つきりしないが、高率放電性能がかえつて低下す
る現象がみられる。従つて、この添加割合は鉛粉
に対して0.001〜0.5重量%の範囲内であることが
望ましい。 また、フツ素樹脂デイスパージヨン中のフツ素
樹脂は、ポリ4フツ化エチレン、4フツ化エチレ
レ―6フツ化プロピレン共重合体、ポリ3フツ化
エチレンなどのうちから選んで用いることがで
き、その添加割合は鉛粉に対して樹脂分が2重量
%以下であることが望ましい。2重量%を超える
とゴム状弾性が強くなりすぎて支持体への充てん
が難しくなるとともに、フツ素樹脂自体が電気抵
抗となるためか放電性能が悪くなる。 以下本発明をペースト式鉛正極板に適用した実
施例について詳しく説明する。 まず、市販のポリ4フツ化エチレンの水性デイ
スパージヨン(比重1.6,樹脂分60重量%)を70
mlとなり、これに水2を加える。これを5種類
つくり、各々にアクリル酸をグラフト共重合した
デン粉(アクリル酸の共重合割合は30重量%)を
0.1g,1g,10g,50g,80g加え、それぞれ
十分に撹拌した。得られた液を各々、鉛粉10Kgに
混合し、ニーダーで練合し、練合状態のまま希硫
酸1を徐々に加えて十分に練り上げた。得られ
たペーストを大きさ10cm×10cm、厚さ1.5mmの鉛
合金格子に充てんし、各々5枚ずつの正極をつく
つた。 この場合にペーストの格子への付着性や平坦に
ならした際の厚さの均一性については、鉛粉10
Kgに対するアクリル酸グラフト共重合デン粉の添
加量0.1g〜0.5gでも効果はあるが、1g以上で
顕著な効果を有することがわかつた。 ついでこれら正極を通常の負極とともにセパレ
ータを介して交互に重ね合わせ、正極5枚、負極
6枚の構成で電そうに挿入し、希硫酸を入れて鉛
蓄電池とした。前記グラフト共重合デン粉の添加
量0.1g,1g,10g,50g,80gのペーストを
用いた電池を各々A1,A2,A3,A4,A5とする。 また、比較例として、アクリル酸グラフト共重
合デン粉の代わりにグラフト共重合しないデン粉
10gを鉛粉10Kgに対して添加し、同様な方法で作
成した負極を用いた鉛蓄電池をB、これらのデン
粉を全く添加せずに同様な方法で作成した負極を
用いた電池をCとする。 上記の鉛蓄電池をそれぞれ20個ずつ作成し、常
温において150Aの電流で急放電を行ない、端子
電圧が1Vに低下するまでの放電持続時間を調べ
た。その平均値と、各電池20個のうち、放電持続
時間が平均値の±5%以内に入る特性を示した電
池数を次表に示す。
トを支持体に塗着する鉛電池用ペースト式電極の
製造法の改良に関するもので、ペーストの支持体
への充てん性およびペーストの水分保持力を向上
して性能のすぐれたペースト式電極を提供するも
のである。 動力用,移動用,据置用などの電源として二次
電池が使用され、鉛蓄電池が最もよく知られてい
る。鉛蓄電池は、比較的低廉であることから二次
電池のうち最も多く用いられている。 鉛蓄電池は極板の構造上、ペースト式、クラツ
ド式,チユードル式などに大別され、これらの中
でペースト式は低価格でしかも高率放電にすぐれ
ているので、自動車の起動用電源などには、最も
多く採用されている。これは、ペースト式極板が
格子に活物質となるペーストを充てんし、乾燥固
化して造られているので、活物質と電解液との接
触面積が大きく、長寿命を目的としたクラツド式
のように抵抗となる活物質保護枠もないことによ
る。このように活物質は直接極板間の電解液に触
れことができ、したがつて反応に必要な硫酸が容
易に供給され、利用率が高く電圧特性もすぐれて
いる。 しかしながら、極板の強度に関しては活物質同
志の結着力のみに頼るので、充放電の繰り返しに
より収縮,膨脹した際に次第に結着力が弱まつて
いき、やがては活物質が軟化脱落し、短絡を引き
起こして容量の低下をもたらす。この点で他のク
ラツド式などに比べ、充放電サイクル寿命が短い
という欠点を有する。 上記欠点を改善するために、種々の検討がなさ
れているが、その中の一つとして、ペースト中に
フツ素樹脂、とくにポリ4フツ化エチレンのデイ
スパージヨンを添加する方法がある。 鉛粉,硫酸,水およびフツ素樹脂デイスパージ
ヨンを練合すると、練合する過程でフツ素樹脂の
粒子は次第に非常に細かい繊維状となり、鉛粉と
緻密に絡み合い、丁度ゴム状の弾性を有するよう
になる。こうして練り上げたペーストを鉛合金か
らなる格子などの支持体に充てんし、乾燥固化し
て極板としたものは、非常に強固であり、無添加
のものに比べて充放電での寿命ははるかに大とな
る。 しかしながら、フツ素樹脂デイスパージヨンを
加えたペーストは、ゴム状弾性が強く、活物質粉
末間の結着力が増す反面、鉛合金格子に簡単には
付着しないので、結果的に充てんしにくくなり、
表面をならす際にも平坦になり難いので、均一な
厚さのものも得難くなる。このような点で作業能
率がきわめて悪くなり、格子と活物質間に亀裂が
入つたり、容量のばらつきをもたらす。さらにペ
ースト充てん時に、ペーストに含まれる水分がペ
ースト外に押し出されやすく、製造工程のわずか
な差で押し出される水の量が異なるので、出来上
がつた極板間の水分比率が異なつてしまい。それ
によつて極板の容量のばらつきが生じ、また、高
率放電では水が少ない場合には悪影響を受ける。 このようにフツ素樹脂デイスパージヨンの添加
は寿命の向上には効果があるが、従来の粘性が失
われ、ゴム状弾性が強くなつて、水分の保持力が
弱まることにより、上記のような問題が出てくる
ことがわかつた。 本発明者らは、このような問題を改善するため
に、ペースト中に、ポリエチレンオキサイド、カ
ルボキシメチルセルロース、ポリビニルアルコー
ル、デン粉などの親水性高分子を添加する方法を
提案した。これらの親水性高分子の添加により、
ペーストの支持体への充てん性が良くなり、放電
容量の増大、ばらつきが少なくなる効果がある
が、未だ不充分であつた。 本発明は、親水性物質として後述のような特異
な性質を有するグラフト共重合デン粉を用いるこ
とにより、ペーストの水分保持能力を向上するも
のである。 すなわち、本発明は、フツ素樹脂デイスパージ
ヨンとともに、アクリル酸系モノマーもしくはメ
タクリル酸系モノマーをグラフト共重合したデン
粉をペーストに添加することを特徴とする。 このグラフト共重合デン粉は、中性に近い領域
では保水量がきわめて大きく、重量比で200〜300
倍程度の水を保持する能力があるが、強酸性の領
域内、たとえばPHが2程度以下の場合ではほとん
ど水を保持することがない新しい性質を有してい
る。従つて、ペーストの練合時に加える硫酸が鉛
粉と完全に反応してしまつたあとで、ペーストが
ほとんど中性を呈する状態において、ペースト中
に存在する水分の保持にきわめて有効に働く。そ
してペーストの成分として加えられる硫酸がこの
グラフト共重合デン粉に保持されることはなく、
鉛粉と硫酸が反応することを妨げることはない。 ここで、前記グラフト共重合デン粉の鉛粉に対
する添加割合は0.001重量%未満では添加の効果
がほとんど認められない。また、0.5重量%を超
えると、得られる極板の容量のばらつきが小さい
点では良好な結果を示すが、この添加物自体が極
板内部で電気抵抗の原因となるためかどうかはは
つきりしないが、高率放電性能がかえつて低下す
る現象がみられる。従つて、この添加割合は鉛粉
に対して0.001〜0.5重量%の範囲内であることが
望ましい。 また、フツ素樹脂デイスパージヨン中のフツ素
樹脂は、ポリ4フツ化エチレン、4フツ化エチレ
レ―6フツ化プロピレン共重合体、ポリ3フツ化
エチレンなどのうちから選んで用いることがで
き、その添加割合は鉛粉に対して樹脂分が2重量
%以下であることが望ましい。2重量%を超える
とゴム状弾性が強くなりすぎて支持体への充てん
が難しくなるとともに、フツ素樹脂自体が電気抵
抗となるためか放電性能が悪くなる。 以下本発明をペースト式鉛正極板に適用した実
施例について詳しく説明する。 まず、市販のポリ4フツ化エチレンの水性デイ
スパージヨン(比重1.6,樹脂分60重量%)を70
mlとなり、これに水2を加える。これを5種類
つくり、各々にアクリル酸をグラフト共重合した
デン粉(アクリル酸の共重合割合は30重量%)を
0.1g,1g,10g,50g,80g加え、それぞれ
十分に撹拌した。得られた液を各々、鉛粉10Kgに
混合し、ニーダーで練合し、練合状態のまま希硫
酸1を徐々に加えて十分に練り上げた。得られ
たペーストを大きさ10cm×10cm、厚さ1.5mmの鉛
合金格子に充てんし、各々5枚ずつの正極をつく
つた。 この場合にペーストの格子への付着性や平坦に
ならした際の厚さの均一性については、鉛粉10
Kgに対するアクリル酸グラフト共重合デン粉の添
加量0.1g〜0.5gでも効果はあるが、1g以上で
顕著な効果を有することがわかつた。 ついでこれら正極を通常の負極とともにセパレ
ータを介して交互に重ね合わせ、正極5枚、負極
6枚の構成で電そうに挿入し、希硫酸を入れて鉛
蓄電池とした。前記グラフト共重合デン粉の添加
量0.1g,1g,10g,50g,80gのペーストを
用いた電池を各々A1,A2,A3,A4,A5とする。 また、比較例として、アクリル酸グラフト共重
合デン粉の代わりにグラフト共重合しないデン粉
10gを鉛粉10Kgに対して添加し、同様な方法で作
成した負極を用いた鉛蓄電池をB、これらのデン
粉を全く添加せずに同様な方法で作成した負極を
用いた電池をCとする。 上記の鉛蓄電池をそれぞれ20個ずつ作成し、常
温において150Aの電流で急放電を行ない、端子
電圧が1Vに低下するまでの放電持続時間を調べ
た。その平均値と、各電池20個のうち、放電持続
時間が平均値の±5%以内に入る特性を示した電
池数を次表に示す。
【表】
表から明らかなように、A1〜A4はCよりも放
電時間が長く、A2〜A4はBよりも放電時間が長
い、これはA1〜A4がCよりも、A2〜A4がBより
も水分の保持性が良くなつたために、極板の微細
な多孔がより増大し、電解液の極板内部における
拡散が容易になり、高率放電に効果的となつたこ
とを示すものである。しかし、A5においては持
続時間がCより若干低下しているが、これはアク
リル酸グラフト共重合デン粉の量が増加したため
に、放電時に抵抗となつたためであると考えられ
る。 Bのグラフト共重合しないデン粉を添加したも
のは、極板としての水分保持性は向上しない。し
かし、デン粉を添加した分だけペースト活物質の
多孔度は増大し、平均持続時間は無添加のCより
も向上するが、電池のバラツキは依然としてあ
る。 また、A1〜A5はすべてB,Cに比べて放電持
続時間のばらつきが少ないことがわかる。これ
は、ペーストに添加したアクリル酸グラフト共重
合デン粉が、乾燥に至るまでのほぼ中性に近い領
域内では水分の保持能力にきわめてすぐれている
ために、格子体に充てんが完了するまでの工程に
おいて安定した水分の保持役割を果たすととも
に、電池とした強酸性の硫酸中では、ほとんど水
分(硫酸)を保持しない特別な性質のために放電
時の硫酸の拡散には何らの障害にならないためで
あると考えられる。 表に示した結果から、グラフト共重合デン粉の
添加量は、鉛粉に対して、重量比で0.001〜0.5%
が適当であることがわかる。 また上記の電池のうちA2〜A4,B,Cの各電
池を10サイクル充放電させた後の放電持続時間の
平均値(分)を調査したところ、次表の通りであ
つた。
電時間が長く、A2〜A4はBよりも放電時間が長
い、これはA1〜A4がCよりも、A2〜A4がBより
も水分の保持性が良くなつたために、極板の微細
な多孔がより増大し、電解液の極板内部における
拡散が容易になり、高率放電に効果的となつたこ
とを示すものである。しかし、A5においては持
続時間がCより若干低下しているが、これはアク
リル酸グラフト共重合デン粉の量が増加したため
に、放電時に抵抗となつたためであると考えられ
る。 Bのグラフト共重合しないデン粉を添加したも
のは、極板としての水分保持性は向上しない。し
かし、デン粉を添加した分だけペースト活物質の
多孔度は増大し、平均持続時間は無添加のCより
も向上するが、電池のバラツキは依然としてあ
る。 また、A1〜A5はすべてB,Cに比べて放電持
続時間のばらつきが少ないことがわかる。これ
は、ペーストに添加したアクリル酸グラフト共重
合デン粉が、乾燥に至るまでのほぼ中性に近い領
域内では水分の保持能力にきわめてすぐれている
ために、格子体に充てんが完了するまでの工程に
おいて安定した水分の保持役割を果たすととも
に、電池とした強酸性の硫酸中では、ほとんど水
分(硫酸)を保持しない特別な性質のために放電
時の硫酸の拡散には何らの障害にならないためで
あると考えられる。 表に示した結果から、グラフト共重合デン粉の
添加量は、鉛粉に対して、重量比で0.001〜0.5%
が適当であることがわかる。 また上記の電池のうちA2〜A4,B,Cの各電
池を10サイクル充放電させた後の放電持続時間の
平均値(分)を調査したところ、次表の通りであ
つた。
【表】
この結果から電池A2〜A4及びCについては放
電持続時間の平均値の低下は殆んどなく、一部で
は増加するものもあるが、電池Bの場合は放電持
続時間の低下が顕著であつた。 一方、作業性については、A1〜A5すべてにつ
いてほとんど問題がなく、ポリ4フツ化エチレン
デイスパージヨンの添加されていない従来のペー
ストとほぼ同様に扱うことができ、均質で格子と
も結着性のよい極板が得られた。 Cのペーストの充てんでは、ゴム状物質のため
均一な厚さのものを得ることは困難で、ペースト
自身の結着性がきわめて強固であるために、これ
が鉛格子との結着性を阻害し、充てん、ならしの
工程において、ペーストが鉛格子から一部はがれ
たりする現象が観察された。 なお、AとBのペーストの充てんでは、両者の
間に顕著な充てん性の差は認められなかつたが、
充てん時のペーストからの水分のしみ出しはAの
方がBよりやや多くみられた。 実施例においては、親水性で、中性領域に近い
領域においては水分の保持能力が大きく、強酸領
域においてはほとんど水分を保持しない物質とし
てアクリル酸グラフト共重合デン粉を用いたが、
その他に、メタクリル酸、あるいはその誘導体な
ど、アクリル酸系モノマー、メタクリル酸系モノ
マーをグラフト共重合したデン粉など、親水性
で、中性領域に近い領域では水分の保持能力が大
きく、強酸性領域ではほとんど水分を保持しない
物質であれば用いることが可能である。 また、その添加方法もとくに限定はなく、ペー
スト作成時のどの過程でもよく、粉末状で加えて
もかまわないが、均一性をよくするためには、あ
らかじめ水に溶解,分散させておくことが望まし
い。なお、2種以上の混合物であつてもよい。 以上のように、本発明によれば、品質が一定で
高性能の鉛電池用ペースト式電極を得ることがで
きる。
電持続時間の平均値の低下は殆んどなく、一部で
は増加するものもあるが、電池Bの場合は放電持
続時間の低下が顕著であつた。 一方、作業性については、A1〜A5すべてにつ
いてほとんど問題がなく、ポリ4フツ化エチレン
デイスパージヨンの添加されていない従来のペー
ストとほぼ同様に扱うことができ、均質で格子と
も結着性のよい極板が得られた。 Cのペーストの充てんでは、ゴム状物質のため
均一な厚さのものを得ることは困難で、ペースト
自身の結着性がきわめて強固であるために、これ
が鉛格子との結着性を阻害し、充てん、ならしの
工程において、ペーストが鉛格子から一部はがれ
たりする現象が観察された。 なお、AとBのペーストの充てんでは、両者の
間に顕著な充てん性の差は認められなかつたが、
充てん時のペーストからの水分のしみ出しはAの
方がBよりやや多くみられた。 実施例においては、親水性で、中性領域に近い
領域においては水分の保持能力が大きく、強酸領
域においてはほとんど水分を保持しない物質とし
てアクリル酸グラフト共重合デン粉を用いたが、
その他に、メタクリル酸、あるいはその誘導体な
ど、アクリル酸系モノマー、メタクリル酸系モノ
マーをグラフト共重合したデン粉など、親水性
で、中性領域に近い領域では水分の保持能力が大
きく、強酸性領域ではほとんど水分を保持しない
物質であれば用いることが可能である。 また、その添加方法もとくに限定はなく、ペー
スト作成時のどの過程でもよく、粉末状で加えて
もかまわないが、均一性をよくするためには、あ
らかじめ水に溶解,分散させておくことが望まし
い。なお、2種以上の混合物であつてもよい。 以上のように、本発明によれば、品質が一定で
高性能の鉛電池用ペースト式電極を得ることがで
きる。
Claims (1)
- 【特許請求の範囲】 1 鉛粉、硫酸および水よりなるペーストを支持
体に塗着するペースト式電極の製造法であつて、
前記ペーストが、アクリル酸系モノマーもしくは
メタクリル酸系モノマーをグラフト共重合したデ
ン粉とフツ素樹脂デイスパージヨンとを含有する
ことを特徴とする鉛電池用ペースト式電極の製造
法。 2 ペーストにおけるグラフト共重合したデン粉
の含有量が鉛粉の0.001〜0.5重量%、フツ素樹脂
デイスパージヨンの含有量が鉛粉の2重量%以下
である特許請求の範囲第1項記載の鉛電池用ペー
スト式電極の製造法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP9893679A JPS5624762A (en) | 1979-08-01 | 1979-08-01 | Preparation of paste electrode for lead-acid battery |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP9893679A JPS5624762A (en) | 1979-08-01 | 1979-08-01 | Preparation of paste electrode for lead-acid battery |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPS5624762A JPS5624762A (en) | 1981-03-09 |
JPS6352741B2 true JPS6352741B2 (ja) | 1988-10-20 |
Family
ID=14233000
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP9893679A Granted JPS5624762A (en) | 1979-08-01 | 1979-08-01 | Preparation of paste electrode for lead-acid battery |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPS5624762A (ja) |
Families Citing this family (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP4296742B2 (ja) | 2002-01-30 | 2009-07-15 | パナソニック株式会社 | 鉛蓄電池 |
US11735742B2 (en) | 2019-05-31 | 2023-08-22 | Gs Yuasa International Ltd. | Lead-acid battery |
Citations (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS5043693U (ja) * | 1973-08-23 | 1975-05-02 |
-
1979
- 1979-08-01 JP JP9893679A patent/JPS5624762A/ja active Granted
Patent Citations (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS5043693U (ja) * | 1973-08-23 | 1975-05-02 |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPS5624762A (en) | 1981-03-09 |
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